日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「思う」と「想う」

2018-07-05 19:50:12 | ビジネス

FIFA W杯ロシア大会での、日本代表の活躍は心躍るものがあった。
そして、このロシア大会で日本は意外な注目を浴び、世界から称賛されることにもなった。
一つは、今や日本代表遠応援遠征組の基本となっている、「観戦後のスタジアムでのごみ拾い」。
ロシア大会では、予選リーグで同じ組になったセネガルやコロンビアのサポーターたちも、一緒に観戦後ゴミ拾いをしたコトで、「日本発の素晴らしい観戦マナー」として、話題になった。

もう一つは、ベルギー戦後の日本代表が使用したロッカールームのきれいさだった。
以前から、日本代表戦後の日本側のロッカールームは、きれいに片づけて帰る、という話を聞いたことがあったので、個人的には特段驚くようなことではなかったのだが、「使用前」と変わらぬ「使用後」のきれいさに、W杯関係者が驚きtweetしたことで、世界中から日本代表が称賛されることとなった。

その一方で、渋谷のスクランブル交差点や大阪の戌橋などでの大騒ぎと痴漢やスリなどのトラブルも、国内では問題になった。
「世界に行くとマナーが良いのに、国内では何故できないのか?」と。
この疑問に対して、様々な意見があるようだが、一番多い意見は「騒ぐ人たちは、サッカーファンというわけではなく、騒ぐことが目的」という意見だろう。
確かにそのような人達も少なくないと思う。
しかし、それだけではなんとなく説得力に欠けるような気もしていた。
もしかしたら「人が見ている・見ていない」という意識の集団化なのでは?という気がしていたからだ。

その一例として挙げられるのが、お花見やBBQなどのゴミの放置かもしれない。
多くの人の中にいることで「自分が観られている」という意識が薄れることで、日本の「恥の文化」という意識も薄れるのでは?という、ことだ。
そのような指摘をされる方が、私以外にもいらっしゃった。

日経新聞 COMEMO:人が見ていると、良い人になる日本人。人が見ていないと悪い人になる日本人

コラムの中にある「思う」と「想う」は、確かに意味が違う。
「思う=Think」は、考えることであり、あくまでも「自分が考える」という範囲でのことだ。
一方の「想う=Imagine」は「相手を思い遣る」という、気遣うという意味になる。

仕事ではよく「(自分で)考えろ」といわれるはずだ。
ただ、その「考える」の中に「相手を思い遣る・想う」が無くては、「独りよがりな考える」になってしまうことも、多いのではないだろうか?
何故なら、ビジネスは常に相手がいて、成立するからだ。
最近時々言われる「コミュニケーション力」ということにも、通じることかもしれない。
何より、マーケティングという仕事は、この「想う」ことから始まっている。
「人がいても、いなくても、(社会を)想う」ことを忘れては、これからのビジネスは成り立たないのでは?という、気がする。