弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

もしも高裁に 裁判員いれば「豊川」の流れ 変わったか?

2023年06月07日 17時26分45秒 | 名古屋・愛知
今日の名古屋高裁決定から。
残る数少ない日弁連支援再審事件だが、今回も棄却だった。

https://www.chunichi.co.jp/article/705016

名張事件と同様に原裁判の一審は無罪判決だった。裁判員制度が施行される直前だったので、裁判官のみによる裁判での無罪である。

実は、客観的証拠が薄いにもかかわらず有罪認定をされた事件の方が、再審は難しい。例えば、専らDNA鑑定に依拠していた有罪判決であったならば、進化した再鑑定によって呆気なく覆ることは、足利事件や東電OL殺人事件に見た通りである。

もしも逆転有罪の原判決をした高裁に裁判員が入っていとしたら、一体どういう判断をしただろうかと想像する。
裁判員ならば、もしも自分が被告人だったとしたら、これくらいの証拠で有罪にされても仕方がないと思えるかどうか、熟考しただろう。

元々、原審記録を見直して、原判決を支持するかどうかの合議に参加する方が、裁判員には向いているのではないかと思っている。
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