熟年の文化徒然雑記帳

徒然なるままに、クラシックや歌舞伎・文楽鑑賞、海外生活と旅、読書、生活随想、経済、経営、政治等々万の随想を書こうと思う。

今年の大晦日は、紅白歌合戦を見ない

2021年12月22日 | 生活随想・趣味
   直立不動で歌う東海林太郎の「赤城の子守歌」を覚えている世代の視聴者であるから、NHKの紅白を見るのは、何となく、年中行事のようなものであった。
   しかし、今年のプログラムを見ると、石川さゆりの「津軽海峡・冬景色」くらいしか馴染みがなく、新しいエンターティンメントの潮流かも知れないが、元々、クラシックファンで、伝統の演歌にも殆ど興味がなかったくらいであるから、私には異次元の世界で、もう、全く興味はなくなったので、おさらばである。
   リビングの紅白のテレビは、小学生の孫息子と幼稚園の孫娘に明け渡して、私は、
   大晦日の夜は、書斎に篭って、ウィーンの大晦日を思い出しながら、ウィーンと同様に、恒例のシュトラウスの喜歌劇「こうもり」のビデオを楽しもうと思っている。

   もう一つ、NHKの変節で気になったのは、女性自身の記事
   ”「ガッテン!」「生活笑百科」が終了…“中高年切り捨て”進めるNHKのお家事情”で、
   NHKの人気情報番組『ガッテン!』と笑福亭仁鶴の司会でおなじみだった『生活笑百科』が、来年3月末で終了する方向で検討されていると言う。
   「ガッテン!」は、身近な健康の話題を科学的にわかりやすく検証する番組内容は、中高年に圧倒的人気を誇り、現在も平均世帯視聴率は10%以上ある。と言うし、「生活笑百科」も、37年の歴史を誇る身近な優しい法律相談をテーマにして上方芸人が醸し出すほんわかとした大阪ムードが貴重であった。
   NHKのテレビは、BSの報道番組や芸術関係の教養番組を主体にしか見ていないのだが、この二つのプログラムは意識して見ている方で、なくなってしまうと、殆ど見るものがなくなり、どんどん、NHKから遠ざかる。

   前田晃伸氏がNHKの会長に就任してから、新番組や新企画の開発が急ピッチで進んでいます。’21年度の半年間の受信料収入は3千414億円で2年連続の減収。これが年々さらに減少すると経営陣はみています。長期的に受信料を払ってくれる若い世代を掘り起こすために、バラエティでもドラマでも若年層をターゲットとした新番組作りが最重要課題だと考えているのです。
   テレビ界全体で視聴者の減少が続いており、一昨年、テレビ広告がネット広告に抜かれてしまったという背景が現実にあります。民放各局でも、去年から視聴者のターゲット層に変化が起きている。と言う。

   一方、テレビコラムニストの桧山珠美氏は、切り捨てられる多くの中高年視聴者の怒りをこう代弁する。
   「テレビが長年の顧客である中高年向けの番組を次々と終わらせていることに大きな疑問を感じます。特に公共放送のNHKは受信料をきちんと払っている中高年が楽しめる番組を提供する義務がある。そもそも若い世代はYouTubeやNetflixなどの配信やSNSが主流で、すでにテレビの優先順位が低いのは明らか。

   結論を言うと、若者達は、テレビ以外に便利で簡便な視聴手段が五万と存在しているので、テレビを見る機会など極めて限られており、まして、NHKなど殆んど見ないし、受信料を払う気など更々ない。
   若者はスマホ漬けで、紙媒体の新聞と同じで、テレビの急速な退潮は、時代の趨勢であって止めようがない。若者迎合番組に切り替えて若者を引き込もうとする戦術など愚の骨頂だとしか思えないし、老人向け番組が減って老人離れを加速すれば、いざという時の公共放送としての使命を失う。

   私は、NHKの受信料は、衛星契約のクレジットカード払いで、12か月前払額24,185 円を支払っている。
   これは、庶民にとっては、まして、年金生活者にとっては、かなりの負担であり、支払いは個人任せであって、違法行為として罰を受けることがないならば、避けたい気持ちも分かる。まして、それに見合った放送が提供されていて、視聴者にそれだけの受益があるのかとどうかを考えれば大いに疑問であり、殆どの人は、NHKの受信料は税金のような義務だと思って支払っているのだと思う。

   随分昔の話で、今はどうかは分からないが、私がイギリスにいたときには、BBCの受信料の支払いは税金と同じで国民の義務であり、絶えずBBCの監視車両が巡回していて、受信電波をキャッチすると有無を言わせず徴収していた。
   公共放送が必用なら、これくらいのことをすべきであろう。少なくとも、BBC程度の良質の放送をするという条件でである。
コメント
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