「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

「高知ファンクラブ」に投稿された、続きもの・連載記事を集めているブログです。

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次

2014-09-02 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次

 

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次(2002~2007年 )

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次のつづきは こちら(2008年~2011年 )

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次のつづきは こちら (2012年~ )

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高知県産業振興センター発行の情報誌「情報プラットフォーム」に掲載された 「ぷらっとウオーク」 を、「高知ファンクラブ」事務局の要請を受けて、ブログでも紹介させていただくことにしました。
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鈴木朝夫の講演・出版の記録 目次

こんな祝う会も・・・鈴木朝夫先生の叙勲を祝う会

 

事務局が推薦する お楽しみ連載記事

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次のつづき(2008年~)は こちら

2014-09-02 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次(2002~2007年 ) 

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次のつづきは こちら(2008年~2011年)

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次のつづきは こちら (2012年~ )

こんな祝う会も・・・鈴木朝夫先生の叙勲を祝う会

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情報プラットフォーム、No.244、1(2008) ステークホルダー
情報プラットフォーム、No.245、2(2008) のいち動物公園と旭山動物園
情報プラットフォーム、No.246、3(2008) 屋上の巨大ブルドーザー
情報プラットフォーム、No.247、4(2008) ヤン坊マー坊の天気予報
情報プラットフォーム、No.248、 5(2008) エントロピーでは読んで貰えないか?
情報プラットフォーム、No.249、6(2008) 無重力世界のミケランジェロ
情報プラットフォーム、No.250、7(2008) 色とりどりの春の庭
情報プラットフォーム、No.251、8(2008) 八重咲き
情報プラットフォーム、No.252、9(2008) 国際宇宙ステーションを肉眼で見よう
情報プラットフォーム、No.253、10(2008) セミは可哀相だ
情報プラットフォーム、No.254、11(2008) 天真爛漫と傍若無人
情報プラットフォーム、No.255 12(2008) 久しぶり、仏さまたち


情報プラットフォーム、No.256, 1(2009) 庭、夏から秋へ
情報プラットフォーム、No.257, 2(2009) 巨樹・古木と古仏・名刹
情報プラットフォーム、No.258, 3(2009)  モーニングって何です  
情報プラットフォーム、No.259, 4(2009) 背は四国三郎の水の流れ
情報プラットフォーム、No.260, 5(2009) 森林県高知からのメッセージ
情報プラットフォーム、No.261, 6(2009) あこがれの公団住宅の昔と今
情報プラットフォーム、No.262, 7(2009) 歴史民俗博物館のような我が家
情報プラットフォーム、No.263, 8(2009) 枝垂れ桜、枝垂れ桃、枝垂れ柳
情報プラットフォーム、No.264, 9(2009) あの阿修羅に会いたい
情報プラットフォーム、No.265、10月号、2009 花伝説・宙へ!
情報プラットフォーム、No.266、11月号、2009 くちびるに歌を持て
情報プラットフォーム、No.267、12月号、2009 高知のお宝、手結の跳ね橋

情報プラットフォーム、No.268、 1月号、2010  古新聞紙の中の早明浦ダム
情報プラットフォーム、No.269、 2月号、2010 ダム湖の役割、パナマ運河の場合
情報プラットフォーム、No.270、 3月号、2010 皆で、朝はシャキーンと
情報プラットフォーム、No.271、 4月号、2010 キッズワールドは面白い
情報プラットフォーム、No.272、 5月号、2010  牡丹、紅葉、桜、柏
情報プラットフォーム、No.273、 6月号、2010 今夜の催し物を知りたい
情報プラットフォーム、No.274、 7月号、2010 モーツアルト大好きの対話
情報プラットフォーム、No.275、 8月号、2010 図でよくわかる機械材料学
情報プラットフォーム、No.276、 9月号、2010 夢に消えた高知活性化策
情報プラットフォーム、No.277、 10月号、2010 禍を福と成す遊び心で
情報プラットフォーム、No.278、 11月号、2010「ユズぽん酢"ゆずの村"」との出会い

情報プラットフォーム、No.279、 12月号、2010  塩の道は丹生(韮生)の道では?

情報プラットフォーム、No.280、 1月号、2011 活力は土佐沖の海底より出づ

情報プラットフォーム、No.281、 2月号、2011 戦友を失いました 

情報プラットフォーム、No.282、 3月号、2011 理系・文系は受験科目だけにしよう  

情報プラットフォーム、No.283、 4月号、2011  なぜ四国に関東の三波川があるのか

情報プラットフォーム、No.284、 5月号、2011  スラグの粘性、溶岩の粘性

情報プラットフォーム、No.285、 6月号、2011  旅する蝶、北米大陸と日本列島 

情報プラットフォーム、No.286、 7月号、2011  マテリアル・マイレージ

情報プラットフォーム、No.287、 8月号、2011  情報交流館ネットワーク

情報プラットフォーム、No.288、 9月号、2011  父の叙勲、恩師の叙勲、そして

情報プラットフォーム、No.289、 10月号、2011 好きなもの テニス川柳 磁場に鉄

情報プラットフォーム、No.290、 11月号、2011 無重力下で脳ミソは何を考えるだろうか

情報プラットフォーム、No.291、 12月号、2011 無重力下で脳ミソは何を考えるだろうか

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次(2002~2007年 )

2014-09-01 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

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2002
情報プラットフォーム No.175、4(2002) -----
情報プラットフォーム、No.176、5(2002) 秋の水田
情報プラットフォーム、No.177、6(2002) めだか
情報プラットフォーム、No.177、6(2002) ホームページ
情報プラットフォーム、No.178、7(2002)高知と韓国
情報プラットフォーム、No.179、8(2002) 投げる、焦げる
情報プラットフォーム、No.179、8(2002)発眼卵放流
情報プラットフォーム、No.180、9(2002) オートバイ
情報プラットフォーム、No.181、10(2002) 分離信号とは
情報プラットフォーム、No.182、11(2002) いもけんぴ
情報プラットフォーム、No.183、12(2002) 最上階からの眺め
情報プラットフォーム、No.183、12(2002) 時期尚早と先見の明
2003
情報プラットフォーム、No.184、1(2003) たたら製鉄
情報プラットフォーム、No.184、1(2003) 出雲のたたら
情報プラットフォーム、No.185、2(2003) -----
情報プラットフォーム、No.186、3(2003) テレビジョン
情報プラットフォーム、No.187、4(2003) 車輪のある生物
情報プラットフォーム、No.188、5(2003) 田村遺跡群
情報プラットフォーム、No.189、6(2003) ミーム
情報プラットフォーム、No.190、7(2003) あー そうですか
情報プラットフォーム、No.191、8(2003) 鍵と暗号
情報プラットフォーム、No.192、9(2003) 台場くぬぎ
情報プラットフォーム、No.193、10(2003) 血液型
情報プラットフォーム、No.194、11(2003) 政治と民意
情報プラットフォーム、No.195、12(2003) 暗記と暗誦
2004
情報プラットフォーム、No.196、1(2004) お墓とI Pアドレス
情報プラットフォーム、No.197、2(2004) ユビキタス
情報プラットフォーム、No.198、3(2004) ユダヤ人
情報プラットフォーム、No.199、4(2004) 冷やして飲む、暖めて飲む
情報プラットフォーム、No.200、5(2004) 200億円
情報プラットフォーム、No.201、6(2004) 切り詰めて生きる
情報プラットフォーム、No.202、7(2004) 破獄
情報プラットフォーム、No.203、8(2004) ウスキキヌガサタケ
情報プラットフォーム、No.204、9(2004) 偏見
情報プラットフォーム、No.205、10(2004) 茸はこの木
情報プラットフォーム、No.206、11(2004) トンデモ科学の大冒険
情報プラットフォーム、No.207、12(2004) 垣内保夫さん
2005
情報プラットフォーム、No.208、1(2005) 右綴じ、左綴じ
情報プラットフォーム、No.209、2(2005) 土佐語
情報プラットフォーム、No.210、3(2005) ラスト・サムライ
情報プラットフォーム、No.211、4(2005) キューバを見たい
情報プラットフォーム、No.212、5(2005) お蚕さん
情報プラットフォーム、No.213、6(2005) 杉の大杉
情報プラットフォーム、No.214、7(2005) 水に溶けるとは?
情報プラットフォーム、No.215、8(2005) サツキとメイの家
情報プラットフォーム、No.216、9(2005) パビリオンの見学
情報プラットフォーム、No.217、10(2005) 安全・安心・清潔な万博会場
情報プラットフォーム、No.218、11(2005) 土佐の宇宙酒
情報プラットフォーム、No.219、12(2005) シベリアンハスキー

情報プラットフォーム、No.220、1(2006) 星の降る夜
情報プラットフォーム、No.221、2(2006) そのとおり。でもね
情報プラットフォーム、No.222、3(2006) 土電と都電
情報プラットフォーム、No.223、4(2006) クラシック音楽ベストテン
情報プラットフォーム、No.224、5(2006) -----
情報プラットフォーム、No.225、6(2006) クロカン・スキー
情報プラットフォーム、No.226、7(2006) 効率的・経済的・利便性が仇
情報プラットフォーム、No.227、8(2006) バーボン・ウイスキー
情報プラットフォーム、No.228、9(2006)  ネバネバ、ヌルヌル、ツルツル
情報プラットフォーム、No.229、10(2006) 読んで貰える申請書の書き方は?
情報プラットフォーム、No.230、11(2006)  セイタカアワダチソウ、花見の旅
情報プラットフォーム、No.231、12(2006) トヨタが北米を席捲するとき

情報プラットフォーム、No.232、1(2007)
情報プラットフォーム、No.233、2(2007)  歴史の教え方、考え方
情報プラットフォーム、No.234、3(2007) 続 シベリアンハスキー
情報プラットフォーム、No.235、4(2007) 伊能忠敬の地図
情報プラットフォーム、No.236、5(2007) 出会うチャンスが多い造りほど良い
情報プラットフォーム、No.237、6(2007) -----
情報プラットフォーム、No.238、7(2007) 人口密度、50人/km2
情報プラットフォーム、No.239、8(2007) 自然遺産、マデイラの照葉樹林
情報プラットフォーム、No.240、9(2007) 年輪を刻む
情報プラットフォーム、No.241、10(2007) この暑さは地球温暖化の影響?
情報プラットフォーム、No.242、11(2007) 生命と文明の源、水と鉄に例外の性質
情報プラットフォーム、No.243、12(2007) 続々 シベリアンハスキー

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・豊かな個性と発達障害は同じこと

2013-08-21 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

豊かな個性と発達障害は同じこと

                                                                  情報プラットフォーム、No.311、8月号、2013、掲載

今から10年前、孫のタッチャンが小学生になったとき「貴方のお子さんは、多動児です。飽きやすく、移り気です。学習障害ではないですか。お医者さんに見て貰ってください」と先生に言われたと、東京に住む娘からの電話である。好奇心旺盛なタッチャンは一つことに熱中すると、それ以外はその他になっ てしまう。分かったと納得すれば、教室から出てしまうことも多いらしい。困った生徒であることは容易に想像できる。

幾つかの精神医学に関わる新書本で「にわか勉強」をした。「発達障害」は、落ち着きがなく衝動的な「注意欠陥・多動性障害(ADHD)」、対人関係・社会性に欠ける「アスペルガー症候群(AS)」、そして読み書きに難のある「学習障害(LD)」に分かれるらしい。しかし、納得出来ない点がある。そ れは日本語訳である。略語の最後の「D」は「Disorder」または「Disabilities」である。日本語では「障害」と訳す。まことに 不適切な訳であり、「○○障害」は差別的に使われる傾向にある。また、略語の最後の「S」は「Syndrome」、日本語では「シンドローム」、 「症候群」である。これを語尾に付ければ、流行や社会現象を表現する言葉に仕立てられ、遊び感覚になる。いずれにしても、適切な訳語が欲しい。

 複雑な事象を分類することは、科学的推論の手法の1つであるが、ともすると不用意な発現や素人発言になってしまう。指導要領に沿って進める座学 中心の教育では、温和しくしていない生徒を「○○障害」と決め付けるのが先生にとっては一番気楽である。しかし、個性を伸ばす教育の否定につなが る。

娘は小2の1年間をアメリカの小学校で過ごした。「算数は満点。その時間に英語を勉強しなさい」と担任はクラスの友人を個人授業の先生に指名した。家に遊びに来た彼女に聞くと、算数は大嫌い、成績は最悪との答え。翌日学校へ駆けつけた。「彼女の家庭環境は進学ではない。ヨウコに英語を理解させるこ とに熱中している。こんな輝いている彼女を見るのは始めて。」と画用紙に描いた自作の教材を見せて呉れた。子供たちの個性を育てる、自信を持たせ る見事な教育である。このヨウコがタッチャンのお母さんである。

公職を離れてから、地域を元気にする作業、いわゆるボランティアの仕事に関わっている。多くの人とのお付き合いの中から、人付き合いの悪い人に出会うこと がたまにあって、何故と悩むことも少なくない。そんな時「発達障害に気づかない大人たち」(星野仁彦著,祥伝社新書(2010,2))に目が留 まった。その「診断基準」によれば、好奇心・ひらめきは素晴らしいのだが、対人スキル・社会性が未熟で、行動・感情の制御が不得意とある。蜘蛛の 巣グラフでは凸凹の多い図になる。「アスペルガー症候群」に当てはまると納得し、何とか腹立たしさを押さえようとした。しかし冷静さを取り戻す と、自分も、たっちゃんを学習障害と決めつけた先生と同じことをしていると気付いたのである。

 星野氏は、「障害」ではなく、「アンバランス」が適切と述べている。「癖」と言っても良いだろうと述べている。黒柳徹子は学習障害だったとか、 ニュートンもアインシュタインもそうだったと指摘している。これを借用すれば、私を悩ませた彼は「発育アンバランス症候群」となる。これなら「豊 かな個性の持ち主」や「○○癖のある人」と同じであり、独断でも差別でもない。ようやく安眠できると自分を納得させた。

 あの個性豊かなタッチャンは進級し、中学に進んだ。好奇心はそのまま、人付き合いも最高、今は工業高校2年生である。航空整備士に憧れている。

 

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鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

〒718-0054 高知県香美市土佐山田町植718

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・風が吹けば桶屋が儲かる

2013-08-21 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

風が吹けば桶屋が儲かる

                                                       情報プラットフォーム、No.310、7月号、2013

  発想の転換が必要である。他の都道府県が絶対に行わないであろう取って置きの方法である。高知がユニークに生まれ変わることのできる一つの提 案である。

   高知に関わって20年、「日本にない大学」を創ることから「高知を元気にする」ことまでが頭に住み着いている。大学院の「起業家養成コー ス」を理解して貰うのは大変であった。「工科系の大学に何故文系のコースが必要か」の問いに答える必要があった。

専門領域で就職する従来型に加え て、ベンチャー気風の醸成が必要である。経営感覚のある技術者、技術を熟知した経営者の必要性を力説した。学長に代わり、門真市を何度も訪れた。 副社長の水野博之さんに起業家コースの学科長就任をお願いするためである。

  情報系学科に3Dのスタジオを所属させたが、演劇や造形の学科に発展させる思いが込められていた。大量生産ではないデザイン性の高い商品は、 成熟した漫画文化を持つ高知に相応しいと感じていた。京都精華大学のマンガ学科の牧野圭一さんに相談していた。

  高知県の県別統計は極端で面白い。日銀の元高知支店長衛藤公洋氏によれば、高知県の農業の生産性が全国一、地場の中小企業の中核を成す個人企 業収益の占める割合が全国一と指摘している。換言すれば、農業も企業も高知県では零細であり、ささやかに商いをしている様子が分かる。ユニークな 技術を持つ建設業が多いことも特筆に値する。災害復旧時には上流側からも修復できる強みを発揮できる。仕事を皆で分け合う工夫が必要である。

  ここで「風が吹けば桶屋が儲かる」に倣って、高知に関わる因果関係を無理矢理に作り出して見る。そして、「困ったことだ」ではなく、その対応 を考えて見よう。

  「能ある男は県外に出て戻らない 残った男は能が悪く 鰹のたたきを肴に酒ばかり議論ばかり 有能な女は県外に出る機会が少なく地元に残る 結婚しても出産しても退職しない 女の収入は高くなる 朝食は喫茶店で 身嗜みが大切で美容院へ ストレス解消でパチンコ屋通いも  共働きが多ければ家族団欒も減少する 教育環境が悪くなり学力・体力が低下し非行も多い 子宝に恵まれれば 呑兵衛の旦那とは離婚する 豊かな自然は企業誘致の切り札とはならず 地場産業も立ち上がらない 県内の求人数も増えない 高知工科大は県外流出を4年間猶予しただけ 今では女も県外に出る 同時進行で少子化・高齢化・晩婚化で急速な人口減 過疎化は市内の商店街をも限界集落に導いている」

 これらの統計結果を連鎖と見なして、一ヶ所を断ち切ることを考えて見る。公費を直接に投入する従来型の各種の活性化支援とは全く異なる発想である。「夫に妻と同等の産休・育休を義務づけ、出産にも立ち会うことを必然とする。」の条件である。利点とともに派生する不具合とそれらの対応策を考え、シ ステムを造る思考実験を皆で進めるのである。

  日常的に複数の担当者によるワーク・シェアリングが行われていなければならない。これで「係が休暇中ですので」の言い訳もなくなる。家庭団欒 の機会が増えることは、老若男女を問わず、人生観を大きく変えることになる。イケメンがイクメン(育メン)に変身し、ダンチュウ(男厨)がジョ チュウに近づいてくるだろう。ハチキン度はそのままに変わらず、イゴッソウ度は低下すると思われる。「男女共同参画」を冠した部署の役割は変化す るだろう。県民性の様がわりを予想することも面白い。県の産業振興計画に掲げられている「移住」に大きく寄与する可能性も高い。まずは、ワーク ショップや討論会を行うことである。不具合・不都合を予測しながら、個々に潰していく作業が意識改革を促すことになる。

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・窓際だからできる大活躍

2013-05-09 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

窓際だからできる大活躍

                                                                     情報プラットフォーム、No.308、5月号、2013、掲載 

 ミステリー・ドラマの主役がヒーローの場合を考える。京都を舞台とするドラマを数えることも目的であるが、主役がヒロインの場合と比較しなけれ ばならない。

「ハンチョウ~警視庁安積班」(警部補 安積剛志:佐々木蔵之介、21話)、

「警視庁南平班~七人の刑事~」(班長 南部平蔵:村上弘明、5話、鳥羽亮原作)

「十津川警部シリーズ」(警視庁捜査一課十津川省三:渡瀬恒彦、49話、西村京太郎原作)

「刑事の証明」(警視庁捜査一課広瀬和宏:村上弘明、5話、森村誠一原作)、

「その男 副署長」(京都府警河原町警察署副署長 池永清美:船越英一郎、28話)

「狩矢警部シリーズ」(京都府警 狩矢荘助:船越英一郎、12話、山村美紗原作)

「おかしな刑事」(東王子署警部補 鴨志田新一:伊東四朗、9話)、

「駅弁刑事 保徳之助」(日暮里警察署 刑事:小林稔侍、6話)、

「裏刑事~URADEKA」(警視庁捜査一課刑事 佐々木武夫→岩城丈二:藤竜也、12話)、

「捜査検事・近松茂道」(各地の地検刑事部 検事:高橋英樹、11話)、

「さすらい署長 風間昭平」(全国の所轄警察署長:北大路欣也、9話)、

「新参者」(日本橋署警部補 加賀恭一郎:阿部寛、10話、東野圭吾原作)

「相棒」(警視庁特命係警部 杉下右京:水谷豊、220話)、

「刑事・鬼貫八郎」(東中野警察署刑事課:大地康雄、18話)、

「取調室」(佐賀県警捜査一課警部補 水木正一郎:いかりや長介、19話、笹沢佐保原作)、

「遺留捜査」(月島中央警察署警部補 糸村聡:上川隆也、18話)

「終着駅シリーズ」(新宿西警察署刑事課警部補 牛尾正直:片岡鶴太郎、26話)、

「外科医 鳩村周五郎」(元東都大学付属病院外科医:船越英一郎、10話)

「税務調査官 窓辺太郎」(世田谷南税務署員:小林稔侍、24話)、

「ヤメ判 新堂謙介」(元東京地裁判事、ビル清掃員:橋爪功、2話)

「京都殺人授業」(気象歴史学者北山丈晴:橋爪功、1話)

「地方記者・立花陽介」(東洋新聞地方通信局員:水谷豊、20話)、

「匿名探偵」(私立探偵事務所{東京}、匿名探偵:高橋克典、9話)

「特命係長 只野仁」(広告代理店電王堂係長{東京}:高橋克典、41話、柳澤きみお原作)

「タクシードライバーの推理日誌」(チェッカー無線(株)夜明日出夫:渡瀬恒彦、31話)

「弁護士 猪狩文助」(猪狩法律事務所{奈良}:いかりや長介or藤田まこと、6話)

「釣り刑事」(ペンション経営{奥多摩}鈴木五右衛門:中村梅雀、3話)、

「リーガル・ハイ」(古美門法律事務所弁護士 古美門研介:堺雅人、11話)

警視庁の管轄区域や首都圏を舞台とするドラマが多いのは当然であろう。一方で、管轄区域に縛られない広い範囲を活動域とするには、主人公を弁護士、税務調 査官、私立探偵、フリーライターなどとすれば問題は解消する。

また、刑事ものでも窓際族や左遷組を主人公にすれば自由度が増してくる。今年になっ て数ヶ月間に確認できたドラマ28件を列記した。

既成概念や既得権と戦い、それを壊せるのは、窓際の男であり、女であると言える。主役が女のドラ マは45%である。

窓際と認定することは困難であるが、全部かも知れない。だから面白いのである。女が主役のケースを含めて、舞台が京都・奈良の 割合は10/51≒20%である。しかし、大阪が見当たらないのは何故だろうか。見落としているのか。

 

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・事件は解決、女だからできる

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鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

〒718-0054 高知県香美市土佐山田町植718

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・ピカピカの金、銀、銅

2012-12-24 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

ピカピカの金、銀、銅

情報プラットフォーム、No.304、1月号、2013、掲載

年末の思い切った大整理から救い出したものがある。NHKのTV放送台本「くらべてみれば 金vs銀 ~かくれた魅力の活用術~」である。「ためしてガッテン」に引継がれた科学バラエティー番組である。「ウルトラアイ」、「トライ・アンド・トライ」、「くらべてみれば」と続いていた。台本には、出演:鈴木朝夫さん、ジュディ オングさん。リポーター:立川志の輔さん、石井めぐみさん。司会:山川静夫アナウンサーとある。放送は平成4年6月29日である。金と銀に加えて銅、さらに鉄を加えて比較する企画である。

 タイトルの金・銀・銅の順序には大きな意味がある。まず思い付くのは、オリンピックのメダルの順位である。調べてみると、メダルの大きさは直径 60mm、厚さ3mmほどであり、銅メダル、銀メダルはそれぞれ銅製、銀製であるが、金メダルの中味は銀で、表面に6グラムの金を使っている。金 1グラムは \4,500、銀は \87、銅は \0.8程度である。銀は銅の120倍、金は6,000倍の価値があり、金の価格は別格である。さらに、表題の並びは密度の順序でもある。金は 19.32g/cm3、銀は10.49g/cm3、銅は8.98g/cm3である。この二つの理由だけでも、無垢の純金メダルにすることの困難さ が理解できる。

 金・銀・銅は化学的変化を受け難い金属と言える。特に、金はいつまでもピカピカである。金は装身具、装飾品などに用いられるだけでなく、王冠や メダルに権威や名誉の象徴として使われるだけあって、大気中で輝きを失わないことがその価値を高めている。

 金は金属状態の自然金として存在し、地中にあっても輝いている。砂金は金そのものが砂に混ざったものであり、岩石の境目に取り込まれて存在する 自然金が、浸食や風化を受けた砂礫に混ざってきたものである。そして、砂礫よりも重い砂金は流水の底に沈殿する。川の砂からの砂金取りに使うパンニング皿は、フライパンの柄を取った形状のものである。皿を回しながら上澄みを流し、下に残る金色を探す選鉱法であり、密度の違いを利用してい る。なお、砂鉄は磁石に付く酸化鉄(磁鉄鉱)であり、金属鉄ではない。これを固めて、高温で鍛錬すれば、刃物になるわけではない。精錬して金属鉄にしなければならない。

 江戸時代の鉱山は、佐渡金山(新潟県)、そして石見銀山(島根県)が有名だった。現在では、鹿児島県の菱刈鉱山が動いている。ここの金の推定埋 蔵量は250トン、その金鉱石は50g/tと高品位である。普通は数g/tである。世界中での年間の生産量は、金は2,600トン、銀は 24,000トン、銅は16,000千トンである。銀は金の9倍、銅は金の6,200倍の生産量である。有史前から現在までに、人類が地中から取 り出した金の総量は15万トンと推定され、これを体積にすれば50mの公式プール3つ分である。

何と言っても、金・銀・銅の特徴はその煌めきであり、その輝きである。銀は可視光の波長の全てで反射率が高く、鏡として最適の性質を持っている。アルミニウムも銀に似てはいるが、反射率はやや劣る。金や銅では、長波長域の赤や黄の反射率は銀と変わらないが、短波長域の青や緑の反射率が低いために、 特有の色、すなわち赤・橙・黄の美しい色が発現する。青や緑の短波長光は金属内部に浸透するので反射率が低くなるのである。従って、金箔として厚さ数ミクロンまで薄くすると、青色光が透過してくるのが確かめられる。一方で、銀は可視光線を透過しないが、紫外線領域の短波長の光を透過・吸収 する。

 リハーサルなしで本番に臨んだジュディ オングさんの的確な判断力に金のようなピカピカを、そして志の輔さんの話の裁き方には銀のようなキラキラを感じたのである。

 

ご感想、ご意見、耳寄りな情報をお聞かせ下さい。

鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

高知県香美郡土佐山田町植718   Tel 0887-52-5154

 

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 情報プラットフォーム、No.303  12月号、2012  南国土佐にやって来て

 

 

上にそのままスライドすると、1枚目につづきます。

高知県産業振興センター発行の情報誌「情報プラットフォーム」に掲載された 「ぷらっとウオーク」 を、「高知ファンクラブ」の事務局の要請を受けて、ブログでも紹介させていただくことにしました。
どうぞよろしくお願いします。     HN:鈴木朝夫



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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・南国土佐にやって来て

2012-12-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

南国土佐にやって来て

情報プラットフォーム、No.303、12月号、2012、掲載

 20年程前に縁もゆかりもなかった土佐の高知に深く関わるようになった。東京工業大学を定年退職して、北海道大学に赴任した直後のことで ある。新千歳-羽田-高知と乗り継いで往復することが多くなった。工科系大学計画策定委員会委員になったのである。そして、高知工科大学に本 格的に関わることが濃厚になった時点(1993年)で、見ておかなければの思いで、第2回を迎えるYOSAKOIソーラン祭りを見に行った。 その迫力に圧倒された。仕掛け人の長谷川岳さん
にもお会いし、その思いを伺う機会も持てた。


  翌年には本場の土佐の高知のよさこい鳴子踊りを見ることができた。委員会の開催日程をよさこいの祭りに合わせてくれたのである。開学した らすぐに工科大連を作ろうと決心した。開学の1年前には、高知から橋本大二郎知事を団長とする使節団がアメリカに向かった。同行した私の役割 はMIT(マサチュセッツ工科大学)との姉妹校提携の予備交渉だった。よさこい踊り子隊の指導に付いてきた荒谷深雪さんに教わり、ボストンの マーケット広場で踊ることになった。
よさこい踊りを踊りながら、ペギー葉山の「南国土佐を後にして」との関係が分からなくなっていた。


 ペギー葉山さんの生演奏を聴いたのは、高校3年生か、大学1年生(1950年か1951年)の時と思っている。そのとき「南国土佐を後にして」が曲目に あったかどうかは定かではない。ご経歴を検索してみると1952年にキングレコードから
デビューとある。それ以前は米軍キャンプ回りをしてい たとのことで、その時代にも歌っていたのだろうか。私が生演奏を聴いたのは府中刑務所の講堂であった。戦後の混乱が収まり始めた頃であり、コ カコーラ、リグレイのチュウインガム、ハーシーのチョコレートに憧れていた時代でもある。父は府中刑務所長であった。規律を保ちながらも、収 容者には心のゆとりが必要との考えから、娯楽・観劇やスポーツを取り入れる先駆的な活動をしていた。その手始めがペギー葉山の公演だったよう に思う。大勢の受刑者が規則正しく整然と床に座っている。その最後尾に、隠れるように座った。


   共学の経験もない男の子にとっては、憧れの人であり、初恋の人と言っても良い位である。その後、ご活躍の様子をテレビで拝見し、「ペギー葉山」とアナウン スが聞こえるたびにあの講堂を思い起こしていた。しかし、四国に行ったこともない私には、「よさこい節」も「南国土佐」も「ペギー葉山」と同 様に遠い存在であった。


 それから時が経ち、松尾徹人氏の後を受けて、昨年の暮れに高知県高坂学園生涯老人大学の学長に就任することになった。昨年発行された設立30周年記念誌「30年の歩み」によれば、記念式典にペギー葉山さんをお迎えしている。先日の
老大役員会の際に「南国土佐の歌碑を建てる会」に学内募金で集 まった基金の送呈式を行った。そして、歌碑モニュメントの除幕式の招待を受けた。11月3日(土)にペギー葉山さんをお迎えしての式典に出席 できた。あれから60年、この
機会が持てたことは夢のようであり、大感激である。


  第1回のよさこい祭りは1954年(昭和29年)である。本歌は「よさこい節」であり、多くの替え歌があり、「よさこい鳴子踊り」や「南 国土佐を後にして」に歌い継がれていったようである。そして名誉県民としての「ペギー葉山」が盛り上げて呉れた。日本各地に拡がった「よさこ い踊り」は数知れない。今年はペギー葉山さんの歌手生活60年の記念すべき年である。デビュー当時のお若い葉山さんを知っていることが私の自 慢の種である。 

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・人間社会もメタボでなければ

2012-12-17 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

人間社会もメタボでなければ

情報プラットフォーム、No.302、11月号2012、掲載


  今や「メタボ」は誰でも、どこでも使う単語になった。「メタボリック・シンドローム」の短縮形であるが、「メタボリック」や「メタボリズム(metabolism)」の短縮形ではない。メタボリズムは、循環や代謝を意味する生物学の用語である。代謝は、同化作用(アナボリズム、 anabolism) と異化作用(カタボリズム、catabolism) からなる。略称の「メタボ」は、代謝バランスの崩れからくる症候群(シンドローム)であり、高血圧、高脂血症、糖尿病、内臓脂肪型肥満などの生活習慣病を 指している。


  生命は生存・成長に必須の元素を含む食料を栄養源とし、水分、空気、それに太陽光などの外部エネルギーを利用して、体を構成する細胞に必 要な高分子や、生体機能に関わる物質に作り替えている。これが同化作用である。そして、
不要となった老廃物や熱は、呼気、汗、排便などとして 廃棄される。これが異化作用である。同化ではエネルギーが消費され、異化ではエネルギーの放出(拡散)が生ずる。両者がバランスしているのが 理想的な新陳代謝である。生命体は
このバランスの中で、今を生きているのである。同化作用で体内に貯め込む一方の状態が「メタボ」と俗称され ている現象である。


  我々が生活している人類社会も生命体と同じである。現代社会は「メタボ」である。エネルギーと資源を「同化」で大量に消費し、不必要に大 量に貯め込み、「異化」により必要以上に廃棄物として放出している。20世紀はガン細胞のように増殖・成長を続けるアナボリズム文明の時代と 定義できる。「右肩下りの下山の先は」(本誌、No.298、7(2012))で指摘したように、地球上には未開拓の新大陸はもう残されて おらず、石油ピークも過ぎている。これからの21世紀は「死と再生を繰り返すメタボリズム社会」として活力を維持しなければならない。20世 紀的発想の縛りから抜け出す必要がある。生命が細胞の死と機能の再生を繰り返すように、既得権の解消や規制の見直しが常に行われることにな る。


  新宮秀夫は「幸福ということ-エネルギー社会学の視点から」((1998/8)、NHKブックス838)で、佐和隆光の言葉を引用する形 で、「豊かな生活を維持しつつ、資源の大量採取、生産過程での資源の無駄遣い、使用ずみ製品の大量廃棄を回避する循環代謝型(メタボリズム) 文明を築くことが、21世紀を生きる人々に課せられた義務」と述べている。


  鎌田浩毅は「資源が分かればエネルギー問題が見える」((2012/6)、PHP新書808)で、「一万年前に始まったスットク型文明から首尾よく脱 出し、フロー型文明へ軟着陸することを目標とすべき」と述べている。ストック型とは、物質・資本の蓄積を意味し、それが始まった農業革命から 産業革命へと続く文明である。狩猟・採取の時代がフロー型である。


 メタボリズム社会に移行する転機は訪れるのだろうか。「省エネ・省資源」程度で片付く問題ではなく、持続可能な発展やゼロエミッションの標語はナンセンスである。下山の先をどのように思い描くのだろうか。参考になる答を出したのがキューバである。アメリカとは貿易封鎖の中で、ソビエト連邦が 崩壊し、大規模機械化農業に必須の石油と化学肥料が枯渇し、自給自足に、そして深刻な食料不足の状況に陥った。カストロは都市農業革命ともい える形でこの苦境を国民と共に乗り切っている({キューバを見たい}、本誌、No.211、4(2005))。どの国の政治家も経営者も経済 成長戦略を掲げ、民衆も緊縮財政は好まない。困ったことに「メタボ」願望なのである。フロー型社会は無理としても、本当の意味の、本来のメタ ボ社会を創り始めるにはどうすれば良いのだろうか?
 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・働き詰めで貯めた1億円

2012-11-09 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

働き詰めで貯めた1億円

 情報プラットフォーム、No.301、10月号、2012、掲載


お会いする機会がなかったことは大変残念である。奨学金を設けたおばちゃんの話である。奨学金の名称は「公益信託森安記念大学院奨学生基金」。その森安キノヱさんは「一日一日を精いっぱい生きて」(1992、六甲出版) の題名で自伝を書いておられる。

易者に「肉親の縁はちっともありません。」と言われたように、母と姉を亡くし、父も亡くし、継母も、そしてご主人も早くに亡くしている。生まれは徳島だが、すぐに広島に移り、22才の時に酒屋を営む森安家に嫁いだ。夫の森安忠男さんは養子であり、両親をコレラ禍で亡くしていた。家業は振るわず、 神戸に出て叔父の家に間借。戦後に西宮で屋台の一杯飲み屋を始め、やがて近くのバラックの建物を買い、屋号を《ほろよい》とした。

  「お酒一杯に一皿の突出しを付けてね。お酒が二杯目になると突出しもまた違う品を付けて、三杯目はまたまた違う品という具合に工夫して、お客さんに喜んで もらって。」、「小さいときから鞄を下げて『有り難うございました。』といってお得意先回りするのが好きだった。自分がやっているからとか、人に雇われているからとは関係なくね。お客さんにも店の主人にも受けて、どこでも可愛がってもらえるんです。」、「私の人生のいろいろな節目と不動産 に関しては”角地”がついて回っているような気がしている。嫁いだ森安の家が広島の田中町、色町に入る角。神戸で最初に買った福原の店が新開地桜 筋の色町の角。

主人が亡くなった兵庫区の土地も角でしたし、荒田町のアパートも角でした。」  キノヱさんは、ご自分の住んでいた兵庫県と広島県の大学生を対象に『公益信託森安育英基金』(1億円づつ)を、ついで『中国残留孤児子弟育英森安基金』(1億円)を昭和61年以降に順次設立した。これについて「十年、二十年と経つ内にお墓は無縁仏となるだろう。森安の名前のついた育英基金設立に こだわった
一つがそれなんです。私が死んだ後は、そういう形でしか森安の名前を残せないと思ったからです。」とその思いを述べている。

キノヱさんは、大学院に進学しなければならないのに、奨学金が大学で打ち切りになることを知り、それは不条理と考えた。最後の1億円を投じて、平成3年に理工系大学院博士コースの3年間の『公益信託森安記念大学院奨学生基金』を設定したのである。運営委員長は、元・東京大学総長の林健太郎先生であ る。私は北大在籍として委員の末席を汚すことになった。一人あたり年額48万円の支給で、年間に4~5人、したがって年間事業費は600万円程度 になる。基金の運用益が見込めない時代であり、委員会での最初の審議は基金の使い方であった。キノヱさんの思いを後世に伝えられないことは残念で あるが、取り崩しはやむを得ないと判断したのである。単純計算で20年弱、100名の受給者になる。

  申請書には、公表論文や口頭発表のリスト、中心となる研究論文の要旨、今後の研究方針と計画、指導教員の推薦書に加えて、感想文を必須とした。神戸新聞 (平成4年2月5日付け)の「おばちゃんの奨学金、働き詰めでためた1億円、苦学生を助けたい、神戸の森安さん」の見出しが躍る記事を読んでの感 想であり、さらに最適なタイトルを考えるものである。人生観や哲学を垣間見ることが
できると考えたのである。そして森安おばちゃんから人生哲学を どのように学んだかを知ることができる。

この基金への応募者、そして受給者の、神戸新聞の記事を見た読者の、審査に関わった我々の記憶に残しておくこと、が森安さんの思いに報いることであろう。

この文章はそのような思い込めて書かせて頂いた。
 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・高知県高坂学園生涯老人大学

2012-09-14 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

高知県高坂学園生涯老人大学

                                                     情報プラットフォーム、No.300、9月号、2012、掲載


  老人:(最初にこの大学を知ったときには、変な名前だなと感じた。「老人」、「年寄り」のように年齢を強調する表現ではなく、「シニア」、「シルバー」、 「高齢者」のように人生経験を尊重する表現が無難であるとの思い込みがあるためかも知れない。(鈴木))

30才:高知県高坂学園生涯老人大学は、昨年(2011年)10月にペギー葉山さんをお迎えして創立30周年記念式典を開いた。記念誌「30年の歩み」に よれば、県からの補助金が打ち切りになった時、自分たちで続けようと学生自らが運営・経営に当たる組織として1982年(昭和57年)に発足して いる。(「お上頼み」が当たり前の高度成長期の昭和の時代、この心意気は流石は「はちきん」、「いごっそう」と思わせる土佐の快挙である。(鈴 木))

  教室:入学資格は60才以上である。6つの組に分かれており、3つの組の教室が高知県人権啓発センター(県庁前)、残りの3つの組が高知市東部健康福祉センター(県立美術館の南)である。学生数は各組150人を超えて全体で1000人弱、平均年齢は77.8才である。

  学習日:例えば毎月の第2・第4火曜のように、学習日は月に2日であり、午前講義と午後講義がある。8月は夏休み、12月は冬休みである。月に4人の様々な分野の講師のお話が聞ける。講義時間の中で組総会、忘年会も開かれ、忘年会では隠し芸も披露される。この他に春の学外研修(日帰り)と秋の研修 旅行(一泊)がある。また、大学全体での修了式が3月中旬に、入学式が3月下旬と続いている。そして、総会が4月末に開かれる。

授業料:年間7,000円(前納)、春秋2回の研修旅行代、各組毎の諸雑費などである。

仕組み:この大学の最大の特徴は学生が自分達で行う運営にある。すべてが自主組織である。各組には、15名/班で、10班ほどの班が設けられ、班長が取り まとめている。各組単位で、講師を選んで授業構成を作る。研修旅行先も決めていく。運営委員会は各組選出の委員で構成され、5名の副委員長と1名 の運営委員長が選ばれる。会計および監事が各組に置かれている。年4回の講師選定委員会・組長会が開かれ、次の講義予定などを確認している。4月 末の全体総会では事業・会計報告・役員選出が行われる。

  新入生募集:期間は年末から1月末までである。同級生、お隣さん、昔の仕事仲間など顔見知りの勧誘で組が決まることもある。また、交通機関や駐車場の有無 などの通学の利便さが組を選ぶ基準になる。東は安芸市、西は土佐市、北は嶺北からも通学している。

  生涯:毎年全員落第であり、生涯を通して学生である。(超高齢化社会では、男性も女性も自律した『個』の確立が重要である。地域社会とつながりながら、 「孤立」ではなく「個立」することで、生き甲斐を感じながら、老いを楽しく生きることができる。(鈴木))

皆勤賞と長寿者、新入生:昨年度の皆勤賞は179名、米寿のお祝いを受けた長寿者は33名である。また今年度の入学者は96名
である。

学長:平成19年に松尾徹人氏が学長に就任した。創立30年記念式典を前に、6月のブログを最後に、あの世に旅立たれた。平成23年11月に鈴木朝夫が学 長に就任した。

  高坂:高知城の最初は大高坂山城である。河中(かわち)城、高智城と変わった。(前学長の申し送りは大変に光栄なことである。この大学で学生でないのは学 長だけ。でも、皆さんとご一緒に、高坂学園で好奇心を絶やさずに、元気老人としての生き方を楽しむつもりである。こんな素晴らしい学舎(まなび や)があるのは高知県だけである。(鈴木))


  連絡先:運営委員長 一柳喜久乃、(高知市桜馬場7-3-1103、電話088-873-0372);
      学長 鈴木朝夫、(香美市土佐山田町植718、電話0887-52-5154)

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・「特殊な交渉術」は極秘事項 

2012-08-21 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「特殊な交渉術」は極秘事項  

                                                                  情報プラットフォーム、No.299、8月号、2012、掲載


どうしても好きになれない言葉がある。それは「特殊な」と言う単語であり、用法である。「特殊な材料を使って」とか、「特殊なカメラで撮影すると」のような使い方である。「吟味した材料を使って」なら、まだ許せる。

「赤外線カメラで撮影すると」あるいは「サーモグラフィを使って撮影すると」のよう にどうして言わないのだろうか。このことは{理系・文系は受験科目だけにしよう}(本誌、No.282、3(2011))で述べたことがある。何 故気になるのかを調べようと、思いつくままに「特殊」や「特殊な」の事例を並べてみた。


  特殊自動車は「特殊な構造で、特殊な作業に使用する車両であり、走行や運搬よりも、その特殊な作業機を使うことが目的の自動車」と定義されており、フォー クリフト、ロードローラ、ショベルローダなどが該当するのだが、よく分からない。

9か0ナンバーであり、とにもかくにも「特殊」である。運転・操作には大型(または小型)特殊免許が必要となる。農作業車もこれに入る。

車種を表す分類番号が8で始まる「8ナンバー車」が特種自動車であり、 「取付けた特定の機能を持つ作業機を運転席から操作できるもの」とある。例えば、救急車、タンクロ-リー、ゴミ収集車、現金輸送車、コンクリート 作業車などである。

特殊相対性理論と一般相対性理論、特殊鋼(合金鋼)と普通鋼(炭素鋼)、特殊法人(公的な役割の強いもの)と一般法人、特殊文 字(記号に類するもの)、特殊清掃(事件性のある遺体の処置)などが検索で出て来る。また、特殊部隊とは、通常戦力とは別個に編成され、特殊な訓 練を受け、特別な装備を持つ部隊とある。


  警察には特殊犯捜査係がある。「ジウ 警視庁特殊犯捜査係」はテレビ朝日の金曜ナイトドラマである。ジウは巨大犯罪組織「新世界秩序」に所属する金髪の少年。彼を追跡するのが警視庁特殊犯捜査 係の二人の女刑事という設定であ
る。

特殊犯捜査係(SIT)は、実際に各警察本部の刑事部捜査第一課に編成されている。また特殊犯罪とは人質立て 篭もり、誘拐、企業恐喝、業務上過失などである。


  このように見てくると、名詞としての「特殊」は、全体を区分けする中の一つの部分を指定しているようである。部分集合の表現であると言って良いだろう。

一 方でこれを形容動詞として、「特殊な」として使う場合には、単に別扱いをしているだけのように思える。思考停止を強要する「特殊な」の安易な用法と指摘したのはこのような場合である。この用法を逆手に取り、神秘性を深めるために、巧に利用している例がある。


  それはNHKのドキュメンタリー風の歴史テレビ番組「タイムスクープハンター」である。「タイムマシンで時代を遡って出会う人々にとって、私は時空を超え た存在です。接触する際には細心の注意が必要です。私の介在によって、この歴史を変えてしまうかも知れないのです。

彼らに取材を許してもらうためには、極秘事項となっている特殊な交渉術を用います。今回も無事密着取材することに成功しました。」と主人公は述べている。彼が属するタイムス クープ社のHPに特殊交渉術という項目がある。「ここにパスワードを入れても、Errorと出るので、特殊交渉術のことを知ることはできない。」 との設定である。


  「特殊なカメラ」の表現に抵抗を感じる理由は、「どうせ理解できないだろう」、「知らせる必要はないだろう」などの意図が感じられるからである。一方で、 サプリメントなどの栄養剤の宣伝では、理解出来るとも思えないカタカナの化学成分名が遠慮なく流れてくる。これが目に入らぬかの印籠のように効き目を権威づける企みが見え隠れしている。

 

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・右肩下がりの下山の先は

2012-07-30 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

右肩下がりの下山の先は

                                                   情報プラットフォーム、No.298、7月号、2012、掲載 


昨年の暮れにタイトルに惹かれて何気なく手にしたのは、五木寛之氏の「下山の思想」(2011/12、幻冬社新書)である。初めは、最近多くなっている中 高年の登山者への「下山」の注意を示した警告書、あるいは人生の峠を越した人々への
老いるための心構えを説いた内容と思っていた。

登山はまだでき ると自負していても、階段の上り下りに不安を感じる歳である。若い頃、深田久弥の「日本百名山」に憧れ、その60座を登っていた。登頂の思い出は アルバムに残っているが、苦しかった「下山」は記憶の中に鮮明に残している。

 「下山の思想」を読んだ後に、鷲田精一氏の「『右肩下がりの時代』をどう生きるか」と題する論説が「潮」(2012/1)に掲載された。また、”NPO もったいない学会”から「石油文明が終わる~3・11後、日本はどう備える」(石井吉徳他著、2011/11)が出版されている。

これらを一つに 要約してみる。
  「石油ピークは既に過ぎており、使い勝手の良いエネルギー資源の観点からは、生産活動自体が下り坂になることは必然であり、経済指標は何れも前年度比マイ ナスの退却戦に入っている。これからは専門家と称する人への『お任せ』ではなく、各自が考え、意見を持つ『自立』の時が来たことを自覚しなければならない。下り行く先の未曾有の時代の姿を思い描き、どのように生きていくかを皆で考えるべきである。」

今の高齢者達の世代は、最高峰を目指した同志であった。戦後の日本の経済成長を、高品質・高効率・大量生産で担う戦士達であり、希望に満ちて大量消費を競ってきた仲間達であった。下山に際しては、固定観念を、既成概念、その価値観を捨て去る必要がある。

山を下るときの鉄則はグループをまとめ、落伍者を出さないことである。力量や経験の異なる混成部隊である。適度な休息を取り、食糧を分け合い、体を温め合うことが必要である。寒さが募る中では、眠らないことが必須である。サブリーダーの「しんがり」としての気配りは極めて重要である。そして、天 候、地形
などの環境変化を細心の注意と直感によって判断できる能力を持つリーダーの責任は更に重要である。人材の枯渇では?

  我々山仲間は「山を征服した」との表現を使ったことは一度もない。頂上では「ありがとう」と山々に感謝し、「お陰さま」と仲間と握手をした。帰りも安全に 降ろして下さいのお願いが込められている。日本人が皆で最高峰に立ったとき、我々は「お陰さま」と感謝しただろうか。今からでも遅くない。振り返り、感謝を捧げようではないか。
 

さて、右肩下がりの道を下り行くその先は? 「となりのトトロ」で宮崎駿の描いたサツキとメイの家のような暮らしか。それとも、もう少し昔の宮沢賢治が理想郷とした里山の「イーハトーブ」だろうか。 もっと昔に戻り、武士も町民も風流を愛でた江戸時代の心の豊かさの中なのだろうか。

 何れにしても、凄まじい速さで大量のエネルギーを消費することは、エントロピー増大を加速するだけである。地球温暖化はその一つの現れである。

  下山しながら、疲れてはいても懲りることなく、仲間と次の登山計画を語り合うのが常だった。この度は、次の登山計画を語れない「下山」かも知れない。私の 登山靴はすでに下山靴としての仕事も終えて下駄箱にある。もうこの歳では関係ないと思い、でも子供達・孫達の先行きは心配している。「下山の思想」は今や大ベストセラーに躍り出ている。


  参考:{『エントロピー』では読んで貰えないか?}(本誌、No248、
5(2008))、{この暑さは地球温暖化の影響?}(本誌、No241、 10(2007))

 

 

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鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・高知工科大の効果は大

2012-06-11 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

 

高知工科大の効果は大

                                                                 情報プラットフォーム、No.297、6月号、2012、掲載

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  3組の「カップル」の話である。しかも「はちきん」の物語である。「工科大」の地域貢献を一面から示した実績報告でもある。

  はちきんの最初のお話。理系の、技術系の工科大学に「何故、文系が必要か」と抵抗が多い中で、開学3年目からの設置を目指して、大学院(修士・博士課程) 起業家コースの構想が動き出した。卒業して企業に就職するのが当然と考えるだけではなく、自分でビジネスを創り出す能力と気概を持つ人材の養成を 目指したのである。

  そんな時、入学したばかりの女子学生がアントレプレナー・クラブ(起業家クラブ)を作りたいと副学長室に私を尋ねてきた。早速の効果が現れたと嬉しいやら、吃驚するやらであった。折に触れて様々なアドバイスをしてきたが、国道195号線沿いにコンビニ「オーバック」が開店した。その社長が鈴木寛 子さん。
自叙伝(「うまれたときから花嫁修業~29歳元学生起業家のvirgin road 」文芸社、(2009/2))に詳しく経緯が出ている。昨年、結婚式の招待状を頂いた。新郎は工科大出身の年下の頼もしい青年である。新婦側の主賓として 祝辞を述べさせて頂いた。高知に工科大を創った効果は絶大であると自慢をした。

  2人目のはちきんのお話。高知工科大学は開学に先立ち、中学生・高校生を対象にサマー・サイエンス・スクールを開催していた。参加者には、体育館の天井か ら生卵を落としても割れない作品を作る宿題を課していた。落下傘方式、竹とんぼ方式、ばね釣り構造、緩衝材の利用、ゼリー状物質への封じ込め、など様々な工夫を見るのが楽しみであった。

  入学式の時、一人の女子学生が「私は生卵で賞を貰いました。それで工科大に行く決心が付いたのです」との挨拶。「あ、覚えています。『キレイデ賞』を取っ たのですね」と答えた。男子生徒の受賞が多い中で、梱包材で生卵を巻き、プチプチにマジックで丁寧に赤黄緑を塗った女性らしさを感じる作品は特に印象に残っていた。「猪野沢温泉が、母、沖野和賀子の実家です」とのこと。高知に来て直ぐの頃、吉井勇ゆかりの渓鬼荘に泊まったときがお母さまと の初対面である。その後、お付き合いを重ねてきた。そして、私たちの結婚披露宴を、橋本大二郎知事ご夫妻のご出席も頂いて、森林総合センター・森 の情報交流館で開いて下さった。なお、「キレイデ賞」の沖野沙耶香さんは最近結婚された。

  はちきん3人目のお話。山田の我が家のお隣さん。夜遅く「さようなら。お休みなさい」とお嬢さんの声、爆音を響かせて車高の低い改造車が暗闇の中に走り去 る。時が経ち、その声と爆音は、正月、ゴールデンウイーク、夏休みなどに限られるようになった。ある夜、帰宅した私たちと鉢合わせをした。薄暗い 中で「あ、先生」とお互いに吃驚である。

  大学進学を迷っていた彼は、父親と共に高知工科大学のオープンキャンパスにやって来た。こちらの意気込みが伝わったのか、工科大を気に入ってくれた。
入学 式にはご両親も高知まで来て下さった。しかし、入学後は学科が異なるので疎遠になっていた。卒業後、ソフト系企業に就職してからは、長期休暇の折に、あの車を飛ばして東京からやって来たのである。今、彼は父の経営する超精密加工プレスの会社に移っている。東京の結婚式には主賓で呼ばれた。 ({そのとうり でもね}、本誌、No.221、2月号(2006)を参照のこと)高知で勉強し、伴侶を見付けたのは平井圭一郎さん、お隣のお嬢さんは西岡恵さんである。

  高知工科大学を、出会いの場を、連携の場を高知に創って良かった、そんな思いを感じさせる3人の高知の女性を紹介させて頂いた。

 

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

鈴木朝夫の講演・出版の記録

 

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