我が家のスキーと登山の思い出 ④
高知ファンクラブ、No.191,4 (2018)
バードウオッチング
最初は、国土地理院の五万分の一の地図上に、自分の歩いた経路に、赤い線を引くことを、最大の目的とし、楽しみとする登山だった。高山植物など有名なものは別として、そこに普通にある樹木や山野草や菌類、その山に生息する動物などに、特別の興味や関心を持つことはなかった。
札幌に住んでからすぐに、ちえ子が「バードウオッチングの会」に入会した。8倍の双眼鏡を首から下げて、仲間と頻繁に出掛けるようになっていた。これだけ多くの登山経験にも関らず、全く知らないことも多い。知らなくても、良く聞けば沢山の心当たりがある。ちえ子の話を補強する話題はたくさん持っていた。誘われて私も双眼鏡を求め、会のイベントに参加するようになっていた。その時はリーダーにぴったりと付いて歩くのが常だった。鳥だけではなく、生き物の兆候を直ぐに知ることができるし、質問や疑問のチャンスも増えるからである。そして、足跡、糞、ペリットなどから、動物を想定できるようになっていた。
木の先端に止まり、ツーピーと縄張り宣言をしている鳥を、人に示すことは容易である。しかし、小枝の一つに止まっている鳥を探すのは大変である。鳥の居る場所を人に教えることも、居る場所を教わることも大変である。自分で探すしか方法はないのである。漠然と眺めている視野の中に、黒い動きを感じて、その先を見れば鳥が止まっているのである。流れ星の観察と似ている。焦点を定めずに、視野を全体に広げて待つ態度である。
「結婚して以来、あなたの趣味に全て引き込まれて来たのよ。登山も、スキーも、テニスも。今度は私の開拓した趣味に引き込んだつもりだったのに、もう横取りしてしまって」とちえ子が嘆くようになるのに、多くの時間は不要だった。短時間で鳥や、獣の気配を感じる名人になっていた。
高知に住んだことで、「森ときのこを愛する会」に入会し、様々なきのこで山盛りのきのこ鍋を楽しんでいる。これだけ沢山の登山をしたのに、何も見ていなかったことを悔やんでいる。
2001年のゴールデンウイークは
元日には、猪野沢温泉の今戸さんが、大勢集まる正月の渓鬼荘の席に呼んでくださった。6日の夕方には、車庫の梁に七草粥が依光美代子のお名前付きで吊るしてあった。きのこの会で親しくさせて頂いている。2月の休日には、山田の駅前通りの美容院の尾立さんご夫妻の誘いで、剣山の手前の次郎笈まで登った。その夕方には駅前で反省会が開かれた。とても楽しい一日であった。樹木診断の講習会で知り合った南国市八京の湯浅さんが、近くの梅林を案内して下さり、そして奥様の手作りの昼食を頂いた。
「森ときのこを愛する会」のイベントには、きのこ鍋が美味しいので、積極的に参加している。「森の音楽会」での企画も順調に進んでいるおり、この一年間のスケジュールを決めることができた。高知工科大学の新設に際して、林業関連の県の公設研究機関が物部川の対岸に移転した。それに併設されたのが、県民の地域活動を支援する役割を持たせたのが「森の情報交流館」である。これの有効活用の一事例として「森の音楽会」を企画したのである。
昨年暮れに(2001年12月16日)家内のちえ子を失った私を、皆さんが、地域の方々が心配して下さっていることが良く判る。でも、集まりが楽しければ楽しいほど、電気の付いていない暗い我が家に、誰も居ない部屋に帰り着いても、寂しさが倍増してくる。
連休後半の明日(5月3日)は、きのこを愛する会の仲間たちと伊予富士に登り、木の香温泉で汗を流し、一泊してコツ酒を飲む予定である。朝6時20分に近くに住む斉藤さんが我が家にピックアップに来てくれる。先ほどまで降っていた土砂降りは終わっている。明日は良い天気に。
山は霧雨、登山は中止。林道をドライブ。早めに木の香温泉へ。駐車場の隅にコンロを設営して、イワナ・アメゴ焼き。夕食後に、これを浸したコツ酒を試飲。翌日は稲叢山に登山、満開のあけぼのツツジを胆嚢できた。
5日(土)は11;00にお迎えがあり、猪野沢温泉へ。渓鬼荘で織物作家の山田裕司さんを励ます会に出席。夕方には門馬義雄先生のお宅へ。奥様の手料理をご馳走になった。
6日(日)が残っているのが大助かりであった。のんびりと過ごせた連休最後の日だった。
クロスカントリー・スキー
我々が札幌に住むようになって、クロスカントリーの仲間達がやって来た。裏磐梯・国民休暇村、日光高徳牧場などを選び、皆でクロスカントリーを楽しむグループである。今年は札幌を選んだ。大倉山シャンツェで開かれるシーズン最後のジャンプ大会の観戦から始まる。全員、ジャンプの実際を見るのは初めてである。
皆で昼食を済ましてから、ビルの谷間にある中島公園へ向かう。無料の貸し出しスキーがあるからである。次の日は、我が家近くの真駒内公園でスキーの後、我が家でちえ子の手料理で歓談、三日目はすずらん公園でクロスカントリー・スキーを楽しんだ。ジャンプとクロカン・スキーの複合競技を楽しんだのである。
註:この部分は「クロカン・スキー」として(情報プラットフォーム、No.225、6 (2006))に掲載したものの要約である。
鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」高知ファンクラブに掲載 2017年~
鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次のつづき(2016年~現在に至る)
鈴木朝夫の「ぷらっとウオーク」 目次のつづき(2012年~2015年)