日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 いやはや意外な展開です。

 例のボロ漁船で日本の領海を侵犯して尖閣諸島(中国名:釣魚台)への上陸を目指そうとした「保釣運動」(尖閣防衛運動)の活動家4名、例によって見事な操艦技術を誇るわが海上保安庁の巡視船などに前進を阻止され、コソコソと針路反転、帰途に就きました。日本でも報じられていますね。

 活動家4名はいずれも保釣運動の総元締で反日サイトの総本山のひとつである「中国民間保釣連合会」のメンバー。同会は今回の事件について当初、

「船から電話してきてはじめて知った」

 などと不透明な対応をみせていたのですが、現在では同会公認の行動と自他ともに認知されているようです。

 抜き打ち的な突発行動だった今回の船出作戦について、当ブログでは同会のバックボーンである政治勢力の蠢動ではないかと邪推。また同会の掲示板に船上の活動家から送られてくる4名「実況」スレッドが立ち、しかもそれが削除されずにいたことから、胡錦涛サイドを含めた中国当局黙認の行動と考えました。

 「黙認」というのは掲示板での「実況」を削除しないものの、一方で当局から公式声明は出さず、また中国国内メディアにも報道管制を敷いていたことによります。

 ●保釣船の領海侵犯は党大会の反映?@十七大11・上(2007/10/29)
 ●保釣船の領海侵犯は党大会の反映?@十七大11・下(2007/10/29)

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 ところがところが。標題の通りです。

 活動家たちを乗せた漁船が福建省・◇州港(◇=さんずいに章)に帰着するなり、屈強な野郎どものお出迎え(たぶん)。野郎どもは上陸した活動家や船員たち(合計9名)を取り囲んで、

「おつかれさまー大変だったねー」

「待ってたんだよーさあ行こー行こー」

 と活動家たちを拘束(たぶん)、ホテルに軟禁してしまいました。当局は黙認かと思っていたら実は激怒していたようなのです。

 ●『明報』電子版(2007/10/30/10:46)
 http://www.mpinews.com/htm/INews/20071030/ca21046t.htm

 香港の親中紙『大公報』電子版は活動家が無事帰途に就いたことを報じ、連中を「釣魚島に突撃した四勇士」などと高らかに讃えていたのですけど。

 ●衝�釣魚島四勇士安全返航(大公網 2007/10/29)
 http://www.takungpao.com/news/07/10/29/ZM-815791.htm

 折しも昨日(10月30日)は火曜日で外交部報道官による定例記者会見があります。一連の質疑応答の中でこの「軟禁」についての質問も出ましたが、劉建超・報道官は、

「聞いていない」

 との一言でバッサリ。定例会見の一問一答はすぐに中国国内メディアに記事が配信され、当日夜には「新華網」をはじめ大手ニュースサイトで目にすることができます。今回もそうだったものの、この「軟禁」「聞いていない」の部分は国内ではNG扱いらしく報道されていません。

 ●多維新聞網(2007/10/30/19:11)
 http://www5.chinesenewsnet.com/MainNews/SinoNews/Mainland/2007_10_30_7_11_29_357.html

 ●『星島日報』電子版(2007/10/30/17:07)
 http://www.singtao.com/breakingnews/20071030e164851.asp

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 尖閣諸島に昨年船出した香港の「保釣行動委員会」擁するボロ漁船改「保釣二号」は広東省でメンテナンス中に地元当局に難癖をつけられて出港を差し止められ、元々計画していた「8月15日尖閣上陸」を果たせず、結局昨年10月末に船を出してドタバタ劇を演じつつ、最後には海上保安庁によるお約束の公開処刑を受けてスゴスゴと退散。

 連中は一種のMプレイが大好きなようで(笑)、今年も「8月15日尖閣上陸」を掲げて準備を進めていたのですが、今度は香港当局から横槍が入って出港禁止に。この措置は中国当局の意向を反映したものという観測が大勢を占めていましたが、軟禁報道が事実だとすれば、民間活動家の尖閣上陸活動に対する胡錦涛政権の態度はブレていない、ということになります。

 胡錦涛政権にしてみれば、日中関係を融和路線で進めていきたいところで無用の騒ぎを起こしてほしくない、といったところでしょう。船出すれば公開処刑されるのは火を見るよりも明らかですし、拿捕して日本の司法で裁くことなく領海外へ追い払うだけ、といった「優しい対応」をしてくれる日本政府に対して借りをつくることにもなります。

 それより怖いのは中国国内で反日機運が高まってしまうこと。理由はもちろん、燃え上がってしまうと反政府運動へと転じかねない社会状況だからです。しかもいま現在は新指導部体制の成立に向けた大型人事異動の真っ最中であり、ある意味権力の空白期に近い状態。腰が据わっていないところで妙な騒ぎを起こされると対応にも困りますし、これを政局にされて人事に影響が出るのもマズい、といった判断が働くでしょう。

 それだけに、私は今回、胡錦涛政権が「黙認」していることに意外さを感じていました。例えば今回の事件は士気旺盛に過ぎる軍内部の一派を黒幕としたもので、

「どうせ日中関係にヒビが入るほどの騒ぎにはならないだろうから内政面でのいいガス抜きになる。やらせておけ」

 と胡錦涛が考えた、とか、尖閣諸島を突ついてみることで日本の福田政権の対応を試したのではないか、などとあれこれ考えてみたりしたのです。とはいえ、

「在任中は靖国神社に参拝しませんよ(フフン♪)」

 と福田首相が自ら靖国カードを放棄してしまっているので、突ついてみなくても安倍政権よりくみしやすい相手だとわかっていた筈です。

 ……という訳で今回の「黙認」を私はいぶかしんでいたのですが、きのう午前に軟禁報道が香港から流れ、外交部報道官がそれについて「聞いていない」と答え、さらに中国国内ではその部分を報道することが禁じられている様子なので、結局はやはりブレていなかったのだ、ということがわかりました。

 ――――

 しかしブレていないとはいいつつも、一方でちぐはぐな面があります。例えば報道管制。ブレていないのならNGを徹底させるべきなのに、中国民間保釣連合会の掲示板に立った「実況スレ」を削除せずに数日間放置していました。

 また、香港の親中系テレビ局「フェニックスTV」が今回の事件を報じ、さらに同会のスポークスマンへのインタビュー場面などもそのまま放映されています。香港の『香港文匯報』や『大公報』、それにシンガポールの『聯合早報』といった親中紙にも関連記事が掲載され、その電子版には中国国内からもアクセスできるのにも関わらず、それを妨害する措置を講じていません。

 このあたり、報道させようとする側とそれを阻止しようとする側が綱引きした形跡がみられた衛星破壊弾道ミサイル実験のときの動きとは対照的です。要するに中国国内に「いま保釣船が行動中だ」という情報が流れることを、やや控えめながらも許していたことになります。

 「やや控えめ」というのは、そうした半面、中国国内メディアには報道を許さなかった形跡があることです。平素ならまず速報として、上記香港・シンガポールの親中紙の報道を転載する形でニュースになったりしますが、それが今回はありませんでした(同会の掲示板では『聯合早報』の記事などが次々に転載されていました)。

 いや、実際には外電総合という形での報道が流れたようなのです。中国中央テレビ局(CCTV)の電子版「央視国際」に、

 ●保釣船について日本が中国に抗議(央視国際 2007/10/29/21:01)
 http://news.cctv.com/china/20071029/108724.shtml

 という記事が掲載されたことを確認できました。ところがこのURLに飛んでみるとすでに削除済み。速報は消されたのです。

 てことは外交部報道官の定例会見を受けてから報道解禁?と思っていたところ、「中国網」というオフィシャルなウェブサイトで定例会見前の30日朝に、

「保釣船が尖閣に向けて船出したけど海上保安庁の艦艇に阻まれて引き返した。日本は中国に抗議した」

 という内容のニュースが出ました。『大公報』や共同電を引用したりしており、日本の抗議に対する中国側の反応などは記されていません。

 ●「中国網」(2007/10/30/07:24)
 http://www.china.com.cn/news/txt/2007-10/30/content_9143239.htm

 この記事、ソースは『新快報』となっていますから、紙媒体が先行したのでしょうか。ともあれメディア統制における足並みの乱れを感じさせる動きでした。「保釣」の活動家たちの行動をどう扱うのか、胡錦涛政権は旗幟不鮮明、といったところです。

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 この「中国網」の報道が流れたころ、香港では『明報』電子版が活動家たちが拘束・軟禁されたことを報じています。それに追い打ちをかけるように「中国民間保釣連合会」のサイトが閉鎖されました。掲示板の実況スレを削除するだけでなく、サイトをまるごと閉鎖。このあたりに胡錦涛の激怒ぶりが垣間見えているようでもあります。

 ともあれ、今回の「保釣活動」に対し、胡錦涛政権から鉄槌が下された格好です。

 ただし、海外メディアには「保釣活動」の全容が明らかにされてしまっているので、定例記者会見において外交部報道官は毅然たる姿勢を示す必要があります。

 結局、活動家を乗せたボロ漁船は日本の領海に一歩踏み込んだところで憎き小日本の艦艇に囲まれてタコ殴りにされ、スゴスゴと退却した訳ですから実に格好が悪い。国民に対しては伏せておきたい話題です。しかもその活動家を拘束・軟禁したことが知られれば国民の怒りを買いかねません。とはいえこの会見で事件に言及しないと、

「あれ?中国弱腰になったじゃん」

 といった、中国にしてみれば「誤ったメッセージ」が流れてしまいます。そこで「拘束・軟禁」の部分を国内NGにして、報道官は中国側の言い分を毅然たる態度で示すことになります。いわく、



「この問題におけるわれわれの立場は、釣魚島およびその付属島嶼は古来より中国の固有領土であり、中国はこれに対し争う余地のない主権を有する、というものだ。日本側が中国側人員に対してとった措置は国際法に違反しているとわれわれはみており、中国の主権を侵犯するもので、不合法なものである。中国側は(日本側の対応に)断固反対する」




 型通りなものと受け取ってはいけません。この言い草、昨年香港の「保釣二号」が船出した際のコメントと比較してみると実はちょっと(カナーリ?)強硬になっています。昨年のコメントには、

「われわれはこれまで一貫して魚釣島問題における中日間の争議を話し合いで解決しようと主張してきた」

 という一節がありました。尖閣諸島は疑いなく中国のものだと言いつつも、日中間に「争議」が存在していることを認めていたのです。今回はこの部分がすっぽりと欠落しており、しかも国際法違反云々という字句が新たに加わっています。

 ●「新華網」(2006/10/22/17:56)
 http://news.xinhuanet.com/world/2006-10/22/content_5235185.htm

 要するに「尖閣諸島は中国のもの」という点について中国側がより一歩深く踏み込んで「領有権争いなんて存在しない」という姿勢になりました。1年前より強硬で高飛車な物言いになった、といってもいいでしょう。理由はわかりませんけど。フフン♪

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 ともあれ、今回の「保釣騒動」にはこれで幕が引かれた格好です。
尖閣諸島の領有権に関する中国側の姿勢が一段と強硬になったことは覚えておくべきでしょう。

 私はチナヲチ(素人の中国観察)に興じている身ですから、今回の事件の渦中に垣間みられた中国側の足並みの乱れに留意しなければなりません。いくら何でも「中国民間保釣連合会」の独断による行動ということは、組織防衛の観点からみてもあり得ないことでしょう。一党独裁政権下でそこまで先走ったらウェブサイト閉鎖にとどまらず、組織自体を潰されます。

 「飼い主」すなわち後ろ盾の政治勢力の支援があったればこそ、抜き打ち的行動に出ることもできたし、短期間ながら「黙認」状態を現出させることもできたし、またメディア統制の面などでの足並みの乱れを誘うこともできたのだと思います。

 とはいえ所詮は非主流派なのでそこまでが精一杯。胡錦涛主導の形で政治勢力同士の綱引きが水面下で行われ、上述したような形で取引が成立したのでしょう。

 ●外交部報道官談話は以前より強硬にする。
 ●でもこれ以上この問題を中国国内メディアに騒がせないようにする。
 ●「中国民間保釣連合会」は潰さないものの,当分サイトを閉鎖させる。

 といったところではないかと思われます。活動家たちに処分が下されるかどうかはわかりません。ただ今回のリーダー格だった李義強については、以前アモイで行われた公害企業誘致反対デモに関与した嫌疑で逮捕説が流れたこともあるようです。

 ●「博訊網」(2007/07/11)
 http://www.peacehall.com/news/gb/china/2007/07/200707112220.shtml

 最後に今回の事件について。これは日中関係における由々しき問題でもありますが、基本的には中国内政面の不協和音を反映したものであることを強調しておきます。ただ、日中関係の側面から尖閣問題に対し中国側が一段と強腰になったことは記憶しておきたいところです。




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 おいおいまだ引っ張るのかよ、といわれそうですけど、「家に帰るまでが遠足」なのです。

 前にも書きましたが、「十七大」(中国共産党第17回党大会、10月15~21日)は実は閉幕してからが本番。まずは指導部の人事異動があります。これは疎かにはできません。それからさらに凝ろうとすれば、党大会で修正の入った胡錦涛・総書記による政治報告の決定版や改正された党規約が公開されたのを精読してあれこれ考えることができます。

 今回は人事の話なんですけど、前回の冒頭で、いま全国各地の党組織において

「『十七大』路線を貫徹しよう!」

 という賛同表明をするための会議が開かれていると書きました。うざったくはあるのですが、こういう会議ではその組織のトップが締めの演説を行うので、そのときの肩書きには注意を払わなければならないので面倒だ、とも書きました。

 その実例が昨日(10月29日)、またひとつ飛び出した次第です。

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 ●周永康中央政法委書記が過去5年間の公安部での仕事を総括(新華網 2007/10/29/09:01)
 http://news.sina.com.cn/c/2007-10-29/092114185739.shtml

 周永康はそれまで公安部長(党中央政治局委員)だったのが、このほど党中央政治局常務委員に昇格し、公安部長を孟建柱に譲ることとなりました。そのお別れ演説が「十七大」賛同表明会議と併せて行われました。

 一見すれば何の変哲もない「うざったい」記事です。ところが私はまずタイトルに「おや?」と反応させられました。

 周永康はいつ党中央政法委書記になったんだよ?ということです。いままでは同委副書記。国営通信社・新華社の電子版「新華網」で経歴を確認してみましたが、やはり副書記のままでした。

 これまでの党中央政法委書記は羅幹(前党中央政治局常務委員)です。もともと周永康は引退する羅幹の後継者として党中央政治局常務委員入りしたので党中央政法委書記への昇格は不思議ではないのですが、まだ公には発表されていませんでした。それがこの記事の肩書きで党中央政法委書記就任が確認された、という訳です。

 いわば陳炳徳が人民解放軍の総参謀部総参謀長に昇格したときと同じパターン。「よっしゃー」てなもんです。こうやって重箱の隅を突ついた甲斐があると丑三つ時にニヤニヤと笑みが浮かんできます。

 それで今回はエッヘンしようかなと思っていたのですが、あいにく香港各紙も私と同じ記事で同じように反応していました。それにしても、

「この記事での肩書きによって就任が確認された」

 というこの形式、やはり中国は一党独裁制で政治透明度が低く、北朝鮮とそう変わらないな、という感想が浮かびます。中国を「ちょっとオシャレな北朝鮮」と私が呼ぶ理由のひとつもここにあります。

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 ちなみに周永康は党中央政法委書記に就任したことにより、治安と司法の総元締になったということになります。やはり周永康と同様に今回党中央政治局常務委員に昇格し、周永康と同様に胡錦涛とは疎遠と噂される賀国強は汚職摘発部門である党中央規律委員会主任というポストをゲット。胡錦涛はおいしいところを持っていかれてばかり、という気がしないでもありません。

 それともこの2人にこうしたポストを握らせても安泰、というところまで指導力を強化しているのでしょうか。あるいはこの2人、実は胡錦涛と意外と仲良しだったりして。どうなんでしょうね。

 それにしてもこういう国で行われる人事というのは面白いものです。というより、各キャラについての外部の解説が面白いというべきでしょうか。例えば「十七大」における胡錦涛の政治報告にしても日本の新聞各紙で読み方が分かれたように、ある人物に対する解釈も割れることがあるので油断できません。

 例えばこの周永康の後釜として公安部長・公安部党委書記に就任した孟建柱、前職は江西省党委書記です。経歴をみると江蘇省出身で、一貫してお隣の上海で仕事をし、昇格を重ねて上海市党委副書記まで登り詰め、2001年3月に江西省党委書記へと転出しました。

 ●「新華網」(2007/10/28/22:10)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-10/28/content_6966681.htm

 その経歴からするとこの孟建柱、どうみてもこれは「上海閥」。実際そういう観測を行う向きが多く、胡錦涛が近年、その直系派閥である「団派」(共産主義青年団人脈)のホープを直轄市・省・自治区のトップクラスに次々と送り込むなか、「江西省は江沢民系が押さえている」ともいわれてきました。

 ところがそれとは別の見方があります。

「孟建柱は確かに『上海閥』だったのだが、閥内で反りが合わなくなり、そのため江西省に飛ばされた」

 という消息筋による観測です。どちらが正しいのか私にはもちろんわからないのですが、面白いものだなあ、と思う次第です。

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 指導部人事はまだ続くとみられます。「家に帰るまでが遠足」なのです。今後しばらくは、きっといつもの帰り道で普段と違う光景を目にすることができることでしょう。




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「上」の続き)



 (3)「極めて遺憾」と中国に抗議=官邸に連絡室-尖閣への活動家接近(時事通信 2007/10/28/23:15 )
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2007102800177

 中国の反日民間団体の活動家が乗った船が尖閣諸島(中国名・魚釣島)に接近を図ったことについて、政府は28日、外交ルートを通じて「尖閣諸島がわが国固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いがない。このような事態が発生したことは極めて遺憾だ」と中国側に抗議した。

 これに対し中国側は島の領有を主張し、「日本側の申し入れは受け入れられない」と応じたが、「日中関係の大局の観点から日本側においても冷静に対応してほしい」とも要請した。

 一方、政府は、情報収集体制を強化し、抗議行動や上陸の動きに備えるため、首相官邸の危機管理センターに官邸連絡室を設置した。




 「外交ルート」って何ですか?中国側って誰ですか?誰が誰を呼びつけて抗議したのですか?意図的な領海侵犯なのですから外相が中国大使を呼びつけて然るべきところでしょう。昨年もそうでしたが、こういう馴れ合いはそろそろやめにした方がいいと思います。でないときっと後悔することになるのではないかと。

「得寸進尺」

 という熟語が中国語にあります。一歩一歩既成事実を積み重ねていって最終的には目的を達成しよう、という姿勢を示すものです。

 譲れば譲る分だけ遠慮なく踏み込んでくる。尖閣問題でもそうなのです。

 【去年】香港のボロ漁船で意図的に領海を侵犯したものの日本側は追い出すだけで拿捕などの実力行使に出なかった。
 【今年】中国のボロ漁船で意図的に領海を侵犯したものの日本側は追い出すだけで拿捕などの実力行使に出なかった。

 ほら一歩前進しています。「香港」が「中国」になりました。正に「得寸進尺」なのです。次は何をしてくるやら。

 ……ああそうでした。申し遅れましたが、今回は香港ではなく中国の漁船なのです。『読売新聞』(電子版)になると、


 (4)中国の反日団体、尖閣諸島の領海内に侵入…海保が進行阻止(読売新聞 2007/10/29/01:45)
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20071028i313.htm

 【香港=吉田健一】尖閣諸島(中国名・釣魚島)に対する中国の領有権を主張している中国の反日民間団体「中国民間保釣連合会」は28日、中国本土を出発した抗議船1隻が、上陸を目指して同諸島に向かったことを明らかにした。

 同連合会によると、抗議船には中国人活動家4人が乗り込み、26日に福建省アモイを出発。28日夕、いったん尖閣諸島付近の領海内に侵入したが、海上保安庁の巡視船に進行を阻止された。同連合会は、出港に際し、中国政府に通知していないとしている。(後略)




 と、中国人活動家4名が乗り組んでいること、漁船が中国本土のアモイ発であることが「保釣運動」の大元締めであり反日サイトの総本山のひとつでもある中国本土の民間組織・中国民間保釣連合会によって明らかにされています。

 明らかにされてはいますが、自分でやったとは言っていませんし、事前の告知もなければ「犯行声明」も出していません。ただ中国民間保釣連合会の掲示板で実況めいたスレッドが立っただけです。

 http://www.cfdd.org.cn/bbs/viewthread.php?tid=49929&extra=page%3D1

 目下のところ中共系メディアはこの件を報じていませんが、中国国内からもアクセスできる香港の親中紙『大公報』電子版などが速報していますし、中国本土でも基本的に視聴可能なフェニックスTVのニュースでも報じられています。下のURLで視聴できますが、このニュースもなかなか興味深いです。

 ●土豆網:フェニックスTV28日18時のニュースから(2007/10/28)
 http://www.tudou.com/programs/view/pEixar2w_yE/

 ニュースキャスターと中国民間保釣連合会のスポークスマン殷敏鴻氏のやり取りの中で、殷敏鴻が今回の挙について、

「今回は秘密行動に属するもので、われわれも今日(28日)午前11時になって(航海中の実行犯から)電話で初めて知らされた。それによって、そういうことが行われていることをわれわれもようやく知ったのだ」

「船には中国からの『志願者』4名が乗り組んでいる」

 と語っています。中国民間保釣連合会の首脳部も関知していなかった有志による抜き打ち的な突発的行動、ということです。少なくとも中国民間保釣連合会は関知していなかったということにしたいようにみえます。「志願者」というのも有志とかボランティアといった意味で使われる単語です。ただこの船の最新状況については、

「中国民間保釣連合会の掲示板で公布してある」

 としています。うーん。

 ――――

 何やら微妙です。中国民間保釣連合会は組織防衛を優先させたいようでもあり、しかしわが功を誇りたいようでもあります。

 ただひとついえることは、目下のところ中国当局はこの件について激怒してはいないということです。逆鱗にふれる行為であれば掲示板の実況スレなどはすぐ削除される筈ですから。ただし一方で国内メディアに報道させていないということで、現時点では黙認しているといったスタンスです。

 黙認している、そのこと自体に違和感を感じます。……とは、実は当ブログが2004年夏にスタートして以来3年余の間に、中国本土発による尖閣海域への到達および魚釣島上陸を目的とした「保釣」行動は一度も起きていないからです。

 この間、中国民間保釣連合会は無為に日を送っていた訳ではありません。江蘇省・南通港を拠点に何度か船出計画を準備していましたが、いつも出発間近になってから武装警察が有無を言わせずメンバーを拘束・連行するなどして、行動に移ることを中国当局によって常に実力で阻止されていたのです。

 それが今回は黙認。一党独裁政権下で政治活動を行う民間組織です。当然ながら党上層部に「飼い主」(政治的なバックボーン)が存在していることでしょう。

 「飼い主」の気分が変わったのか別の「飼い主」に替わったのかはわかりませんけど、何かのはずみで反体制勢力の拠り所になりかねないこういう組織に対して、中国当局が監視を怠っていたとは思えません。実際、中国民間保釣連合会も政治状況の変化=「飼い主」の政治勢力の消長によって掲示板を閉鎖されたりしたこともあります(2004年8月)。

 今回は福建省(アモイ)から出発したということですが、それは記事(2)の時事通信電における、

「11管によると、中国船は青色で、船名とみられる『※龍漁F839』(※=門ガマエに虫)との文字が書かれている」

 という一節によって裏付けられています。「門ガマエに虫」というのは福建省の略称だからです。じゃあアモイ当局の監視が甘かった?……もしそうなら、掲示板の実況スレはとっくに削除されていることでしょう。

 ――――

 結局、これも「十七大」を反映したものであるように思えます。厳密には、

「『十七大』で改められた新たな勢力図を反映したもの」

 といったところでしょうか。

 「飼い主」の気分が変わったのか別の「飼い主」に替わったのかはわかりませんが、つい最近までは香港の保釣運動に待ったがかけられたように神経質な対応を示していた中国当局が、久方ぶりに中国本土からの船出を黙認しました。中国民間保釣連合会が自らのサイトにある掲示板で今回の行動を実況することも許しています。

 要するに胡錦涛が、

「やれやれやってしまえ」

 と積極的にゴーサインを出したのか、あるいはアンチ胡錦涛系の政治勢力による示威活動に対し、胡錦涛が派閥力学から黙認することしかできなかったのか、のいずれかです。

 厳しい報道管制が敷かれていないことから、胡錦涛が「このくらいなら日本も大騒ぎすまい」と多寡をくくって、軍内部の士気旺盛な一派のわがままを許したのでしょうか。あるいは軍内部の士気旺盛な一派&無視できない実力を持つ地方の「諸侯」とか。いずれにせよ、「十七大」で生まれた新たな権力図を反映している可能性が高いのではないかと愚考する次第です。

 まあ、このネタは何日か転がしておいて様子を見る必要がありそうです。ただいずれにせよ、日本政府は領海侵犯に対してあるべき処置をごく事務的に行ってほしいものです。法治国家なんですから。

 政治的判断云々というなら、なおさらのことです。相手が「ちょっとオシャレな北朝鮮」たる一党独裁国家であることを念頭に、必要なら原則に則した厳しい態度を示さなければならない思います。日本政府に「日本国と日本国民の権益を守る」という行動原理があるのなら、ですけどね。

 「得寸進尺」という言葉、これは中国と中国人を考える上で決して忘れてはならないと思います。





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 いま中国では全国各地の党組織で会議が開かれ、

「『十七大』路線を貫徹しよう!」

 との声明を発表することがブームです。といってもこれは自発的な行動ではなく、5年に1度開かれる党大会直後に行われる上意下達式のしきたりというべきものです。声明も「賛同する!」なんて偉そうなものではもちろんなくて、そこは上意下達ですから「ちゃんと学習します!」調。民主集中制とはそういうものです。

 もちろんその全てがニュースになっている訳ではありませんけど、「××省党委員会」とか「××部党委員会」ぐらいレベルの高い部署のものはひとつひとつちゃんと記事になっているので、「新華網」(国営通信社・新華社の電子版)などで記事を漁っている私にとってはうざったくて仕方ありません。

 うざったいのですけど邪険に扱えないのでいよいよ面倒です。とは、こうした会議はその部門のトップが演説して締めくくることが多いのですが、新指導部人事が始動したところですから、そのトップひとりひとりの肩書きに目配りする必要があります。

 例えば広東省党委員会もさきごろ同様のしきたりを行っていますが、会議を主宰し演説したのは張徳江・省党委書記。中央転出とか来春副首相に昇格するかもといった情報が流れる一方、政治局委員入りした汪洋・重慶市党委書記が広東省党委書記になるというニュースも流れており、張徳江の動静が注目されているところです。……が、とりあえずこの会議の時点ではその地位に変動のないことが記事に出てくる肩書きでわかります。

 仕事ではなく、娯楽としてこういうちまちまとした作業に悦楽を感じつつ、そこになにごとかを見出して暮夜ひそやかに独り笑みを浮かべる、というのは我ながら不健康で一種のヲタなのだろうと思います(笑)。

 ――――

 で、以下は「『十七大』路線を貫徹しよう!」を体現したものなのかどうかはわかりませんけど、10月27~28日に南京軍区で軍事演習が実施されています。図上演習をやってから兵隊を動かして実戦さながらの対抗演習。水陸両用の装甲車両による突破、低空をキーブした戦闘ヘリによる上空掩護、といったこの演習のテーマはどうやら強襲上陸。

 まあ南京軍区といえば台湾侵攻を担当する軍区ですし、以前紹介したように、胡錦涛人事によって同軍区参謀長から司令員(軍区司令官)へと昇格して間もない趙克石・中将は対台湾作戦のエキスパートだそうですから、何のために強襲上陸作戦の腕を磨くのかは言わずもがなのことです。

 「十七大」の総書記報告では台湾問題についてアメとムチのうち「対話」というアメを強調してみせた胡錦涛ですが、ムチがあることも忘れるなよ、という台湾向けのメッセージなのかどうか。あるいはこれは台湾だけでなく、尖閣諸島や先島諸島あたりをも念頭に置いた、日米同盟への牽制球なのかも知れません。

 個人的には日米との軍事衝突になる以上、まず尖閣諸島を占領してみせるということはないように思います。どうせやるのなら主作戦はあくまでも台湾侵攻でその中に尖閣占領を含ませるか、あるいは台湾占領後に熟柿が落ちるのを待つようにして尖閣を支配下に収めるかのいずれかではないかと。……あくまでも軍事のことはわからない素人考えですけど。

 ただ尖閣問題を中国が軽視していないことは、「台湾の統一と領土の保全」を現段階における歴史的かつ神聖なる使命と事あるごとに強調していることでもわかります。

 で、以下は「『十七大』路線を貫徹しよう!」を体現したものなのかどうかはわかりませんけど、……と繰り返しになりますが、上述した南京軍区の演習に呼応するが如く(実際には単なる偶然だと思いますが)、「保釣運動」(「保衛釣魚台運動」=尖閣防衛運動)の連中がまたぞろボロ漁船を進発せしめました。という訳でようやく本題です。

 ――――

 この件、日本でも報じられています。第一報は共同通信で香港メディアの情報も主にこれに頼っているのですが、何やらこの記事、事態を勘違いしている気配が濃厚です。

 ●中国の抗議船、尖閣諸島へ 領海付近到着、上陸目的か(共同通信 2007/10/28/19:56)
 http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007102801000421.html


 同じ共同電でも『産経新聞』(電子版)の方がやや詳しい内容になっています。



 (1)中国の抗議船、尖閣諸島へ 上陸目的か(MSN産経ニュース 2007/10/28/18:45)
 http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007102801000421.html

 尖閣諸島(中国名・釣魚島)の中国領有権を主張する香港の団体「保釣(釣魚島防衛)行動委員会」は28日、中国本土を出発した抗議船が現在、尖閣諸島に向かっていることを明らかにした。船には中国人4人が乗り込んでおり、上陸を目指しているとみられている。

 日本政府は28日夕、首相官邸の危機管理センターに官邸連絡室を設置した。

 保釣行動委などによると、抗議船は25日に出発。28日午後5時40分(日本時間同日午後6時40分)ごろ、日本の領海付近に到達した。日本の海上保安庁の巡視船とみられる複数の船が、航路をふさいでいるという。出発地は明らかにしていないが、福建省アモイとみられる。

 尖閣諸島は沖縄県石垣市に属しているが、台湾と中国が領有権を主張。保釣行動委などがたびたび抗議船を出しており、2004年3月には活動家7人が上陸、沖縄県警が入管難民法違反の現行犯で逮捕した。06年10月には保釣行動委が台湾の活動家らとともに船を出して上陸を目指したが、日本側に阻止された。

 保釣行動委は今年8月にも出港を計画していたが、香港政府が直前になって船の船舶登録証を取り消したため中止に。背景には日中関係に悪影響を及ぼすことを懸念した中国政府の意向が働いたとの見方が強い。(共同)




 香港の「保釣行動委員会」は実在する組織ですし、昨年のちょうど今頃には実際に尖閣諸島に向けて船を出しドタバタ劇を演じています。

 ●はいはい保釣保釣。(2006/10/23)
 ●尖閣近海に中国海軍展開!なのに主役は台湾沖でヨタヨタ。(2006/10/25)
 ●【本番】保釣漁船が尖閣近海に到達、海保巡視船が接敵行動へ。(2006/10/27)
 ●【尖閣】予定調和の公開処刑で中共もホッとひと安心?(2006/10/28)

 今年の計画が流れたのは上の記事の通り。実は船出した昨年も元々8月15日に尖閣諸島海域到達の計画でボロ漁船改たる「保釣二号」のメンテを広東省で行っていたら、地元当局から難癖をつけられて出港を差し止められ、出発が約2カ月遅れています。

 この記事のポイントはメンバーが香港人ではなく「中国人4人」となっていること、そして出発地が福建省アモイ市と推測されていることです。どうやら中国本土側の自発的行動めいていて、また「中国サイドも寝耳に水」という状況(後述)から、香港の「保釣行動委員会」は一切関与していないように思えます。

 先に今回の事件の展開を示しておきます。ボロ漁船は例によって海上保安庁の艦艇による巧みな操船技術によって行く手を阻まれ引き返した模様。



 (2)中国活動家の船、一時領海内に=尖閣諸島の領有権主張-海保巡視船が警告・沖縄(時事通信 2007/10/29/01:46)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc&k=2007102800207

 尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張する中国の活動家が乗り込んだ船が28日夕、同諸島・魚釣島沖の領海に入った。第11管区海上保安本部(那覇)の巡視船が退去するよう警告し、約1時間20分ほどで領海外に出た。船は同日夜から西に向けて航行し、巡視船が追尾。船は29日未明に日中中間線を越え、中国側に引き返した。

 11管によると、中国船は青色で、船名とみられる「※龍漁F839」(※=門ガマエに虫)との文字が書かれている。船体には、尖閣諸島の中国領有権を主張する内容の横断幕が掲げられていた。

 11管の巡視船が午後5時35分ごろ、魚釣島の西約27キロの海上を、同島に向かって航行している中国船を発見。同船は中国の国旗を掲げ、6時22分ごろに領海に入った。

 巡視船が領海から出るよう警告。中国船は約1時間後、魚釣島西約20キロ付近で反転し、同7時35分ごろには領海を出た。同船はしばらく近くの公海上でとどまったが、スピードを上げて中国の方向に航行を続けた。




 海上保安庁のみなさん、毎度毎度のことで本当にお疲れさまです。日本の海を護って下さったことに心から感謝致します。

 本当なら領海侵犯時点で漁船を拿捕して、手続き通り乗員は逮捕して日本に連行。続いて起訴そして判決と司法の場でサクサクと裁くべきであり、それが筋であり道理というものです。でもきっと上から「そこまではやるな」との指示が出ているのでしょう。あーあ。


「下」に続く)




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 日曜ですから雑談です。……あっまだ下の「ようつべ」を観てはいけません。これは最後のお楽しみ。





 さて今回は一見楊枝削りのようですし当方にそういう下心が全くないといえば嘘になりますが(笑)、あくまでも雑談です。

 えーと、やはり雑談だった前回は、

「アドミラルティさん」

 に「ノースポイント」さんが即応してくれたのでうれしかったです。なるほど地名かあ。……と考えて、私もコソーリ活動で使っている複数の筆名、これに「秋葉原」でも加えようかと思いました(結構乗り気)。秋瑾の「秋」ですから中国では立派な姓です。

 私はアキバ系ではありませんけど、拙宅から遠くないのと商売柄立ち寄ることがたまにあります。来日した仕事仲間やクリエイターに引っ張り回されることもあります。……そういえばアクセス解析によりますと「チナヲチ ムエー」でぐぐって当ブログにたどりつく方が何人かいらっしゃるようです。

 いけません。

 以前は「反日 御家人」というのが多くて悲しくなりました。最近は「だるま 拘束」という検索に当ブログが引っかかったことが1度あったようです。

 ハズレです。

 生憎ながらお客様の求めていらっしゃるものはここにはございません。m(__)m

 ともあれ秋葉原といえば私が小学生のころバリアブル・オームとかコンデンサーとかLEDとか、ああいうパーツを売るブースのような屋台のような店が並んでいたという印象でした。いまでは全く様変わりしまして、街として上手に進化しているなあと思いつつ、しょこたんビルの男装喫茶で壺職人とか陶芸家とか陰口を叩かれながら一服していたりします。

 ……もっとも最近は「十七大」にかかり切りでしたから御無沙汰しているのでしょこたんビルがまだ健在かどうかわかりません。そういう目まぐるしさが現在の秋葉原にはあって、そのあたりが私にはちょっと苦手です。

 ――――

 ここで話題を一転させますが、配偶者が最近、馬鹿な散財をしました。それが下のものです。


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 これは元々中国のテレビドラマで、私が台湾で激務に追われている間、特にすることのない配偶者がハマっていたものです。中国語が美しいので(台湾では田舎臭い発音、とされてしまうのかも知れませんけど)これは勉強になる、と私も観ていました。ちなみに北京語ができない配偶者は台湾では主に日本語で通していました。「なんちゃって日本人」というやつで、買い物のときなどに親切にしてもらうことがままあったとか。やっぱり台湾はいいのです。

 で、馬鹿なのは値段が高いことと字幕が日本語であること。どうせ買うなら中国語字幕のついたVCD版(下)にすれば、画質はともかく安いし私にとっていい教材にもなるのでよかったのです。最終回の強引な展開にはぶっ飛びましたけど。





 台湾でこのドラマを観ていたころ、とすると6~7年前になります。当時は私も配偶者も中国の芸能界というものにはまるで無知だったのですが、配偶者はこのドラマの主役角の女優を「お人形さんみたいで可愛い」と絶賛していました。

 そうかあ?ガキにしかみえないんだが?と私はそれほどにも思わず、そのドラマでは別の女優(李なんとか)を「チーパオ姿萌えー」と贔屓にしていたのですが、日本に帰ってきてから、配偶者の絶賛していた女のコが「周迅」という有名な若手女優であることを知りました。

 当然のことながら配偶者が「どうよ?」てな感じで威張るのですが、そういうことなら私も負けません。デビュー当初から一意専心……ではないものの一貫して「石田ゆり子」さんを応援しています。アイドルとしては鳴かず飛ばずで若い頃はドラマでも脇役ばかりでしたけど、いまや良さげな歳月の重ね方をしているではありませんか。わが眼光に狂い無し。

 ――――

 帰国当時はバタバタしていたものの、ようやく東京に落ち着いてきたころ、渋谷で周迅の映画を観ました。「小裁縫」という題名、邦訳は「中国の小さなお針子」でしたか。

 驚きました。私なんざ「苦恋」といった古いものや「古井戸」とか「黄色い大地」とか「赤いコーリャン」なんかを学生時代に観てから中国映画とは全く無縁でしたから。白状しますと興味もありませんでした。

 学生時代だって中国映画には興味などなかったのです。ところが当時、大学には恩師とは別に私を大事に扱ってくれていた古典の先生がいて、毎年中国映画祭みたいなイベントがあるとその案内を郵送してくるのです。別に大学で直接渡せばいいものを、郵便で来られるのでこちらは気軽に流せません。封筒を閉じたところには、

「緘」

 と毛筆でしたためられていて威圧感満点。それを開封するとチラシが入っているのですが、日程表のところに必ずいくつか赤丸がついています。

「私はこの日に行きます」

 という意味ですから逃げられません。orz

 そんな訳で当時のものを一通り観てから15年ばかりの空白を飛び越えて観たのが「中国の小さなお針子」でした。文化大革命期が舞台なのです。文革といえば私の世代だともちろん「芙蓉鎮」の右に出るものはありません。その「芙蓉鎮」からいきなりこの映画に接したので驚くしかありませんでした。

 文革による呪縛感満点の「芙蓉鎮」に比べると、ライトにスマートに、軽妙に文革を扱い、描いているところに時の流れを感じました。そうかーいまはそういう時代なのかーと思ったものです。

 ただ「芙蓉鎮」との共通点として、味付けは全く違うものの、どちらもまだ「文革」から卒業できていないのではないか、という感想を抱きました。あるいは中国や中国人そのものが未だに「文革」から卒業できていないのかも知れません。


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 すでに他界された古典の先生をしのびつつ、不謹慎ながらアキバに話題を戻します。秋葉原というよりアキバ系香港人の同業者なのですが、私に色々な萌え系アニメの「ようつべ」を送ってくる不逞な輩がいます。私を仲間に引き入れようと教育しているつもりのようです(笑)。私も負けじと「いきものがかり」の「コイスルオトメ」を送ったりしていましたが、いい加減わずらわしくなってきたので、

「せめて実写にしろ実写に。先に言っておくがおれはもうガッキーは卒業した」

 と条件をつけておいたら(商売柄、不肖御家人にはこういうモードも必要なのですw)、今度は中国の古装片(原作金庸、みたいなやつ)を色々送って寄越しました。……という訳でようつべの出番です。奴なりのツボのものを選んできたのでしょうが、その中のひとつに私もやられました。ストライクゾーン外角やや高めに直球を投げ込まれました。楊冪(Yang Mi)という名前だそうです。

 どうも歳をとるほどストライクゾーンがどんどん広くなるようで(汗)。幸い、実物がそばにいる訳ではないので配偶者の鉄拳も飛んで来ません。ちなみに私は劉亦菲はダメです。清楚という以前に土くささが先に立ってしまいます。陳好のきれいなお姉さんっぽい淡い色香は「釣り球だろう」と打ち気をそそられながらも見送ることができます。しかし楊冪にはつい手を出してしまいました。我ながらこういう顔立ちのコには昔から弱くていやはや。orz

 とはいえ彼女には何かが足りないようです。ビビッとしたものがないので石田ゆり子さんとは違い一過性のものだと思いますが、とりあえず贔屓に認定しました(いま隣で配偶者が笑っています。お前一時期は寝ても覚めてもジェリー様だったこと暴露するぞ)。

 同業者は私からみれば後進ですが同志に昇格。奴に教えられるまま香港の応援掲示板のアカウントもとりましたっ。ただし副業の筆名はさすがに使えませんから中文名。むろん「秋葉原」ではありません。

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 【※余談】この「同志」を育てたのが私より1歳下の元仕事仲間M君で、香港のACG関連業界の開祖のひとりです。この男はテレビゲームの「ときめきメモリアル」を「心跳回憶」と翻訳した誠に見事なセンスの持ち主で、ただのアキバ系ではありません。この「ときメモ」の台湾名は確か「恋愛小冊子」でしたから、十数年ばかり前は香港人が台湾人を田舎者とやや軽んじていたのも無理はありません。いまはそのセンスの差が縮まりつつあるか、あるいは台湾が香港に肩を並べたあたりです。……いやいや、「流星花園」とジェイ・チョウ(周杰倫)ですでに逆転しているような気もします。




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 「十七大」(中国共産党第17回党大会)が終わって、私はまだ虚脱感めいたものが抜けずにぼんやりしているのですが、世代交代などによって大幅に入れ替わった中共の新指導部は早くも動き出しているようです。

 ところてんみたいな話になりますが、まずは江蘇省党委書記だった李源潮が党中央政治局委員になって党中央組織部長に就任。

 どうでもいいことですけど、私はこの人物をひそかに買っています。万事ソツがない上に足まめでよく働き、アイデアマンでもあります。地方政府での治績も見事で、二階級特進で最高意思決定機関である党中央政治局常務委員に仲間入りしたポスト胡錦涛と目されている習近平や李克強の比ではありません。あと胡錦涛直系の「団派」として知られていますが、実は「太子党」(二世組)でもあります。

 ただし、「太子党」というものが「親の七光り」どもの有機的な連携によって、ひとつの政治勢力として存在しているのかどうかは私にはわかりません。野次馬が図式としてわかりやすくするために「太子党」「太子党」と連呼しているようでもあります。とはいえ、「親の七光り」で大事にされて出世も早いという点では「既得権益層」といっていいでしょう。

 それはともかく、この李源潮が就任した党中央組織部長の前任者は賀国強。江沢民に近いとか胡錦涛とは疎遠などといわれている人ですが、党中央政治局常務委員へと昇格するとともに、党中央規律検査委員会主任の座に就きました。

 年齢的には李克強、習近平、李源潮などの次世代までの「つなぎ」ですけど、党中央規律検査委員会といえば党上層部の不正を暴き立てるポスト。胡錦涛が「上海閥」のプリンスだった陳良宇・元上海市党委書記を斬ったときも汚職嫌疑で同委員会が働いたように、ここを掌握していれば政敵を葬る上でアドバンテージを有することになります。人事は李源潮、不正摘発は賀国強ということで、党中央が一枚岩でないとすれば、有力派閥がそれぞれ制高点を確保したといえるでしょう。

 ――――

 で、李源潮が務めていた江蘇省党委書記の後継人事は同省ナンバー2だった梁保華・省長がそのまま繰り上がって就任。それよりそのお隣の上海市が注目です。陳良宇の後釜に座った習近平が党中央政治局常務委員&党中央書記処の筆頭書記になったことから、上海市党委書記から退任してその後を誰が継ぐかという問題。

 これについては香港の親中紙『香港文匯報』や『大公報』が本日付(2007/10/27)で報じていまして、どうやら湖北省党委書記の兪正声(党中央政治局委員)が上海市党委書記になる見通しのようです。やはり香港紙の『明報』(2007/10/27)によるとこの兪正声は「太子党」に連なるとのこと。

 そしてナンバー2の上海市長。現職は韓正でこれは「団派」。陳良宇の天下だった上海に胡錦涛が打ち込んだくさび役でした。陳良宇斬りにどれほど貢献したかはわかりませんが、ポストプレーを機能させたということなのか、中央政府の閣僚クラスに抜擢されるというのがこれまた『明報』の観測。じゃあその後釜はというと、同紙によれば山西省省長である袁純清が有力だとのことです。袁純清も「団派」です。

 それにしても胡錦涛はやっぱり小粒なんだなあ、と前回のコメント欄でUnknownさんから情報提供のあった「ようつべ」を観ながら思いました。正確にいうと小粒な連中の合議制における最も大きなひと粒。いちばん大きいといっても所詮は粒ですからね。後継者として習近平と李克強を抜擢しました。

 目下のところ、党中央政治局常務委員における序列と総書記修業ポストといえる党中央書記処の筆頭書記の座を獲得したことで習近平が一歩リードしているとみられていますが、どちらかが先に党中央軍事委員会のメンバーになるまでは当確とはいえないでしょう。

 ――――

 それより後継候補を2人にしたのが良かったのかどうか。「競わせる」というのは欽定人事に比べれば何やらフェアなようにみえますが、中国は中共一党独裁政権で国民に普通選挙権がなく、政治に民意が反映されないシステムを採っています。しかも一党独裁。

 こうなると「後継者レース」などと新聞に書かれてはいますけど、その実態は競争ではなく闘争、つまりいたずらに権力闘争を呼びかねないのではないかと私には思えてなりません。

 まあ5年後の話ですから何が起こるかわかりませんけど。5年前は2002年。2003年に中国肺炎(SARS)騒ぎと反日機運の高まりがあって、2004年夏にはサッカーアジアカップで中国サポーターが醜態をさらして、2005年春にはとうとう反日騒動。

 「失地農民」という言葉が中国の流行語大賞になったのが2004年か2005年。ちなみに当ブログが失地農民概論のようなエントリー「悪魔の錬金術」を出したのが2004年12月。中国の「食の安全」を初めてテーマにした「重金属野菜」が2005年3月です。農村暴動、都市暴動、民族衝突、労働争議などによる官民衝突などは枚挙に暇がありません。

 当ブログは2004年の夏にスタートしたのですが、この3年だけをみても中国社会はずいぶん煮詰まってきたんじゃないかなあ、という印象を受けます。他にも物価高や株や不動産や失業といった突発的要因があるので、5年先はおろか、1年先のことも読めません。

 ――――

 ……などとぼんやり考えつつしみじみしてしまいました。発端は数日前に香港で出ている月刊の某中国情報誌からメールが来たことです。「十七大」関連の資料とかいうファイルが添付されていました。

 たぶんコソーリ活動の関係で送ってきたのでしょうが、メールの文章はなぜか簡体字。これ大丈夫なのかな、と思って昨日、書かれていた携帯電話番号にskypeでつないだらその雑誌の編集長兼社長に直接つながってしまいました。

 当然のように北京語で会話したのですが、ちょっと懐かしかったです。私は香港に渡って最初の3年くらい仕事の余暇に素人の中国観察を娯楽としていたのですが、素人のくせにそれなりの情報網を構築して、解説者に非常に恵まれた環境でトウ小平の南方視察など中国政局の転換を眺めることができました。

 そのときに色々教えてくれた人たちはもうみんな中国関連から離れてしまっているのですが、唯一いまも中国観察に関わっているのがその編集長兼社長さんなのです。すっかり御無沙汰しているので向こうも私のことを忘れているでしょうから昔話はしませんでしたけど、むしろ昔話にかこつけて趙紫陽本を卸値で回してくれと頼めばよかったと後悔したりしていなかったり(笑)。

 問題のメールは編集者が出したもののようなので心配することはなさそうですが、如何せん「.rar」というのは私のマクブクでは開けません。というか開き方を知らないのです。インテルのマクブクプロです。OSは10.4.10、Win環境は入れていません。ググレカスとか言わずにどなたか御教示頂ければ幸いです。お願いします。m(__)m

 それにしても、あのころの自分をタイムマシンで連れてきて現今の中国情勢をみせてやったら、間違いなく腰を抜かすことと思います。ざっと15年ばかり前。庶民が自らの生活のために成否を問わずに蹶起する、なんてことが噂としてもほとんど伝わってこなかった時代でしたから。

 この15年で中国は良くなったのか、悪くなったのか。……いまや、そんな問いかけに対しても十人十色の答が返ってきそうなほどの超格差社会ですからねえ。




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 プロの報道媒体にもミスはあります。うっかりした間違いとか誤報とかいろいろ。あえて誤報を流すようなところもあるかも知れません。

 ただ今回はあまりにお粗末なので晒しageます。

 主役は標題にあるように共同通信。これまた標題にあるように、

「中国の反発は必至だ」

 という一節で締めるという様式美(笑)を完成させたことでも有名です。中国語サイトも持っていまして、中共系メディアもしばしば共同電に拠って記事を書いています。……まあただけそれだけのことで、今回の主題とは関係ないのですけど。

 で、昨日(10月24日)のことなのですが、この共同通信が奇妙な記事を配信しました。私にいわせれば怪文書。



 ●「謝罪」削ったのは誰だ? 胡主席会見で憶測呼ぶ(共同通信 2007/10/24/11:28)
 http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007102401000206.html

 【北京24日共同】中国共産党の胡錦濤総書記(国家主席)が22日の2期目指導部“お披露目会見”で、長時間待たせた報道陣に「ごめんなさい」と謝罪した発言が国内報道で削除され、「最高指導者の発言を一体誰が削ったのか」と憶測を呼んでいる。

 胡氏は予定より約30分遅れて午前11時半ごろ始まった会見で「9時から大勢待っていたそうで、本当にごめんなさい。党大会事務局を代表してみなさんに感謝する」と述べ、テレビでも生中継された。ところが23日の新聞や再放送の映像から「謝罪」は消え「感謝」だけに。

 一部国内記者に配られた演説原稿に謝罪の部分はなく、胡氏のアドリブ発言だった。

 ある中国筋は「共産党では最高指導者といえども勝手な発言は許されない。制度(ルール)化が進んでいるということ」と指摘、メディアを統制する党宣伝部が削除したと分析する。




 先に申し上げておきますが、これは『東京新聞』以下ががうっかりしていた訳ではないでしょう。たぶん共同通信であることに安心して使ったのだと思います。

 中国語要員に乏しいであろう地方紙はなおさらです。……とはいっても、膨大な配信記事から選んでいるので、掲載責任はあるでしょうけどね。

 ――――

 ●東京新聞
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007102401000206.html

 ●静岡新聞
 http://www.shizushin.com/national_international/2007102401000206.htm

 ●河北新報
 http://www.kahoku.co.jp/news/2007/10/2007102401000206.htm

 ●秋田魁新報
 http://www.sakigake.jp/p/news/world.jsp?nid=2007102401000206

 ●山梨日日新聞
 http://www.sannichi.co.jp/kyodo/news.php?genre=World&id=2007102401000206.xml

 ●東奥日報
 http://www.toonippo.co.jp/news_kyo/news/20071024010002061.asp

 ●福井新聞
 http://www.fukuishimbun.co.jp/modules/news4/article.php?topicsid=4&pack=CN&storyid=48046

 ●山陽新聞
 http://www.sanyo.oni.co.jp/newsk/2007/10/24/20071024010002061.html

 ――――

 私は某巨大掲示板の関連スレでこの記事を知りました。

 思わず目を疑いました。

 というのはもちろん誇大表現で(笑)、

「……え?何それ?」

 と感じたまでです。

 いや、だってこの「胡錦涛が謝った」という記事、全く削除されていませんから。私は原文の方で、つまり中共系メディアでこの記事を拾っていましたし、一時は人気記事ランキングにも並んでいたので、削除と聞いて「どうして?」と思ったのです。

 ソース。

 と言われる前に出しておきます。いまも削除されずに残っていますよ。



 ●国営通信社「新華社」電子版(新華網 2007/10/24/09:24)
 http://news.xinhuanet.com/politics/2007-10/24/content_6932851.htm

 ●党中央機関紙『人民日報』電子版(人民網 2007/10/23/09:01)
 http://cpc.people.com.cn/GB/104019/104922/6418649.html




 胡錦涛はこの記事において、

「眞切地向在場的記者致歉」(心を込めてその場にいた記者たちに謝罪した)

 ……ってちゃんと謝っていますし、

「聽說9點多鐘很多朋友就來到這裡等候,非常對不起大家。」(9時すぎからたくさんの皆さんがここで待っていたそうですね。本当にごめんなさい)

 と胡錦涛の台詞(肉声)までついています。さらにいずれの記事にも、この「ごめんなさい」が予定稿にない胡錦涛の「アドリブ」だったことにふれ、「総書記の情味あふれる心温まる話」風味に仕立て上げられているのです。

 共同通信の記事によると、



 ところが23日の新聞や再放送の映像から「謝罪」は消え「感謝」だけに。



 ということになっていますが、そんなこたーありません。上に示した原文記事の日付をみれば明らかでしょう。ウラをとっていなかったのはお粗末ですね。しかも北京発の記事なのに。

 そのくせ「中国筋」なる怪しい人まで引っ張ってきているし。



 ある中国筋は「共産党では最高指導者といえども勝手な発言は許されない。制度(ルール)化が進んでいるということ」と指摘、メディアを統制する党宣伝部が削除したと分析する。




 何ですかその「指摘」と「分析」は(クスクス)。「党宣伝部の反発は必至だ」てことになりますよ(笑)。あと正確を期すなら「中央宣伝部」ないしは「党中央宣伝部」と書くべきかではないかと。

 だいたい消息筋にあたる前に、というかあたるヒマがあるならまずウラを取れ,記事を確認しろ、と。プロなのにそういう基本すら踏んでいないんだから「The End of Asia」の糞ブログにこうやって叩かれる訳で。

 ま、カネもらって仕事して、カネ取って記事売っているんですからしっかりして下さいな。私はこれから本業・副業に復します。……あ、その前に「千のナイフ」でも聴いておこうかな。

 ――――

 【※】余談ですがもうひとつのアドリブを紹介しておきます。香港紙『蘋果日報』(2007/10/23)によると、お披露目の場所から引き上げていく胡錦涛以下9名の党中央政治局常務委員の中で、温家宝・首相が最後にひとりだけ隊列を離れて、報道陣に向かって手を振ったそうです。温家宝ですからいつものサービス?と捉えてもいいのですが、たぶんこの記者は温家宝首相引退説が流れていることを念頭に、伏線ではないかと考えてこの記事を書いたのだと思います。




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 ちょいと虚脱感です。もちろん「十七大」(中国共産党第17回党大会)が終わったためです。十分に眺めて楽しんで、それで終わって、ところがRPGをひとつクリアしたような達成感はなくて、ただボーッとしています。たぶん攻略本がないのと、相手がDVD-ROMではなくイキモノだったからでしょう。

 わがままを言って休みをもらっていたのですが、明日から仕事に戻らなければなりません。整理し終えていない記事などがたくさんあるんですけど、今日はひとまず心気を休めたいところです。一種の時差ボケ解消。素人ですから下手の横好きってなもんで、ここでは大したことなど何も書けていませんけど、私なりにこの2週間ばかりは生活の中心に「十七大」がありましたので。

 そんな訳で今日は楊枝削りに逃げます。すみません。でもいいものが揃っているのです。

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俺は、君のためにこそ死ににいく

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俺は、君のためにこそ死ににいく 初回限定生産 特別限定版

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 まずはやっぱりこれです。出ました。私は好きだったので下の方を買いました。オマケが色々ある分うれしいです。でもちょっと高いので映画だけでいい人は上の方をオススメします。この映画はレンタルでなく手元に置いておくべきだと思います。今日は時間があるので通して1回観るつもりです。


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月光の夏

ポニーキャニオン

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 で、上の「俺君」とセットで是非観て頂きたいのがこちら。以前も紹介したことがありますが、上の映画と併せて観ると深みがあります。全米が涙した……訳ではありませんけど(笑)、親に送ったら母親は終始ウルウルし私にベタ弱属性を遺伝させた父親はもう涙ぽろぽろだったそうです。

 「俺は、君のためにこそ死ににいく」は恩師(満族)とも映画館で鑑賞したのでこちらをプレゼントしたら「心に沁み入りました。これはいいですね」とのこと。恩師は「海ゆかば」を聴けばすぐ自称軍国少女時代に戻れるのでツボをついた格好です。電話で靖国神社の話をしていたら、「海ゆかば」を歌ってくれたこともありました。先日も靖国デートをしてきたばかりです。


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海ゆかばのすべて
日本合唱団,奥田良三,東京音楽学校,石川高,徳山レン,海軍軍楽隊,和田信賢,掛橋佑水,花崎薫,寺嶋陸也
キング

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 という訳で、「月光の夏」とともに恩師にプレゼントしたのがこれです。母親もこのCDに感動したそうですが、ある世代以上の人には郷愁というか感慨深いものがあるようです。若い人はドン引きかも知れませんけど、あの時代を「それでも青春だった」と振り返ることのできる人たちにとっては、理非を超えてたまらないものがあるようです。


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TOKUMA Anime Collection『ザ・コックピット』

徳間書店

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 私自身は「俺は,君のためにこそ死ににゆく」を一通り鑑賞したらまたこれに戻ってきてしまいました。とはいえゆっくり観ているヒマはありませんでしたし脇で流していては気が散ってしまうので、主題歌「悲しいときはいつも」をBGMに編集された「音速雷撃隊」のようつべをマックの画面の片隅でエンドレスにしていました。「音速雷撃隊」もいいですけど私はやっぱり「鉄の竜騎兵」。


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総員玉砕せよ! (講談社文庫)
水木 しげる
講談社

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 そして、とうとうこれを発見しました。私が小学生のときに衝撃を受けたマンガです。文庫版ですし、これは絶対読んでほしい作品。特攻隊で散華された方々だけではなく、ここに出てくる人たちのような無数の犠牲の上に、私たちが繁栄を享受できるいまの社会、いまの日本があることを思ってほしいです。……って説教臭くなってすみません。


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 それから前回も紹介したのですがやはりこの2冊。いずれも必読で、二者択一ではなく2冊まとめて手元に置いておくべきものです。

 『中国禁止!』はオンガクでいうオムニバス形式ですから好きなところから読んでいけばいいので敷居が低いです。ただし収録されている文章はいずれも濃い情報で戦慄させられる内容。

 『中国の危ない食品』は巻末にある危ない食品に関する購入時の「識別法」が重宝します。中国にいる人、行く人は必携。それから良質なルポルタージュなので、主題だけではなく中国人の行動原理や中国そのものについて深く考える機会を与えてくれます。


中国禁止! 完全ガイド保存版―買うな、食べるな、使うな、危険な中国 (OAK MOOK 169 撃論ムック)
西村 幸祐
オークラ出版

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中国の危ない食品―中国食品安全現状調査
周勍,廖建龍
草思社

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 それにしても中国はもちろんとして、日本にいてもこうした問題に日々接することになったというのはどういうことでしょう。やっぱり気になるので最近は外食する店を限定するようになってしまいました。orz


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ちっぽけな勇気
Soundbreakers,FUNKY MONKEY BABYS
Dreamusic

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 それからどうでもいいことですが、最近はこの曲が私にとっての応援歌。不熟ですみません。あと小学生のころ聴いたアリスの「ジョニーの子守唄」をiTunesでダウンロードしたのは内緒です(笑)。


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桜咲く街物語
江口亮,田中ユウスケ,島田昌典,湯浅篤,WESTFIELD,亀田誠治,いきものがかり,山下穂尊,水野良樹
ERJ

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 んでもって、やっぱりこれであります。最近は、

 ◆ホットミルク(応援歌)
 ◆いろはにほてと(まーのんびりやろうよ)
 ◆コイスルオトメ(いいねえ)
 ◆君と歩いた季節(しみじみ)
 ◆KIRA★KIRA★TRAIN(オサーンである自分を再発見)

 あたりを繰り返し聴いています。あと最近のシングルの、

 
夏空グラフィティ/青春ライン
江口亮,湯浅篤,いきものがかり,水野良樹,山下穂尊
エピックレコードジャパン

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茜色の約束
島田昌典,mugen,湯浅篤,いきものがかり,水野良樹,山下穂尊
エピックレコードジャパン

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 などもいい感じで、裏切らないでくれているなあと嬉しくなります。……なにHASYMOのライブCDが出た?……それは秘密。秘密にしといて下さい。


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 最後にお願いがひとつ。ビゼー作曲「スペインのセレナーデ」(セレナーデ・エスパニョール)のオーケストラバージョンを収録しているCDを御存知の方はぜひ御一報下さい。スコアでもいいです。あの旋律は私をビリビリさせてくれるのです。

 よろしくお願いします。m(__)m。




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「上」の続き)


 晩年のトウ小平と現在の胡錦涛を比べてみたとき、胡錦涛に欠如しているのは言うまでもなくカリスマ性です。カリスマ性があれば、いかにバランス配慮の妥協人事体制下であろうと、鶴の一声でそうした現実を超越し、大局を転換できます。自らの奉じる指導理論を徹底させることもできます。ちなみに、トウ小平理論が党規約に明記されたのはトウ小平の死後のことです。

 逆に、胡錦涛がいかに果断な性格で必要とあらばどんな無慈悲な措置にも踏み切ることのできるキャラであっても、カリスマ性がない以上、我を通すことができません。あっちに配慮しこっちに気を遣って……ということになり、打つ手打つ手がことごとく切れ味を欠くことになります。当然ながら、「科学的発展観」が途中で骨抜きにされることにもなるでしょう。

 「構造改革派」vs「既得権益層」と前述しましたが、今後はどちらの勢力も錦の御旗である「科学的発展観」を高々と掲げて相争うことになるでしょう。前者は胡錦涛の意に沿った字義通りの、そして後者は自分たちの都合のいいように骨抜きにした「科学的発展観」の旗を押し立てるのです。

 最もわかりやすい例は「諸侯」と呼ばれる各地方当局の面従腹背です。今年の中国のGDP成長率は通年で10%を超えると予測されています。ところが元々3月の全人代で示された目標値は8%前後。中央の指示などどこ吹く風といった様子です。

 地方当局といっても様々ですが、直轄市・省・自治区レベルの当局には「団派」など中央から胡錦涛の息のかかった連中が送り込まれていますから、まだいいのです。問題は、そうした「雇われトップ」が赴任するなりいいように祭り上げられ、末端レベルまで自らの意思を徹底できないことでしょう。

 汚職摘発で最も多いのが県当局あたりの官僚です。省当局より2段階ほど下のランクになりますから「雇われトップ」の監視の目も届きにくく、その割には意外に大きな裁量権を有していることによります。地元のボス、本当の「諸侯」はこうした県党委書記あたりで、位は低いものの、上からの掣肘に抵抗できるだけの「割拠」状態を現出させ得る実力を有しているといえるでしょう。

 そのひとつ下の鎮当局あたりもやりたい放題です。分際不相応な超豪華庁舎の多くがこうした県当局、鎮当局あたりによるものであることは象徴的といえるでしょう。「雇われトップ」はマスコミによるスクープでもなければこうした末端レベルの振る舞いを知らずにいるか、あるいは手を出せないかのいずれかです。

 ――――

 こうした「諸侯」が典型的な「既得権益層」なのですが、胡錦涛の実力ではそれをねじ伏せることはできません。今後もGDP成長率などが中央の定めた目標値と実績ベースがかけ離れている、といった形で私たちはそれを実感することができると思います。

 もっとも、「本位主義」(大局を無視して地元最優先)だの「地方保護主義」だのと中央から批判される「諸侯」にも言い分はあります。中央の視点に立って効率に合わない炭坑や開発区を整理する、公害企業を叩く、ということになったとき、わんさか湧いて出る失業者を救済するのは「諸侯」の仕事ですから。……ただし、そんなことよりも不動産開発や農地強制収用に象徴されるような官民癒着の甘い汁を吸えなくなることが「諸侯」にとっては大問題でしょうけど。

 ともあれ、カリスマ性が欠如した胡錦涛には、「科学的発展観」という立派で正論といえる指導理論があるものの、これを以て「既得権益層」にいうことを聞かせるというのは無理な相談です。無理ということは改革開放の「負の部分」である現状の「格差」がいよいよ激化することが避けられない、ということになります。

 こうした状況に対し、「政治改革が必要」とか「民主化は不可避」といった意見が日本や香港のマスコミで目につきました。ここで私は標題を持ち出すことになります。

「民主化?政治改革?寝言は寝て言え」

 ということです。現在の状況下で中華人民共和国がバラけず立ち腐れずに何とか一国としてやっていくとすれば、いま必要なのはカリスマによる独裁だと私は考えているからです。

 以下は前回のコメント欄でもふれたことですが、まず「改革」とは何かということです。立ち行かなくなった古いしきたりをぶっ壊して、新たな秩序を定着させるということだと思います。中国の場合、具体的には競争原理の導入と分権化が改革の骨子であり、それは現在も変わりません。

 ただし、中国は巨大な人口を抱える割には資源が少ないという不幸な国家です。いざ開発路線となったときに資源の争奪戦が発生するのは自然なことです。また中国人とはいえその地理感覚は平素なら県レベル、広くても省や自治区といった範囲が実感できる生活空間。

 「春秋五覇」「戦国七雄」ではありませんが、そうして分裂しているカタチがむしろ常態かも知れないのです。「さあ開発だ」となったときに、競争原理と分権化のもと、各省・各自治区がいずれも自己完結する川上から川下までの産業体系を揃えようと競い合うこととなり、資源の争奪戦と各地区の市場の保護主義が深刻化します。産業構造が重複しますから質も効率も悪いものとなります。「諸侯経済」と呼ばれるものです。

 しかも一党独裁制ですから、その少ない資源を分配する権限を握る者が特権を有することになります。これが汚職の温床となることはいうまでもありません。

 ――――

 こうした状況は1980年代末期にはすでに出現していました。政治的にも経済的にも、競争原理の導入と分権化そして一党独裁制によって生じる「負の部分」をコントロールするシステムの構築が課題となりました。当時の総書記だった趙紫陽は経済面での対策を講じる一方、「党政分離」「党企分離」といった政治制度改革、また全国政協(全国政治協商会議=形骸化した共産党外のチェック機関)の監督権限強化によって一党独裁制のもたらす弊害を最小限にとどめようと試みます。これが「十三大」(1987年)秋の段階です。

 ところが趙紫陽は翌1988年夏に思い切った経済政策を断行したことでスーパーインフレが発生し、その責任を保守派に衝かれて経済運営の主導権を奪われてしまいます。そして、そのまた翌年の民主化運動~天安門事件にて失脚。そのブレーンも散り散りとなり、折から東欧・ソ連など共産主義政権が相次いで崩壊していく時期だったため、政治制度改革はタブーとなってしまいます。

 振り返るに、もし手を打てたとすれば、それはこの20年前の段階だったのではないかと思います。トウ小平は徹頭徹尾「中共人」でしたから複数政党制の導入などもってのほかだとしても、中共政権がその内部に抱え込んだガンをすっかり切除することまではともかく、最低でもガン細胞の転移を抑制することができたかも知れません。

 しかし、民主化運動がもたらした中途半端な権力闘争に巻き込まれて趙紫陽は失脚し、その機会は永久に失われることとなります。その後約20年間、タブーである政治改革を置き去りにしたまま、経済面のみの改革開放という片肺飛行を続けてしまったからです。その挙げ句が「負の部分」の蓄積による社会状況の悪化。いわばガンがあちこちに転移した状態で、「民主化」だの「政治改革」だのといった外科手術に耐えられるほどの体力を中国社会はもはや残していませんし、そんな悠長なことに取り組んでいる時間もありません。

 1989年の民主化運動は、民主化という理想を求めた大学生や知識人によるムーブメントでした。体制内改革を求めたものでもあります。民衆はそれに拍手を送りました。が、自らも加わって運動の主体となるまでには踏み切れませんでした。

 然るに現在、当局発表でも年間8万件以上のデモや暴動や争議が頻発しているという状況はどうでしょう。驚くべきことにその主体は都市住民であり農民であり、理想ではなく生活を賭けての蹶起です。もはや大学生や知識人に出番はありません。「民主化」とか「政治改革」を持ち出せるタイミングでもなければ、そういう余裕のある社会状況でもありません。

 ――――

 中国は一党独裁制です。これを一朝一夕に複数政党制へと変えることはまず無理でしょう。

 ではいま現在、一党独裁体制下で何ができるかといえば、カリスマによる独裁、強権政治なのです。

 法制はあっても法治が未だ実現していない中国においては、税務署の役人が徴税に回ることも命がけの場合があります。これを滞りなく断行するには、やはり法治ではないにせよ、実力と権威を以て臨むほかありません。

 むしろ相手を腕ずくでねじ伏せて法治を実現するくらいの実力が中央、具体的には最高指導者である胡錦涛自身になければなりません。

 当ブログが再三強調していることですが、胡錦涛政権の至上課題は本来「トウ小平と江沢民の尻拭い」、すなわち改革開放の「負の部分」の改善であり、「既得権益層」を潰して構造改革を断行することです。

 そのための条件として「強権政治と準戦時態勢」が必要だとも繰り返し指摘しています。「準戦時態勢」というのは別に戒厳令を敷くとか軍隊を使ってどうこうするというのではなく、いざとなったらそれをやりかねないピリピリ感を社会に浸透させることです。

 2004年9月に江沢民が完全引退し、名実共に胡錦涛政権が発足した時点で、胡錦涛にはそれが必要であることをわかっていた筈です。

「2010年までに重大な危機が中国を襲う!?」

 という専門家の悪魔的な予測を公開したり民間の勝手な先走りを防ぐために反日サイトを閉鎖したり、政権発足時の「四中全会」(党16期中央委員会第4次全体会議)では、

「執政能力の向上」

 を呼号し、その後もこのままでは中国共産党が政権担当者の座から引きずり下ろされるという危機感を強くにじませたりしました。当ブログでは胡錦涛政権の開明性に期待していた中国知識人を馬鹿な奴らだと笑ったりもしています(本当にいたのかそんな奴?)。

 ――――

「強権政治・準戦時態勢下での構造改革断行」

 とは胡錦涛政権が発足した時点では唯一とり得る選択肢だったように思いますし、胡錦涛も確かにそれを志向していたようにみえます。もはや延命措置にすぎなかったのかも知れませんけど。……しかし現実には政権運営の主導権を確立するまでに3年間を要し、その時間の浪費の挙げ句わかったことは、胡錦涛はカリスマという器ではないということ。

 答はすでに出ているということです。今回の「十七大」で世代交代を果たし、折り返し点を過ぎて残り時間は5年となりましたが、恐らくこの5年間でも胡錦涛は当初志向したような独裁者となることはできず、バランサーに終始することになるでしょう。そして状況は少しずつ悪化していくのみ。

 ちなみにいえば、胡錦涛は共産主義青年団を振り出しに、共産党員のエリートとしての道を歩いてきました。胡燿邦を敬慕し、可愛がられ、また宋平など長老格の保護を受けつつ、最後にはトウ小平によって大抜擢されたうえ、次世代指導者にまで指名されました。そうした経歴や感激を思えば、胡錦涛の頭の中に中共一党独裁政権以外の選択肢がないことは至極自然のように思えます。

 趙紫陽は「中共人」でありながらギリギリの段階になって「中国人」であることを優先しましたが、トウ小平の衣鉢を継いだ胡錦涛は徹頭徹尾「中共人」。しかしながらカリスマの器ではないために、「既得権益層」の跋扈によってバラけるか末端から立ち腐れていくか「八國聯軍」の再来となるかはともかく、中国の末期症状に手をつかねて呆然としているしかないでしょう。足掻いてもいいですけど無駄な努力。そういう胡錦涛を生暖かく眺めていくのが私たちということになります。

 今後、国際社会における中国は政治面でも経済面でも「居直り強盗」や「大手海賊版業者の開き直り」のようなキャラとして振る舞っていくことでしょうけど、願わくば周辺国に迷惑のかからないことを。それとも自分で自分の外科手術はできやしませんから、あるいは「八國聯軍」の方が中国人にとっては幸福なのでしょうか。

 ともあれ事態が発生してから騒いでも間に合わないのですから、少なくとも日本のマスコミは「政治改革」だの「民主化」だのと寝ぼけたことを言っていないで、中国の現状に照らして残り5年の胡錦涛政権を……って、まさか紋切り型じゃなくて本気で「政治改革」とか「民主化」で何とかなるって思っているのでしょうか。それならそれで、まあいいんですけどね。




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 5年に1度という中国最大の政治イベントが終わりました。「七中全会」(中国共産党16期中央委員会第7次全体会議、10月9~12日)、「十七大」(中国共産党第17回党大会、10月15~21日)そして「一中全会」(中国共産党17期中央委員会第1次全体会議、10月22日)です。

 私にしてみれば15年ぶりにめぐってきた秋の夜の夢。いけないこととは知りつつも、この2週間近くは極力仕事を排除させてもらい、素人の中国観察という娯楽に身を入れることができました。

 この約2週間におけるポイントは3つ。

 まずは粗放きわまりない「成長率至上主義」(成長至上主義ではありません)にダメ出しが行われ、胡錦涛の提唱する「科学的発展観」が党の憲法ともいえる党規約に明記されたこと。これによって「科学的発展観」は、

 ◆マルクス・レーニン主義
 ◆毛沢東思想
 ◆トウ小平理論
 ◆「三つの代表」重要思想

 と肩を並べることとなり、表立って楯突くことが許されない指導理論となりました。

 錦の御旗です。

「従来の指導理論を継承し発展させた、中国の特色ある社会主義を発展させる上で堅持・貫徹しなければならない重大な戦略思想」

 という位置づけは、「科学的発展観」最優先ということを意味しています。

 「科学的発展観」が何か、ということについては先日のエントリーで詳述した通りです。その名が示す通り、まずは発展ありき。……なのですが、30年近くに及ぶ改革開放政策(成長率至上主義)がもたらした「格差」という言葉に代表される「負の部分」を是正し、成長率よりも効率や環境保護、富の再分配などに配慮しつつ持続的・安定的な成長を実現し、過熱気味の経済のソフトランディングを図る、というものです。

 特筆すべきは、中国が改革開放政策に転じて以来、党大会の総書記報告で打ち出され、党規約に加えられた指導理論が全て現状を追認し、便宜的に現実にすり合わせるものだったのに対し、今回の「科学的発展観」は現状に「待った」をかけ、ノーを突き付けたものだということです。引退時ではなく、任期をまだ残した段階で自らの指導理論が党規約に織り込まれたのは実に毛沢東以来の快挙。

 翻って考えれば、指導理論としてはまだ不成熟な部分の少なくない「科学的発展観」をここで党規約に明記しなければならないほど、中国は「負の部分」が尖鋭化し、「非科学的」で「不調和」になってしまっている、といえるでしょう。

 ――――

 この「科学的発展観」を打ち出すことで明確になったのが、現在の中国における最大の対立軸は「構造改革派」vs「既得権益層」だということです。

 胡錦涛の掲げる「構造改革」はむろん「科学的発展観」に代表される考え方。対する「既得権益層」とは改革開放の「負の部分」において甘い汁を吸ってきた勢力です。「上海閥」に代表されるような地方当局でもありますし、寡占化された特定の業界、あるいは役所の一部門によるタテ割り利権でもあります。

 今回の新指導部人事では江沢民の影響力が目立ったという見方が多いようですが、私はむしろ、「既得権益層」が結束して江沢民を担ぎ上げて胡錦涛に対抗したものと考えています。……この「構造改革派」vs「既得権益層」という対立軸が明確になったということが第2のポイント。

 あと一点はいうまでもなく、新指導部人事です。あるいはこれに加えて、軍部において「台湾侵攻シフト」ともいえそうな胡錦涛主導による大幅な人事異動が行われたことを挙げてもいいかも知れません。

 今後の課題はただひとつ。錦の御旗となった「科学的発展観」が、全国各地の末端レベルに至るまでの間に骨抜きにされることなく、字義通りに浸透・実行されるかどうかです。

 ……が、無理でしょう。

 最高指導者である当の胡錦涛が、鶴の一声で物事を決められる毛沢東や晩年のトウ小平のようなカリスマでなく、小粒な連中による集団指導体制における最も大きなひと粒にすぎないからです。

 一党独裁政権なのに内情はカリスマ不在で小粒な指導者たちの合議制、というのは、あるいは西側の民主政体より効率が悪いかも知れません。行われる政策の当否は別として、一党独裁特有の果断さが失われる一方、一党独裁の弊害だけは時間が経つにつれて深刻化していくからです。

 それにほら、仮に「既得権益層」を潰すことができても、今度は恐らく「構造改革派」がそれに取って代わるだけでしょうし。

 ――――

 今回の一連の政治イベントでは毎度のことながら人事が最も注目を集めました。イベントが終わった現在、マスコミによる報道・解説もそこに重点が置かれているように思います。

 ただ私がヲチしてきた乏しい経験に頼っていうとすれば、党大会での世代交代を含めた大型人事というのは、例外なくバランスに配慮した妥協人事という結果に終わっています。

 例えば1987年の「十三大」。その年の初めに胡燿邦・総書記(当時)が保守派の攻勢によって解任に追い込まれたものの、改革派が激しく巻き返して党大会は改革色を前面に押し出したものとなりました。このときの趙紫陽による総書記報告で提起されたのが「社会主義の初級段階論」です。

 耳慣れた言い方ならば「中国の特色ある社会主義」。中国が特殊な国情であるとして、だから正統的な社会主義理論から逸脱した措置もアリだ、という考え方です。この大会ではさらに「党政分離」という、現在では到底考えられない政治改革案も示されています。

 それでも、トウ小平が主導権を握りながらも人事は妥協色をにじませたものでした。李鵬や姚依林といった保守派が要職に配置され、改革派が圧倒する顔ぶれとはならなかったのです。

 続く「十四大」は1992年。趙紫陽失脚の遠因といえる1988年のスーパーインフレで保守派が経済運営の主導権を握り、1989年の民主化運動~天安門事件によって確立された政治・経済両面の引き締め政策も一段落し、1991年の秋冬には「そろそろまた改革開放やろか」という空気が醸成されつつありました。

 この機を捉えて1992年初めに行われたのがトウ小平の南方視察であり、その際に発表された「南巡講話」が錦の御旗となって、改革開放再加速の大号令となります。政治勢力としての保守派はこれによって事実上逼塞してしまい、同年3月の全人代(全国人民代表大会=なんちゃって国会)での李鵬首相による政府活動報告がこの空気を反映していない保守的な内容だとして、150カ所以上も修正を加えられるという記録的な出来事も起こりました。

 ところが、その年の秋に行われた「十四大」はトウ小平による胡錦涛大抜擢などサプライズ人事が行われた一方で、全体的に眺めれば改革派に傾いたバランス人事となりました。翌年春に任期満了となる首相人事で、前評判の高かった朱鎔基ではなく、保守的で無能との烙印をすでに押されていた不評の李鵬に続投の内定が出たのもこのときです。

 ――――

 以前のエントリーでもふれましたが、いうなれば、バランス人事・妥協人事は党大会の常。その意味では、今回の新指導部人事も順当な結果といえます。むしろ「胡錦涛よく頑張った」といえる内容ではないかと。

 確かに、中国の実質的な最高意思決定機関である党中央政治局常務委員には周永康、賀国強という胡錦涛からすれば疎遠、あるいは江沢民色が強い2人が昇格しました。

 胡錦涛の出身母体に連なる人脈である「団派」(共産主義青年団人脈)の筆頭格で、次世代の総書記と目されていた李克強・遼寧省党委書記は胡錦涛の思惑通り党中央政治局常務委員へと2階級特進を果たしたものの、序列は6位です。それもいまや「太子党」(二世組)の代表格となった同世代の習近平・上海市党委書記との抱き合わせによる飛び級人事。しかも習近平は序列5位であり、李克強はその後塵を拝する結果となりました。

 習近平は党中央政治局の日常事務を取り仕切る党中央書記処の筆頭書記をも兼任。これは花嫁ならぬ総書記修業にはお決まりのポストです。

 ただし、常務委員よりワンランク下の党中央政治局委員の新顔には劉延東、李源潮、汪洋、劉延東など「団派」が加わって、留任した「団派」ともどもなかなかの勢力を形成しています。また曹剛川(党中央軍事委員会副主席)引退の穴を埋める形で政治局委員になった徐才厚は、胡錦涛政権が発足して以来、胡錦涛が国内を視察する際にしばしば帯同させるなどして重用し懐柔した制服組です。

 前述の党中央書記処は筆頭書記こそ習近平であれ、「団派」の李源潮、令計画(胡錦涛の秘書格)も名前を連ねています。胡錦涛が2012年の「十八大」で引退するとしても、それまでの5年間に何が起こるかわかりませんから、「習近平総書記・李克強首相」が次世代体制である線は現時点では濃厚ながら、確定した人事ではありません。

 さらにワンランク下がって中央委員に目を転じれば、全国の直轄市・省・自治区といった一級行政レベルのトップやナンバー2、つまり省党委書記や省長が網羅されています。この地方の指導者には「団派」が数多く送り込まれていることを考えると、中央委員全体の若返りとともに、胡錦涛の基盤強化といった印象を受けます。

 中央委員やそのひとつ下の中央候補委員には七大軍区それぞれの仕切り役である司令員や政治委員も全て仲間入りしています。この七大軍区のトップ人事がいずれも先の「台湾侵攻シフト」を含め全て胡錦涛によって行われたことを考えると、これも胡錦涛にとっては追い風といえるでしょう。

 でも、所詮はそれだけなのです。逆に、政敵を葬るのに手っ取り早い汚職摘発を主管する党中央規律検査委員会の主任に賀国強が就任したとか、公安や国家安全部など治安を仕切る部門に強い周永康が昇格したとか、そういうことも実はどうでもいいことのように思います。


「下」に続く)


 【※】それにしても『明報』渾身の人事予測は見事に的中しましたね。脱帽です。




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 党大会は終わってからが本番です。昨日閉幕した「十七大」(中国共産党第17回党大会)で選出された第17期中央委員によって本日(10月22日)、「一中全会」(党第17期中央委員会第1次全体会議)が開催され、注目の新人事が発表されました。

 まずは中国における事実上の最高意思決定機関「党中央政治局常務委員会」から。赤字が新顔です。

 ――――


●党中央政治局常務委員

 胡錦涛 呉邦国 温家宝 賈慶林 李長春 
習近平 李克強 賀国強 周永康

 現行の9人体制を維持した形です。このメンバー、「十七大」終盤にはほぼ予測されていた顔ぶれですけど、習近平の序列が李克強の前にあるのがポイントですね。


 ――――


 続いて党中央政治局。こちらは序列ではなく簡体字の画数順で名前が並んでいます。


●党中央政治局委員

 
習近平 王剛 王楽泉 王兆国 王岐山 回良玉 劉淇 劉雲山 劉延東
 
李長春 李克強 李源潮 呉邦国 汪洋 張高麗 張徳江 周永康
 胡錦涛 兪正声 賀国強 賈慶林 
徐才厚 郭伯雄 溫家寶 薄熙來

 予想以上に若返ったなあという印象。新顔には胡錦涛直系の「団派」がかなり入っています。引退した曹剛川(党中央軍事委員会副主席)の代わりに徐才厚(党中央軍事委員会副主席)、ということも含めて、胡錦涛かなり頑張った、という感じです。まあ抱き合わせのような形で旗幟不鮮明な連中もメンバー入りしていますけど。


 ――――


●党中央書記処書記

 
習近平 劉雲山 李源潮 何勇 令計画 王滬寧

 党中央の日常の事務を仕切るところです。画数順ということわりがないので序列順なのだと思います。胡錦涛系も仲間入りしていますけど、トップは習近平。総書記修業か、という印象です。


 ――――


●党中央軍事委員会

 主席  胡錦涛
 副主席 郭伯雄 徐才厚
 委員  梁光烈 陳炳 李繼耐 廖錫龍 
常万全 靖志遠 吳勝利 許其亮

 副主席の曹剛川が引退したものの空いたポストへの補充はなしです。新顔の3人を含めて、先の大幅な人事異動で抜擢された面々が中心。胡錦涛カラーが強まったとみていいのでしょうか?


 ――――

 このほか党中央規律検査委員会はトップに賀国強。こいつは胡錦涛と割と疎遠だったような気がします。汚職摘発は政敵を葬るいちばん手っ取り早い方法ですから、うーんという感じです。

 第一印象。胡錦涛よく頑張った!でも所詮は小粒だけに独裁には程遠い内容。党規約に入れてもらった「科学的発展観」がどこまで浸透・徹底されるかは不透明といわざるを得ません。

 バランス・妥協人事は予想されていたこととはいえ、いまの中国ではトップによる独裁が成立しなければ抵抗勢力を潰せないから最後には亡国。くどくなりますが「強権政治・準戦時態勢」が敷けなければ構造改革なんて無理ですから。


 ●「新華網」(2007/10/22/12:35)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2007-10/22/content_6921354.htm




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 10月15日から北京で開催されてた「十七大」(中国共産党第17回党大会)が21日、今後5年間を任期とする第17期中央委員を選出し、また党規約改正案などを採択して閉幕しました。

 第17期中央委員は204名(他に候補委員167名)。選出は候補者>当選者の「差額選挙」によって実施され、落選者の比率は2002年の前回「十六大」の5.8%から8%強に拡大したようですが、候補者名簿が事前に公開されず、また実質的に密室談合で当選者が絞られた点において、中国共産党の政治透明度は旧態依然であり、本質的に変化していないといっていいでしょう。

 新たな指導部人事(党中央政治局常務委員・党中央政治局委員)は22日に発表される予定ですが、とりあえず速報として、退任者が決定した現段階の指導部の顔ぶれを。

 色分けは、

 
留任
 
退任
 
死去または除名(黄菊と陳良宇)

 ……です。

 ――――


●党中央政治局常務委員

 
胡錦涛 呉邦国 温家宝 賈慶林 曽慶紅 黄菊 呉官正 李長春 羅幹


●党中央政治局委員

 
胡錦涛 呉邦国 温家宝 賈慶林 曽慶紅 黄菊 呉官正 李長春 羅幹
 
王樂泉 王兆国 回良玉 劉淇 劉雲山 呉儀 張立昌 張徳江 陳良宇
 
周永康 兪正声 賀国強 郭伯雄 曹剛川 曾培炎

 ――――

 新たな党中央政治局常務委員および党中央政治局委員がそれぞれ何人体制になるか、また中央委員留任者=党中央政治局委員留任かどうかは未知数ですが、大幅な世代交代が進む見込みです。

 また曹剛川・党中央軍事委員会副主席(国防部長)が中央委員に選出されなかったことから、前総参謀部総参謀長の梁光烈が曹剛川のポストをそのまま引き継ぐ形になると思われます。

 個人的にはこの党中央軍事委員会の顔ぶれの変化にも注目しています。「ポスト胡錦涛」がメンバーに加わる可能性もあるのではないかと。

 ――――

 なお今回改正された党規約には、

「マルクス・レーニン主義、毛沢東思想、トウ小平理論、『三つの代表』重要思想といった脈々たる流れを継承しつつ、それをさらに時代に合わせて進化させた科学的理論であり、わが国の経済・社会発展の重要指導方針であり、中国の特色ある社会主義を発展させる上で堅持・貫徹しなければならない重大な戦略思想」

 という形で胡錦涛の提唱する「科学的発展観」が織り込まれた模様ですが、「和諧社会構築」がどれだけ大事に扱われているかはまだ不明です。

 まあ、全ては「一中全会」(党17期中央委員会第1次総会、22日開催)で新指導部がお披露目してからですね。




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 10月15日に開幕した中国最大の政治イベント・「十七大」(中国共産党第17回党大会)も大詰めとなりました。最終日である明日(10月21日)、第17期中央委員を選出して閉幕し、その翌日たる10月22日に代替わりした中央委員によって「一中全会」(党第17期中央委員会第1次総会)が開かれ、新たな指導部人事が発表となります。次世代の指導部候補がどれほど抜擢されるかが焦点といえるでしょう。

 明日閉幕する「十七大」の注目点は、中央委員の選出ということになります。候補者名簿はすでに作成されており、目下当選者を絞り込むための根回しが進行中。

 要するに「候補者数:当選者数」の比率がいかに変わろうとも、実質的には密室の談合でシナリオが用意される訳で、党内民主の強化とはいいながら、「なんちゃって民主化」に過ぎません。

 もちろん、当選予定の候補者が落選してしまうといった指導部を慌てさせるハプニングも稀にありますが、これはあくまでも例外。胡錦涛・総書記をはじめ党中央は「党内民主の強化」を喧伝していますが、これはあくまでもポーズであって、「民主の強化」がまず党内に限定された上で、しかもその党内で選挙をやるといっても当選者を密室談合で決める「筋書きのある選挙」が本筋。

 それがなぜかということについては当ブログで再三強調してきしましたが、「強権政治・準戦時態勢下で構造改革を断行」という胡錦涛政権の主題からすれば至極当然のことです。くどくなりますが関連エントリーはこちら。

 ●分水嶺。・上(2005/10/06)
 ●胡錦涛報告は「控えめな宣戦布告」@十七大02(2007/10/15)
 ●胡錦涛、科学的発展観そして中国そのものについて@十七大04(2007/10/18)

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 さて今回の本題といきましょう。「十七大」も閉幕目前というこの押し詰まった時期になってくると、香港各紙(2007/10/20)の報道にも気合いが入ってきます。ただ注目の中央委員選挙などについて中国当局はもちろん超厳戒態勢で情報漏洩に目を光らせています。……となると、勝負はどれだけ優秀な消息筋を持っているか、です。

 どうもこの点では『明報』が一歩抜きん出ているようです。まずは胡錦涛直系の「団派」(共産主義青年団人脈)で次世代候補としては「ポスト胡錦涛」と目されている李克強・遼寧省党委書記に次ぐ存在の李源潮・江蘇省党委書記が党中央政治局入りするとともに党中央組織部長に抜擢されるとの消息筋情報を披露。

 この李源潮、党中央政治局入りする可能性は高いとされてはいたものの、人事に関与できる党中央組織部長とは面白いポスト。現職は胡錦涛サイドとは疎遠とみられる賀国強・党中央政治局委員です。もし李源潮がこのポストに就くとすれば胡錦涛サイドによる人事面の指導力が強化されるので、戦略的要地を確保することになるといっていいでしょう。

 江蘇省では太湖のアオコ騒ぎなどがありましたが、その事件への対応が中共レベルとしては悪くなかったこと、つまり危機管理能力が高いという点と、何よりも「団派」のホープということが追い風です。

 ●『明報』(2007/10/20)
 http://www.mingpaonews.com/20071020/cak1.htm

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 『明報』はさらに飛ばしていて、直接的か間接的かはともかく、どうも中央委員候補者名簿に接した気配があります。というのも、候補者名簿に載らなかった現役指導者の一覧表をバーンと掲載しているのです。それによると世代交代などでかなり顔ぶれが変わる模様です。

 ●『明報』(2007/10/20)
 http://www.mingpaonews.com/20071020/cak3.htm

 ●『明報』いわく「候補者名簿に載らなかった現役高官一覧表」
 http://www.mingpaonews.com/20071020/_20ch601.jpg

 この名簿が今朝の香港紙におけるMVPネタかと思います。必見です。

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 『星島日報』は北京市長の王岐山が同市トップ(北京市党委書記)に昇格し、現職の劉淇が兼任している北京五輪準備委員会のトップにも就任する見通し、との消息筋情報。

 ●『星島日報』(2007/10/20)
 http://www.singtao.com/yesterday/chi/1020eo01.html

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 注目の曽慶紅・党中央政治局常務委員の引退に関しては『蘋果日報』と『東方日報』が言及しています。まずは『蘋果日報』。「十七大」初日に曽慶紅が江西代表団の討議に参加した際、軍人が退役するときに歌われる「鐵打的營盤流水的兵」を引き合いに出したことで「引退か」という憶測が出ました。ただこの歌の歌詞の最後の部分は「本音はね、ホントにホントにホントに部隊から離れたくないんだけど」となっているため、意見が分かれていました。

 ●『東方日報』(2007/10/20)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c03cnt.html?pubdate=20071017

 ところが前回紹介した共同通信の記事に加え、曽慶紅の母親が回顧録を近く出版するとのニュースが新華社系の外電総合紙『参考消息』に掲載されました。

 曽慶紅は「太子党」(二世組)の筆頭格とされているように親が長老格のひとりなのですが、当人はこれまでその点についての言動は常に控えめでした。それなのに母親が回顧録を出すという目立つ動きを示したのは、曽慶紅の引退が前提になっているのではないか、という予測を呼び、引退説が補強されている、というものです。

 ●『東方日報』(2007/10/20)
 http://orientaldaily.on.cc/new/new_c05cnt.html?pubdate=20071020

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 最後に親中紙の『大公報』。これもなかなか面白い情報で、胡錦涛が中国共産党の憲法ともいえる党規約に全国代表任期制を明記する、というものです。

 全人代(全国人民代表大会=なんちゃって国会)の代表である全国人民代表は5年任期制なのですが、毎年3月に大会が開催されます。ところが党の全国代表は同じ任期5年ながら、仕事といえば5年に1度の党大会に出席するのみ。そこで任期制を党規約に明記することで、党全国代表の意識強化や全国各地で実施される党代表選挙の権威を強めようとの狙いがあるようです。要するに、

「仕事をしない党全国代表は淘汰されるのみ」

 というプレッシャーを党全国代表にかけるものです。……ということは、現在までの党全国代表がいかに働いていないかを示すもの、ともいえるでしょう。

 ●『大公報』(2007/10/20)
 http://www.takungpao.com/news/07/10/20/MW-811370.htm

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 以上、速報ということで。

 あくまでも香港情報だということをお忘れなく。




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 人事のことばかりは、私にはわかりません。

 ……と、この「十七大」(中国共産党第17回党大会)に関して私はいい続けてきました。だって本当にわかりませんから(笑)。

 今回も開幕前から様々な消息筋情報が飛び交っていました。その中で香港紙『明報』が異例の一面トップによる人事予想を出したので,これは相当自信があるのだろうと思い当ブログでも紹介しましたけど、他にもいろいろなバージョンが登場しました。

 実質的な中国の最高意思決定機関である党中央政治局常務委員に誰が昇格して誰が退任するか、という予測だけでなく、この組織が現在の9名体制を維持するのか、7名に減員するのではないか、いやいや5名まで絞るらしい、なんて情報が出ています。

「消息筋によれば」

 などと書いてあっても、その消息筋がどれだけ信用できるのかはその消息筋が誰かわからなければ判断できません。

「複数の消息筋によれば」

 となると少しは信頼できそうな印象を与えますが、やはり「複数の消息筋」がどういう顔ぶれかわからないと何ともいえません。

「政治局筋によれば」
「胡錦涛・総書記の側近筋が明らかにしたところによると」

 ぐらい匂わせてくれれば、もう少し色々と邪推できるんですけどね。

 トウ小平のようなカリスマがいないので鶴の一声による超大抜擢サプライズ人事は起こりにくかろう、というのは想像できますが、小粒な連中による合議制でも小粒だけに全体の流れが不透明になって読みにくい、ということを今回は学習させてもらいました。まあ数日待てば結果が判明するんですけど。

 さて、ギリギリの段階となったいま現在、旬なのは「曽慶紅引退」説ですね。



 ●曽副主席ら3常務委員引退へ=中央委から外れる-胡氏、権力基盤強化・中国党大会(時事ドットコム 2007/10/18/22:30)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_date2&k=2007101800987

 【北京18日時事】北京で開会中の中国共産党第17回大会で、新たな中央委員の名簿が18日提示された。党最高指導部の政治局常務委員8人のうち、党内実力者の曽慶紅国家副主席(68)、呉官正党中央規律検査委員会書記(69)、羅幹党中央政法委員会書記(72)の3人は中央委員に選ばれず、引退する見通しとなった。複数の中国筋が明らかにした。

 現常務委では、胡錦濤総書記(国家主席)=(64)=、呉邦国全国人民代表大会(全人代)常務委員長(66)、温家宝首相(65)、賈慶林全国政治協商会議(政協)主席(67)、李長春氏(63)は留任する見通し。曽氏は来年3月の全人代で国家副主席から退く。

 党大会最終日の21日に約200人の新中央委員などが選ばれ、22日の第17期中央委員会第1回総会(1中総会)で新たな政治局常務委員、政治局員らを選出。常務委では68歳が定年の基準になったもようだ。

 江沢民前総書記に連なる「上海閥」と高級幹部子弟グループ「太子党」の代表的存在である曽副主席の引退で、胡総書記はさらに権力基盤を強めるとみられる。ただ曽副主席も、自身に近い周永康公安相(64)や賀国強党中央組織部長(64)が常務委員になれば、党内に一定の影響力を残すことになりそうだ。




 今朝(2007/10/19)の香港各紙も親中紙を除けば中国面がこの話題で賑わっていました。ところがソースは共同通信とのこと。情けないぞ香港記者。

 ●曽慶紅副主席引退へ 中国指導部が世代交代(共同通信 2007/10/18/19:43)
 http://www.47news.jp/CN/200710/CN2007101801000560.html

 唯一『明報』が孤軍奮闘。

「本紙が複数の消息筋から得た情報によると」

 ということで、ほどなく選出される中央委員の候補者名簿に党中央政治局常務委員である曽慶紅、呉官正、羅幹の3名や政治局委員多数の名前がない、と報じています。

 政治局委員で名前がなかったのは呉儀、曽培炎、張立昌、曹剛川など。このうち曹剛川は国防部長です。前回軍部の人事一覧を紹介したときにもふれましたが、総参謀部総参謀長だった梁光烈はその職を陳炳徳に譲ったことが明らかになった際、

「梁光烈は『十七大』で引退する曹剛川の後を継いで国防部長と中央軍事委員会副主席(現在はヒラの委員)に収まるだろう」

 と香港紙は推測していましたが、『明報』の情報が正しければそういう流れになりそうです。

 ●『明報』(2007/10/19)
 http://www.mingpaonews.com/20071019/cac1.htm

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 ちなみに人事予想とは別に、「政治新星」と称される第五世代の中核を担うであろう若手について、香港の最大手紙『蘋果日報』が10月に入ってからでポイント方式による採点記事を連載しています。

 採点者はチャイナ・ウォッチャーとして有名な林和立(ウィリー・ラム)や劉銳紹のほか、張華(中国関連コラムを不定期掲載)、李平(中国面で中国観察コラムを連載)、盧峰(社説担当)と、錚々たる顔ぶれです。同じく社説担当でいまは亡き中国情報誌『九十年代』の編集長だった李怡が含まれていないのは残念ですけど。

 こういう企画は面白いので紹介しておきます。面倒くさいので中国語のまま。だいたい推測できるでしょうが、

 「領袖魅力」:リーダーとしての魅力。
 「問政能力」:執政能力。政策決定、実行、危機管理などトップとしての総合力。
 「人事手腕」:読んで字の如し。
 「過往政績」:これまでの業績。
 「平均總分」:上記4項目の平均点。総合点といってもいいでしょう。

 ……となっています。10点満点です。

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 ●李克強        ●習近平        ●李源潮

  領袖魅力:6.2      領袖魅力 6.5      領袖魅力 5.8
  問政能力:6.4      問政能力 6.4      問政能力 6.0
  人事手腕:7.2      人事手腕 6.6      人事手腕 6.0
  過往政績:5.6      過往政績 6.2      過往政績 5.8

  總平均分:6.4      平均總分:6.4      平均總分:5.9


 ●張江        ●賀國強        ●薄熙來

  領袖魅力 5.4      領袖魅力 6.6      領袖魅力:7.4
  問政能力 5.6      問政能力 6.0      問政能力:6.6
  人事手腕 6.4      人事手腕 5.4      人事手腕:6.6
  過往政績 5.0      過往政績 5.2      過往政績:5.8

  平均總分:5.6      平均總分:5.8      平均總分:6.6


 ●周永康        ●俞正聲        ●汪洋

  領袖魅力 5.4      領袖魅力 5.6      領袖魅力 6.6
  問政能力 6.0      問政能力 6.2      問政能力 6.4
  人事手腕 6.0      人事手腕 6.6      人事手腕 6.2
  過往政績 5.4      過往政績 6.1      過往政績 6.6

  平均總分:5.7      平均總分:6.1      平均總分:6.5


 ●王岐山

  領袖魅力 7.4
  問政能力 7.4
  人事手腕 7.4
  過往政績 6.4

  平均總分:7.2



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 余興のようなものですけど、いい採点者を揃えているので一応の参考として捉えておいて下さい。

 ちなみに「政治新星」なんて呼ばれ方をされているので何やらクリーンなイメージがするかも知れませんが、騙されてはいけません(笑)。廉潔ではなく単に歳が若いだけですから。




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 北京で目下開催中の「十七大」(中国共産党第17回党大会)は胡錦涛・総書記による政治報告が初日(10月15日)に発表され、分科会ごとの討議が行われている最中。このあと第17期中央委員会が選出されます。

 選出方法は党大会出席者による選挙です。候補者数=当選者数という「等額選挙」が行われていたのは昔の話で、最近の党大会では候補者のうち5%前後が落選する形(差額選挙)になっています。今回はその比率が10%~15%になる見通しで、党中央はこれを党内民主強化のひとつだとして大いに宣伝しています。

 ただ指導部の意中の候補者がハプニング落選してしまうと困るので、投票日まで中2日を置くタイムテーブルとなっています。この2日間で根回しが行われて予定通りの候補者が当選する仕組みです。

 それでも落ちては困る候補者が落選してしまうことがたまにあります。今回は消息筋情報の卸問屋的存在である香港の組織「中国人権民運信息中心」から、

「習近平が落選するかも」

 という剣呑な情報が流されています。習近平といえば「太子党」(二世組)の若手筆頭格であり、「上海閥」のプリンスである陳良宇・上海市党委書記(当時)が昨年汚職嫌疑で失脚したあと、その後釜として上海市のトップに選ばれたことで一躍注目されるようになりました。

 現在では胡錦涛直系人脈である「団派」の次世代ナンバーワンで「ポスト胡錦涛」とみられている李克強・遼寧省党委書記と後継者の座を争うという報道の構図ができあがっています。……ところがそうやって習近平がにわかにマスコミにもてはやされたことで、「有権者」の間に反感が広がっているというのです。

 なんでも習近平は1997年の「十五大」における中央候補委員選挙では得票数がワーストで、2002年の「十六大」における中央委員選挙でも185位とあまり人気がないようです。それに加えてメディアの過熱報道が火に油となり、

「なんであんな奴が?……すんげームカつく」

 という空気が広がりつつあるそうです。

 ●『明報』電子版(2007/10/18/21:19)
 http://www.mpinews.com/htm/INews/20071018/ca42119t.htm

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 それはともかく、「十七大」はこの中央委員会選挙が最後の見所となって10月21日に閉幕。その翌日から選出された中央委員会による重要会議「一中全会」(中国共産党第17期中央委員会第1次全体会議)が早速開催され、最大の注目点である新世代人事が発表されます。

 人事のことばかりは私にはわかりません。ただこれより前、9月までの3カ月くらいの間に、先触れのような形で人民解放軍の将官レベルの世代交代を伴う異動がかなりの規模で行われた模様です。

 軍を統率するのは中央軍事委員会(胡錦涛主席)で、このメンバーは「一中全会」で新たな顔ぶれに替わることになります。ただその管轄下にある軍内部の主な組織における入れ替えはすでにほぼ終了しています。

 そういえば総参謀部のトップである総参謀長の交代人事を国営通信社・新華社の記事で察知し当ブログが報じたこともありました。異動が公開されていなくても、その人物が公の場へ登場したときに新華社が新しい肩書きで紹介していればすでに異動した、ということになります。中国ではときどきそういうことがあるのですが、私の場合はもちろんラッキーパンチです。

 ●生存報告&人民解放軍に新総参謀長。(2007/08/22)
 ●続・人民解放軍に新総参謀長。(2007/08/23)

 で、「十七大」人事の前に軍部の動きをみておこうと中共系メディアや検索で色々あたってみたところ、七大軍区のうち6つまでがトップ(司令員・政治委員)の顔ぶれが一新していたので驚きました。司令員・政治委員とも異動がなかったのは済南軍区だけ。他の6軍区では北京軍区の政治委員が留任した以外、全てのメンバーが総入れ替えとなっています。

 ……ということを調べるためにずいぶん苦労しましたので、今回はその軍高官人事を紹介することにします。

 新任(前職)

 退任(現職)

 留任

 と色分けしておきました。七大軍区の地図はこちら。

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●総參謀部
 総參謀長   :
陳炳徳上将(総裝備部部長)  梁光烈上将(不明・次期国防部長の噂)
 副総參謀長  :
葛振峰上将 張黎上将 劉鎮武上将(廣州軍区司令員)  許其亮上将(空軍司令員) 呉勝利中将(海軍司令員)
 総參謀長助理 :
楊志中将(済南軍区副司令員。前総參謀長楊得志の子) 孫建国中将(海軍參謀長) 陳小工少将(不明)
         
李玉中将(退役) 章沁生少将(廣州軍区司令員)

●総政治部
 総政治部主任  :李継耐上将
 副主任     :劉永治上将  
孫忠同上将(兼軍紀委書記) 劉振起中将
 総政治部主任助理:童世平中将、
杜金才少将(成都軍区政治部主任?)  姜吉初中将(不明)

●総後勤部
 総後勤部部長  :廖錫龍上将
 政治委員    :孫大発中将
 副部長     :孫志強中将 王謙中将 李買富中将
 副政治委員   :孫思敬中将

●総裝備部
 総裝備部部長  :
不明、常万全中将か  陳炳徳上将(総參謀部総參謀長)
 政治委員    :遲萬春上将
 副部長     :李安東中将 張詩明中将 朱発忠中将 張建啓中将
 副政治委員   :
黃作興中将(太原衛星発射基地政治委員)  李棟恆中将(退役)

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●瀋陽軍区
 司令員     :
張又�中将(北京軍区副司令)  常万全中将(不明・次期総裝備部長の噂)
 政治委員    :
黃獻中中将(国防科學技術大學政治委員)  姜福堂上将(不明)

●北京軍区
 司令員     :
房峰輝中将(広州軍区參謀長)  朱啓上将(不明)
 政治委員    :符廷貴上将

●蘭州軍区
 司令員     :
王国生中将(蘭州軍区參謀長)  李乾元上将(不明)
 政治委員    :
李長才中将(南京軍区副政治委員)  喻林祥上将(武警部隊政治委員)

●済南軍区
 司令員     :範長龍中将
 政治委員    :劉冬冬上将

●南京軍区
 司令員     :
趙克石中将(南京軍区參謀長)  朱文泉中将(不明)
 政治委員    :
陳国令中将(広州軍区副政治委員)  雷鳴球上将(不明)

●廣州軍区
 司令員     :
章沁生中将(総參謀部総參謀助理)  劉鎮武上将(総參謀部副総參謀長)
 政治委員    :
張陽中将(広州軍区政治部主任)  楊徳清上将(退役)

●成都軍区
 司令員     :
李世明中将(成都軍区副司令員)  王建民中将(不明)
 政治委員    :
張海陽中将(北京軍区副政治委員、元中央軍事委員會副主席・張震の子)  劉書田中将(不明)

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●海軍
 司令員     :
呉勝利上将(総參謀部副総參謀長)  張定発海軍中将(死去)
 政治委員    :胡彥林海軍上将

●空軍
 司令員     :
許其亮上将(総參謀部副総參謀長)  喬清晨空軍上将(不明)
 政治委員    :昌友空軍上将

●第二砲兵
 司令員     :靖志遠中将
 政治委員    :彭小楓上将

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 ……以上、お粗末様でした。これで将官のひとりひとりに、

「こいつは胡錦涛サイド」
「そいつは江沢民の犬」

 みたいな解説ができればカッコいいのですが、如何せん素人にはそこまでできません。ただひとつ、このほど南京軍区司令員に就任した趙克石中将は台湾への武力行使作戦を深く研究していることで有名なようです。台湾侵攻を担当するのがこの軍区ですから剣呑ですねえ。

 それから済南軍区の人事に手をつけなかったのも台湾侵攻という万一に備えたものなのかも知れません。対台湾戦を想定した演習が最近はこの軍区でしばしば行われています。息の合ったスタッフで、という含みではないかと。

 まあ、基本的には世代交代でしょうけどね。
退任者(不明)は新たなポストに就いた形跡がありませんから、たぶん大半が予備役編入だと思います。

 それから配置換えを定期的にやることで、汚職や地元当局との癒着、ひいては軍閥めいたものが形成されるのを防ぐ、といった狙いもあるでしょう。




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