今日のお昼過ぎ?前衆議院議長であった、細田博之氏の訃報があった。
前日の議長辞任会見の時に、「議長は辞任するが、国会議員は辞めない」という趣旨の話をされていた(と記憶している)。
国会議員を辞めない理由として挙げられていたのが「後継者問題」だった。
以前もエントリしているのだが、地方における「国会議員の後継者選び」は、その地域にどれだけの利益誘導を行うことができるのか?という、意味でもある。
勿論、そんなことは無い!と言われる地域もあるとは思うのだが、鳥取・島根のような過疎が進み、都市部のような産業も期待できない地域にとっては、公共事業を含む国からの有形無形の支援が必要だと、思い込んでいるように感じられるのだ。
そのような地域の中にあって、細田氏は地元の名家出身で代々政治家を輩出してきた家系でもある。
その後継者指名を細田氏がしなくては、選挙区内に混乱をきたすという状況だったのでは?と、想像している。
だからこそ、細田氏は「議長をやめても国会議員は辞めない」と、言ったのだ。
残念ながら、細田氏は国会議員のまま亡くなってしまったのだが、上述したように自民党として問題となってくるのは「細田氏の後継者」ということになる。
手始めとなるのが、細田氏死去に伴う補選だ。
問題となるのは、細田家が代々政治家を輩出してきた家系である、という点だろう。
その意味では「自民王国」ではなく「細田王国」ともいえるのが、島根1区なのだ。
そしてこれまで「竹下王国」と呼ばれていたのが、島根2区だったのだ。
ご存じのように、この二つの選挙区(=島根両選挙区)は自民党盤石な選挙区でもあった。
何故なら、島根1区は細田氏、島根2区は竹下氏という自民党の中でも「重鎮」と呼ばれる政治家の選挙区だったからだ。
その選挙区で自民党が圧勝できない、という状況となれば、岸田政権にとっても痛手となるのでは?と、想像できる。
それでなくても、細田氏に関しては「統一教会問題」を抱えており、説明を求められても華麗にスルーして、自ら説明をすることは無かった。
このことは、地元支持者からも疑問を呈されるような状況となっていたのだ。
山陰中央新報:細田氏続投意向に厳しい目 教団問題対応 地元でも疑問視 政治力評価の一方で高齢懸念
これらのことから、細田氏死去に伴う島根1区の補選は、自民党にとっての分岐点となるような気がしている。