青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国および日本のユリ科(狭義)植物 16 ツバメオモト連Medeoleae

2024-05-15 21:10:37 | 雑記 報告


西日本新聞で紹介してもらった「近所の森と道端の蝶(福岡編)」まだ一冊も購読問い合わせがありません。皮算用の10冊1万円どころか、水道代2420円も支払えない。明日から水道止まってしまうので、ちょっと辛いです。

現時点での残金3024円、水道代を支払うと、残り604円、まあ数日は大丈夫ですが、あと半月は持たないと思います。水道を止めて3000円を確保するか、水道を確保して600円で半月暮らすか、究極の選択ですが、見通しが立たないとなると、前者を選ぶしかありません。


それにしても、齢76歳の老人が途方に暮れていても、誰も見向きもしてくれませんね。大震災が起こると、挙って援助金の寄付を競う日本国民は、身近の困っている人に対しては、誰一人無関心なのです。


せめて一冊ぐらいは売れても良さそうなんですが、、、。同じような内容の本でも、有名出版社から刊行すれば、褒め称えられて、原稿料も100万円単位でゲット。個人で自主刊行した場合は、誰一人購入してくれず、挫けずに販売に努力を注ぐと、詐欺まがいの行為と、罵倒されたりする。


僕自身が苦しむ分には、まあしゃあないか、で済ましても良いのですが、日本人の薄情さを目の当たりにすると、とても哀しくなってきます😢。


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一平氏、大谷君の成り行き、今後も徹底して見据えて行きます。一平氏の為にも、大谷君の為にも、そして何よりも日本人の未来にとって、(これで一件落着というわけではなく)今後の展開が重要な意味を持ってきます。

僕はこれまで、香港デモ、コロナ騒動、熱中症問題、、、、大衆の見解(いわゆる正論)とは全く異なるスタンスで問題提起を呈してきました。


それに対して“逆張り”と言ったような捉え方をする人がいます(ほぼ全員?)。逆張り、ヤな言葉ですね。大多数にとっては逆なんでしょうが、結果として逆になっているだけで、しごく真っ当なことを言っているつもりなのです(僕が逆なのではなく向こう全員が逆)。「陰謀論」の解釈などとも繋がってきます。




一平氏事件をアメリカのTV局がドラマ化するとの情報。結構意味があるかも知れません。日本人の無意識同調崇拝集団から離れた、別の視点からこの事件を捉えるきっかけになるかも知れんですし。

大相撲に於ける白鵬と、大谷はどこが違うか。まあ白鵬がモンゴル人、と言う部分に、全てが収斂するのでしょうが。

大谷君は、謂わば“まともな”貴乃花ですね。貴乃花は、内から見た改革を推進しようとした。保守の立場に立っての改革です。(いかなる困難が伴なおうとも)本来のあるべき姿に戻す。良い意味での、典型的日本人。

白鵬は(好き好まざると)外から見た改革。拘りも忖度もなく、間違っていると思われる部分は変える。その際、日本人の心情は度外視します(というか、どだい分かるわけがないですし)。“バンザイ三本締め”とかも、本人は良かれと思ってとった行動です。でも大多数の日本人は、それが気に食わない。

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ユリ科の話

ツバメオモトとメデオラ(俗称“インドのキュウリ”)



APG分類が成される前から、旧来のユリ科を細分した場合には、ここまで紹介してきた、ユリ、クロユリ、カタクリ、チューリップなど、典型ユリ類が主体になるだろうことが当然視されてきました。

狭義のユリ科には、それら典型以外の少数の(予想外の)種も加わります。このあと紹介するタケシマランやホトトギスです。同じユリ科とはいえ、さすがにそれらは別の亜科に組み入れられています。

しかし、ユリ亜科には、ごくマイナーな予想外(予想していなかったのは僕だけなのかも知れないけれど)の一群が、据え置かれている。そして、大多数の種が所属するユリ連とは別に、もう一つの連Medeoleaeが提唱されているのです。


究極の小さなグループで、北米東部の1属1種Medeola virginianaに、北米中-西部産の3種と東アジア産の2種からなるClintonia属5種を加えた6種が、全メンバーです。



ツバメオモトClintonia udensisは、日本の山好きの方々には、馴染みの花でしょう。本州中部以北の高山や亜高山の中腹の森林林床に、奥ゆかしく咲いています。地味ながら、その佇まいには、存在感があります。

僕も沢山写しているはずなのですが、全てポジフィルム時代の撮影の為、手許に写真がありません(まだスキャンしていない)。それで、何かの雑誌に掲載した写真をコピーして載せておきます。

ツバメオモトは、本州の主に中部以北(関西にはごく一部)と、日本海対岸(ロシア沿海州、東シベリア、朝鮮半島、中国東北部)に分布していますが、手許にもう一枚、四川省北部の黄龍渓谷に於ける撮影品があります。どうやら中国西南部~ヒマラヤ地方に分布するツバメオモト属のもうひとつの種C.alpinaらしいのですが、中国植物志などではこの地域のものはツバメオモトC.udensisそのものとなっていて、日本産との関係は良くわかりません。



北米大陸には、紅花種と黄花種が各1種分布し、もう一種、この連の模式種でもあるMedeola virginianaが加わります。

ミズバショウLysichiton camtschatcense(東アジア)-キイロミズバショウL.americanus(北米西部)-ゴールデン・クラブOrontium aquaticum(北米東部)の関係と、同様のパターン。

東アジアと北米の生物相組み合わせの基本図式どおり、東アジア-北米西部の各種との共通祖先種を持つ、特殊な外観をした遺存的な種が、北米東岸(アパラチア山脈周辺域)に出現するのです。

テネシー州ル・コンテ山の中腹(日本の夏緑広葉樹林そっくりのブナ林の林床)で遭遇、むろん何枚もの写真を撮影しましたが、前回カタクリの項で記した不慮のアクシデントにより写真は消失、(別の著作に貼り付けて)僅かに残っていた写真をスキャンして掲載します。

非常に変わった花ですが、良く見ると確かにユリの花ですね。ツバメオモトが、花被弁がラッパ状に開くテッポウユリ・タイプなら、メデオラは、花被弁が反り返る壺状のオニユリタイプに相当する、ということだと思います。






タカネツバメオモトClintonia alpine

四川省黄龍渓谷 Jun.22,1989






ツバメオモトClintonia udensis

データ確認中






“Indian cucumber”メデオラMedeola virginiana

テネシー州ル・コンテ山 May 18,2005






花の拡大(ピンボケです)。確かに“ユリ”の花です。








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中国および日本のユリ科(狭義)植物 16 アマナAmana edulia、チシマアマナLloydia serotina

2024-05-15 07:46:57 | 雑記 報告


「困っている人を助けたのに…」パワーショベルで公道走行し運転免許取り消し 処分の撤回求めたが最高裁も訴え認めず…それでも男性は「これからも人助けをしていきたい」(MBSニュース)のコメント一覧 - Yahoo!ニュース

概ね、夫々のニュースに対するヤフコメ民の反応は賛否10対1ぐらい(あるいはそれ以上の差)で、どちらかに極端に偏るのが普通です(時に半々で拮抗)。3対1ぐらいが最も正常なのではないか、と以前にも書いたように思います。この例では、それにほぼ当て嵌まります。

似たような例で、

「医療資格を持っていない人間は(いかなる状況でも)医療行為を行ってはならない」

というのもありますね。

上の例では、人の生死に関わるほどの緊急案件ではない、というところが、保守陣営が強く出る所以だと思う。



それはともかく、この問題を突き詰めれば、

ルールは、一体何のためにあるのか、ということに帰着します。

もうひとつ突っ込めば、

ルールとは、一体何なのか? 法とは、一体何なのか?

(結論を先に言っておくと、それらは責任逃れのためにある)

ルールも法も、

人間社会に於いて、絶対に必要な存在です。

それを守る、それに従うことは、絶対条件です。

しかし、

ルールや法が、全ての最上位にあるのではないはず。

あくまで、人間社会がスムーズに進行していくために存在するのです。

“それ自体”が絶対的なもの、というわけではありません。

「絶対に必要なもの」だけれど、「絶対的なもの」ではない。



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以下の話は、直接の関連はない(話の置かれた次元が異なる)のですが、

バスに乗ると、

「シートベルト必着」の文字が、座席の前をはじめとした車内のあちこちに貼り付けられています。車内放送でも「必ずシートベルトを着用してください」と何度も繰り返し放送されます。

でも、誰もしていません(僕もしない)。これまで、している人を誰一人見たことがありません。

「必着」の有無を言わせぬ強制と、それをまるっきり無視している乗客のコントラストが、笑えて来ます。そのことに対して、運転手も、乗客も、何とも思っていないのです。皆、大人です。実に平和な、穏やかな光景ではあります



そこに行くと中国のバス、これが日本とは正反対。一人でもシートベルトを着用していない乗客がいると、バスは発車しません。その結果、シートベルトを嫌がる乗客と、着用を強要する運転手の間で、応酬が始まります。時には、運転手と乗客が大声を張り上げて罵倒し合い、戦いが繰り広げられます。「平和」とか「穏やか」とかとは無縁の喧噪のなか、(運転手も乗客も気まずい思いを抱いたまま)やっと発車していくのです。まるで子供の遠足です。



日本の運転手は、中国のように民度が低くはないので、そんなことはしませんね。乗客がシートベルトをしていようがしていまいが、意に介せず、バスを発車させます。乗客と口論など、つまらんことはしないのです。どちらにとっても嫌な思いをするだけですし。

運転手がいちいち注意しなくても、座席の前をはじめあちこちに注意書きがあって、場内放送でも「必着」を繰り返している。乗客に対する責任は果たしているのです。万が一事故に有っても、責任を問われることは有りません。



どういうことか、というと、

万が一事故が起こった時、

全員がシートベルトをしている中国では、怪我人がより少なくて済む可能性がある。

一人もシートベルトをしていない日本では、より多くの怪我人が出る可能性がある。

けれど、日本の場合でも、張り紙と放送で注意を促しているので、シートベルト不着用は乗客の自己責任であり、バス会社に過失は課せられません。

本来、シートベルト着用は、乗客の安全を守るために成されるものです。

そして、中国の場合は(少々双方が嫌な思いをしようと)、『結果として』その(安全を守るという)目的が遂行されます。

日本の場合は、『結果として』遂行されるのは、1にバス会社に於ける責任の回避であって、乗客の安全は2の次なのです。



そう、日本では、「責任の回避」が、全ての事柄の最上位に位置しているのです(正負も、企業も、個人も)。



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ユリ科の話 アマナ属Amana/チシマアマナ属Lloydia(キバナノアマナ属Gagea)



なんと、アマナAmana edulisの写真が一枚もない。シュンランとかセンボンヤリとかと一緒に、どこかで写しているはずなのですが、、、。

中国杭州の町の真っただ中の雑木林にチュウゴクギフチョウが沢山飛んでいて(1980年代末)、しかし訪花(在来種)植物がほとんどないのですね。帰化植物や栽培植物に吸蜜源を頼るしかありません。あんまり健全な状況じゃない、と思っていたら、数年も経たないうちに姿を見なくなってしまいました(この地域からは絶滅したらしいです)。

遭遇した数少ない在来野生種の一つがアマナ。いや、確かにアマナではあるのだけれど、僕の知識にインプットされているアマナとは明らかに異なります。と言って、(類縁的にかなり離れた)別属のチシマアマナ属の種ではなく、明らかなアマナ(の近縁種)です。

ということで、しばし文献類をチェックしたのですが、該当する種はどこにも見当たらない。後に、ちょうど僕がその花を撮影したのと同じ年に、ほぼ同じ場所で記録された個体を基に、新種Amana kuocangshanicaが記載されていることを知りました。もちろん全くの偶然です。ちなみに華東の浙江省や安徽省では、他にも数種のアマナ属の種が記載されているようですが、詳細については把握していません。

アマナが本州・四国・九州および朝鮮半島と中国大陸の一部地域、ヒロハノアマナA.erythronioidesが本州西半と四国、それに上記の華東地方産の数種でアマナ属を構成していることになります。

この分布パターンは、興味深いですね。いわゆるソハヤキ(襲速紀)分布要素の延長であり、日本の固有植物(あるいはそれに準じる種集団)に屡々見られる特徴的な分布パターンであります。

例えば、キレンゲショウマ。それから、中国華東地域に於ける分布は、在来なのか、日本からの移入なのか、よくわからないところがあるのですが、スギもそれに当て嵌まる可能性があります。同じようなことは、ヤマアジサイについても言えるし、そのほかにも、答えの出ていない「華東地域~日本列島」共通分布種が少なからずあります。

上海を中心に、北に南京、南に杭州を従えた華東地方は、昔も今も最も繁栄の極にある、中国の一大中心地です。日本とは、距離的にも近く、歴史的にも深い繋がりがあります。日本の生物相の成り立ちを考える上に於いて、非常に重要な地域なのです(実質的には天目山系がその中心)。なのに、意外なほど実態が分かっていません。



アマナ属のヒロハアマナと対に命名されているホソバアマナLloydia trifloraは、アマナ属ではなくチシマアマナ属Lloydiaです。両属は同じユリ科ユリ亜科ユリ連に属しますが、血縁的にはさほど近くはありません。

外観は似ていますが、アマナA.edulisとチシマアマナL.serotinaは様々な視点からも対極にある存在です。そのことは、このブログでの写真紹介にも現れています。アマナの写真が無い(見つからない)のに対し、チシマアマナは何枚も紹介している。

春の中間温帯林(いわゆる里山を含む)の林床にひっそりと生えているアマナのような植物は、意外に出会うことが少ない。それに対し、高山帯を含む寒冷地の草原に生えるチシマアマナには、出会うチャンス(頻度)がずっと多いような気がします(それとは別に写真の整理・保管に至るパターンが異なる)。

もうひとつ、キバナノアマナGagea luteaという種があります。キバナノアマナ属Gageaは、以前は狭義のユリ科ではなくネギ科(目段階でも異なるアスパラガス目)に含まれていました。印象的には確かにネギの雰囲気を持っています。しかし、最新のDNA解析に基づく分類では、ユリ科ユリ亜科ユリ連に含まれている。

それはまあ良いのですが、研究者によっては、チシマアマナ属Lloydiaとキバナノアマナ属Gageaが併合されていて(ともに全北区に分布し、それぞれ日本に2/3種)、その関係がよくわからない。

ここでは、中国植物志に沿って、全てを洼瓣花(キバナノアマナ/チシマアマナ)属Lloydiaとして一括しておきます(200種以上、ユリ科の最大勢力です)。

日本産のチシマアマナとホソバアマナが白花、キバナアマナと中国西南部山岳地帯産の複数種(正確な同定が出来ないでいるので暫定的な種名です)が黄花。系統分類に於いて、花色は余り関係ないようです。








括苍山老鸦瓣 Amana kuocangshanica

浙江省杭州市西湖畔 Mar.27,1989














チシマアマナ

北海道大雪山 Jul.6-7,1986








チシマアマナ

北海道大雪山 Jul.8,1993








ホソバアマナ

北海道礼文島 Jun.7,1993






キバナノアマナ(左はカタクリ)

山形県東根市大滝 Apr.21,1985










Lloydia tibetica 西蔵洼瓣花

四川省夹金山 alt.4100m Jul.19,2010






Lloydia tibetica 西蔵洼瓣花(右はケシ科Corydalis属)

四川省夹金山 alt.4100m Jul.19,2010








Lloydia flavonutans 平滑洼瓣花 or Lloydia oxycarpa 尖果洼瓣花

雲南省白馬雪山 Jun.14,2009














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