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YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

2 アラスカ鉄道(その1)

2011-09-11 09:00:00 | アラスカ2011秋


アラスカ鉄道、アンカレッジ駅です。この鉄道はアラスカの内陸地をつなぐ重要な貨物列車です。主線はスワードからフェアバンクスまの756Km。雪に閉ざされた冬のない陸地を1週間に1往復、燃料や資材、食料を載せて走ります。また、夏の間は観光を目的としたアンカレッジからフェアバンクスまで(途中にデナリ国立公園)を1日1往復走るスタートレインが走っています。



アンカレッジ駅の乗り場にホームはなく、地上から乗り込みます。写真に写っているのは観光会社が所有している展望車です。1階は食堂車、2階が座席になっています。紺色の車体に黄色いラインが入った車両が本来のアラスカ鉄道になります(この車体はその2で登場します)。



展望車です。天井までガラス張りの車内はとても明るいです。1両にガイド1名と飲み物や食事のサービスをしてくれる係の人が2名ついています。ちょっとリッチ♪



走り出して間もなく、遠くに北米最高峰のマッキンリーが見えてきました。頭上にはくもがあるものの地平近くはよく晴れて、マッキンリーの頂上がくっきりと見えます。ガイドブックによるとマッキンリーは雲に隠れていることが多いらしいです。とくに夏の間は1か月に数日しか見えない年もあるとありました。なんだか超ラッキーな感じです。ガイドさんによると、このような天候の時はデナリ方面は晴れていることが多いとか。アンカレッジは曇り空ですがどうやら期待がもてそうです。







アラスカはタイガとツンドラ、そして湿原でできているようです。湿原といえばついつい尾瀬を思い出してしまいます。列車は秋色の尾瀬を延々と走ります。湿原は泥炭という植物の腐植層でできています。この泥炭は気温が低く植物の分解が進まないとできるわけですが、まさにアラスカは寒い土地なので条件ぴったりです。永久凍土といい、泥炭といい、どちらも水を通しにくい土地ですから、アラスカには水たまりや沼や湖がいたるところにあります。飛行機でアンカレッジ空港に降りるとき、あたり一面に点在する水面が光っていました。



昼ごはんは生まれて初めて、あこがれの食堂車で食べました。アメリカンサイズのハンバーガーでしたが、味がよくなかなか素敵な昼食でした。なんていったって景色がいいですよね。





上空にはハクトウワシが飛んでいたりもします。シルエットだけですが、これがアメリカの国鳥「ハクトウワシ」です。翼長2m前後。悠々と空を飛ぶ姿はかっこよすぎます!!


→アラスカ旅行記3「アラスカ鉄道(その2)」へ続く

1 氷河クルーズ

2011-09-11 08:00:00 | アラスカ2011秋


アンカレッジから車で1時間半ほどにあるウッディアという港町です。氷河クルーズへ向かう船はここから出航します。港のあるプリンスウィリアム湾は「フィヨルド」という氷河が作った入り組んだ入り江が続いています。複雑に入り組んだこの湾には、クジラをはじめたくさんの海獣たちも生息しています。あいにくの雨空の下、2時間ほど進むと、青白く輝く氷塊が波間に漂っているのが見えてきました。



貧弱な発想ですが、氷の上にペンギンを置いてみたくなります。なんとも美しいいブルーです。天気が悪いことが幸いして、氷河の色がより美しく見えるらしいのです。普段は穏やかな海が、時折大きくうねり、船はジェットコースターのように揺れますが、この美しい輝きを見れたのでよしとしましょう。





こちらが氷河の本体です。サプライズ氷河という名前がついています。写真では伝わりにくいと思いますが、幅2kmほどあります。まさに氷の河。1万年以上前の氷河期から溶けることなく大地を移動して、今まさにその長い時を終えようとしている氷塊が海に面してそそり立っています。









氷河崩落の瞬間、コマ送り映像です。よーく見てください。真ん中よりやや下あたりの氷塊が落下していく様が分かるでしょうか。すでにダイジェスト版で紹介しましたが、崩落の直前から音がするんですよ。音が。「ミシミシ」というようなくぐもった音が、キーンと冷えた大気を伝わり、小さく響いてくるんです。そして、数秒後地鳴りのようなゴゴゴ…という響きとともい水しぶきがあがります。本当に大きな崩落が起きると船が揺れるほどなんだそうです。残念ながらそこまでの崩落には出遭えませんでした。もちろん大規模な崩落なんてそうそう見られるものではありません。小さな崩落だって見えない時も多いのだそうです。この日は船が停泊している30分ほどの間に、小さな崩落が3回ほど見られました。これも雨のおかげのようです。雨が氷河のすき間に入り込み、崩落を誘発したのです。今まさに海の中へと還っていく何万年も前の氷塊。今という瞬間は長い長い時の流れの中の一点にしか過ぎないのだと、地球が歩んできた時の流れに圧倒される思いです。





これがラッコの証拠写真です。荒れる波間に漂っていました。見たというにはほんの瞬間だったような…(^_^;)

天気が悪かったために、風景や生き物観察はなかなか思うようにできなかったものの、氷河のスケールはただことではありません。
氷河崩落の瞬間を目撃できたこと、それはすばらしい体験でした。


→ アラスカ旅行記2「アラスカ鉄道(その1)」へ続く