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「データ」は嘘をつく?

2018-02-26 16:46:16 | ビジネス

安倍内閣が打ち出した「働き方改革」だが、ここにきて雲行きが怪しくなってきた。
雲行きが怪しい理由は、基となるデータの信頼性が崩れ始めている、という点だ。
朝日新聞:「最長残業」根拠に首相答弁 違う質問比較
朝日新聞:残業データ異常値、新たに233件 厚労相が明らかに

日ごろから様々なデータを扱う人はもちろん、余りデータを扱わない人であっても「同一内容の質問」でデータを収集しないと、比較する意味が無いということはわかると思う。
何故なら、質問内容が同じだからこそ「比較」することができるからだ。
その前提条件が崩れてしまった場合、再度同じ質問内容で再調査をするしか方法は無い。
もちろん、対象者は前回の人とは別の人で行う必要がある。
データの客観性と公平性が保たれなければ、調査をする意味が無いからだ。

このような状況になっても、安倍さんはまだまだ強気の発言をしている。
もしかしたら、安倍さんは「データ分析の基本」をご存じないのだろうか?と、勘繰ってしまうくらいだ。

ただ、時々ビジネスの場面で「データは嘘をつく」と言われることがある。
多くは、調査・分析をし予測をした結果と大きく外れてしまった、という場合に言われるコトがある。
他にも調査をする側が意図的であるかどうかは別にして、自分たちに都合の良い報告をしてしまう、というケースもある。
同じデータであっても、並べ方で印象が大きく変わる、ということだ。
そして案外見過ごしやすいのが、質問形式の回答によるデータだ。

今回のデータと原因が同じように思えるのだが、実はそうではない。
質問内容が、回答者の解釈によって回答内容が変わってしまう、という場合だ。
「〇・✖形式」のような二者択一の分かり易い質問であっても、このような解釈の違いによる問題は起きてくる。
例えば「〇〇は、好きか?」という質問か「〇〇は嫌いか?」という質問か、ということだ。
「好きでも嫌いでもない」という回答者は、「好きか?」という質問であれば、「好き」という回答が多くなり、「嫌いか?」という質問であれば「嫌い」という回答が多くなる、という傾向にあると言われている。
だからと言って「どちらでもない」という回答を加えると、「どちらでもない」が多くなりすぎて、データとして使えなくなる場合も出てくる。

今回の「裁量労働制」についてのデータは、元々データとして使えるものではないので、このデータを基にした話は進めるべきではないと思う。
このまま「裁量労働制」を「働き方改革」の柱とするなら、「働き方改革」そのものが間違った方向へ進んでしまう可能性のほうが高いからだ。

しかし、上述したように「データ」は客観的で公平性の高いモノである、という思い込まず、複数のデータと比べる必要があるということなのだ。