フルートおじさんの八ヶ岳日記

美しい雑木林の四季、人々との交流、いびつなフルートの音

年は往き、年は来る

2010-12-31 | 日記

いよいよ、2010年も大晦日がやってきた。今日は、重く寒い空だ。

コーヒーを淹れ、新聞に目を通す。将棋は二転参転して、藤井九段が即詰めで、木村八段を打ち取った。その結果、ともに二勝四敗と並んだ。

天声人語から

~こよい、連れ添った日記の最後を埋める方もおられよう。悔恨よりも、充実と感謝の言葉をつづる人の多からんことを。
そして、あすからの新しい日記帳には未知の歳月が並ぶ。きびしい世相だが、空白で待つページに、不安ではなく希望を見てとりたい。~

~しんしんと降る雪の中で除夜の鐘を聞く地方もあることだろう。~

~身も心も浄化されるリセット感があらたな力を生む。そして、新しいカレンダーに並ぶ一日一日を迎え入れる。吉屋信子の一句が思い浮かぶ。〈初暦知らぬ月日は美しく〉。どうぞよいお年を~

今日は大荒れの天気になった。風は強く、みぞれ混じりの冷たい雨が降ってきた。これでは身動きならない。午後からは、今日も妻の調子が今一つなので、一人で、買い物に出る。おせち料理の具材で足りないのがあるので、それを買いにでる。外は、厳しい冷え込みだ。

子どもたちはそれぞれの大晦日で忙しいようなので、「老夫婦」は、二人でゆっくりと大晦日の夕食を食べよう。新潟の銘酒「越後桜」の淡い味を楽しむ。その後は、久しぶりに「紅白」を始まりから見る。


これが全く、楽しめない。アンジェラ・アキがよかったかな。福山雅治は歌わない方が良かった。AKB48やXILEなど、やたらと人数の多いメンバーが出てきたが、これにはついていけない。演歌歌手は総じて昔の歌を歌い、時代めいて、いかんともしがたい。

植村花菜のトイレの神様は、実に爽やかだったが、これは流行り歌にはならないだろう。石川さゆりが「天城越え」、北島三郎が星野哲郎作詞「風説流れ旅」を歌って、今年の紅白は事実上終わった。

みそかそばをゆるりとすすり、今年を振り返る。退職し、八ヶ岳へ移住。珍道中の英国、コッツウォルズと湖水地方の旅。忘れられないピーターラビットとワーズ・ワース。薪割り、飯炊き、小屋掃除の八ヶ岳の毎日。気難しいフルートは少しは、前へ行ったのだろうか。妻の陶芸第1作のコーヒー茶碗が出来上がった。多くの新たな友ができ、楽しい時を過ごすことができた。これらは、一つ一つが、かけがいのない財産となった。買い物に出るといつもみえる富士は、誰それの区別なく、文句なく美しく聳えていた。八ヶ岳ライフの味をかみしめる。


あたらしい年への準備

2010-12-30 | 日記

今朝は、曇っている。冬型の気圧配置が強くなるようだ。

天声人語から

~冬枯れの公園で藪柑子(やぶこうじ)の赤い実が鮮やかだ。それぞれの喜怒哀楽を積み上げて、難しかった年がゆく。
冷えた手をかざす焚(た)き火がほしい、師走の言葉から。~

~北海道の森の木を使った職人手作りの椅子を、生まれた子に贈るプロジェクトがある。発案者の旭川大学客員教授磯田憲一さん(65)が、新たな命を祝福しつつ言う。
「大きくなってこの椅子を見たら、自分がどれだけのものに包まれていたのか気づくはず」。~

~ケータイ世代の高校生伊谷陽祐さん(18)は、関東の仲間たちと「日本高校生学会」をつくった。互いに会って話すことにこだわる。
「だって、メールだけで『この人いいな』とか思いたくないじゃないですか」~

掃除をしていると雨がぽつぽつとやってきた。玄関のふき掃除をしはじめるときには、本降りになった。
掃除をしなければならないところは、他にも沢山あるが、雨ではいかんともしがたいので、見合わせる。しめ縄を玄関口に飾り、掃除終了。

 


その後、正月用品の買い出しに行く。妻が、調子を崩してしまったため私一人だ。にらみ鯛、数の子、丸もち。店先に、長野諏訪の宮坂醸造の「別撰金寿 眞澄」が麗々しく置かれていたので、つい買ってしまった。一人の買い物はここがいいところだ。

家に帰り、夕食までの間、フルートの練習をしておく。今日は、驚くほどスムーズに音が出た。「毎日の練習」NO1、NO7、NO4も、意外と調子がいい。1時間はかからなかった。アルテ17課NO2ボレロは、まだ少しつかえる。18課の変え指練習、練習曲とNO1~NO3まで、やっておく。変え指の運指を身体に覚えさせること音程や響きの唇での調整が課題だ。2時間ほど吹いて練習を終える。


穏やかな師走の一日

2010-12-29 | フルート

今日は少し寒さも和らぎ過ごしやすい。新聞を取りに庭に出ると、黄色の寒菊が片隅に咲いていた。

コーヒーを飲みながらゆっくり新聞を読む。朝日社説から

~朝日新聞が識者アンケートで選んだ「ゼロ年代の50冊」の1位はJ・ダイアモンド著の「銃・病原菌・鉄」だった。社会の豊かさの違いがなぜ生まれるのかを、最後の氷河期が終わった1万3千年前からの人類史をひもといて論じたものだ。 ダイアモンド氏は「銃……」の続編の「文明崩壊」で日本を取り上げ、先進国の中でも人口密度の高い社会が維持されてきた理由を、恵まれた自然と地勢、江戸時代に森林を管理、再生させたことなどによるとしている。
名古屋であった「地球生きもの会議」を機に、この列島の森や海が、世界でもまれな生物多様性に富んだものであることが再認識された。 最後の氷河期が終わったころ、日本は縄文草創期である。縄文人は豊かな自然の中で、鋭利な石器を削り、世界で最古級の土器をつくった。 斜陽の気分の中で思い起こすべきなのは、私たちはなお恵まれた環境にいるということだ。知識や社会資本も十分に蓄えられている。それらを土台に何か新しいものを生みだし続けていく。そうすれば、これからも世界で役割を果たしていけるだろう。 ~

「江戸時代の森林管理」「この列島の森や海が、世界でもまれな多様性を持っていること」「縄文人は世界で最古級の土器を作った」との言葉が心に残る。アダージョの森の里山の再生、八ヶ岳西麓の尖石遺跡が浮かんできた。

午前中は読書で終える。

午後から、図書館へ行く。今日は年内最後の開館日だ。奥のテーブルに受験生がひしめいていた。自宅では気持ちが集中しない事情があるのだろう。受験生に混じって初老の男性が、勉強している姿もあった。

残念ながら藤沢周平「漆の実のみのる国」の下巻がなかった。下巻を読むのは当分お預けになってしまった。オールデイズのCDを借りて車のHDに保存しよう。聞きたいとは思わない曲もあるが、選択するのも面倒くさい。

車のガソリンを満タンにする。あれ、先日までこの店はL=126円だったのに、今日は128円に上がっていた。酒の量販店で、正月用のビール、日本酒、ワイン、焼酎と一式買い込む。しかし、いつまでもnon stopで飲み続けていいものかな。

帰宅後は夕方まで、フルートを練習しておこう。昨日吹いたおかげで、今日は、少しマシな音が鳴ってくれた。一日休むと駄目になるのがよくわかる。音出し、「毎日の練習」NO1、NO7、NO4をやると1時間かかった。アルテ17課NO2の曲、テンポとリズムがなかなか合わないので今日も苦労する。続いて18課の変え指の練習をする。NO3までさらっと流しておく。

夕食後も、焼酎のお湯割りをちびちび飲みながら、本を読んでいると、つい、うとうとしてしまった。穏やかな師走の一日が終わった。


心ゆるやかに年を締める

2010-12-28 | 濫読

いつも通りコーヒーをすすりながら、新聞を読む。将棋欄、後手木村八段の次の一手は、5三銀は予想した通りだ。ところがこれがなんと、悪手とのこと。先手の藤井9段が息を吹き返した。

天声人語から

~さて仕事納めの日を迎え、街の忙(せわ)しなさも今日あたりが盛りだろうか。
作家の幸田文は昔、「押しつまる」という随筆を小紙に寄せた。
〈歩道だって素直には歩けない、人がみんなやけにぶつかって来る〉。〈こういうなかにいると、「とげとげした速さ」が伝染して困る〉。
昭和30年代の歳末の世相である~

~何かに追われるように先を急ぐ気分を「追われ心」と言う。スピードアップした現代だが、ひとつスローに、不器用に。心はゆるやかに1年を締めたい。 ~

心をゆるやかに締めようと、「国華園」に花を見に行こう。何故か、今日はやけに暖かく、日差しも強い。道すがら丸亀製麺があるので腹こしらえをしておこう。かけうどんの大盛りに揚げたての竹輪とイカの天ぷらを載せネギ、ショウガ、七味トウガラシといこう。これだけ食べれば満腹だ。

国華園では、正月の飾り付けが沢山出されていた。それ以外は欄とシクラメンが所狭しと並べられている。

高い鉢はいくらでもあるが、お手頃のものを3鉢買う。家に帰り、窓際に並べると、少しは心がゆるやかに年を締める準備ができたかな。

昼からは、ゆっくり本でも読もう。高根町の図書館で借りた藤沢周平「漆の実のみのる国」上、を読み終える。財政難で滅びる寸前の米沢藩の改革を進める上杉鷹山。若輩だからと侮る旧勢力。上巻は7重臣の抵抗を抑えることに成功するまでの話。借金が税収を上回るどこかの国では、為政者はさながら物語の旧勢力そのものだ。久しぶりに読書の面白さが蘇ってきた。

その後夕食までは、フルート練習をする。2日間、フルートを吹いていないと、もう鳴らなくなっていた。フルートという楽器の気難しさに辟易する。「毎日の練習」NO1はテンポを88に落としてゆっくりやる。NO7、NO4も時間がかかった。アルテ17課NO2のボレロの曲は、16分音符の所が焦ってしまってどうしても、テンポ通りに治まらないので困ってしまった。夕方、空が俄かに曇ってきて、突然大粒の雨が降りだし、雷まで鳴りだした。


来年のフクを祈る

2010-12-27 | グルメ・クッキング

大阪は、外気温はそれほど低くはないが、室温がいつまでも上がらないので、寒い。
断熱や暖房効率がいかに悪いか、よくわかる。

コーヒーをすすりながら本当の新聞を読む。

天声人語から
~たとえば漱石を読むと、東京の冬は当時かなり寒かったことがうかがえる。身辺を描いた小品によれば、ある朝、風呂場は氷でかちかち光っている。
水道も凍りつき、温水をかけてやっと使えている。いまは屋外も凍ることはまれだ~

~今年も大詰めの日々となり、寒波の到来で北国は大雪が続く。夏の猛暑と相殺してほしいが天の采配はままならない。〈冬は又(また)夏がましじやと言ひにけり〉は江戸期の鬼貫。~

今日は、昼から、理髪店に行く。鏡で己の顔をしげしげと見るとなんとなく気恥ずかしくなってきた。髪は相当伸びてしまった。自宅にいるとものぐさになってきていけない。改めて「人に見られる」ことの大事さを感じた。

ミナミに出よう。千日前は相変らずの人出だ。

平日の昼と言うのに、話題になった「大タコ」の新しい店は、長蛇の列だった。

今日は、以前の職場のメンバーとてっちり食べることになっている。店に入るとまずは、ビールで乾杯だ。湯引きを食べよう。コリコリとした歯触り最高。


次は、てっさ、ポン酢にからまって旨さ一入だ。

鍋の出汁が沸きあがってきたので、てっちりを入れる。(写真は、ふぐの身を鍋に入れた後なので皮が目立ってしまった)

もちろん、飲み物はひれ酒に代わる。マッチを擦って余分なアルコールを飛ばす。グイと飲むと、ひれが焦げた薄苦味のある味が口中に広がって旨いではないか。


最後は、雑炊だ。出来上がった雑炊にポン酢を少しかける、てっちりの雑炊は何故もこう美味しいのか。おのずからお代わりと言いたくなる。

ひれ酒は酔いが遅れて回ってくるので、家に帰りつくころは、やや千鳥足の気分朗朗、頭は朦朧となってしまった。