YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

突然ですが火山のお話

2020-12-11 22:39:00 | 岩石・鉱物




本日は唐突に火山のお話。なぜなら仕事で火山について勉強しているところだから()


20178月にアメリカワシントン州にあるセントヘレンズ火山へ出かけたお話。


富士山と同じ成層火山セントヘレンズ。




この山は1980.5.18に大噴火を起こしました。上の写真は噴火の直前。朝8:32


富士山と同じ形をしたこの山が、地震による地滑りで、たった33秒で大きく崩れます。





たった33∑(Д)


それまで蓋の役割をしていた部分が崩れたため、地下の高温ガスやマグマがそこから一気に地表へ。立ち上る噴煙。


この直後に上空2mまで噴煙の上がる大噴火。




高速道路は300kmにわたって破壊され、崩壊した山は標高が2950mから400mも下がり2550mに。200軒の建物と47本の橋を消失させました。



これだけの規模の噴火にもかかわらず、ハザードマップを有効に活用し、事前に策をこうじたため、多くの人が避難できましたが、それでもなお57名の方が亡くなられました。


そして、科学者たちやメディアによって撮影された、山体が崩壊する様子や森が破壊される様子など、多数の映像は、世界でも貴重な資料として注目されているのだそうです。


まず始めにに、麓のビジターセンターで、それらをまとめたビデオを視聴。




その後、山頂付近にいちばん近いビジターセンターへ。




大きい!!!!!


その一言しかなかったです。

たぶん写真では伝わらないです。

とにかく大きい!!!!!







この山が一気に崩壊したり、噴煙を上げたのかと想像するだけで身震いします。


双眼鏡とiPhoneを密着して撮影したかなりアップの写真








およそ生き物が生きられるとは思えない山肌の様子。


しかし周辺部の再生はずいぶんと進んできているように見えました。












こういう場所を果敢に開拓する生き物たちのパワーはすごい!!そしてまた新たな命の輪が広がっていくわけです。











下の2つの花なんて、めっちゃ小さいんですけどね。




こらくらい


ここのビジターセンターでも別のビデオが上映されていたので見てきました。


ビデオが終わってカーテンが開くと、目の前にセントヘレンズがどーん現れるという仕掛けが!!





それからレンジャーさんの話も聞きました。





半分もわからなかったのはいつものことですが、地球のエネルギーってはかりしれないってことをズシンと感じた体験でした。




日本はアメリカ、ロシア、インドネシアに続く世界で4番目に火山が多い国です。

今の横浜に暮らしていると火山そのものを意識することは少ないですが、身近な存在であることは間違いないです。


いつかは来ると言われている富士山の噴火や東海地震。そうした地球の活動がこの自然環境を、作り出していることに違いはないのですが、できることなら避けて通りたいものです。


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地中に埋まるロマン〜化石のお話〜

2020-12-05 08:59:00 | 岩石・鉱物



去年の話になりますが、埼玉県の「ようばけ」という崖に化石探しに行きました。

記事にする機会がなかったので改めて。



高さ100m、幅400m、秩父を代表する大露頭。

昔の人が、畑の日が暮れてもしばらく陽が当たって輝くこの大きな崖を見て、太陽の当たる崖という意味で「ようばけ」と呼んだ崖。「ハケ」とは崖の古い言い方らしいです。



河原には崖から落ちてきた石や岩が転がり、それらを割ってみると、貝やカニや植物、時にはサメの歯などの化石が見つかります。


二枚貝↑


カニの甲羅↑


植物の葉(右上)↑

古秩父湾の浅瀬に1700万年〜1500万年前に積もった地層の中に眠っていた化石たち。そんなロマンに満ちたお宝が、ど素人なわたしにも結構簡単に見つけられるものですから大興奮!!

河原への入り口に建つ「おがの化石館」では、さらに立派な化石たちに会うことができます。







こちらの化石館には、同じ秩父湾堆積層から発掘された世界の奇獣「パレドパラドカシア」の骨格復元模型が鎮座しています。



これ、どんな生き物だと思いますか?
この辺りが浅い海だった頃、海辺で暮らしていたんだそうです。

同じ海には「チチブサワラ」なんて巨大魚もいたそうです。



それてでは、パレオパラドキシアの実物大模型の発表です。

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カバ!!!

…じゃないそうです。

日本~北アメリカ大陸の太平洋側から見つかっているパレオパラドキシアは束柱目(そくちゅうもく)という独自のグループに属します。比較的近い仲間は、ゾウの仲間(長鼻目)やジュゴンやマナティーなどの仲間(海牛目)。カバ(鯨偶蹄目)とはだいぶ遠縁になるそうです。

束柱目とは、柱を束ねたような奇妙な奥歯を持ってあることからついた名前。



この模型を見ると、前歯は出っぱっているようですね。

何度見ても「カバ」にしか見えません。

日本では、35カ所から約50標本の化石が発見されているんだとか。そのうち5分の1にあたる10標本は秩父地域で見つかったもの。秩父地域は、なんと世界で最もパレオパラドキシアの化石が多く見つかっている場所なんだそうです。

なお、パレオパラドキシア、チチブクジラなど9つの化石標本と古秩父湾時代の地層が見られる6つの露頭は、「古秩父湾堆積層及び海棲哺乳類化石群」として、平成28年に国の天然記念物に指定されました。哺乳類の化石や新生代の化石、そして化石群としての指定は初めてだそうです。

こうして、地中の中を調べることで解き明かされら地球や進化の歴史。地面の下はお宝の宝庫なんですよね。



この地層にはまだ数多くの過去への手掛かりが眠っているに違いありません。

地層とか、化石とか、わたしにとっては本当に未知の世界が、ほんの少し身近に感じられました。まさに「体験に勝るものなし!!」


機会があれば足を運んでみてください。





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すごいぞ!鉄バクテリア!!!

2020-11-08 07:44:00 | 岩石・鉱物



職場の中庭に長いこと機能していなかった水辺があるのですが…。

これを直してくださる業者さんが現れ、ここ1ヶ月ほどあれこれ、ちょこちょこと工事しています。地下水を汲み上げて流す(噴水も出ます)という画期的な装置らしいのですが…。



先週、いきなり水が赤く染まる事件が勃発!!!

鉄?

サビ???



なんか、モワモワってしています…。

気になって調べてみると、これ、どうやら「鉄バクテリア」という細菌が作り出した沈殿物のようです。

鉄は地球の表層に堆積する元素の中で3番目に多く、ほとんどの生物が必要とする大切な元素。

地下水(特に表層水)には、その鉄が鉄イオン「Fe2+」という形で取り込まれていて、鉄バクテリアはそれをFe3+にエネルギーを得ているそうです。その後に作られるのが、水酸化鉄。



このモワモワはバクテリアが作り出した水酸化鉄の鞘。バクテリアが死ぬと堆積するそうです。つまりはバクテリア死骸の集団???

鉄は世界中の地表にたくさんあるので、鉄バクテリアも世界中の至る所に普通に存在しています。目に見えないほどの小さな細菌たちが、私たちの暮らしに大きく関わっていたのでした。知らなかったー。




一見、汚く見えるのですが、なんと人畜無害。浄水場などでは、このバクテリアを利用して、水中の鉄イオンを取り除いたりしています。鉄分の多い水は「金気(かなけ)が多い」なんて言われ、味に違和感がありますので、それを取り除く働きをしているわけです。

井戸水を利用していた江戸時代、シュロの樹皮の表面に鉄バクテリアを繁殖させて鉄分を除去する「カナケ抜き」なんて作業があったんだとか…。

ただし一般的には、パイプやポンプの詰まりの原因となるため,どちらかというと迷惑物質。

また、鉄バクテリアが水面に膜を作ると油膜のように見え、油の流出や不法投棄と疑われることもしばしば。

そういえば、尾瀬でも見たぞ!!!!!



春先の水辺。
「これは油ではなく地中の成分が…」なんて、解説していたのはこのことだったのか!?

学生時代に自然解説のバイトで話していたことを、今やっとちゃんと理解し始めました(^^;;

…てことは、尾瀬で「あかしぼ(赤渋/赤芝)」と呼ばれている現象もこれかっ!!!



尾瀬では、雪解けの頃雪原が赤茶色に染まる現象が起きます。

こちらの現象も表層水の鉄イオンが関係することは間違い無いのですが、鉄バクテリアが関与しているのか、藻類が関与しているのかはっきりしないようです(最近の資料を見ると、鉄バクテリアで決着したように見えます)。

今回の「水が赤く染まった事件」。
普段あまり意識していない「鉄」をめぐる、目に見えないレベルの細菌や微小生物たちの物語を垣間見ました。

鉄を始めミネラルと呼ばれる微量元素は、実は生命を維持するために最も重と言われています。

これをきっかけに、自然界でのミネラルの動きにも目を向けていきたいなと思いました。鉄バクテリアすごいです!!!







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美しすぎるサハラの砂

2020-02-24 10:49:00 | 岩石・鉱物


写真はイメージです@アタカマ砂漠(チリ)

アルジェリアを旅された方から、サハラ砂漠の砂をいただきました。
なんてすてきなお土産!

ちなみにサハラはアラビア語で砂漠を指す言葉。なので、日本で慣例的に使われる「サハラ砂漠」は重複語にあたるんだそうです。国によっては「サハラ」とだけ記すらしい。


↑皿に少量入れたサハラの砂。

一見、「きな粉」を思わせるクリーム色の砂。かなりパウダー感が強く、ビニル袋の上から触ってみてもゴツゴツ感がまったくありません。

不意に「この砂の粒を見てみたい!!」と思い立ち



顕微鏡(双眼実体顕微鏡)を持ち出して、観察してみることにじました。

4倍で見たサハラ砂漠の砂がこちら↓

!!!!!!

う、美しすぎる〜

さらに光学顕微鏡を持ち出して、プレパラートを作り、50倍で観察。



調べてみたら、サハラ砂漠の砂は殆どが石英の粒なんだそうです。

石英といえば水晶を作る鉱物。

つまりサハラ砂漠って水晶の小さなかけらが集まってできているってこと?



そもそもサハラ砂漠って、面積が940万㎢もあるんです。ほぼアメリカ合衆国と同じ広さ∑(゚Д゚)

しかも、サハラ砂漠は5000万年前は森林地帯だったんだとか!!!!!


写真はイメージです@ソフスレイ(ナミブ砂漠)

亜熱帯砂漠であるサハラ砂漠は、更新性から現代にかけて、湿潤を繰り返しているのだそうです。

砂漠が最大に広がったのは1万2000年前。それから4000年、再び湿潤化して、8000万年前には、砂漠は縮小、殆どがサバンナやステップに変わり森林も誕生。その気候は5000万年前まで続いたようです。

写真はイメージです@チリ

その後再び乾燥化が始まると、木々は枯れ、朝晩の寒暖差で岩にヒビが入り、小さく割れ、やがては鉱物ごとにバラバラに。


それらの鉱物のうち「かんらん石」や「輝石」、「角閃石」などは風化しやすく、風化を受けにくい「石英」や一部の「長石」だけがのこっていくんだそうです。


だから石英の粒だけが残る広大な砂漠は、「砂漠の最終形態」といえそうです。




ナミビアにあるナミブ砂漠も、石英だけの粒でできていますが、こちらは海から砂が移動してできる海岸砂漠。サハラ砂漠とは砂のでき方が違うようです(目下詳しいことを勉強中)。


アプリコットをした美しい砂は、砂漠化が進む過程で鉄分を含む成分が、石英の周りをおおってできたそうです。8000万年前から作られた世界最古の砂漠化と言われています。


他にも、内陸砂漠、雨影砂漠があり、砂漠はおもに4種類のでき方に分けられます。

現在では、森林伐採や耕作地、放牧地の拡大などによる人工的な砂漠化も深刻。


自然界が長い年月をかけて作り上げる景観を短時間で作り替えてしまう人の影響は凄まじい…


それにしても「砂」っておもしろい!!



ビニル上の写真は叔母の「砂コレクション」。旅先の砂漠や海岸で集めてきた砂です。

自分も集めておけばよかったな〜と今更ながら後悔しきり。
いろいろ出かけたくせになんてもったいないことをしたんだ!!



というわけで、「砂」からもら目が離せなくなってしまった今日この頃。

そんなきっかけをくれたサハラの砂なのでした。



いつかサハラにも行ってみたい!!



サハラの砂、綺麗〜って思った方は是非クリックしてください↓

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