「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

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鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 ・・・続 シベリアンハスキー

2010-11-24 | 鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」

「ぷらっとウオーク」                    情報プラットフォーム、No.234, 3 (2007)
{続 シベリアンハスキー}

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  2年前まで犬や猫は、柵や檻の向こう側に、テレビ画面の中にあるべきもの、リードに繋がれているべきものと思っていた。ところが、1年半前の夏、13歳のシベリアンハスキーの「はな」が家内の実家から我が家にやって来た。ともかく彼の面倒を我が家で見ることになったのである。雨や風に関係なく、朝に夕に、一時間づつの散歩が日課となっている。

「犬は可愛いでしょ」と聞かれると、「『はな』は犬ではない」と強弁している。毎日の散歩が私の健康法になっている。これがなければ香美市合併記念のウオーキング大会に参加しようと思うこともなく、また、物部町の大栃高校から土佐山田町の秦山公園までの約31 kmを完歩することは無理だったであろう。すべては「はな」のお陰である。


 昨年の5月、樋口可南子とディロン(ゴールデン・リトリバー)の主演による「ディロン~運命の犬」がNHKから放映された。見た方も多いと思う。処分寸前の犬を救い出した麻利は、犬嫌いの夫と姑と暮らしながらも、老人ホームや小学校へのリハビリ訪問の活動が始まる。多くの人々とディロンとの心の交流の物語である。ご近所さんと私たちの交流が深まったのは「はな」の散歩がきっかけになっている。


  ところが、最近「はな」の様子がおかしいのである。犬の居る家に近づくと、散歩中の犬が近づくと敏感に反応していたのに、かなり鈍くなっている。よそ見をしていたおばあさんが自分の犬に引倒される事件が起きた。

「はな」との距離は10m以上もあって、私は思わず「はな」は悪くないと叫びたくなった。おばあちゃんは、とっさにリードを握ったのだろうか手から血が流れている。以前は「はな」が先に気付いているケースである。私が「はな」に代わって、接近中の犬を発見する義務が生じてきたようである。


  今、彼は15歳になろうとしている。お正月を越したある朝、元気がないのに気が付いた。昼過ぎに戻ってみると、食事も残しており、立ち上がる気配もない。近くの動物病院に急いで連れて行った。肺炎の寸前、心電図に異常、血液検査で肝機能低下などが分かる。

僅かの待ち時間でコンピューターが結果を出してくれる。「太り過ぎです」との注意も受けた。検査機器が揃っていることも、わんちゃんもメタボリック症候群になることも、健康保険がなく物入りであることも、全てが人間以上であることに吃驚である。


 2月の初め、座る位置決めに時間を取り、立上がるのがどっこいしょになった。マーキングも簡便法で済ましている。X線撮影で椎間板ヘルニアであることが判明、痛み止めを処方して貰った。今は元気になっている。


  まだ痴呆が来ている様子はない。耳も目も鼻も特に悪くはない。硬いささみカットを噛んでいる。緩くも、固くもない良い「うんち」である。しかし、ゆっくりではあるが、確実に弱ってきているのが分かる。ペットロスの覚悟が必要である。


 ペットを伴侶として暮らす人が多くなっている。これから進む高齢化社会では、人間だけではなく、心の支えとなっているペットの高齢化とペットロスへの対応が大切であることを認識しなければならないと感じた。
注)「シベリアンハスキー」、情報プラットフォーム、No.219、12月号(2005)参照

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鈴木朝夫  s-tomoo@diary.ocn.ne.jp

 高知県香美郡土佐山田町植718   Tel 0887-52-5154

 

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