十分間俳句

発見・感動・創造! 子どもたちの感性を培い日本語力を高める十分間俳句

二年生での指導の続き

2007-09-11 | ジュニア俳句

リアルな俳句へ導く手だての一つは、「魔法の言葉」対策である。

 夏休みプールに行ってうれしいな

と黒板に書き、
「写真に写らない言葉はどれだろう」
と質問した。この前の授業を覚えていた子から
「あっ、魔法の言葉だ」と言う声が出た。
何人も手が挙がる。
「そうだね、『うれしい』が写真に写らない魔法の言葉だ」
「魔法の言葉って、他にあるかな」
「たのしいな」
「おもしろい」
「すばらしい」
「おいしいな」
いくつも出てくる。
(よくわかっいるじゃん。たいしたものだ。)
゛「俳句は言葉の写真」
「笑顔は、写真に写るけれど、うれしいは、うつらないね」

深川発祥の俳句大会があるものだから、
「夏のことを思い出して俳句を作ってみよう」
と持ちかける。
高学年で授業したときも、これは難しい。もう1ヶ月前のことをそうリアルには憶えていないからだ。
それでも、夏らしい句がいくつもできた。大進歩と思った。
嬉しい一日である。
本当は、一歩突っ込んで、一人一人に指導して、よい句に仕立てていくことが必要なのである。
そのことによって、どの様に俳句を書けばよいかを子供自身がつかむことが出来るからだ。今は運動会の練習で忙しいので、今後の課題とする。
夜7時を過ぎた頃、担任の先生が、今日の俳句についての話をしに、校長室にきた。
必ずしも、まだ全員が俳句の作り方をわかっているわけではない。
しかし、くり返し、リアルに見ること、発見を大切にすること、言葉を工夫することなどを指導していけば、必ず、対象をリアルに見る目が育ち、作品もよくなっていく。二人ともこの事に確信がもてた。

今日は、ディズニーランドの方と授業の相談をし、学校緑化を支援してくださる企業の方と今後の方向についての話し合いも行った。
ディズニーランドの授業は、2年生で28日、1年生で10月14日に行う。
おなじく、9月28日に、体育倉庫の壁面緑化の作業を行うことと「学校緑化とは何か」を専門家の方に講演していただく機会をもつことになった。色々な意味で良い日だった。

では、2年生の俳句を紹介する。


 夏休みクーラーつけて天国だ

確かにそういえますね。でも、クーラーをつけなければならない今の日本の暑さは尋常ではない。

 プールがねホテルになっててめいろなの

プールの中が迷路になっている。そこに気がつくのも一つの発見である。

 海行った日やけになった外人だ

言葉が三つ投げかけられている。テンポ良く自分の思ったことが述べられている点がよい

 たっきゅうでパンパンうってあせだくだ

パンパンうって というのがおもしろい。あせだく もいい

 夏休みプールでおよいでいるかみたい

自由に泳げると本当にいるかのようだ

 夏の空ひこうき空にとんでいる

なんかのんびりした、夏だけどさわやかな感じがつたわってきます

 あますぎたぼくのつくったかきごおり

これは、おもしろい。文句なしにおもしろい。

 はまちょうのプールでおよいであせだくだく

リアリティがある俳句だ。浜町のプールというのもいい

 なつの海海の音がさーさーさー

海の音が聞こえてくる。それが印象にあった。こういう原体験を大切にして意識することが大事だと思う。