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熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

時事雑感:世の中、分からなくなってきた

2025年05月20日 | 政治・経済・社会時事評論
   幼少年期に、第二次世界大戦の残像が残っていた終戦後の混乱を経験して、これが常態と思っていたのだが、あれよあれよと言う間に平和日本が、Japan as No.1に昇りつめて豊かになった。と同時に、グローバリゼーションの進展で、世界が動き出してフラット化して一つになり、実に、恵まれた環境下で、老境を迎えている。
   そう思っていたのだが、世紀末から世の中が、おかしくなってきて、歴史の歯車が反転し始めた。
   虎の子の民主主義体制が軋み始めて、暗黒時代への予感が台頭してきたのである。

   大国に踊り出た中国が、大驀進して、千載一遇のチャンスだと、2049年を目標に大唐帝国の再興を目指して「総合的な国力と国際影響力という点で、世界をリードする」覇権国家へと邁進しており、
   ロシアは、ウクライナを統合して更にEUに食指を伸ばして、「ソ連」の栄光を再構築すべく軍事力を強化して拡大政策を押し通している。
   中国、ロシアとも、政権が変わらない限り、この国是からブレることはない。
   また、中近東やインドパキスタンでの紛争、中南米の政情不安など、世界各地の火薬庫が、何時火を吹きだしても不思議ではないほど、世界は危険に満ちている。
   今や、アメリカが覇権を失ってGゼロ時代に突入した上に、さらにトランプの登場で、アメリカの国力と権威が急落して、国際社会は心棒を失ってしまった。国際秩序が、迷走するのは当然であり、全く、先が見えなくなってしまったのである。

   米中貿易戦争だが、関税アップで輸入出来なくなって困るのは、中国を徹底的に搾取して製造させていた(?)低品質低価格の商品に依存していたアメリカであり、中国は一時的に経済的に打撃を受けても、アメリカからの高品質の輸入品には早晩キャッチアップするであろうし、輸出の落ち込みは貿易の多角化でカバーして、アメリカ抜きの中華経済圏を構築するであろう。

   日米の関税などの経済交渉だが、日本は、アメリカへの直接投資などでアメリカ経済に大いに貢献しているからなどと甘く考えているが、すでに、最も重要なはずの同盟国日本に対してさえ、トランプは常軌を逸した対応を迫っているのであるから、日本有利でウィンウィンの解決など有り得ない。いい加減にアメリカ頼みを卒業して、
   最後の切り札である米国国債の売却カードをテーブルに乗せるべきである。ムーディの格下げ報道は絶好の機会であり、アメリカ経済を窮地に追い込み、トランプを覚醒させるためには、この方法しかない。
   実際に売却となると、日米関係は破綻の危機に直面するであろうが、テーブルに乗せれば、トランプは分からなくても、ベッセント財務長官には、如何に強烈なダイナマイトであるかが痛いほど分かる筈である。

   とにかく、トランプが、勝手気ままな関税政策で、国際経済秩序をズタズタにして、国際貿易のみならず、国際経済を縮小傾向に追い込んだ罪は重い。歴史の針を何十年も巻き戻してしまったのである。

   しかし、慙愧に堪えないのは、この人類が営々と築き上げてきた文明社会に、信じられないような阿鼻叫喚の生き地獄が展開されているガザの惨状、
   人類が、何のために、この青い宇宙船地球号を支配し続けて行く資格があるのか、行く末が恐ろしい。

   それに、お粗末な限りではあるが、日本国民にとっては、命ともいうべきコメ行政の目も当てられないような惨劇が、平和ボケ日本の姿を象徴しているようで悲しい。
   利権に巣食う岩盤組織を叩き潰す和製トランプの出現を期待したい。
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