「ぷらっとウオーク」 情報プラットフォーム、No.199、4(2004)
{冷やして飲む、温めて飲む}
中国のハルピンでの話。夏の太陽の照りつける街中を歩き、喉が渇ききったとき、道ばたに小さな店があった。冷たいビールか、コカコーラが欲しかった。
私はビールを、友人はコカコーラを注文した。なま暖かい缶ビールを手にする私に対して、彼のコカコーラの缶には水滴が付いている。「コーラは冷えていると予想したのです。」に続けて、「アメリカと国交を開いてから、冷やして飲むものとして最初から中国に入ってきたコカコーラ。特に冷やして飲まなかったビールの違いを考えてのことです。」と言いながら誇らしげにコーラを飲んでいた。悔しい思いである。
ドイツでの話。マイナス気温のクリスマスの夜のシュトットガルトの街を散歩していた。熱く温めた赤ワインを屋台で売っている。このグリューヴァイン(Gluehwein)にはシナモンなどの少量の薬味が加えてある。キーンと音がするような寒さの中、手袋をした両手で暖かさを感じながら口にすると、冷え切った体の芯から暖まってくる。子どもの頃に飲んだ「甘酒」を思い出す。お燗をして飲むのは日本酒だけではないことを知った。
高知での話。辛口の高知の酒は冷酒に限ると思った。もともと日本酒は好きではなかった。お燗をしたお酒の匂いと、ベトベト感がその理由である。「何になさいますか。」「冷酒にします。」を常とすることによって思わぬメリットが出てきた。宴席での献杯を少なくする効果である。なお、温めたお酒での絶品は「ひれ酒」や「骨酒」である。
温めると言えば、焼酎のお湯割りやホットウイスキーがある。アルコール濃度の高い蒸留酒では、温めることよりも、薄めることの方が主目的だろう。
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