十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

感無量の運動会(投稿)

2007-09-28 | ジュニア俳句
本当に感無量の運動会でした。6年生の保護者のみならず感涙されていた方もいらしたようです。
残暑厳しい折、しかも短期間のなかで頑張った子どもたちに賞賛を、ご指導して下さった先生方に感謝を申し上げます。
“徒競走ライバルに勝てずテープ遠い”いい句ですね。わずか17文字(19?)に一枚の絵が見えてくるようです。字余りも現代っぽいというかプロっぽくさえ思えます(^o^)
季語も増殖し、侘び寂だけが俳句ではないようです。伝統文化は少しずつ形を変えつつも、いいものはいいから継承されるのでしょう。日常さりげなく俳句を学んでいる子どもたちは幸せだと思います。
学校の近くにある芭蕉記念館では、ときおり有名な俳人の先生や大学の先生の講義を聴講することができますよね。こどもに対抗して?たまには学生気分を味わってみましょうか・・・

-小山-
10月7日(日)この日は、芭蕉稲荷祭もあり、神明幼稚園の運動会もありますが、芭蕉記念館で、長谷川櫂氏の講演会が2時からあります。(3時半まで)募集定員は、先着順で80名。長谷川氏は、読売新聞に「折々の歌」のような連載をもっている現代を代表する俳人です。演題は、ちょっと失念しましたが、確か「蛙は池に飛び込んだか?」というようなものだったと思います。興味ありますね。出来れば参加したいと思っています。皆様もどうぞ。

運動会の俳句 その2

2007-09-28 | ジュニア俳句
鉄は熱いうちにうつ方がよい。ネタは新鮮な方がよい。
各学年で、運動会についての俳句が作られている。
次に紹介するのは、三年生の俳句である。

ときょうそう一いになってVサイン   長

思い出にブートキャンプがきざまれた  朝

運動会ブートキャンプできんトレだ   南

運動会もえるからだでつっぱしれ   恭

地区リレーもえる気持ちをおさえこむ  宮

運動会一番たのしみおべんとう    詩

運動会ニヤッとわらってシャッターチャンス   大

体操着さん私といっしょにがんばろう    涼


以上、今日の三年生の十分間俳句の作品から選んだ句だが、共通しているのは、言葉を選んでいることだ。

たとえば、この句

  ときょうそう一いになってVサイン

これは、「一位になってうれしいな」ということである。この「うれしいな」の部分を「Vサイン」としたのが手柄だ。
「うれしいな」は、写真にしたら見えないが、「Vサイン」はちゃんと写る。この基本線をクリアーできれば、段階が一つ上がったと言うことが言える。2年生だとこの辺りは、かなり難しい。一つには語彙の問題もある。発達段階にも関係しているように思う。

思い出にブートキャンプがきざまれた

「ブートキャンプ」とは、運動会の中学年の出し物であるが、
それにしても「思い出に刻む」などという言葉を使えるとは「なかなかおぬしやるな」という感じだ。

地区リレーもえる気持ちをおさえこむ

この「燃える気持ちを抑え込む」という表現にも唸らされる。
読書量との相関関係もあるのかもしれない。誰でも簡単に使えるとは思えない。

三年生になると、こうした「言葉の工夫」がかなり出来るようになると言うことだろうか。今後の参考になる。

運動会一番たのしみおべんとう

体操着さん私といっしょにがんばろう

しかし、同時に上のような素直な感情をあらわした俳句もいい。大切にしたい。
考えてみれば、家族と一緒にお弁当を食べる機会などほとんどないわけだし、その楽しみは他に代え難い。又それが「楽しみ」とと言えるのは、家族の有り様を示していてうらやましい。

又、体操着を擬人化し、それに呼びかける形式、これも子供らしいようでいて、それ以上のものをもっている。
本来、自分自身を励まして「頑張ろう」というわけだが、そのことを「体操着さん」に呼びかけるユーモラスさ。
「運動会一生懸命頑張ろう」というモチーフが、全く新しい発想に置き換わってしまうのだから、これもまた相当な工夫と言えるだろう。