「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・高知工科大の効果は大

2012-06-11 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

 

高知工科大の効果は大

                                                                 情報プラットフォーム、No.297、6月号、2012、掲載

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  3組の「カップル」の話である。しかも「はちきん」の物語である。「工科大」の地域貢献を一面から示した実績報告でもある。

  はちきんの最初のお話。理系の、技術系の工科大学に「何故、文系が必要か」と抵抗が多い中で、開学3年目からの設置を目指して、大学院(修士・博士課程) 起業家コースの構想が動き出した。卒業して企業に就職するのが当然と考えるだけではなく、自分でビジネスを創り出す能力と気概を持つ人材の養成を 目指したのである。

  そんな時、入学したばかりの女子学生がアントレプレナー・クラブ(起業家クラブ)を作りたいと副学長室に私を尋ねてきた。早速の効果が現れたと嬉しいやら、吃驚するやらであった。折に触れて様々なアドバイスをしてきたが、国道195号線沿いにコンビニ「オーバック」が開店した。その社長が鈴木寛 子さん。
自叙伝(「うまれたときから花嫁修業~29歳元学生起業家のvirgin road 」文芸社、(2009/2))に詳しく経緯が出ている。昨年、結婚式の招待状を頂いた。新郎は工科大出身の年下の頼もしい青年である。新婦側の主賓として 祝辞を述べさせて頂いた。高知に工科大を創った効果は絶大であると自慢をした。

  2人目のはちきんのお話。高知工科大学は開学に先立ち、中学生・高校生を対象にサマー・サイエンス・スクールを開催していた。参加者には、体育館の天井か ら生卵を落としても割れない作品を作る宿題を課していた。落下傘方式、竹とんぼ方式、ばね釣り構造、緩衝材の利用、ゼリー状物質への封じ込め、など様々な工夫を見るのが楽しみであった。

  入学式の時、一人の女子学生が「私は生卵で賞を貰いました。それで工科大に行く決心が付いたのです」との挨拶。「あ、覚えています。『キレイデ賞』を取っ たのですね」と答えた。男子生徒の受賞が多い中で、梱包材で生卵を巻き、プチプチにマジックで丁寧に赤黄緑を塗った女性らしさを感じる作品は特に印象に残っていた。「猪野沢温泉が、母、沖野和賀子の実家です」とのこと。高知に来て直ぐの頃、吉井勇ゆかりの渓鬼荘に泊まったときがお母さまと の初対面である。その後、お付き合いを重ねてきた。そして、私たちの結婚披露宴を、橋本大二郎知事ご夫妻のご出席も頂いて、森林総合センター・森 の情報交流館で開いて下さった。なお、「キレイデ賞」の沖野沙耶香さんは最近結婚された。

  はちきん3人目のお話。山田の我が家のお隣さん。夜遅く「さようなら。お休みなさい」とお嬢さんの声、爆音を響かせて車高の低い改造車が暗闇の中に走り去 る。時が経ち、その声と爆音は、正月、ゴールデンウイーク、夏休みなどに限られるようになった。ある夜、帰宅した私たちと鉢合わせをした。薄暗い 中で「あ、先生」とお互いに吃驚である。

  大学進学を迷っていた彼は、父親と共に高知工科大学のオープンキャンパスにやって来た。こちらの意気込みが伝わったのか、工科大を気に入ってくれた。
入学 式にはご両親も高知まで来て下さった。しかし、入学後は学科が異なるので疎遠になっていた。卒業後、ソフト系企業に就職してからは、長期休暇の折に、あの車を飛ばして東京からやって来たのである。今、彼は父の経営する超精密加工プレスの会社に移っている。東京の結婚式には主賓で呼ばれた。 ({そのとうり でもね}、本誌、No.221、2月号(2006)を参照のこと)高知で勉強し、伴侶を見付けたのは平井圭一郎さん、お隣のお嬢さんは西岡恵さんである。

  高知工科大学を、出会いの場を、連携の場を高知に創って良かった、そんな思いを感じさせる3人の高知の女性を紹介させて頂いた。

 

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鈴木朝夫(すずき ともお)
〒718-0054  高知県香美市土佐山田町植718
0887-52-5154、携帯 090-3461-6571  s-tomoo@diary.ocn.ne.jp  

 

鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

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