トヨタ自動車が系列の部品メーカーに対し、部品価格を現行から3割程度引き下げるよう求めていることが分かった。21日までに部品メーカーに要請した。今後3年内に実施する計画で、12年から販売する新車価格を抑えて需要を喚起するとともに、今後成長が期待される新興国市場での価格競争力を高める。
コスト削減は全車種が対象。約200点に及ぶ部品のすべてを見直し、一部で過剰品質になっていた部品について、「価格帯に応じた必要最低限の品質」(幹部)への切り替えを進める。
トヨタは過去にも系列部品メーカーを巻き込んだ原価改善を行っており、00~06年に累計1兆円規模のコスト削減を実施。08年3月期決算では、2兆円を超える過去最高の連結営業利益を計上した。
しかし、世界的な景気悪化で自動車販売が激減。09年3月期決算では、71年ぶりとなる連結営業赤字に転落し、10年3月期も2期連続の赤字となる見通しとなっている。
各国政府の支援策で足元の販売は持ち直しているものの、支援終了後は再び販売が低迷する懸念があることや、今後成長が期待されるインドなど新興国市場で競争力を高めるには、さらなるコスト削減で販売価格を引き下げる必要があると判断した。12月22日10時37分配信 毎日新聞
いよいよ。恐れていたことが始まり出した。。
記事の話は、一企業が、単に「仕入先に対しコストダウン要請を行った」という表向きのは見方は甘い。。
そもそも車業界の部品メーカーは、既に乾いたタオルを絞るが如くのコストダウンをしている。今さら2割や3割もの大幅なコストダウンが出来る状況ではない。。
にも拘わらず、トヨタが、あえて高い目標を掲げ・・メーカーに要望したということは・・どういうことを意味するのか?・・・
その一つには来年の春闘に向けた組合側に対する強いメッセージであり、危機感を抱く企業の「決意表明」である。そして、日本を代表する企業のトヨタが・・ついにあの「鳩山政権に見切りをつけた日」と言えなくもない。。
つまり国内では、もはや人件費を始めとする様々なコスト増に対応しきれない環境になっていると考えられ、来たるべき新興国との戦いに勝つためには、国内での生産は、過酷すぎる現状と訴えているからに他はない。。
そういえば、先ごろ、ホンダも大規模なコストダウンを要望して物議をかもしたが、背景はトヨタとまったく同じであり、メーカーとしての生き残りを掛けて、インドなどの新興市場へ参入するためには・・「生半可な決意では無理である」ということを・・改めて示すものとなった。。
それはドイツにしても事情は同じであり、先日もフォルクスワーゲンが日本のスズキとの資本提携が発表されたばかり。互いの優れた技術を補完し合って、新興市場で力を結集しようというものである。。
それに引き換え、鳩山新政権は、未決ながら、国内企業に対し、新たなる環境税も導入しようと目論んでいるとか・・・更に先々では、年金の一元化に伴う必要財源の一部を企業に負担させる案もあるとか・・・
これではまるで、これまで共産党が主張して来たことと同じような類ものばかり・・・企業にとっては「生産コスト」が増すばかりで、大規模なコスト削減など到底考えられない。。
しかも追い打ちを掛けるように・・先ごろ長妻厚生労働大臣は、製造業への派遣の禁止を決められている。そんな事では・・日本の生産現場は壊滅になると憂慮されて来たのだが・・とうの大臣は一向に臆する気配がない。。
鳩山政権が、政権発足後、社会主義国のような政策を並べ過ぎた結果、・・・もうこれ以上は付き合っていられないと、企業側がブチ切れ始めたものと見る・・・今回のトヨタの声明は、業を煮やした企業主らによる政府への「ダメ出しサイン」と受け取った。。
おそらくトヨタは、傘下の部品メーカーを引き連れて、新興市場の安い労働力を目指す腹を決めたものと思われる。そもそも国内で、更なる2~3割りのコストカットが可能なら・・今頃、赤字のメーカーなどないことになる。。
それ故、傘下のメーカー各社に、トヨタと意識の共有を迫ったものと推察される。。
確かに・・昔から「籠城で勝った戦はなし」という例えはある。・・ただ、この時期の船出には・・勇気がいる。「進むも地獄、引くも地獄」・・難しい判断になろう。。
いずれにしても、これにより、今後、国内製造業の空洞化の流れが、一層加速することは、ほぼ決定的であり、雇用環境が益々悪化に向かうのは避けられない。。
そして、それらは更なるデフレ要因になり、一段と国内経済への悪化が懸念される事態が予想される。。
おそらく来年の暮れ、今年の一年を表わす一字には・・「逃」・・という字が決まるのではなかろうか・・・来たるべき年が、国内からドンドン企業が逃げて行く年にならなければいいが・・・
だとしてもそのツケは・・なんも考えず彼らに投票した人たちだけで・・賄ってもらいたい。それこそ、これ以上の増税など、まっぴら御免であり、冗談じゃない。それだけは絶対にお断りする。。。\_(-_- 彡