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ブランド価値を考えるーTwitterの「青い鳥」から「X」ー

2023-07-30 20:19:47 | ビジネス

イーロン・マスク氏が「Twitterの青い鳥を削除し、Xへ変更する」と発表してから、約1週間が経過した。
PCなどでは、この発表のあった日のうちに、「青い鳥」から「X」へと表示が変わってしまった。
スマートフォンなども、データ更新などがされると「青い鳥」から「X」へと、順次変わっていっているようだ(Twitter友達からの報告)。
Twitter社を買収した、イーロン・マスク氏が決めたことなので、ユーザーが抵抗することはできず、私の周囲のTwitterユーザーは「Xマークにまだ慣れない」というtweetの他、「やっぱり『青い鳥』の方が良かった」というtweetもある。
どちらかというと「青い鳥の方が良かった」という感想の方が多いような、印象を持っている。

理由を考えると、一つは「Twitter=青い鳥」というアイコンが既に定着しており、新規ユーザーであっても「青い鳥」のマークを見ると「あ~~、Twitterだ」と、認識をしているからだろう。
もう一つは、イーロン・マスク氏が「X」に込めた意味が、十分に理解されておらず、多くのTwitterユーザーにとっては、「アルファベットのX」という認識でしかない、という点だろう。
それが「Xマークを見ると、味気ない」という、感想tweetからもうかがえる。
PCやスマホなどに表示される「アイコン」として、「X」という表記は余りにも印象が弱い、ということなのかもしれない。
特に、スマホの画面上には様々な「アイコン」が並んでいる。
そして、多くのスマホユーザーは、「アイコンの意味」ではなく、「アイコンそのものを直感的にタップし、操作をしている」のではないだろうか?
イーロン・マスク氏からすれば「慣れの問題」ということになるのかもしれないが、この「慣れ」るまでの時間は、案外かかるような気がしている。
それが、「Twitter社=青い鳥」のブランド価値だったからだ。

Twitterユーザーが「X」というアイコンに慣れるまでに、おそらくFacebookやInstagramを展開しているMeta社の「Threads(スレッズ)」や、Twitter社を去ったジャック・ドーシーの「Bluesky( ブルースカイ)」が、新たなブランド価値を創造しながら市場を奪っていく可能性はある。
というのもMeta社が「Threads」を公開してから約1週間程度で、1億人が登録したと言われているからだ。
分散型の「Bluesky」についても、注目度は高く「Twitterからの乗り換え先」として名前が挙がっているのは、Meta社の「Threads」よりも「Bluesky」を上げているIT関連サイトがあるほどだ。
それぞれの特徴を理解しつつ、ユーザーが選択をするということになるとは思うのだが、Twitterの手軽さや日本語での140文字数というのは、実は情報量として多くも無く・少なくもない、という魅力があったように感じている。
だからこそ、「世界で一番Twitterユーザーが多い」と言われていたのが、日本だったのだ。

海外のIT企業の多くは、サービスリリースを先行させつつ、ユーザーと共に修正をしていきながら、ユーザーと一緒にサービスを創っていくという考えがある。
そう考えると、今Meta社の「Threads」やジャック・ドーシーの「Bluesky」に100点満点の満足でなくても、その「サービス向上に参加する」という場を楽しむユーザーたちの参加によって、新たなブランド価値となっていく可能性は高く、その時間もある、ということになる。

イーロン・マスク氏は、「Twitter社の買収によって、SNSだけではなく金融サービスなど様々なサービスを手軽に提供する」という目的を持っているようだが、その前に失ってしまった「Twitter=青い鳥」のブランド価値を回復させることができるのか?という点が、今後の注目となるような気がしている。



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