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YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

いなばの白兎

2011-09-16 20:21:51 | 鶴見川の自然情報
白兎海岸をご存じでしょうか?

この海岸にに伝わる伝説が「いなばの白兎」というわけです。

洪水で離れ小島に流されてしまった1匹のウサギが、サメを騙して、もといた海岸に戻ろうとします。しかし、岸に着く直前に、嬉しさのあまり騙していたと口を滑らせ…。気づけばウサギは毛をむしられて丸裸。そのうえ、そこへ通りかかった神様たちに、海水を浴びて、山の上で休めば治ると騙されて…。悲惨ですね~。当然傷は悪化します。そこへやってきたのが神様たちの末の弟「大国主命(おおくにぬしのみこと)」。意地悪なお兄さんたちに持たされたたくさんの荷物を袋につめて、遅れてやってきたのです。兎を憐れに思い、真水で体を洗い、ガマの穂にくるまればよいと教えてくれます。そして傷が完治して、めでたし、めでたし。

…という話。
ここまで前置きです(^^;

で、写真がそのガマの穂なんですね。わたしは長いことガマの穂ってこのことだと思っていたんです。もう少しすると種が熟し穂が裂けてたくさんの綿毛とともに飛んでいきます。だから、このほわほわにくるまるんだと思ったのです。
でもね、意外に種は固く、ほわほわじゃなくてチクチクなんですよ。

なあんだ、大国主命も意地悪じゃんって思っていたんだけど…(^^;

ちゃんと調べたら穂は穂でも、もっと早い時期。花が咲いている頃のものだったことがわかりました。花粉は蒲黄(がおう)と呼ばれる漢方で、傷に効くだそうです。

大国主命は優しくて、物知りだったのです。

この長くて分かりづらい文を最後まで読んでくれた貴方も優しい方です(*^^*)

アザミの受粉システム

2011-09-16 04:34:18 | 三ッ池公園の自然情報


一昨日の三ツ池公園でみつけました。いつもこの時期に咲くアザミです。ツンツンと飛び出した雄しべの先に花粉が出ているのが分かるでしょうか。アザミの仲間は、花粉の出し方を工夫しているものが多いです。
どのように工夫しているかというと、この花に虫が飛んできてとまったときをねらって花粉を出すのです。重みを感じると花粉が出るセンサーがついているんですね。虫に花粉を運んでもらおうと思うなら、虫がいない時に花粉を出しても無駄になってしまいます。非常に合理的です。



それにしてもアザミというのは、実にトゲトゲした植物です。きっとトゲトゲしないと動物に食べられてしまうんでしょう。いかにも、やわらかくておいしそうです。そんな風に周りの環境に合わせて、少しずつ自分の姿を変化させてきたのも、虫が花粉を運んでくれたおかげなのかもしれません。同一の花の中で受粉が行われるよりも、違う株の花と受粉した方が、さまざまな形質を獲得できますからね。さまざまな知恵を働かせ、環境に適応した生物がこうして今の地球を作っているわけです。

そんな風に考え出すと、身の回りにあるあたりまえの風景がとても神秘的に思えてなりません。