日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

既に始まっている、問題-雇用と人口-

2012-08-07 19:51:19 | ビジネス
新聞各社のWEBサイトが「日本の人口減少、過去最大」と報じている。
人口の減少は、3年連続。
震災の影響も大きいと思うが、それよりも少子化のほうが問題が大きいのではないだろう?
先般東洋経済が「不妊」についての特集を組んでいたが、まさに少子化による社会的問題が待ったなし!の状態になりつつある、と考えた方が良い様だ。

この「人口減少」という問題が取りざたされる度に取り上げられるのが「社会保障」の問題。
労働人口が減ることで、社会保障費の源泉となる「税収が減る」コトへの懸念だ。
もう一つが、労働人口そのものの減少による産業の衰退、と言う点が上げられると思う。

確かに、今の様な社会環境や労働環境では、難しいと思う。
だからこそ、今のうちに企業は視点を変えた「働き方の提案」をする必要が有ると思う。
と同時に、社会的意識も大きく代えなくては難しいだろう。

随分前から言われている「女性が働きやすい職場」という点などは、その良い例かもしれない。
「男女雇用機会均等法」が実施され、女性も男性と同じ立場で仕事をする、と言うコトができる様になった。
それは、女性が男性並に働く、と言うコトでしかなかった。
「子育てをする女性を想定した働き方+雇用機会均等」ではなかった、と言った方が良いだろう。
そのため「仕事か育児か」という選択を迫られたとき、多くの女性は「育児」を選び、その後のキャリアを捨てると言う結果になってしまった。
一度職場を離れると、その後復帰するコト自体とても難しい、そんな現実も良く判っている女性たちは、出産を渋るのは当然かも知れない。
男性目線で考えれば「雇用機会を平等、というならそれまでの企業ルールに従うべき」というコトなのかも知れなかったが、それが結局「少子化へ拍車をかける一因」になっただけだったのでは?

それも今では、揺らぎ始めている。
ご存じの通り「介護」という問題だ。
子どもの人数が減り、介護を必要とする人が多くなる=人材不足、と言うだけではない。
親や伴侶の介護を男性が、せざる得ない状況になりつつある。
そのために、離職を選択する人も出てきている。

とすれば、ある一定の労働人口と社会保障の二つを確保する為には、女性にも社会保障費が払える正規社員として働いて貰う必要が有る。
もちろん企業にとって都合の良かった、「派遣社員」も減らす必要が有るだろう。
と同時に、介護や育児のために短時間の勤務を希望する人たちへの対応も必要となる。
言い換えれば、企業の労働時間に人があわせるのではなく、それぞれの人が抱えている問題に合わせて、企業が労働時間を提案して行くと言うコトが必要なる、と言うコトだ。

もちろん、ひとり当たりの労働時間の減少による、所得の減少は有るだろう。
それでも、確実に労働人口を確保しつつ社会保障費も安定させる、と言うコトを考えるのであれば、相当大胆な発想の転換が必要だとおもう。
そして、それをいち早く実行できる企業が、これから先残っていけるのだと思う。