そうだ
、童心だ。
童心は貴重だ、童心は大切だ、ときどきは童心に返ろう、童心に浸ろう、急にそう思いたった。
人生を全部童心でやっていこうとすると大変だが、ときどきならいいのではないか。
某日、テレビで「おかあさんといっしょ」を見た。
2歳から4歳児を対象としたNHKの教育エンターテイメント番組である。
朝起きたばかりの幼児がこれから衣服を身につける、という躾のところをやっている。
幼児の目の前に、シャツとセーターとズボンが折りたたんで置いてある。
さあ、この子はうまくそれらを身につけることができるでしょうか。
幼児がシャツのボタンを上から順に止め始めるが難航している。
上から2番目のボタンを1番目の穴にはめている。
それを続けていくと最後に全部やり直さなくちゃならなくなるぞ。
見ていて気が気じゃない。
いつの間にか自分が幼児の気持ちになっている。
セーターを頭から被って首のところでひっかかってもがいている。
ひっかかると顔全体が覆われて急に周りが見えなくなるので焦る。
焦ってもがいて、前のめりになって…
幼児なんとか窮状を脱す。
よかったよかった、と還暦を過ぎたじいさんはいつの間にか幼児と同じ心境になっている。
心が純情になっていたのだろうか。
孫のような幼児と一心同体になっている。
最近歳のせいか、ふと気がつくとこんな風に童心に返っていることが多いような気がする。
ここで急に不安になる。
自分は今、危なくなっているのではないか。
認知という言葉が急に浮上してきた。
そっちのほうと童心は関係があるのではないか。
思いあたるフシばかりだったりして…
困った。





