読者の方々に質問です(僕は頭が悪いので、教えて頂ければ幸いです)。
【Ⅰ】
マスクは、なぜ必要なのですか?
【Ⅱ】
「沖縄に対する日本」
「台湾・チベット・ウイグルに対する中国」
の違いを教えて下さい。
*ブログ記事の冒頭に、この質問を繰り返し続けます。
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写真1
モンキチョウColias erate(オス)
究極の普通種の一つモンキチョウは、未知の“魅力”の宝庫でもあります。
個人的には特に興味を持っている対象ではないのだけれど、中国西安の近郊(モンキチョウ含む2種)や、アメリカのナッシュビル近郊(北米産近縁2種)で、丸一日観察し続けたこともありました。
随分昔(50年以上前?)、名古屋の南山大学の阿江茂先生が、(確か北米産の?)モンキチョウの一種の、性別翅色出現率のデータを纏めて学会誌に発表されたことがあります。余り評価は受けなかったように覚えている。曰く「ただデータだけ示しても、何の意味もない、そこから何らかの問題提起を行って、答えを導かねばならない」。
僕は、“違う”、と思いますね。データを集めて示すこと。それに勝る大事なことはありません。「問題提起」はその次。「答えを出す」は、どうでも良い事です(“ついでに”程度で良い)。
日本産のモンキチョウの事も、なぁ~んにも分かっていないですね。“分かっていないこと”に関しては、モンシロチョウと良い勝負です(たぶんもっと分かっていない)。
国外に於けるモンキチョウの分布、これが良く分かりません。たぶんヨーロッパの東縁あたりまでは分布しているようですが、、、日本産と同じ分類群に含めて良いのでしょうか?
ヨーロッパには外観がそっくりな(生殖器の形状で見分けがつく)「モトモンキチョウ(セイヨウモンキチョウ)Colias hyale」がいて、こちらはヨーロッパの全土に分布し、東は中国大陸の一部まで覆っています。大雑把に見渡せば、モンキチョウとモトモンキチョウは、ユーラシアの大部分で分布が重なり、東端の「日本海沿海地域」の東半(すなわち日本列島)でモトモンキチョウを欠き、西端の「地中海沿海地域」の西半(すなわちヨーロッパ中心部)でモンキチョウを欠く、という構図になります。
しかし僕自身は、(チェックした限りに於いては)中国大陸でモトモンキチョウに出会ったことがありません。といって、モンキチョウのほうも、日本のようにどこにでも普通にいる、と言うわけではなさそうなのです。
中国でポピュラーなのは、色や模様がモンキチョウとはかなり異なる、フィールドベニモンキチョウ(ノハラモンキチョウColias fieldii)。沿海部の都市近郊にも、標高4000mを超す西北部山岳地帯やチベット高原などにも、インドシナ半島の諸国でも、(僕は未確認ですが)東北部の寒冷地にも、何処に行っても見られる、中国の最普通種の一つと言えます(日本に分布しない*のは或る意味不思議です)。*迷蝶として記録されたことはある。
それに比べ、モンキチョウのほうは、分布がかなり限られているようで、どちらかと言えば、より「山地性」の種です。僕の観察地で言うなら、陝西省の秦嶺山脈と、雲南省の西北部高地帯では、フィールドベニモンキチョウ共々、数多く見かけています。
それらの地域集団と、日本のモンキチョウは、どのような血縁関係にあるのか?(台湾の高山性モンキチョウの存在も興味深い)
結論から言えば、日本産も中国産も、種としては同じモンキチョウColias erateだと思います。僕のチェックした限りに於いては、雄生殖器の構造が相同であること。もう一つ、(おそらく「種モンキチョウ」に固有の)独特の求愛(拒否)様式、「メスがオスを追っかけて飛翔する」という特殊な生態を持つこと。
フィールドベニモンキチョウやアメリカ産の近縁2種では、僕はそのような求愛(拒否)様式には出会っていません。
「メスがオスを追っかけて飛翔する」という行動については、様々な解釈が為されていますが、ここでは特に触れないでおきます。
一番もっともらしい解釈(当たっている可能性も強い)は、「メスが飛ぶ前をオスが飛んで(進行を塞いで)いる」。その事を証明するかのような、しばしの「逆追飛翔」の後、オスがメスを強制着地させ、本格的求愛を試みて、交尾に至った例も(むろん未遂に終わった例も)確認しています。
雌雄それぞれの性的成熟状態と、「求愛様式」のパターンの関連(近縁各種との比較)をチェックしてみても面白いと思います(ただしこの「逆追飛翔」は極めて日常的に見られるので、成熟の度合いとはかかわりなく、のべつ行われているように感じます)。
もう一つ。最初に挙げた、色彩性差。モンキチョウのオスの翅色は、常に(どの地域集団に於いても、本当に“常に”かどうかは知らない)黄色。一方、メスには黄色と白色の両タイプが混在しています。そのことは、(地域によって、黄と白の割合が異なる、ということも含め)ずいぶん昔から知られていることです(謂わば常識の範疇)。
しかし、実際にその割合の地域差をチェックした、という纏まった報告は、僕は知りません(今インターネットを調べたら、それに関わる考察や報告は幾つか見つけたのだけれど、ベーシックな資料は一つも見つけることが出来なかった)。
あと、前に写真で例を示した、「体色」と「休止場所」の色彩同調、ですね。それについては、又改めての機会に。
今回、モンキチョウが沢山いる場所で一時間余り観察していて、ひとつ気になった事があります。
オスの単独探索飛翔や、地上に於ける求愛(拒否)行動は、何度も見かけました。でも、例の「逆追飛翔」には、一度も出会わなかった。いきなりの地上での行動パターンばかり。たまたまかもしれないけれど(これまでの通常の例を考えれば)少し謎です。
写真2
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今回出会った地上での求愛(拒否)の例。
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写真9
別の一例(キチョウ亜科の種は静止時絶対に翅を開かないのですが、このような場合だけは例外的に閉じ開きします)。
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メス。
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オス。
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写真24
道路脇の草原の土手でモンキチョウの撮影をしていたわけですが、この道路を、たまにハイカーが通ります。数人連れのことも、単独のことも有ります。一人の場合にも、、、皆マスクをしている(・□・;)、、、、僕には“恐怖”でしかありません。
写真25
右側はフラットな草原になっていて、手前の低い土手のタンポポに多数のモンキチョウがやってきます。例の「追飛翔」を見ることが出来なかったのは前記した通り。左側は切通し斜面で、キチョウはこちらのほうに集まります。メスは茂みの中にいて、オスはメスを探して飛び回っています。オスもメスも、冬越しを経た割には深圳なので、意外と交尾前の個体も含まれているのかな?と、ふと想いました。
写真26
草原の奥が雑木林。
写真27
雑木林の向こうの「七国峠」方面?の展望(写真の左方に僕の住むアパートを含む青梅市東部の町があります)。