昨日、東京の神宮で開かれていた野外イベントの展示物から火災が起こり、展示物内にいたお子さんが亡くなられた。
お子さんを助けようとした父親や他の方なども、やけどを負うという事故になった。
事故の原因は、解明されつつあるようだが、最近このような「街中を使ったアートイベント」が、全国で行われるようになってきている。
中日新聞: 「誤って白熱球点灯」男児死亡火災、作品内で発火か
おそらく日本で最初にこのようなイベントを行ったのは、新潟県の妻有の大地の芸術祭だったと思う。
切っ掛けは、新潟大地震の被災地復興を兼ねた町おこしだった。
この「大地の芸術祭」の成功で、瀬戸内海にある「直島」を中心にした「瀬戸内国際芸術祭」が開かれるようになり、
かつては産廃で覆いつくされていた豊島は、芸術の島へと変わっていった。
この芸術祭のスポンサーの一つが、ベネッセであるということをご存じの方も多いだろう。
このような地方の「街中芸術祭」が、徐々に人気となり、先月は「名古屋トリエンナーレ」が開かれていた。
この「名古屋トリエンナーレ」は、名古屋市内の中でもビジネス街や繁華街などを中心に展開をしていた「野外アート展」だったのだが、今回は愛知県下へと広がり、大がかりなアートイベントになった。
どれだけの集客があったのかは、不確かだが、会期終了後問題になったこともあった。
それは、古いビルに100羽の小鳥を放した「現代アート」作品の撤去だ。
小鳥という、生き物をアート作品に使っていたため、作品撤去と言っても殺すわけにもいかず、小鳥の貰い手を探すという騒ぎになった。小鳥の中には「飼ってはいけない鳥」もいたらしく、貰い手を簡単に探すわけにもいかず・・・という問題も起きた、という。
今回の事件とは、異質の問題ではあるのだが、「アート作品だから」という前に、「展示作品」として、どうなのか?ということも製作者は、考える必要があるのでは?という気がするのだ。
芸術作品に、常識を求めるべきではない、という説も十分理解できるのだが、作品に責任を持つという発想も必要なのでは?という気がするのだ。
野外での作品展示であれば、夕暮れ時にはどのように「作品を見せるのか?」という、ところまで考えたうえで「作品」として完成すると思うのだ。
そういえば、今年は伊藤若冲が生誕300年ということで、ブームになっているようだが、次の注目は仙厓義梵のようだ「ゆるカワイイ」ということらしい。
アートにもブームがあるようだ。