弁護士任官どどいつ集

弁護士から裁判官になった竹内浩史のどどいつ集

裁判官付き「ロー・クラーク」と 似て非なる者 調査官

2019年04月08日 21時02分10秒 | 裁判
(写真)「ブレザレン」をようやく読み終えた。
昭和56年初版なので古本で取り寄せたが、「字が小さくて読めない」と何度も挫折しそうになった。
アメリカ連邦最高裁の高名なウォーレン・コートを引き継いだバーガー・コートの7年間の9人の裁判官の駆け引きを描いたノン・フィクション。副題に「男たち」とあるとおり、当時はまだ女性の最高裁判事は誕生していなかった。
あとがきで訳者が弁明しているように「standing」を専門用語の「原告適格」ではなく「資格」などと訳したのはまだ理解できる。いただけないのは、ロー・クラークを「書記」と、明らかな誤訳をしてしまっていることだ。かと言って、日本の最高裁の調査官とは全く異なる。
各裁判官室のロー・クラークが意見を主導し、時には裁判官を説得して判例を築いていた模様が活写されている。