「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・高知県高坂学園生涯老人大学

2012-09-14 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

高知県高坂学園生涯老人大学

                                                     情報プラットフォーム、No.300、9月号、2012、掲載


  老人:(最初にこの大学を知ったときには、変な名前だなと感じた。「老人」、「年寄り」のように年齢を強調する表現ではなく、「シニア」、「シルバー」、 「高齢者」のように人生経験を尊重する表現が無難であるとの思い込みがあるためかも知れない。(鈴木))

30才:高知県高坂学園生涯老人大学は、昨年(2011年)10月にペギー葉山さんをお迎えして創立30周年記念式典を開いた。記念誌「30年の歩み」に よれば、県からの補助金が打ち切りになった時、自分たちで続けようと学生自らが運営・経営に当たる組織として1982年(昭和57年)に発足して いる。(「お上頼み」が当たり前の高度成長期の昭和の時代、この心意気は流石は「はちきん」、「いごっそう」と思わせる土佐の快挙である。(鈴 木))

  教室:入学資格は60才以上である。6つの組に分かれており、3つの組の教室が高知県人権啓発センター(県庁前)、残りの3つの組が高知市東部健康福祉センター(県立美術館の南)である。学生数は各組150人を超えて全体で1000人弱、平均年齢は77.8才である。

  学習日:例えば毎月の第2・第4火曜のように、学習日は月に2日であり、午前講義と午後講義がある。8月は夏休み、12月は冬休みである。月に4人の様々な分野の講師のお話が聞ける。講義時間の中で組総会、忘年会も開かれ、忘年会では隠し芸も披露される。この他に春の学外研修(日帰り)と秋の研修 旅行(一泊)がある。また、大学全体での修了式が3月中旬に、入学式が3月下旬と続いている。そして、総会が4月末に開かれる。

授業料:年間7,000円(前納)、春秋2回の研修旅行代、各組毎の諸雑費などである。

仕組み:この大学の最大の特徴は学生が自分達で行う運営にある。すべてが自主組織である。各組には、15名/班で、10班ほどの班が設けられ、班長が取り まとめている。各組単位で、講師を選んで授業構成を作る。研修旅行先も決めていく。運営委員会は各組選出の委員で構成され、5名の副委員長と1名 の運営委員長が選ばれる。会計および監事が各組に置かれている。年4回の講師選定委員会・組長会が開かれ、次の講義予定などを確認している。4月 末の全体総会では事業・会計報告・役員選出が行われる。

  新入生募集:期間は年末から1月末までである。同級生、お隣さん、昔の仕事仲間など顔見知りの勧誘で組が決まることもある。また、交通機関や駐車場の有無 などの通学の利便さが組を選ぶ基準になる。東は安芸市、西は土佐市、北は嶺北からも通学している。

  生涯:毎年全員落第であり、生涯を通して学生である。(超高齢化社会では、男性も女性も自律した『個』の確立が重要である。地域社会とつながりながら、 「孤立」ではなく「個立」することで、生き甲斐を感じながら、老いを楽しく生きることができる。(鈴木))

皆勤賞と長寿者、新入生:昨年度の皆勤賞は179名、米寿のお祝いを受けた長寿者は33名である。また今年度の入学者は96名
である。

学長:平成19年に松尾徹人氏が学長に就任した。創立30年記念式典を前に、6月のブログを最後に、あの世に旅立たれた。平成23年11月に鈴木朝夫が学 長に就任した。

  高坂:高知城の最初は大高坂山城である。河中(かわち)城、高智城と変わった。(前学長の申し送りは大変に光栄なことである。この大学で学生でないのは学 長だけ。でも、皆さんとご一緒に、高坂学園で好奇心を絶やさずに、元気老人としての生き方を楽しむつもりである。こんな素晴らしい学舎(まなび や)があるのは高知県だけである。(鈴木))


  連絡先:運営委員長 一柳喜久乃、(高知市桜馬場7-3-1103、電話088-873-0372);
      学長 鈴木朝夫、(香美市土佐山田町植718、電話0887-52-5154)

 

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鈴木朝夫 s-tomoo@diary.ocn.ne.jp 

高知県香美郡土佐山田町植718   Tel 0887-52-5154

 

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