YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

ストームグラスを作りました

2024-08-23 16:32:00 | クラフト

仕事の研修で、まえまえから気になっていたストームグラスを作ってきました。



ストームグラスというの19世紀にイギリスで考案された天気予報の道具です。「テンポドロップ」とか「気象管」などとも呼ばれています。

水とエタノールに混ぜた複数の薬品の結晶の出方や沈殿の様子によって、天気を予想する道具です。「温度」、「気圧」、「湿度」、「大気磁場」などの影響によって変化があると考えられていて、それを利用して天気を予報していたようですが、残念ながらその科学的根拠は証明されていません。



しかし、現代のような気象観測が不可能だった19世紀において、嵐を予見することは難しく、特に長距離の航海を行う際にはなんとか情報を集めようと必死の努力をしたに違いありません。
あのチャーチルダーウィンが乗船したビーグル号でも、「ストームグラス」による観測をしていた記録が残っているそうです。ちなみにそのときの船長だったロバート・フィッツロイは気象学の開祖の1人とも言われています。



複雑で精密に思えるストームグラスですが、作り方は意外と簡単

エタノールに樟脳(クスノキの成分)を溶かした溶液と、水に塩化アンモニウムと硝酸カリウムを溶かした溶液を混ぜるだけ。

ちなみにわたしが作ってきたものはさらに簡単なこちら。



樟脳         29g
エタノール 90g
精製水    100g

分量通りの材料を混ぜ合わせたのですが、樟脳が溶けきったエタノール溶液に精製水を入れると、いきなり白い結晶が析出したのがとてもインパクトがありました(写真撮り忘れ〜)。

要するにアルコール濃度が下がるので溶けきれなくなった樟脳が析出したのだと思うのですが、日頃物を溶かすのはもっぱら水なので、水を入れて再結晶するという現象がなんとも不思議に感じました。

少しずつ攪拌し、全体の濃度を均一にしていくと、最終的に溶け残りが少し出るようです。

それを湯煎にかけて温度を上げることで、一度でも完全に溶かし、あとは常温下に放置すると結晶が出てくるという仕組み。



ところが、わたしが作ったものは湯煎にかける前に全て溶け切っていました。

…というわけで、待てど暮らせど、2日経っても何も現れず…

そこで研修で教わってきた通り、さらに精製水を追加してみることにしました(ここも写真を撮り忘れ〜)。

水を足すとまたまた再結晶が現れました。やっぱりおもしろい!アルコール濃度が下がるから析出するってことでいいのですかね?
一応これを湯煎で加温し、完全に溶かし切りました。

しばらく放置していると温度が下がり、再結晶が析出。細かいものや大きなもの。形も少し違ったりして見ていて飽きません。



調べている過程で分かったのですが、再結晶に関係する要因のうち、気圧や磁場については因果関係がないと証明した方がいらっしゃるようです。

そして、温度については樟脳の再結晶にのみ、強い関係があるという検証結果が出ていました。また、湿度については何らかの因果関係があるとのことですが、まだ解明中のようです。



天気を予報するには、正直なところ根拠が薄そうなストームグラスですが、再結晶する際の要因を追求したり、その析出の美しさを観察したり…、とても興味深いなぁと思います。










紅花染め体験

2024-07-26 19:20:00 | クラフト
山形県の米沢へ遊びに行ってきました。
山形といえば「紅花」!
そう山形県の「県の花」です。


シルクロードを渡来して日本にやってきた植物で古くから染料や油量として重宝されてきました。


紅花から作られた口紅
(完全に乾くとタマムシのような緑色になります)

小満の次候に「紅花栄」というのがあり、以前から紅花畑を見てみたいと思っていました。もっともこの候は5月末頃のもので、紅花の最盛期は7月上旬頃。ひょっとすると、七十二候でいう紅花は、真っ赤な「ツツジ」のことではないかという説も…


2024.7.22

ちなみに私が訪れた7月下旬には、まだかろうじて花が残っていました。最盛期には新幹線からも黄色い絨毯が確認できるとのこと。

さて、この紅花の花色には



水溶性の黄色と水に溶けにくい赤色が混じっているとのこと。ただし赤色の含量はわずかに1%。


咲きはじめは黄色しかなかった花びらですが、枯れる頃にはオレンジ色に。

花から黄色の色素を取り去り、赤色だけを抽出して染料に使うのが紅花染めです。以前博物館の展示で美しい紅色の着物を見たことがあります。

紅花染めの着物(兵庫県立人と自然の博物館・館外企画展)

現在これ↑を再現できる技術はないんだとか。

それくらい紅花染めは奥が深いそうです。今回は染色工房わくわく館さんのワークショップに参加させていただきました。



伝統的な製法では、色素を取り出し保存するために、花びらをよく水洗いし黄色い色素を揉み出した後、日陰で水を打ちながら発酵させ、それを臼と杵でついて餅状にするそうです。



↑その餅状の花びらを丸く伸ばし乾燥させたものが紅餅。大きさにもよりますがこの一つの餅を作るのに250ほどの花が必要とのこと。

赤い色素は熱で分解されやすいため、冬場の方が発色が良くなるので、染色を行う冬までの間はこの状態で保管するのだとか。




花びらのままでも乾燥させれば、保存できますが、染料そのものを商品とするためにより少量化する必要もあったようです。とはいえ、やはり発酵させることで発色に違いがあるのかも知れません。1俵に30kg。それを馬の背に4俵積んで運んだんだそうです。

さて、この紅餅(生花でも乾燥花びらでも可)から赤い色素を抽出するにはアルカリ溶剤に漬けこむそうで、むかしは藁を燃やした灰を使いました。色素を抽出した後は烏梅(うばいー梅の実を燻して炭にした漢方薬)をつけた酸性の溶液で中和させ、いろいろ染色という運びです。



ワークショップでは、炭酸カリウムとクエン酸。最後に色止めとして酢酸を使いました。

烏梅

ワークショップでは作成だけでなく、そんな話を丁寧にレクチャーしてくださり、とても勉強になりました。

レクチャー後は割り箸や洗濯バサミ、輪ゴムなどを使い、思い思いの模様を作っていきます。



とはいえ、これを開くとどんな模様ができ上がるのか、経験不足でよくわからず。なんともドキドキしながら作業を進めました。

水につけた後、染色液の中でゆっくりと布をくゆらせます。


なつのあついじきなので、染色液の中には氷が入れてありました。温度が低い方が色素がゆっくりと布に染み込むため染めむらが少なくなるようです。

そして完成したものかこちらになります。



すごいどピンク!!

あの花からこの色!もちろん酸やアルカリの影響もあるのでしょうが、色というのは本当に不思議なものです。

だって元の花はこれですよ↓↓↓



実は前に一度、自分で紅花を育て、染めに挑戦したことがあるのですが、その時は惨敗でした。花が6つしか手に入らなかったし…(^^;;

というわけで、今回の旅行で生花も入手してきました。


↑道の駅にて500円でゲット

この花を使って、もう一度自分でも挑戦したいと思います。
とりあえずは飾って鑑賞!


紅花染めのハンカチとのコラボ!!
本当に色って不思議だぁー。




 

【今日の朝ごはん】

米沢お土産朝定食
・はんぺん
・薄皮ナスの漬け物(米沢産ナスで手作り)
・花豆(尾瀬土産)
・トマト
・紫蘇巻きの元〜ご飯の上のお味噌〜(米沢土産)
・ハーブティー

明日もいい日になりますように!

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南天の枝でスカーフを染めてみました

2024-04-20 07:53:00 | クラフト
先週行った春の剪定まつり。
せっかく育った枝を落とすのはいつも気が引けます。



しかも裏の劣悪な環境で20年以上耐え忍んでいたこちらの南天はどっしりと幹も太く、またわき芽もたくさん育ち大きな株になりました。

南天は「難を転ずる」との験担ぎで家を建てるときによく植えられる木だそうです。我が家のこの木もそれで、家を建てた時に植えられました。

そんな木を切るのも申し訳ないのですが、実際には剪定バサミでは太刀打ち出来ず、半ば折ってるという…(^^;;




なんという雑な仕事Σ( ̄。 ̄ノ)ノ
でも、見てください!!!!!

樹皮のすぐ下、おそらく成長する部分(?)随分と黄色いではないですが?
ひょっとするとこの枝からは黄色い染液が抽出できる???



ネットで下調べしてまたところ、あまりヒットする記事はなく、南天の草木染めというと「赤い実」を使ったものがほとんど…



秋に実るこの実で染めるとほんのりと可愛らしいピンクに染まるようですが、我が家のナンテンはそこまでたくさんは実らないので残念。


ものは試しに木の枝をぐつぐつ。15分くらい煮ると少し濁った黄色がかった茶色い一番染液ができました。これをバケツに移し、もう一度煮てみたところ、二番染液もほぼ同じ色だったので二つを混ぜて染めの工程へ。

染めるものは下洗いして「のり」を落とし、一度お湯につけることで、染めむらを防ぎます。今回は下処理はしませんでした。面倒だったから〜


染液につけてしばらくすると、布が色を吸ってきました。

数少ない記事に、ナンテンは媒染しなくてもいいようなことが書いてあったのですが、念のため重曹でアルカリ媒染。いくつかの記事ではミョウバンでアルミニウム媒染とありましたが、ミョウバンを切らしていたので、重曹を使いました。


媒染液に浸しても特に色が変わることはなく、効果のほどは定かではありません。



でもなかなか感じがいい色に染まりました♪一度乾かし、もう一度染めたところ少し茶色が強くなった気がしたので、3回目はやめました。


枝の量がもう少し多いとよかったのかもしれないですが、なかなかの仕上がりに満足!

ありがとう、南天!!!
この夏も大きく育ってください。


【今日の朝ごはん】



今日もいい日になりますように!
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ベットカバーからスカート

2024-04-18 11:20:00 | クラフト
久々にミシンでソーイングタイム!
と言っても我が家にはないので、いつもお世話になっている叔母の家へ。



叔母に手伝ってもらいながらスカートを作りました。

この布、チェンマイの市場で安く買ってきたもので、もとはこんな感じでベッドカバーに使ってました↓



南米チックな柄が可愛く、かなり気に入っていたのですが、最近はクローゼットの奥にしまったまま…。

捨てるのももったいなく、時間に余裕がある今ならと叔母に頼んでミシンを借りることに。

やってみたら案外簡単で、こんな感じに出来上がりましたよーーーーー!



…というか、本当はくるぶしが隠れるくらいのロング丈にするつもりだったんですが、適当に裁断したら、ウエストが入らなくなってしまいこの形に(笑)

制作過程はまったく撮影していませんが、布を輪にして、上下を縫って、ゴムを通しただけのデザインです。
こんなに簡単にできるのか…。

ついでにこちらの目に鮮やかすぎるタンザニアで買っ布でもトートバッグを作ることに↓



この布はマサイブランケットと言って、マサイ族の方が羽織っているものです。







今思えば、女性の方が身につけていたカラフルな布(カンガ)も買ってくればよかったなぁ。当時はあまり目が布に向いていなくて、もったいないことをしました。


すごく可愛いですよね♪

で、トートバッグがどうなったかというと、残念ながらまだ未完成。


持ち手のベルトを忘れていったので、今回はここまで。まだ余っている布もたくさんあるので、また叔母の家にお邪魔して作ろうと思っています。

どれも型紙なしの適当制作。あれこれ考えながら作るのは楽しいですね。


【今日の朝ごはん】

・ローズマリートースト
・グリーンサラダ
・叔母特製オレンジピール
・夏みかんヨーグルト
・ローズティー



今日もいい日になりますように!

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ふわふわの綿毛を飾る

2022-04-08 07:52:00 | クラフト



ふわふわなたんぽぽの綿毛。
とっても簡単に飾ることができます。





まんまるな綿毛、サイコーです(≧∀≦)

まんまるな綿毛ってなかなかお目にかかれませんが、家で開かせれば簡単なのです。

眼から鱗!!!!!




ようするに、この状態↑で持ち帰り、お家に置いておけば勝手にまんまるくなってくれるのです。

茎つきで長く飾りたい場合は、上の写真のように茎に針金を通しておけば、くたっとすることなく保存できます。

あとは瓶に入れたり、グラスやお皿に乗せたり…
なお、瓶の選び方や、タンポぽの丈などはセンスが問われるところかもしれません(^^;;

考えたつもりでも
綿毛と綿毛が高すぎたり…_| ̄|○



まあ、そういうことを考えながら試行錯誤してチャレンジするから楽しいのかも。←自分を慰める。

瓶の底に敷いてあるのは「グリーンモス」などの名称で出回っている花材。わたしはダイソーで買いました。

いろいろ使えて便利です。
例えばこんなのとか↓



木の実の変わりにドライフラワー使えば春夏っぽい作品ななります。

かなりの量が入っていてまだまだ使えそうです。

綿毛に関しては金沢のギャラリー「光水土(ヒミト)」さんですてきな作品を見ていたのですが…


まさか、こんな風にして自分でも作れるなんて、思ってませんでした。
ちょっと調べればわかることだったのに…
(>_<)

綿毛つながりでは別のアーティストさんが、綿毛を使った素敵な作品を作ってらっしゃいます。


よかったら、皆さんもお部屋に綿毛を飾ってみてください。

もちろん風が吹いたり、触ったりすれば飛んでいってしまいます。その儚さもまたいいんですよね。

部屋を汚したくない方は瓶の中で飾ることをお勧めします。

作ってみると、綿毛が開いていく様子も見られて、新たな発見があるかもしれません







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