青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-63

2021-04-03 20:12:50 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★4月2日の記事に応援ありがとうございました。


読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

台湾、、、、。

僕の最初の国外旅行は、台湾だったのですよ。45年ほど前、初海外というには少し奥手で、もう30歳近くになっていたと思う。実は、初めて彼女(お茶大の生徒)が出来たのもその頃、そっちのほうも奥手で、でも結構いいところまでは行っていたのだけれど、なんだかわけがわからないうちに破局してしまった(未だに理由は不明)。

その彼女が、卒業旅行でドイツに行ったときに、トーマス・マンの「魔の山Der Zauberberg」の単行本(もちろんドイツ語)とその皮カバーをお土産に買ってきてくれた。

本来なら、(例え破局はしても)僕の「宝物」として、ずっと持っていなければならなかったものです。でも、暫く後に無くしてしまった。

その少し後、初海外の台湾に行きました。旅費を作るために、それまでの蔵書の多くを、知人の古本屋(生物学系)に売った。台湾渡航中、東京(世田谷)の僕のアパートの室内に入れるようにしておいて、「本棚にある本(図鑑類が多い)は全部もって行って良い」「ただし本棚以外のところに纏めている分は絶対にもっていかないように」と、依頼をしておいたのです。

なのに、「絶対持っていかないように」と厳命していたのも(他の古本屋に)売り払ってしまった。

その中には、
上に述べた彼女のドイツ土産の革製トーマス・マン。
北杜夫さんからの献呈本(遠藤周作さんとの対談中にちらっと僕の事を書いてくれた)。
岩波鴎外全集(毎月購入していた)の付録についていた「三人冗語」「雲中語」全文。
今思えば、すごく大切なものばかりなんですね。
なんで、もっと抗議をするなり、取り戻す努力をしなかったのだろう(その知人は「一束三文で売り払ったので追跡不可」と言うけれど、その気になれば突き止められたはず)。結構気が弱く、淡泊なのです。

「三人冗語」は、ゆっくりと読もうと、楽しみにしていたのです。森鴎外が「鐘禮舎」、幸田露伴が「脱天使」、斎藤緑雨が「登仙坊」ですね(その後の「雲中語」では、依田学海、尾崎紅葉、饗庭篁村、森田思軒らも参加)。

昨日、ネットで「三人冗語」を検索していました。樋口一葉(とくに「たけくらべ」)関連が多いですね。「たけくらべ」をもって、一葉が日本近代文学の最高峰に上り詰めた直接要因は、この激賞によるものです。

因みに、(そのことは以前にも記しましたが)「たけくらべ」絶賛のすぐ後に、広津柳浪の「今戸心中」が「たけくらべ」を上回る字数を割いて絶賛されていることは、余り知られていません。

あと、評論そのものよりも、「三人冗語の石」(鴎外が石に座って、露伴が横に立って、緑雨が木にもたれかかっている)のほうが、知名度が高いようです。「三人冗語」でネット検索すると大抵「三人冗語の石」が出てきます。

鴎外の住んだ観潮楼は戦後消失し、今はその跡に「森鴎外記念館」が建っています。「三人冗語の石」だけは、焼けずにちゃんと残っています。瀟洒なカフェもあるようなので、経済的・精神的余裕ができたときに、一度訪ねてみたいと思っています。

ところで、今ではどの解説書にも、「“観潮楼”は、当時そこから東京湾が望めたことに因り名付けられた」と、しれッと書かれています

「三人冗語」の話題について書かれたあるコラムに、興味深い記事がありました。鴎外の娘の小堀杏奴が母(鴎外の二番目の奥さん)から聞いた話です。

鴎外が夫人に訊ねたのだそうな。
「お前、海が見えるか?」
夫人は一生懸命海の方角を眺めたのち、
「私にはどうしても見えません」
鴎外は笑って、
「お前は正直だ、ここから海が見えるわけがないのだよ」
「でも来訪者に“見えるか?”と尋ねると、皆(鴎外に忖度して)“見えます”という」

まあ、世の中そんなものですね。事実と空気は、「形作られた空気」のほうが事実に近いわけです。

これも前に書きましたが、長年近所に住んでいた夏目漱石と鴎外は、記録の上では2度しか会っていないことになっています。現在では、これが定説です。

でも、史実の実態など、簡単には分からないですね。漱石と鴎外はしょっちゅうツルんでいた、という設定の小説や漫画もあります。

「三人冗語」検索中に、「二人冗語」とか「四人冗語」とかのパロデイ・コラムを見つけました。

「一人冗語」は無かったので、僕のコラム表題は(そのうち)これで行きます。

「いい日朝立ち」(三世から滅多なことでは使うな、と言われて大事に取ってある)と共に、“切り札”です。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

台湾、樹林(蘇澳)から花蓮に至る断崖絶壁をくりぬいたトンネル、特急列車や各停列車に乗って、何度も何度も行き来したものです。

ご冥福を祈ります。残された愛する人々に、幸ありますように、、、、。





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中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-62

2021-04-03 13:00:00 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


 
Lomatogonium gamosepalum 合萼肋柱花 (雲南省香格里拉)



雲南省迪庆藏族自治州香格里拉近郊。標高3300m付近。2013.10.2 [Monica Lee撮影]
 
合萼肋柱花Lomatogonium gamosepalum は、他のヒメセンブリ属各種とは、萼筒が裂片の中程までが合着すること、花冠の“喉”の部分が丸く白色で覆われ、そこに(裂片ごとに)明瞭な2個の蜜腺溝を有することなど、大分印象が異なる。「中国植物志」によると、分布域は「チベット東北部、四川省、青海省、甘粛省西南部、およびネパール」で、雲南省は含まれていない(ただし「中国植物図像庫」には香格里拉産が掲載されている)が、写真の個体は、ほぼ間違いなくこれに相当するようである。
 


雲南省迪庆藏族自治州香格里拉近郊。標高3300m付近。2013.10.2 [Monica Lee撮影]
 
 
Lomatogonium sp. 肋柱花属の一種 (雲南省白馬雪山)



雲南省迪庆藏族自治州白馬雪山。標高4200m付近。2005.9.29 
 
Lomatogoniumヒメセンブリ属は、子房に花柱を欠き、柱頭が子房に沿って垂下する、という特有の構造を持つ。また、花被裂片が右巻きに重なりあい、その裂片の裏面は、片側半分(重なられた側)が表面と同じ明色、もう半分(重なる側)が顕著に暗色を帯びるという特徴も有している(そのことは蕾の様子でも判る)。
 
ヒメセンブリLomatogonium carinthiacum は、日本では南アルプス(主に北岳周辺)と八ヶ岳のみに分布する絶滅危惧種だが、世界的に見れば、ユーラシア大陸(ヨーロッパ~中国大陸)と北米大陸の亜寒帯域に広域分布している。
 
Lomatogonium属は世界に24種、うち20種が中国大陸に分布。しかし、次に紹介した顕著な特徴を持つLomatogonium gamosepalum以外の種は、僕には区別がつかない。そのため、ここでは種ごとではなく地域ごとに紹介していく。四姑娘山に於いては、少なくとも4種以上に分けられるようである。
 
この写真(3枚)の個体は、花冠が平開しない。この後紹介する、四川省雪宝頂の個体、および四姑娘山の最初の個体と共通する。
 




雲南省迪庆藏族自治州白馬雪山。標高4200m付近。2005.9.29 
 
 
Lomatogonium sp. 肋柱花属の一種 (四川省雪宝頂)



四川省阿坝藏族羌族自治州雪宝頂(松潘~黄龍間の峠)。標高4200m付近。2005.9.25
 
前掲の雲南省白馬雪山の個体、および次掲する四姑娘山の最初の個体と共通する
 (プライベート・ネーム「ツボバナヒメセンブリ」)。
 
Lomatogonium spp. 肋柱花属の複数種 (四川省四姑娘山➀)



四川省阿坝藏族羌族自治州小金县四姑娘長坪溝。標高3600m付近。2006.9.18
 
上掲2地域個体群と同一分類群に含まれると思われる。
 


四川省阿坝藏族羌族自治州小金县四姑娘長坪溝。標高3400m付近。2006.9.18
 
一見、蕾のようにも見えるが、そうではないと思う。異常個体の可能性も含め、特定不可。どちらかと言えば、最初に紹介したLomatogonium gamosepalum合萼肋柱花との関連性が考えられる。
 






四川省阿坝藏族羌族自治州小金县四姑娘長坪溝。標高3600m付近。2006.9.18
 
花は平開し、大型(花冠径2㎝余)、後述する高山帯(巴朗山)の集団の一つに似るが、茎高が高く分枝して花を着ける。
 
 
Lomatogonium spp. 肋柱花属の複数種 (四川省四姑娘山②)



四川省阿坝藏族羌族自治州小金县四姑娘巴朗山。標高4700m付近。2006.9.19 (以下18枚同一日同一地点)
 
リンドウ属ヤクシマリンドウ組の場合もそうだったように、四姑娘山に見られるヒメセンブリの一群は、おそらく同一グループの別分類群(別種)に所属すると思われる複数の個体群から形成されている。
 
それぞれが、どの種に当て嵌まるのかについては、僕の能力では特定出来ないでいる。少なくても、著しく大きさの異なる個体は、別々の分類群に属するのであろう。
 


花の大きさが著しく異なる。
 




画面上での花の大きさを統一して示した。
 


大きい方の個体を、小さい方の個体と同倍率(やや低め)で示す。
 


小さい方の個体(上の大きい個体の数倍の倍率)。
 




小さい方は、ヤクシマリンドウ組の種と比べても、これだけの差がある。
 






小さい方に属すると思われるが、前出の個体よりは、やや大きめ。
 




これは、長坪溝の茎高の高い個体と同一分類群なのではないだろうか?
 




ユキノシタ科ユキノシタ属の一種と。
 




大きな小さな方と違って、ヤクシマリンドウ組の種の花冠径を上まわる大きさ。
*下写真。この地域特有の岩石に注目。
 


右後方は、四姑娘山主峰6250m。
 
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 


黄緑:白馬雪山/空色:香格里拉/ピンク:四姑娘山/赤:雪宝頂/【参考】黒:南アルプス
 
 
 
 
 
 





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