YNWC的な日常

街の中でも季節を感じて暮らしたい。生き物や自然のの話を中心に美味しい食べ物、散歩のことなど綴っていきます

紅花の季節というけれど…

2022-05-26 21:10:00 | 七十二候




季節は小満次候「紅花栄(べにばなさかう)」

とはいうものの写真の紅花は7月中旬に咲いたもの。各地の名所を調べても5月に咲いているところは見当たりません。

今頃はこんな感じ



ネットで見かけたあるブログ主さんは「紅花」は「サツキ」のことなんじゃないかと仮説を立てていらっしゃいました!!



たしかに今が見頃の赤い花にはぴったり?

街路の植え込みなんかで華やかに咲き誇っています。

ただあくまで個人の仮説のようで、その辺りの文献は見つけられませんでした。、


ベニバナとブチヒゲカメムシ

さて、本家(?)の紅花ですが、上の写真を見ると下の方から花弁の色が変化してきているのがお分かりでしょうか?

紅花って、オレンジのイメージがあったのですが、実は開花後時間が経つにつれ、鮮やかな赤に変わってくるのです。



紅色は、紅花の濃染による鮮やかな赤を指す言葉。納得です。

紅花の黄色は水によく溶ける水溶性の色素。その色素が抜け切った後に出てくるのが、紅色。


黄色い色素を溶かしだした後の花弁のかたまり(手に乗っているもの)

紅花染めはこれをお餅のように丸めて発酵させた「紅餅」を使うそうです。

興味あるのですが、まずは花を手に入れないと…(^^;;



そんなわけで種子をいただいたことがきっかけで育てたものの、次々に枯れてしまい、最終的に手にできた花は6厘。それが前出の写真です(笑)

いつか試したみたいなぁ。



京の町屋の博物展に飾られていた紅花染めの着物。今ではこれを再現できる技術がないのだとか…。

そして、正真正銘紅花から作られた「紅」。



完全に乾くと緑がかった光沢を帯びるらしいです。それを濡らした筆で伸ばして使ったんだそうです。

雅〜。

というわけで、まだ紅花は季節ではないのですが、七十二候的には「紅花栄」。ややこしや〜。



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カイコの季節!クワの実熟す!!

2022-05-21 06:00:00 | 七十二候



今日から季節は「小満」。初候は「蚕起食桑(かいこおこってくわをくらう)」。

クワの実も熟す頃です。

日本では野山で木からもいで食べるイメージですが、コロナ前にタイに遊びに行った時、市場に並んでいて驚きました。



赤と黒の実が入っていて、見た目に美味しそうですが、黒く熟したものの方が甘味がありますよね。

ジュースも売っていました。



英語ではマルベリー。
ジャムなんかにもするようです。

 

クワと混同しやすいのが、コウゾ。和紙の原料になる植物。葉が似ているうえ、どちらもの葉も変形が多く、慣れていないと見分けが難しいかもしれません

コウゾの方が丸に近い実をつけますが、これも個体差があります。味はクワと同じように甘いです。

さらにヒメコウゾという植物があり、こちらもよく似ています。ところが実は味こそ一緒ですが、かなり粘つき、毛のようなものがたくさん口に残るので後味が悪いです(^^;;

口に入れるなら、俵型をしたクワの実が安心。


ただ、クワの実を狙っているのは人間だけでないから要注意。特に手強いのは、チャバネアオカメムシやクサギカメムシなどのカメムシ。

もちろんカイコもクワを食べますが、カイコは野生には存在しません。原種はクワコ↓



そのクワコを長い年月をかけ、改良に改良を重ねたのがカイコです。カイコは蛾でありながら、もはや飛ぶことができません。そもそも繭を作った時点で茹でられ、身包み剥がされてしまうわけで…。

今では養蚕業がほぼ廃れてしまったためルールが変わりましたが、昔は成虫を野外へ逃すことも禁止されていました。完全に人間のために管理された家畜。莫大な財をもたらす金の卵。おカイコ様。、

ちなみに養蚕農家では、カイコの卵を「タネ」、「蚕種(さんしゅ)」と呼んだそうです。



それが孵化するのがちょうどこの頃。養蚕シーズンのスタートです。

新鮮なクワの葉を朝も夜も食べ続け1ヶ月くらいかけて繭を作ります。



新幹線のような終齢幼虫ともなると、ものすごい勢いでいで葉を食べるので、農家の人々はまとまった睡眠時間が取れなかったそうです。

カイコが生み出す絹糸は高値で売れたため、そこまでして育てる価値があったのでしょうね。

今では日本の養蚕は衰退してしまいましたが、世界的にはいまだに成長が止まらない産業です。

以前、手違いで300近いカイコを育てることになりましたが、それはそれは大変でした。養蚕農家では5万頭育てて初めて1人前と認められたそうなので、気が遠くなりそうです。

蚕起食桑。

農家の人々にとって、それは決戦の幕開けだったのかも!!



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タケノコにょきにょき

2022-05-15 06:00:00 | 七十二候



立夏末候は、竹笋生(たけのこしょうず)。「えー、もうたけのこ食べたよ」と言いたくなりますが、3月ごろから出回っていたのは、中国由来の「孟宗竹(モウソウチク)」の筍。


 
日本原産の「真竹」はこれからが旬。こういう細いやつ。


「筍」って竹冠に「旬」と書きますが、旬という時は、「上旬」や「下旬」など、短い期間を指します。筍はあっという間に伸びて旬が短いため、この字が当てられたと言われています。
 
そういえば「雨後の筍」なんて言葉がありますよね。

にょきにょき、にょきにょき…
写真中央は筍が伸びたもの∑(゚Д゚)
 


皇居の東御苑にある竹林には、日本と中国の竹・笹類13種が植えられています。規模は小さいですが見応えたっぷり。



こんな美しい竹もあります。


キンメイモウソウ

ギンメイモウソウ

なんとも奇妙な形の竹も…。

キッコウチク

↑これは横浜中華街でも見かけたような…

こちらの竹林は昭和天皇のお印が「若竹」であることから、上皇陛下のご提案で平成8年に整備されたということ。そんな経緯も心温まります。



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夏の始まりはカエルの鳴き声

2022-05-06 06:00:00 | 七十二候



暦の上での季節は夏になりました。立夏の初候は「蛙始鳴」。田んぼや池では、たくさんのカエルが鳴き始めているのでしょうね。

我が家の周りには水場がないので、カエルの声は馴染みがありません。



よく行く三ツ池公園の先に二ッ池というのがあるのですが、ここまで行くとウシガエルがヴォーヴォーと情緒なく鳴いているくらいかな(笑)

でも同じ横浜市内でもまだ田んぼが残っている地域ではカエルの声がにぎやかなんだと、つい最近知りました。2019〜2020年度に勤めていた職場の周りが田んぼだったので…



アマガエルがたくさんいました。
個人的な感想として、アマガエルは吸盤が可愛いです(笑)



それまでの職場はカエルといえばヒキガエル。



おたまじゃくしの時には水辺にいますが、この季節にカエルらしい姿になると地上の落ち葉の下などで暮らします。

夏まで育てたことがありますが、夏休み前に逃しました。



横浜でも街から離れ、いわゆる里山と言われるような地域に行くと、ヤママカガエルに会えます。


アマガエルのにぎやかな鳴き声に比べ、断然かわいい鳴き方だと思います。←あくまで個人的感想(笑)

ニホンアカガエルはヤマアカガエル以上に少なくなってしまっているようです。

海外に出かけた時、ブラジルでこんなカエルに出会いました。



アカメアマガエルかと思ったのですが、地域的にも違うし、フラッシュで目が赤くなっているだけかな?

カエルは強力な毒を持っている種も多く、むやみに触るのはご法度。この時もすぐに草むらに逃げてしまったので深追いはせず。

強力な毒を持つヤドクガエルたち(サンシャイン水族館にて)↓




モルヒネの毒性の200倍って書いてあったのだけれど、想像つかないな…。毒を持つ生き物は「警戒色」と言って、あえて目立つ色をしているものが多いです。毒があることを印象付けることで危険を回避する作戦です。

同じ時に撮影した、こちらの愛嬌のあるカエルたちには毒はないそうです。


マルメタピオカガエル

かわいい♪

カエルと言ってもいろいろですが、皆さんのご近所にはどんなカエルが住んでいますか?

季節は立夏、蛙始鳴!!
カエルの鳴き声に夏の始まりを感じる頃です。


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鶏始乳

2022-01-30 10:13:00 | 七十二候

今年はメインブログをこちらに切り替えて発信中。よろしければフォローお願いします。


☀️日の出/日の入り(横浜市)🌙月齢
(2022年)

1月30日☀️6:43/17:07🌙27.4
1月31日☀️6:42/17:08🌙28.4
2月  1日☀️6:41/17:09🌙29.4新月
2月  2日☀️6:41/17:10🌙0.9
2月  3日☀️6:40/17:11🌙1.9 節分
 
大寒も末候。鶏始乳となりました。
読んで字の如く、鶏が卵を産み始める頃という意味ですが、鳥類なのに乳っていうのもこれ如何に?しかも「鳥屋(とや)につく」と読ませるのは、相当に強引な気がするのは、私だけでしょうか…(笑) 
 


鳥屋というのは、鶏小屋のこと。「鳥屋につく」という表現は「産卵する」という意味ですから、意味的には全くその通り。
 
現代では鶏卵は一年中手に入るものですが、本来、鶏の出産は2〜4月とのこと。寒さの中にも春の気配が漂い始めるこの季節が卵の季節らしいです。
 
以前「大寒の卵」というのをいただいたことがあるのですが、なるほど今が旬の食べ物だったわけですね。


 
この季節の卵は、雌鳥の体内で時間をかけて成熟するらしく、栄養価が高いんだとか(本当か?)。もっともそれは、有精卵に限った話だそうで、1年中手に入る無精卵は季節による違いはないそうです。
 
そう考えると現代の卵の生産システムというのは、非常に不自然なことなんだと改めて考えさせられます。特に問題になっている大量飼育とか…。肉や魚を食べることに特に異論はないのですが、やはりもやもやとした気持ちになります。
 
 


 
 
ところで、鶏は時告鳥とも言われますが、とんでもなく早くに鳴きますよね。
あれも現代の問題なのかと思っていたら、そもそも一番鶏は丑の刻に鳴くものなんだそうです。つまり夜中の2時!!なんて迷惑(笑)
 
そして、明け方4時になると二番鶏が鳴いて、農家のお嫁さんはその声とともに起き出し、竃に火を入れ、朝ご飯の支度をしたんだとか…
 
ご飯を食べるのも本当に一苦労だったんだろうなぁ…。
 


 
さて本候の末日は節分。
冬と春の境となります。
 
次候はもう春なんですね。ちょっとめでたい気分です。というわけで、ここでご報告♪
 
 
 
ジャジャーン
祝!完成!!
横浜歳時記七十二候!!!
 
2年がかりでついに七十二候、全ての記事が書き上がりました。
※去年は途中サボってしまい六十三候どまりでしたので(^^;;
 
 


 
なお、七十二候に関する記事は今後も修正しながら使いまわしていく予定です(笑)
三周目となる次候からは、リンク先の記事を整えていくことが目標。

本来三日坊主体質のわたしですから、ここまでこれたのは読んでくださる皆さまのおかげ(*´∀`*)
 
今後ともどうぞよろしくおねがいします。
 
 
 

大人気のアマビエ様
出典は、京都大学附属図書館所蔵「肥後国海中の怪」
 
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