日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 土曜ですからたまにはマターリすることにします。

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 私は2ちゃんねらーです。

 と書くのが恥ずかしい歳のようでもありますし、2ちゃんねらーの定義も知りませんが、中国板や東亜板でちょくちょく書いていたりするので一応そうなんだろうと思います。

 最初は中国の反日サイトに殴り込むという趣旨のスレッドに「私にもできるかも知れない」と考えて参加したら皆さんにとても優しくして頂いたので常駐するようになりました。

 ただ戦うために中国情報を集めるようになると地金が出てしまい(笑)、チナヲチに傾くようになってしまいました。殴り込みも続けていたのですが、常駐するスレッドでは戦果報告だけではなく、チナヲチめいたことをつい書くようになってしまいました。

 質問を受けることもあり、受ければわかる範囲で答えるしかなく、気が付いたら私ばかりがたくさん書き込んでいる状況に。

 これはいけないと思って内緒で立ち上げたのがこのブログです。

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 当初は娯楽の備忘録ようなつもり(例えば「サカつくのクラブチーム育成日記」のようなもの)で始めたのですが、秘密にしていたのに2ちゃんねるでバラされてしまい、また日中関係が悪化したことも大きな追い風となって(笑)、読んで下さる方が予想外に増える結果になってしまいました。

 いや増えることはもちろん有り難いのですけど、当初配偶者と「この位いけばスゴいよな」と夢見ていたアクセス数の10倍ぐらいに育ってしまったので、正直茫然としております。

 読んで下さる方が増えても減っても書く内容に変化はありませんから、プレッシャーは感じません(更新圧力は少しあるかもw)。ただ、ある意味かなり「濃い」内容である当ブログにこれほどアクセスがあるというのは、どういうことなのかと考えたりします。

 つまりは「そういう時代」になった、とでも言うのでしょうか。日本人の日常生活の範囲内、また可視範囲内に「中国・中国人」なるものが浸透してきて、そのために「中国といえばパンダとかシルクロード。素朴な人々」などではなく、「中国・中国人」をより正確に捉える人が増えていることの表れだろうかと思ったりします(中国駐在の日本人が増えたことも含めてです)。

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 そういう素地があるからでしょうか。2ちゃんねるの東亜版を眺めていると、反体制系(法輪功)ニュースサイト「大紀元」が日本語版を開設して以来、それをニュースソースとして立てられたスレッドが目立つようになりました。中国語を読めない方にとっては便利な存在ということもあるでしょう。日本のマスコミが報じないニュースもたくさんありますし。

 私は仕事をやりながら記事を集めますから、時間的余裕はありません。香港各紙とヤフー台湾を回って、あとは「新華網」(国営通信社の電子版)と「人民網」(中共中央機関紙の電子版)をメインに、『中国青年報』と『解放軍報』の電子版をのぞくだけで精一杯です。

 私が引用する記事でわかるかと思いますが、大半が中国国内メディア+香港紙です。時間がないので反体制系メディアは必要がない限り、普段は滅多に行くことがありません。暴動事件などがなければ基本的にそれで事足りているし、というのもあります。

 自戒している部分もあります。前に2ちゃんねるのどこかのスレで書いたのですが、香港の政論誌や反体制系サイトのニュースは読んでいてとても面白いし、ある程度勉強にもなります。でもその反面、解答を見ながら問題集を埋めていくような作業でもあるので、惑溺してしまうと自分なりの見方や捉え方が育ちにくくなり、自分の伸びしろを小さくしてしまうのではないか、と私は思うのです。

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 そこで「大紀元」の話に戻るのですが、中国語版ならニュース以外のコンテンツ(反体制系知識人の評論とか)も豊富で、色々と重宝する部分もあります。

 ただ目下のところ、私からみると日本語版には「?」なのです。編集者の力量と関係があるのでしょうが、日本語版に限っていえば、まだまだ眉唾の域を出ていないと私は思います。

「『大紀元』(日本語版)に出たニュースを後になって他が報じることもあるじゃないか」

 という意見もあるでしょう。でもそれはラッキーパンチがたまたまヒットしたことがあるというだけで、しかもそのパンチも往々にして日本語版のオリジナルではないでしょう。極端にいえば、オフィシャルである分だけ「人民網」日本語版の方がチナヲチの資料としては頼りになります。

 いや、ネコが死んだというのです。鳥インフルエンザ(H5N1型)が流行している中国・遼寧省、現在感染地域が拡大しつつありますが、流行の起点となった黒山県で、病死した鳥類を食べた猫が大量死している、というものです。

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 ●鳥インフルエンザ発生地で、病死した鳥を食べた猫大量死(大紀元日本語版 2005/11/12/06:09)
 http://www.epochtimes.jp/jp/2005/11/html/d21887.html

 【大紀元日本11月12日】鳥インフルエンザが発生した遼寧省黒山県八道壕鎮で、病死の鳥を食べた猫が大量に死亡し、村の百匹あまりの猫が行方不明になっているという。中央社が伝えた。(後略)

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 「大紀元」日本語版の記事ですけど、ソースは台湾の中央通信です。ただこの記事を書いた人は中央通信の当該記事を読んでいないのだと思いますが、本当は中央通信も元ネタではなく、香港の「星島日報即時新聞」(2005/11/11/08:55)が最初に報じたものです。

 この記事はたぶん「大紀元」中国語版の記事を端折って翻訳したのでしょう。というのは、中国語版には元ネタが「星島日報網」だとちゃんと書いてあるからです。私はその元ネタ(星島日報即時新聞)の方でこのニュースを知った次第です。

 報道者ではなくヲチする立場の者としていえば、ニュースにはとりあえず寝転がしておくべき種類のものがあります。数日放置しておくことで関連情報が集まってきて、事態の概要が判明するというものです。

 今回もそういう慎重さが本来必要なニュースでした。「ネコも大量死」というのは恰好のネタの筈なのに、翌日の香港各紙(2005/11/12)は後追い取材をしていませんし、親中紙からは早くも否定報道が出ています。

 あるいはもう1日放置しておけば香港紙の潜入取材によって事実かどうかがわかるかも知れません。たぶん「大紀元」日本語版の編集者には、そういったことを考えて真偽を見きわめようとする力量と態度が欠けているのでしょう。

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 弁護するとすれば、立場が違うじゃないかということになります。ニュースを伝える報道者としては、速さと鮮度が勝負ですから、ネタが入ったらすぐに報じなければならない。寝転がしておくなんて悠長なことはできないのです。

 ただ報道者であっても、ニュースの真偽を確認する作業は必要でしょう。「ネコ大量死」の件が仮に事実だったとしても、記事を掲載する時点ではそれが確認されていないのです。

 せめてそのこと(未確認情報)に一応言及すればいいのですが、その手間を省いてしまう。ですから「大紀元」日本語版はそれなりに頑張っているようでもありますが、現時点においてその実質は報道媒体ではなく、色物扱いされても仕方ありません。

 日本のマスコミ、例えば香港特派員の手による記事は遅くて歯がゆく感じることが多いです。しかも自分で取材したのではなく、香港紙が報じてから記事を書くという情けなさ。

 情けなくはあるのですが、香港紙の様子をみることでニュースの内容を吟味し、一応の真偽確認を行っているのです。それにしても記事にするのが遅すぎるケースや、情報としての奥行きに欠けるケースがままありますが(笑)。まあ行数制限もあるし、ということにしておきますか。

 ごく当たり前のことですが、中国情報はやはり原語(中国語)で取り組まないとダメだと思います。まずは原語による情報にあたってみる、ということです。

 中国は報道の自由のない国ですからなおさらです。日本語だけで何とかしようとするなら情報をよく吟味することが欠かせません。ただそれはかなり困難な作業になると思います。

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 このエントリーを読んで法輪功に激震が走り、激怒した世界中の信者が私に変な「気」を送ってこられても困るのですが(笑)。そこは九段や上野でビラまきをしているときは必ず受け取って、

「頑張って下さい。蔭ながら応援してますよ」

 と言っていますのでどうか御勘弁を。日本語版が早く「色物」でなくなることを願うばかりです。



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