陸に上がったカッパの海無し県生活

潜りから漁師へ。身体を壊し船を下りた。
海の話、釣りの話。脳脊髄液減少症。

玉網作製

2006-12-02 21:21:57 | 釣りの話
何の写真か全く分からないと思いますが、
木の枝を切ってきた物です。
これが、渓流釣り用の玉網(枠)になる予定です(上手くいけば)
この段階で、皮を剥く為に一ヵ月半ほど水に浸けてありますが、
まだちょっと早いようです。
あと一ヶ月ほど浸けておかないと、簡単に剥けないかもしれません。
かと言って、それ以上漬けておくと、下地が黒く変色する恐れがあるので、
難しいところです。

素材を見つけるのはなかなか大変です。
二本の対極する枝の根元が同じ高さから同じ角度でほぼ真横に出ていなければなりません。
素材としては、カヤと呼ばれる木か、モミの木の中に、そのような物があるでしょう。
しかし、むやみやたらと山から伐ってくる訳にはいきませんので、
これは伐採した木から適当な物を見つけてきました。
今は10本ほど水に浸けてありますが、あまり気に入った物はありません。
柄になる太い部分に変化が無くて、ちょっと面白みにかけます。
あとは皮を剥いた後の木肌の模様がどうなるかでしょう。

皮剥きが終われば、枠になる部分を丸く成型し少し下に角度を付けます。
これは太目の針金などで型を作り、それに沿わせて曲げ固定しておきます。
継ぎ目も後から見て分からないように綺麗に仕上げなければなりません。
成型が終われば次は乾燥です。
多分、十分な強度になるようには1年から3年、乾燥期間が必要になるでしょう。
気の長い話しです。

成型が上手くいって乾燥も上手くいけば、塗装をして網を付けて完成ですが、
果たして上手くいくでしょうか。

塗装は本漆でいきたいところですが、かぶれる恐れがありますし、
一回塗っては数ヶ月の乾燥の繰り返しでは、埃の付着にも神経を使わなくてはいけないし、
気が遠くなってしまうので、うるし塗料と呼ばれる物か、カシュー塗料で行う予定です。
これなら一度の乾燥が数日から一週間程度で済むでしょう。
これも数回の重ね塗りと、目の細かい紙ヤスリで丁寧に仕上げていきます。
柄元には鹿の角でも付けてみましょうか。
網は手先が器用で根気があれば自分で編むことも可能ですが、
網目が非常に細かくなるので、毎日2~3時間根気良く続けても、
数ヶ月の作業になってしまいます。
網の部分は市販品に強くて美しい物がありますので、
それを上手く取り付ける予定です。
そこまでくれば完成です。
あとは自分の名前でも刻んでそこにも漆などを埋めます。
自分だけの愛情の籠もった道具になるでしょう。
そうですね、あとは根付けなども渓流魚を形どったものを彫刻で作りたいものです。

さて渓流釣りや鮎釣りなどに使われる自然素材の玉網だが、
手作りで売られている物の中には、まるで美術工芸品のような仕上がりの物まである。
値段を見たら桁を一つ二つも間違えてしまうかもしれない。
そこまでは出来なくとも、そこまで近づけて作りたいと思っている。

と、ここまで工程と予定を書いてきましたが、
今の僕ではちょっと完成にまで至るかどうか分かりません。
恐らくは、皮を剥く時の姿勢でダウンしてしまう可能性も大ですから。
皮剥きから成型までは一気にしなくてはならないのが悩みの種です。
その時点で、ただのゴミになっていないよう祈りましょうか・・・。