熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

都響プロムナードコンサートNo.386

2023年06月17日 | クラシック音楽・オペラ
   2月のC定期に行けなかったので、振り替えのプロムナードコンサート、
   随分クラシックコンサートに通ってきたが、歳の所為で、この頃では、夜を避けて殆ど昼の公演に限っている。

   プログラムは次の通り、
   出演
指揮/小泉和裕
ヴァイオリン/クララ=ジュミ・カン
   曲目
ブルッフ:ヴァイオリン協奏曲第1番 ト短調 op.26
ベルリオーズ:幻想交響曲 op.14

   欧米を含めて、半世紀以上も、クラシックコンサートやオペラに通い続けてきたので、ブルッフもベルリオーズも何度も聴いているのだが、忘れてしまうので、その都度新しい感覚で、それぞれに感激して楽しんでいる。
   ブルッフのヴァイオリン協奏曲は、レコードもCDも持っていないにも拘らず、曲想を覚えているので、コンサートで何度か聴いているということであろう。韓国系だという綺麗でスマートなクララ=ジュミ・カンは、朱色の鮮やかな羽衣状のロングドレスを踊らせながら、幻想的で叙情的な美しいサウンドを奏でて、聴衆の感興を呼ぶ。
   小泉の指揮する幻想は、事前に曲のイメージを叩き込んで聴いたので、理屈抜きでドップリと演奏にのめり込んで、気づいたらフィナーレと言った感じで、珍しくサウンドに飲まれてしまっていた。
   指揮後の小泉の上気した感激極まった表情、そして、熱狂的な聴衆のカーテンコールが、その成功を物語っている。

   私が、記憶に残っている幻想交響曲の素晴しい演奏は、1970年、大阪万博で来日したニューヨーク・フィルのコンサートで、レナード・バーンスタイン指揮の「幻想交響曲」。
   第2楽章「舞踏会」の華やかな美しいワルツの演奏で、指揮台のバーンスタインは、男性ダンサーのスタイルで踊り出すような仕草で華麗な指揮をしたのを強烈に覚えている。
   バーンスタインがタクトを下ろすと熱狂的な万雷の拍手、突然、「ブラボー」と叫ぶ大声、
   振り向いて見ると、貴賓席あたりで起ち上がって熱狂しているのは青年のような若かりし頃の小澤征爾、
   小澤征爾が我を忘れるほど、称讃したのだからバーンスタイン会心の演奏であったことは間違いなかろう。
   最晩年、自作の「キャンディード」をロンドン交響楽団で振った時には、痛々しかったが、あの当時のバーンスタインは、カラヤンにも負けないほどスマートな美男子で、指揮界きってのインテリであった。
   ニューヨークなどでニューヨーク・フィルを聴く機会があったが、忘れられないのは、コンセルトヘボーで聴いたシューベルトの「未完成」、
   最高級のビロードのような滑らかさ、最高級の赤ワインの芳醇さ、言葉では表現できないが聴いたことのないような美しい天国からのサウンドであった。
   名指揮者や巨匠を殆ど聴いてきたが、バーンスタインは忘れられない。
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