きまぐれ発言

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拒否権はプーチン路線保持のため

2012-02-08 12:25:36 | Weblog
拒否権はプーチン路線保持のため      (012.02.08.)

シリアの反体制派への弾圧を抑制するための安全保障理事会の決議を、常任理事国の拒否権で否決させた事は、「拒否権発動は虐殺の容認に等しい」との欧米からの強い非難に対し、ロシアのラブロフ外相はシリアのアサド大統領との会談で、弾圧抑制の説得を試みた。

そして、ラブロス外相から、反体制派との対話を促す発言をしたが、アサド大統領は「世界では均衡が保たれるべきだ」と語り、ロシアの拒否権発動に評価する姿勢を示すだけで、政府軍・治安部隊を使って、住宅地砲撃を更に続け、シリア全土で市民21人兵士4人が死亡し、市内は狙撃手や戦車だらけで、食料の買い物にも行けない状況との事である。
反体制派の「シリア革命総合委員会」の発表ではシリア全土で、死者128人に負傷者は1500人以上と言われている。

反体制側も安保理での対シリア決議案を拒否した事から、政府側は、更に攻勢を強め多数の死者を出した事に態度を硬化し、ロシアからの「調停」を受け入れる姿勢おも示していない。

ロシアの拒否権発動に対しては、「プーチン路線」の影が濃厚で、ロシアに執っては武器輸出に対する上得意で、11年度ロシアの兵器総輸出量120億ドル中、9億6000万ドルをシリアに輸出している。先月には軍用練習機36機を5億5000万ドルでシリアに売却している。

昨年はメドベージェフ大統領の指示で、対リビアへの国連安保理決議を拒否せず、棄権に回った事を、今回は拒否権発動の方向に転換した。此の事は、プーチン氏の大統領復帰を前提にした「強いロシア」を掲げる行動の一つで、プーチン氏は旧ソ連のウクライナーやグルジアなどで起きた民主化を求める「カラー革命」を「欧米による、政権転覆」とみなしている。カダフィー政権の崩壊も北大西洋条約機構(NATO)の働き掛けと見ている。

この様な動きを総合的にみて、親NATO的であったメドベージェフ大統領からプーチン路線に変わる事は、冷戦時代の逆戻りの感はあるが、近代での民衆の考え方から、冷戦時代とは大きく変わっているだけに、ロシアの今後の動きに、大きな注目が注がれる所である。
その証拠にモスクワでも反プーチンのデモがまだ、力は無いにしても起こっている事が物語って居る様に思う。

中國もこの動きには相当に気を使っている。今年も民衆の動きと、独裁政権の動きの戦いが活発になるのではないでしょうか。
(えびなたろう)


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