青山潤三の世界・あや子版

あや子が紹介する、青山潤三氏の世界です。ジオログ「青山潤三ネイチャークラブ」もよろしく

中国の野生植物 Wild Plants of China リンドウ科Gentianoceae-49

2021-03-23 20:38:54 | コロナ 差別問題と民主化運動 中国の花


★3月22日の記事に、いいね!をありがとうございます。

読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。

【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?

【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。

*毎回(リンドウの項目奇数回)のブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けることにします。

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キバナリンドウ(Gentiana scabrida 玉山竜胆) およびアリサンリンドウ(Gentiana arisanensis阿里山竜胆)に関しての追記コメント。

キバナリンドウ(花冠直径は15㎜近くあり、小型リンドウの中では最も大きい部類に入る)の顕著な特徴は、撮影個体に限ってですが(それでもここに示したものだけでも20花以上はあると思うので、ある程度の統計的見解は成せると思う)、雄蕊が花冠内壁に待避する花を、一つもチェックできないでいること。では、「ナナツバリンドウ(一応Gentiana arethusae)」のように下方に衰退していくのかと言えば、そうでもないようで、、、。写真個体をチェックした限りでは、雌蕊の発達後も、雄蕊が雌蕊に寄り添ったままの花が多いように思います。

小型リンドウのスタート時、「小竜胆組(=ハルリンドウ節Sect. Chondrophylla)の種が中心になると思うけれど、他のセクションの種も混じっているかも知れない」と記しました(その可能性も大いにあるので、調べるの大変だなぁ~、と憂慮していた)。

結局は、最初の一つ(ユキベルリンドウGentiana nanobella钟花龙胆)だけが別セクション(Sect.Dolichocarpa柱果组)の種で、あとは全て「小竜胆組」の種でした。

セクション内のシリーズ(列/系)分割を「中国植物志」に従って(日本産の主な種を中心に)整理すると、次のようになります。
ハルリンドウ丛生龙胆 Gentiana thunbergii=小龙胆系Ser. Humiles
フデリンドウ笔龙胆 Gentiana zollingeri= 帚枝系Ser. Fastigiatae
コケリンドウ鳞叶龙胆 Gentiana squarrosa=卵萼系Ser. Orbiculatae
ほか7系(series)

この処置が妥当なのかどうか、僕には今んところ全く分かりません。でも、とりあえず従っておくしかないです。

ヒナリンドウGentiana acuaticaはハルリンドウと、ミヤマリンドウGentiana nipponicaはコケリンドウと、それぞれ同じセクションに配置されています。

ハルリンドウは、「中国植物図像庫」に北部~東北部産の三個体(日本産と同じ種に含めるべきかどうかについては不明)が紹介されているだけで、西南部などからは(明確な姉妹種と言える地域集団を含め)見あたりません。

一方、日本では超希少種のヒナリンドウ(このリンドウを撮影するため、南アルプスの三伏峠や日光女峰山や八ヶ岳を探索した時のことをいつか書きましょう)ですが、しかし中国では、その近縁各種が、むしろ小型リンドウの主流(の一つ)を成しているようなのです。

フデリンドウは、日本産と同じ分類群(たぶん種単位でも同じ)に所属する地域集団が、北部~中部辺りまで見られます。しかしやはり西南部には分布していません(ただし幾つかの対応種は確認できる)。

コケリンドウの仲間は、(そのどれもが本当に同じグループに所属するのか否かはともかくとして)意外に多くあるようです。ミヤマリンドウも、コケリンドウと同一セクションに含められています。ミヤマリンドウは日本固有の高山植物で、中部山岳地方から北海道にかけての高山帯に比較的広く分布し、飯豊山に変種のイイデリンドウ(var.robusta)が知られています(麓にテントを張って稜線まで駆け上って突貫往復で撮影に行ったことがある)。

中国には、東北部の山岳地帯にミヤマリンドウによく似た「長白山竜胆Gentiana jamesii」という種が分布しています。「中国植物志」に因ると“日本にも分布”となっているので、ミヤマリンドウがその変種とされているようです。

興味深いことに、「長白山竜胆」は、日本の高山に広く分布するミヤマリンドウとは余り似てはいず、分布が極限されるイイデリンドウのタイプに近いようです。不思議ではありますが、このような現象は、大陸と日本の関係に於いては、結構普通に見られることなのです。

今回、小竜胆組の紹介を終えたところで、一段落を付けて、改めて小竜胆組の総括(各系代表種の写真再紹介)を行って置こうとも考えたのですが、もう少し勉強してからのほうが良いでしょう。ここで一息つかずに、次に進みます。次回は、残るリンドウ属の大型種、もう一つのセクション「狭蕊组Sect. Stenogyne」の2種です。






コメント
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