日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

とある商店組合と街の活性化

2012-04-08 20:58:19 | ビジネス
昨日までの冷たい風はどこへやら。
今日は久々に春らしい暖かなお天気。
遅れ気味だった桜も、一気に満開となったよう。
そんな中、週末の散歩へと出かけてきた。

私が出かけたのは、名古屋の方ならご存知の「日泰寺」。
このお寺は、全国でも珍しい無宗派のお寺。
日本とタイの友好を願って建てられたという、チョッと変わったお寺でもある。
また、敷地が広いこともあり名古屋の著名人・政財界の方が亡くなられると、大体このお寺で葬儀が行われている。
近くには、「松坂屋百貨店」創業者・伊藤次郎右衛門の別邸などがあり、この別邸には一時期川上貞奴が住んでいたとも言われており、明治の雰囲気が感じられる地域でもある。

そんな「日泰寺」だが、私が名古屋へ進学のために来た頃は、なんとなく寂れた感じのする街だった。
「日泰寺」で市がある21日は、ご高齢の方を中心に賑わいを見せるのだが、それ以外は「人が歩いてる?」という感じがするほどだった。
実際、学生時代に一度歩いたことがあるのだが、「寂れた参道」という印象しか残っていない。
その「寂れた参道」が、ここ20年ほどの間で様変わりをし、今では、元々参道にあった空き店舗を利用して名古屋ローカルで人気のドーナッツ屋さんや洋菓子の有名店、「日泰寺」がタイと深い結びつきがあるコトから(?)エスニックな雑貨を扱うお店もいくつかある。
そのような現代的なお店の隣には、昔ながらの駄菓子屋さんや仏具店などが仲良く並ぶコトで、ちょっと異質というか変わった空気感のある町並みになり、平日でも若い人たちが集まる場所になっている。

様変わりした大きな理由は、空き屋となった場所を積極的に若いクリエーターたちに貸し出し、住まいを提供したことにあるようだ。
元々の取り組みは、近隣の大学の学生たちが始めた活性化を目的とした季節ごとのお祭りだったように記憶しているのだが、そのお祭りに参道の商店主たちも積極的に参加することで、参道の商店街全体の活性化が図られ、それを継続的に行ってきたことが大きいように思う。
そして今日は、「日泰寺」では花祭りの法要が行われ、それに合わせて参道の商店街では「春祭り」が行われていた。
この「春祭り」に出店しているお店は、参道のお店だけはなく、南信州の農業組合や手作りのお店が主催する工作教室、ボーイスカウト・ガールスカウトのバザー、消防団のAEDデモンストレーションなど、枠にとらわれない自由さがあり、参道をそぞろ歩くだけでも十分楽しい。

「シャッター商店街」が全国にはたくさんある。
多くのシャッター商店街を見たわけではないので、断言することは出来ないが、商店街自身が自分たちとは異質な感覚・感性を持った若い人たちを受け入れ、積極的に支援する姿勢が無いと、難しいのではないだろうか?
元々「商店街」は、「市」が変化したものだったと考えれば、店を構えることが目的ではなく、その場に様々な人が集まり、人が集まることで情報交換がされ、その情報を求めて更に人が集まる、という場所だったと思う。
そこに、「シャッター商店街」復活のアイディアが、あるように考えるのだ。

ちなみに今日私が「日泰寺」に行ったのは、花祭りの法要で振舞われる甘茶を頂くためだった。


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1 コメント

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日泰寺について (通りすがり)
2012-04-12 15:01:38
検索エンジンからのアラートで見かけてこのページにやってきました。

覚王山日泰寺は、日本で唯一裏付けのある仏舎利を納めた寺院です。
明治時代にインドで見つかった仏舎利がタイ王室へ寄贈され、それを皇室繋がりで友好のあった日本に分骨される事になり、日本の仏教会が建立先を検討して出来た寺院なので、特定の宗派には属せない、というのが正確なところです。
ちなみに、山号の「覚王山」の「覚王」は釈迦の事を指します。
建立時は当時のタイの国名ジャムの名をとり「日暹寺」でした。

また、松坂屋初代社長の伊藤祐民氏は、「伊藤次郎左衛門」です。「右」ではありません。

ご参考までに。
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