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素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)
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墓穴では?流れは再び「反日」へ。
中国観察
/
2005-11-22 08:05:17
ブッシュ訪日、アジア太平洋経済協力会議(APEC)、ブッシュ訪中。……という一連の重要な外交日程が消化されて何となく一段落という気持ちになってしまうのですが、なかなかどうして、気になるニュースは目白押しなのです。散漫になることを承知の上で点描してみたいと思います。
――――
まずは前々回に紹介したAPEC首脳全体会議における小泉首相の独演会についてですが、中国側は嘲笑して済ませればいいものを、
「中日関係悪化の責任を中国になすりつけるものだ」
と真面目に反発しています。
●新華網(2005/11/21/08:00)
http://news.xinhuanet.com/world/2005-11/21/content_3809947.htm
●新華網(2005/11/21/11:16)
http://news.xinhuanet.com/world/2005-11/21/content_3811391.htm
上の記事が『人民日報/江南時報』からの転載で、下は新華社オリジナルです。ただ独演会についての部分はほぼ同じ内容なので、後発の新華社がその部分はバクったのではないかと思います。
笑って済ませられないようですから相当ムカついたのでしょう(笑)。小泉政権はどうやら首脳会談拒否などでは挫けないらしい、ということも学習したと思われます。
――――
で、そうしたことを踏まえた上で中共政権の対日路線はどうなるか、ということですが、
「何かが始まった?」(2005/11/16)
「ひとまず流れが変わった模様」(2005/11/17)
において紹介したように、メディアに制約をかけて反日報道を抑制する、といった従来のやり方とは正反対の、対日強硬路線に転じたように思えます。
反日サイトを潰したり掲示板を閉鎖させたり、あるいは掲示板は存続させても反日的内容の書き込みを規制したりする一方、中国国内メディアにも反日報道に制約をかける、といった胡錦涛政権発足当初(2004年9月)の姿勢からみれば、胡錦涛にとっては不本意な方針修正でしょう。あるいは小泉政権と1年付き合ってみて、胡錦涛も何事か悟るものがあったのかも知れません(笑)。
胡錦涛自身の主動的なアクションなのか、それとも主導権を相手に握られ受け入れざるを得なくなった結果なのか。……その辺りはわかりませんが、いずれにせよ中国の対日路線は強硬風味へと傾いたようです。「ひとまず変わった」流れが主流になるという訳です。どこまで傾くのか、江沢民時代にまで回帰するのか、といったところは今後の動向でみえてくると思います。
そうした政策転換と恐らく無関係ではないでしょうが、反日サイトの総本山格も相次いで息を吹き返しています。長いことメンテ中状態(仮死)だった「中国民間保釣連合会」は平常に復していますし、サイトごと潰された(斬首)「愛国者同盟網」もここ数日で復活を遂げています。「糞青」(事象愛国者の反日教徒)や「珍獣」(プロ化した糞青)の跋扈する季節が巡ってきたということなのでしょうか。
――――
遠慮のない反日報道も出てきています。小泉首相や麻生外相の発言を捉えては批判する記事もありますし、『嫌韓流』『マンガ中国入門 やっかいな隣人の研究』を叩きまくっている記事もあります。
●新華網(2005/11/21/08:15)
http://news.xinhuanet.com/world/2005-11/21/content_3809927.htm
一方で
「対日外交の要諦は民意をこちらに引き寄せることにある」
という提言めいた文章も出てきました。注目に値するのは、従来は基本的に「日本の右翼政治家と右翼勢力が」という形で語られていた日本の変化を、「政治家の右傾化=民意の右傾化」と捉えるに近い視点で語り、「だから民心をつかまないと」と結論づけているところです。
●『国際先駆導報』電子版(2005/11/21/12:09)
http://news.xinhuanet.com/herald/2005-11/21/content_3811481.htm
でもいまさら遅いですよね。その前に
まず日本での中国人犯罪と不法滞在者を何とかしろ
、と私は言いたいです。
中国人犯罪で思い出しましたが、中共政権は折にふれては「日本のメディアが煽りすぎ」という言い方をします。在日中国人犯罪報道についても、昨年のサッカーアジアカップでの騒動についてもそうでした。基本的には、
「中国が急速に台頭したことに脅威を感じた日本がメディアを動員して中国脅威論を宣伝したり、ネガティブに中国を捉えるニュースを流して煽っている。その結果日本人の対中感情が悪化した」
という論法のようですが、自意識過剰のせいか的外れなことを言うなあ、というのが私の感想です。日本人の対中感情の悪化というのは、互いの距離が近付いたからこその結果ではないかと思うのです。
仕事でも生活でも中国・中国人が絡んでくることが日常的になった一方、身の回りで中国人犯罪が多発するようになった、その挙げ句の反中感情だと。付き合っていた相手の本当の姿をみて幻滅した、気持ちが冷めた、というようなものです。……もちろん海洋調査船の違法行為や原潜の領海侵犯などもありますが、柱となっているのは手触りレベルでの嫌悪感ではないかと思うのです。
――――
日本で報じられたニュースもあります。
●中国、教育・宣伝強化 66カ所追加、「愛国拠点」266カ所に(産経新聞 2005/11/22)
http://www.sankei.co.jp/news/051122/morning/22int002.htm
【北京=野口東秀】二十一日付中国共産党機関紙「人民日報」によると、党中央宣伝部は国民の愛国心育成を目的とする「全国愛国主義教育拠点」の第三次指定リスト六十六カ所を公表した。愛国教育拠点は、江沢民前政権時代の一九九七年と二〇〇一年に計二百カ所が指定されたが、胡錦濤政権下では初めて。胡政権は前政権の路線を踏襲し、愛国主義の教育・宣伝を強化する考えを示している。
(中略)
追加指定された拠点の中には、平北抗日戦争烈士記念館(北京)、平頂山虐殺旧跡記念館(遼寧省)、中国侵略日本軍東寧要塞(ようさい)旧跡(黒竜江省)など日中戦争関連の遺跡や記念館が相当数含まれている。
中国外務省関係者は、「中国の愛国教育拠点は『反日』ではない」と強調しているが、現在の中国で愛国主義発揚は「反日教育」と表裏一体となっている面があり、青少年層を中心に反日感情を刺激する可能性がある。
今年春に北京など各地で発生した反日デモでは、九〇年代以来の愛国主義教育の影響を受けた青年たちが「愛国無罪」などと叫んで騒動をリードした。
「全国愛国主義教育拠点」の詳細についてははこちらを。
●新華網(2005/11/20/11:10)
http://news.xinhuanet.com/politics/2005-11/20/content_3806657.htm
「胡錦涛政権下では初めて」といってもそれは「拠点」の追加は初めてという意味でしょう。胡錦涛時代になって従来のいわゆる「愛国主義教育」が改められた訳ではありません。まあ今後も愚民の大量生産に励む、ということですね。民度は退行するし社会不安のリスクも増すし、墓穴を掘っているようでもあります。
――――
●民主化で溝埋まらず 米中首脳会談、日中関係改善促す(Sankei Web 2005/11/20/21:35)
http://www.sankei.co.jp/news/051120/kok061.htm
という報道もありますが、私のみた限りでは「日中関係改善促す」に関して中国メディアが言及しているものはありませんでした。
ブッシュ訪中についていえば、中国国内メディアは「重要な成果があった」「中米外交が一段と強化された」などと囃すばかりですが、人民解放軍の機関紙にはちょっとドスのきいた意見(署名論評)も出ています。最後の段落を端折って訳出してみます。
●『解放軍報』電子版(2005/11/21/06:40)
http://www.chinamil.com.cn/site1/xwpdxw/2005-11/21/content_343852.htm
あえて言うなら、中米関係にはいまなお数多くの障壁と困難が存在している。その最たるものは米国が冷戦思考から完全に脱しておらず、中国に対する警戒と押さえ込みの姿勢が改まっていないことだ。
(中略)
台湾問題において、米国は未だに中国への内政干渉を堅持し、『台湾関係法』と中米間で取り交わされた3つの共同コミュニケを同列に置いている。それによって米国は台湾問題を利用することで中国の内政に干渉し、中国の発展を阻害するという誤った立場をとり続けている。米国側がこうしたイデオロギー上の食い違いを改めない限り、中米関係における一部の構造的な矛盾が解消されることはない。これではたとえブッシュ政権の対中政策が積極的な方向へと調整され変化しようと、両国の関係発展は順風満帆とはいかないだろう。
(後略)
『解放軍報』をがっちりと掌握して胡錦涛礼讃をしてみせる軍部主流派からも、こういう声が出てくるのです。台湾問題が軍部にとっていかに重要で神経質になるテーマかということがよく出ていると思います。
――――
そこで李登輝氏の訪日ですよ(笑)。
――――
【余談】共同通信によるこのニュース、
●鳥インフルエンザ「感染死」14人の名簿掲載 中国語サイト(Sankei Web 2005/11/21/15:18)
http://www.sankei.co.jp/news/051121/kok052.htm
元ネタはこちらです。どこかの掲示板に出た名簿を反体制系ニュースサイト「博訊網」が未確認情報と断って掲載したものですが、共同もたまには度胸のあることをするものです。
●博訊網(2005/11/20)
http://www.peacehall.com/news/gb/china/2005/11/200511200016.shtml
この名簿、姓名、年齢、本籍地、病名、死亡後の処理(火葬)まで具体的に出ているので見ていて寒気がします。香港紙では『蘋果日報』(2005/11/21)などが掲載。真偽は「?」ですが、中国衛生部が
「人から人へと感染した証拠はまだない」
なんて含みを持たせた言い方をするから当局による隠蔽を勘繰りたくもなるというものです。
●新華網(2005/11/20/20:26)
http://news.xinhuanet.com/politics/2005-11/20/content_3808568.htm
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