日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 何だかこの10日ばかりは非常に濃密で夢のような時間を過ごすことができました。いうまでもなく、李登輝・前台湾総統の来日によるものです。

 とはいえ仕事をしながら無理をしたのでさすがに消耗しました。よせばいいのに夜型生活で病弱なくせに芭蕉記念館や靖国神社へ出撃して取材活動をしたりして、それを当ブログで報告したりしていたので、2日間近く寝ない日もしばしば。さすがに副業までやる元気はなく、連載コラムは休ませてもらいました。休載理由に李登輝氏の名前を出さずに済むのは病弱者の利点です(笑)。

 ともあれ疲れました。きのう(土曜日)はさすがに爆睡!といいたいところですが、そこは悲しい習い性、4時間ばかり寝たところで香港紙の記事を拾う時間にパッと目が覚めてしまい、冴えてしまったので泣く泣くその作業をして、それを終えてしばらくしてからようやく眠くなりました。その後はまさに爆睡で、夜の記事集めの時間である午前1時直前までぐっすり寝ることができました。

 ところが私が寝ている間に事件が起きていたのですね。「90」さんからのコメントで知りました。



 ●李登輝氏にペットボトル投げる、成田空港で中国人を逮捕(読売新聞 2007/06/10/01:43)
 http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070609it12.htm

 成田空港で李登輝・前台湾総統(84)にペットボトルを投げつけたとして、千葉県警成田空港署は9日、中国籍、千葉市美浜区高洲、自称エンジニア薛義(せつ・ぎ)容疑者(34)を暴行の現行犯で逮捕した。

 李前総統には当たらず、予定どおり出国した。

 調べによると、薛容疑者は同日午後3時30分ごろ、成田空港第2旅客ターミナルビルの出発ロビーで、保安検査場に向かっていた李前総統に向けて、ジュース入りペットボトル(280ミリ・リットル)2本を続けて投げた。同署員らが取り押さえた。




 中国国内でも速報されています。

 ●日本の空港で李登輝を襲撃した男は反台独者と判明(央視国際 2007/06/10/00:51)
 http://news.cctv.com/taiwan/20070610/100032.shtml

 ●李登輝の「台独」を憎悪、憤慨した男がペットボトルを投げつける(人民網 2007/06/10/07:54)
 http://tw.people.com.cn/GB/14810/5844408.html

 で、これについて「日本李登輝友の会」の永山英樹・理事がメルマガ「台湾の声」に発表した文章がなかなか的を得ていますので、「台湾の声」及び永山氏の同意を得てここに掲載します(強調部分は引用者によるもの)。



 ●成田空港の暴漢こそ「中国」だ(台湾研究フォーラム会長 永山英樹)

 本六月九日、李登輝氏が十一日間にわたる日本訪問を終えた。その間、岩手県平泉の中尊寺なる寺院が、脅迫を加える中国に阿り、李登輝氏への特別待遇の取り止めを受けると言う一幕はあったものの、それ以外においてはすべて順調に日程をこなすことができ、何よりであった。

 その間、李登輝氏は絶えず日本国民を激励した。奥の細道を散策しては、日本の伝統文化の美を国民に伝えた。靖国神社の参拝を通じては靖国神社とは何であるかを国民に教えようとした。これらが事実であることは、李登輝氏の来日前、来日後の諸発言をつぶさに見ればわかることである。そして記者会見や講演では、絶えず日本の覚醒を訴えた。「日本は再びアジアのリーダーになれ」と。

 つくづく「私」のない人だと思う。「私的旅行」だとは言っていたが、この人の念頭には「台湾」しかない。さらに言えば、かつて「残された時間で台湾のために働くとともに、日本を励ましたい」と述べたように、「台湾」以外にはその運命共同体である「日本」があるのだろう。そのことは、李登輝氏の今回の滞在中における以上の事どもを見るだけで明らかである。

 このように言えば、「個人崇拝」だの、「神格化」だのと即断する者もいるかもしれないが、「私」を捨て「公」についた観点からこれを見れば、日本国民は李登輝氏と言う日本のかけがいなき友、恩人に感謝するとともに、その覚醒の訴えに呼応しなければならないと言うことに気付くはずだ。

 そうでなくてはならないのである。そこで本日我々は、成田空港において帰国する李登輝氏を見送った。李登輝氏は「台湾万歳」を叫ぶ日本人に満面の笑顔で応え、一人ひとりに握手をして歩いた。だがそのときだ。一人の中国人の男が李登輝氏との至近距離まで走り、ペットボトルを二つ投げつけたのだ。それに対して李登輝氏は怒りの表情で睨みつけた。幸い男は警官に取り押さえられ、投擲物も李登輝氏に当たることはなかったが、夫人はSPに覆いかぶされた際、転倒して足を床に打った。

 男は取り押さえる警官隊に唾を吐きかけ、抗議する日本人に暴行を加えるなど、不敵の表情を見せた。それはそうだろう、これによって彼が本国で与えられるのは「民族英雄」の称号である。なぜなら日本に媚びて靖国神社を参拝した分裂(台独)主義の民族裏切り者に制裁を加えたのだから、中国の政府、国民がこれを称賛しないわけがない。

 つまり、この卑劣な男こそが「中国」なのだ。今回の事件を通じ、「中国」が日本人の前に顔を現したのだ。

 中国とはここまで薄汚い国である。日本人はなお、日中友好を求めるか。台湾統一の動きを黙認するか。

 「李登輝」と比較して「中国」を見れば、自ずと日本の敵がどこであるかがわかるはずだ。上述の中尊寺などは、明らかに敵国に従う売国寺だ。何としてでも李登輝氏の講演を妨害しようとした外務省などは売国省だ。彼らは道義のドの字も知らない国賊である。こう言った連中の存在を、これからもなお許容するか。



 この事件、保釣運動(尖閣防衛運動)などに従事していた中国の反日分子が、靖国神社の狛犬にペンキをぶっかけた事件と質的には似ているように私は思います。

 今回は暴行及び傷害未遂といったところでしょうか。検察及び司法にあっては、執行猶予などにせず、実刑判決の線でお願いします。あるいは今回の薛義という容疑者、狛犬ペンキ事件の犯人が執行猶予で無事帰国(帰国後は中国のネット世論が英雄扱い)したことを念頭に、犯行に及んだかも知れませんので。

 目下のところ、中国国内メディアの報道は論評抜きです。恫喝めいた言葉が中国側から飛び出した2004年末の李登輝氏訪日時ならともかく、中国政府の抑制された現在の対応ぶりからみて、中国国内メディアがこの薛義という容疑者を大々的に祭り上げるとは考えにくいでしょう。

 とはいえ永山氏の指摘通り、今回のニュースが浸透すれば、「中国民間保釣連合会」「愛国者同盟網」をはじめとする反日サイトで、この薛義を「民族英雄」と讃える動きが広がるでしょう。それでどうなるということもないでしょうけど。

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 基地外はどこの国にもいます。日本にもいるでしょう。

 ただ中国の場合は日本と違って、その基地外を賞賛する素地がある、ということです。久しぶりに「愛国無罪」という言葉が中国の掲示板に躍るかも知れません。

 「愛国」が断じて無罪ではないことを中国人に知らしめるべく、検察及び司法に改めて実刑判決をお願いする次第です。

 (1)基地外がいて、その基地外を賞賛することにためらいを持たない民度の国という点。

 (2)いかに近代的なビル群が建ち並んでいようと、所詮は一党独裁政権。言論の自由もなければ報道の自由、表現の自由から信教の自由もなく、普通選挙などもってのほか。デモももちろん許可制であるという点。

 この2点において明らかなように、いかに着飾ってみせてはいても、中国の本質はあの北朝鮮と何ら変わりがないということ、また各種の自由が当然のように保障され、普通選挙制が根付いた台湾とは全く別世界で、日本とは価値観を共有できないばかりか対話も成立し得ない蛮国であることを、私たちは肝に銘じておく必要があると思います。

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 21世紀最初の朝、2001年1月1日を私は台湾の台北郊外で迎えました。

 私を眠りから覚ましたのは、街宣車から流れる大音量の音楽でした。

 一瞬、耳を疑いました。驚くなかれ、それは中華人民共和国国歌だったのです。統一派の中でも過激分子の連中によるものなのでしょうけど、そのとき私は、台湾が民主国家であることを実感したものです。

 台湾は、中国や香港と違って、日本と価値観を共有でき、対話を成立させることもできる、東アジアでは得難い友邦です。

 台湾の統一・独立問題については「日本が巻き込まれそうで嫌だ」という考え方をする人もいるようですけど、日本が周囲を見回したとき、またシーレーンの確保という観点からも、日本と台湾は互いに「生命線」の関係であり、いわば一蓮托生という間柄であることを認識すべきだと思います。

 付言するなら、中国本土(香港・マカオ・台湾含まず)は日本における国籍別外国人犯罪件数において、平成元年以来、18年連続してナンバーワン。18連覇中の犯罪者輸出大国です。

「中国人を見たら110番」

 は誇張でも何でもありません。そしてこれは人種差別ではなく、警戒心を呼びかける言葉です。「入れ墨の人入店お断り」が通るなら「中国人入店お断り」が通っても何ら不思議ではありませんね。ちなみに日本における国籍別外国人犯罪件数で連覇中の状況に対し、中国大使館のコメントは、

「日本のマスコミが騒ぎすぎる」

 だったことを私たちは覚えておく必要があると思います。

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 ところで、中国政府の日本に対する再度の不満表明に関連して前回『毎日新聞』を血祭りに上げましたが(笑)、党中央機関紙『人民日報』の電子版である「人民網」に外交部報道官によるコメントの日本語版が掲載されましたので、改めてここで晒しageておくことにします。



 ●李登輝氏訪日、中国は日本に度重なる厳正な申し入れ(人民網日本語版 207/06/08/10:53)
 http://j.peopledaily.com.cn/2007/06/08/jp20070608_72108.html

 
(前略)

 ――李登輝氏は日本のメディアに対し、靖国神社参拝は兄を祭るためであり、政治的な活動ではないと語ったが、コメントは。日本側に申し入れを行うか。

 日本での李登輝氏のすることなすことから、あなた方は彼の目的が見て取れるだろう。中国は日本が李登輝氏の訪日を許可したことに、改めて強い不満を表明する。




 『毎日新聞』の記事はこちら。



 ●中国外務省:日本批判避ける 李氏の靖国参拝受け(毎日新聞 2007年6月8日東京朝刊)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/archive/news/2007/06/08/20070608ddm002030009000c.html

 【北京・堀信一郎】中国外務省の姜瑜副報道局長は7日の会見で、台湾の李登輝前総統の靖国神社参拝に関し「李氏が日本で行ったこと(靖国参拝)で、彼が何を考えているのか分かる。日本が訪日を許可したことに不満を表明する」と述べたが、日本政府への直接的な批判は避けた。8日の日中首脳会談を前に対日関係の安定を重視する姿勢を示したとみられる。
(後略)



 改めて指摘しておきます。『毎日新聞』のこの記事が、

「李氏が日本で行ったこと=靖国参拝」

 と断定している根拠はどこにあるのでしょうか。それから前回のコメント欄で「エミル」さんが指摘されたように、

「中国は日本が李登輝氏の訪日を許可したことに、改めて強い不満を表明する」

 とする中国外交部の声明に対し、

「日本政府への直接的な批判は避けた」

 という解釈はどういう思考回路から出てくるものなのか、是非とも知りたいところです。

 ちなみに、私は『毎日新聞』は結構好きなんです。スポーツ欄だけですけど(笑)。同紙の伝統ともいえる社会人野球の報道により撤してくれれば、絶対購読するんですけどね。……そういえば、都市対抗野球の予選がそろそろ始まりますね。今年は二次予選から観たいので、本業でも副業でも「病弱」が活躍しそうです(笑)。

 もちろん、本当にぶっ倒れたのでなければ当ブログは続けます。コソーリ活動同様、チナヲチ(素人の中国観察)は「ライス」ではなく「ライフ」なので。娯楽に過ぎませんけど。


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 ●永山英樹氏のブログ「台湾は日本の生命線!」

 ●メルマガ「台湾の声」

 ●日本李登輝友の会

 ●動画「高砂義勇伝」




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 本日(6月7日)未明のことです。

「李登輝・前台湾総統がきょう午前に靖国神社へ」

 というニュースが飛び込んできました。うへえ。もう少し仕事をしてから寝ようと思っていたのに、これは行かない訳にはいかないでしょう。という訳で出撃準備。

 これまでの李登輝さんの旅程を仕切ってきた「日本李登輝友の会」に問い合わせたところ、今回の靖国訪問には同会はノータッチとのこと。純粋なプライベートのイベント、ということなのでしょう。

 とすれば今回は靖国神社が仕切り役?よくわからないので展示会で使うプレスパスツール(首から紐で下げるもの)を万一のため準備してラッシュ前の地下鉄に乗り込みました。

 疲労困憊なれど士気旺盛。ただ天気が心配なのと、恐らく昇殿参拝になると思われるので写真撮影はかなり困難なのではないかと昨年8月15日の小泉純一郎・首相(当時)による靖国神社参拝を思い出しつつ、あれこれ案じているうちに九段下駅に到着。

 ●八・一五靖国参拝。(2006/08/15)
 ●お婆さんの話、竹の話。・上(2006/08/17)
 ●お婆さんの話、竹の話。・下(2006/08/17)


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 1番出口から地上に出ればこの大鳥居(第一鳥居)。曇天ではありますが晴れ間ものぞいていて、雨になる気配はなさそうです(左)。神門の手前、大手水舎のあたりにはすでに報道陣の姿が(右)。日本の大手も台湾メディアも、機材も人員も豊富で実にうらやましいです。こちらは古いデジカメ1台のみで脚立すらありません。

 以前,台湾の出版社で編集局長兼編集長をやっていたときに東京の展示会を取材したことを思い出しました。取材チームは私が直率して配下3名をあれこれ部署して会場を駆け回らせ、台湾に残っている連中にも役割分担させて24時間一直配置の戦闘態勢。弱小ブログには望むべくもないことです。orz

 でも何でみんなここにいるんだろう?遊就館の方の通用門?から直接車で乗り入れるのが普通なのに。……と疑問を抱きながらも、とりあえず社務所でプレスパス受領。聞けば靖国神社側でもまだ詳細がわからず、とりあえず報道陣を神門前に待機させているとのこと。

 ちなみに靖国神社の地図はこちら。私は忙しくなる前にと、まず参拝を済ませました。


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 そのあと神社側からのアナウンスで、取材陣の待機場所が指定されました。李登輝さんはやはり車で遊就館側から乗り入れてきて、左に折れると到着殿。その遊就館側の本道から左折して到着殿までの10mばかりの道の両側にプレスが陣取ることになりました。

 たぶん李登輝さんは左折点あたりで車を下りて、報道陣が両サイドを固める到着殿入口までの道を歩いてくれるのでしょう。その左折点周辺はSP多数が配置されて物々しい雰囲気(左)。スーツの胸に「SP」のバッジが光ります。

 顔は写さないからそのSPバッジを撮影させてくれと頼んだら、「これはNGなんです。勘弁して下さい」ともの柔らかに断られてしまいました。そういう呑気なやり取りをしているくらいたっぷり待たされました。李登輝さんの下車地点についてSPさんに尋ねても要領を得ません。上空にはヘリ。爆音からして3機は飛んでいたようです。

 隣には台詞のアンチョコとマイクを手にしたテレビ朝日?の記者がいて、「ヘリがうるさいからもう少し音量上げて下さい」などと、どこかと連絡していました。ときどき同僚らしき女性記者が来ては「会見で靖国へ行くと表明」「いまホテルを出た」などと最新情報を耳打ちしていきます。

 彼の立ち位置が良かったので、声だけでカメラに映らないなら場所を譲ってくれと頼んだら、最初30秒くらいだけテレビに映るのでその後ならいいですと友好的な返答。でももさっとした髪型で無精髭をはやしていて、気の毒なほどスーツ姿が似合っていないのが何だか可哀想でした。

 2時間近く待たされたところで、ようやく李登輝さんの車列が入ってきました(右)。SPの配置からして左折点で下車するだろうから4~5枚は撮れるだろう、と考えてスタンバっていたのですが、あにはからんや、李登輝さんを乗せた黒塗りの専用車は左折点で停車することなくそのまま左折、到着殿の入口まで乗り入れてしまいました。嘘だろー(怒)。


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 専用車から下りた李登輝さんは夫人とともに一応報道陣に向かって立ち、撮影タイムをくれたのですが、うようよいるSPが邪魔。しかも車の向こうで立っているから撮影は困難をきわめました(左)。そして到着殿の中へと消えた李登輝さんは昇殿参拝へ。その待ち時間の間も専用車を囲んで取材陣の中に妙な動きをする者はいないかと目を光らせるSP(右)。


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 何分待ったか覚えていませんが、昇殿参拝を終えた李登輝さんが登場。記者団の質問にも無言のまま専用車に乗り込みました。私は「李登輝さん、お兄様は何と語りかけてくれましたか?」と聞きたかったのに。

 でも撮影タイムのときもそうでしたけど、この日の李登輝さんにはいつもの笑顔がありませんでした。何か厳粛な儀式を済ませたような、万感胸に迫る想いをこらえているような、どちらかといえば沈痛な、終始うつむき加減の堅い表情でした。芭蕉記念館のときと違って、感無量の胸の内を独特の温かな笑顔で押さえ込んでしまうことができないでいるようでした。

 60余年を経てようやく実現したお兄さんとの心の対話は、当然ながらよほど李登輝さんの胸に沁み入るものがあったのでしょう。宿願を果たしたあとも笑顔を開けないでいる李登輝さんに、その対話の重みと想いの深さ、そして流れた歳月の長さを感じました。


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 李登輝さんは専用車に乗り込むと遊就館側に引き返さず、逆方向の出口から靖国神社を後にしました。なお、今回李登輝夫妻には親しい友人であり同じクリスチャンでもある作家の三浦朱門・曾野綾子夫妻が同行していました。曾野綾子さんは参拝の様子などを語っているようでしたが、車越しにカメラを向けていた私には残念ながらその声が届きませんでした。


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 ともあれこちらも撤収です。……でもせっかく来たのだからやっぱり遊就館で零戦を眺めつつ海軍コーヒー、これは外せないでしょう(笑)。という訳で1階喫茶室のいつもの席で一息入れていたら、「李登輝友の会」理事で今回の李登輝さんの旅程に密着して写真撮影&速報ブログ執筆を担当している早川友久さんと顔を合わせました。

 早くも撮影したばかりの写真や録音をもとにブログの更新作業。なるほど「速報」をうたうだけのことはあります。この早川さんによるブログは写真も内容もボリューム満点で必見。要チェックですよ。

 ●平成19年(2007年) 李登輝前総統 来日特集
 http://blogs.yahoo.co.jp/ritouki2007

 そして私も帰途につきました。途中、第二鳥居と茶屋(休憩所)の間の道路に停まっていたタクシーの運転手さんと雑談。私たちは到着殿の方に詰めていたため全く気がつきませんでしたが、運転手さんによると、バス1台分の機動隊がそのあたりの警備にあたっていたそうです。


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 予想されていたことではありましたが、今回は取材のやりにくいロケーション、そして報道陣の数と警備の厳しさが芭蕉記念館とは段違いで、こちらは手も足も出ませんでした。写真も御覧の通りお粗末の一言です。

 ただ、再び李登輝さんを目にすることができた嬉しさは言わずもがなですが、加えていつもと違う李登輝さんの表情に接する機会を得られたのは、私にとってはかけがえのない宝物となりました。今日は前回にも増して消耗していますけど、寝ないで出てきた甲斐がありました。満足です。

 ところで芭蕉記念館のときもそうだったのですが、「李登輝晴れ」ともいうべきものがあるようですね。前回も今回も、天気予報では雨を覚悟しなければならなかった筈が、いずれも李登輝さんがいる間の現場はよく晴れていました。そして、前回は帰宅したらほどなく雷雨、今回も大鳥居をくぐるまでにパラパラと雨が降ってきたので九段下の駅まで駈ける破目になりました。

 中共政権の反応?穢れですよ穢れ。そういう不浄ごとは稿を改めて書くことにします。




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 なぜでしょう。不思議な感覚です。清々しい朝の気配が残るなか、靖国神社の遊就館で一服したくなってきました。

 無性に、です。無性に行きたくなってきて、どうにも始末に負えません。

 ほら前回、あのときも消耗したけど、行って良かったと心から思ったじゃないか、と私が私に呼びかけています。

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 たぶん、昇殿参拝でしょうから、今回は多くを望みません。

 空気を、その場の空気を共有できるだけでいいのです。

 野次馬根性?……いやいや、恐らく氏の胸中にずっと秘められていたであろう「約束」を果たすことができて、よかったですね、とその場でそう念じたいだけです。

 ●7日靖国訪問へ 台湾の李登輝前総統(東京新聞 2007/06/06/22:56)
 http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007060601000791.html


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 それでは出撃。




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 今回は当ブログとしては異例中の異例ともいうべきビジュアルメインのエントリーです(笑)。

 すでに既報していますけど、来日中の李登輝・前台湾総統がきのう(5月31日)、東京都江東区の松尾芭蕉記念館を訪れました。近くには芭蕉庵の跡地もあり、今回の訪日の主題である「奥の細道」をたどる旅の振り出しには恰好の場所。……かつ拙宅からも遠くないので、取材許可をもらってプレスの一員として働いてきました。

 以下にそのときに撮影した写真の一部を並べておきますが、一見してわかるように私は写真の素人。レタッチとかも普段は美術部隊に任せているので何もしませんから今回は素のまんまです。

 しかも失態をやらかしております。ふだん仕事で私がカメラを使う機会はそう多くはなく、せいぜい展示会とか室内でのインタビューくらいしか出番がありません。そこでカメラも幕張メッセ向きの設定にしてあるのですが、今回は晴れた屋外での撮影でしたから露出オーバーで白っぽい写真ばかり。せっかく得難い機会を捉えたというのに粗末な仕事しかできず申し訳ありません。

 それでも写真は転載厳禁です。念のため。

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 さて、ここが芭蕉記念館の入り口です。こじんまりとしていますけど、静かでゆっくりと展示を観て回れるので私は好きな場所です。もっとも今回、取材陣の立ち入りは歓迎式典が行われる玄関脇の会議室限定。2階から上の展示スペースや小部屋やトイレなどは、万一に備えてSPがしっかりチェックしていた模様。李登輝さんが要人であることを再認識しました。思えば私の人生で歴史に名を残すような人を間近で目にするのはこれが初めて。温家宝1000人+胡錦涛1000人でもはるかに及ばぬ偉人です。わくわく。


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 会議室で場所を確保して待つこと15分ばかりで予定通り李登輝さん来着の報が入り、こちらは一斉に戦闘態勢。江東区長に先導されSPに囲まれた李登輝さんが夫人を伴い、あの独特の笑顔で会議室に入ってきました。おおお。本物だ本物。……なんてことは全く念頭にありませんでした。縦に横にとカメラを構えつつ押し続けるシャッター。絶え間なく閃光を放ち続けるストロボ(ゲルニカ調)。ファンではなく取材者として臨んでいるので感動するよりも狩猟に熱中しているような心持ちでした。

 李登輝夫妻は江東区長さんと並んで記念撮影のあと、お行儀よく席について江東区長さんや芭蕉記念館の人(たぶん)の挨拶と説明を拝聴といった様子。手元に置かれた資料に目を通し、ときどき話し手に向かい顔を上げた瞬間ごとにわれわれ取材陣からはフラッシュの嵐。


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 そのあと今度は李登輝さんがスピーチ。温顔をたたえつつも刹那に走らせる視線の鋭さに、哲人の風貌を帯びつつも百戦錬磨の剛腕政治家である一面を実感することができました。


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 でも李登輝さんといえばやはりこの笑顔。周囲の心を自然にホクホクと温かくするような不思議な魅力の持ち主であることを、間近で接して体感することができました。ちょっとプレてしまったのはSPに小突かれつつ撮影したからです。すみません。


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 芭蕉記念館は小ぶりな庭園を抜けると地味な裏口があって、ここから出ると隅田川の遊歩道。外に出て李登輝さんの笑顔が一段と晴れやかになったようにみえます。思えば中学時代以来の念願だった「奥の細道」をたどる旅が70年近くを経てようやく実現したのです。感無量だったことでしょう。こちらはホクホクさせられっ放し。


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 一方、芭蕉庵跡地のお向かいでは町内会?のオバサンたちがお茶や茶菓子を準備してあり、報道陣にも振る舞ってくれました。芭蕉の句があしらわれた手ぬぐい?は李登輝さんが来日すると聞いて、張り切って急きょ染め上げたものだそうです。記念写真を撮らせてもらったのですが、前列の人の肩にごく自然に手を置いているあたりに普段から親しく近所付き合いをしている温かさを感じます。

 そういえばここは隅田川を渡ったところですから下町です。下れば深川、上れば両国。お相撲さんが歩いているのもたまに見かけることができます。李登輝さんは最後にここに立ち寄ってその情緒にふれ、地元の人たちと交流したあと、いまは稲荷になっている芭蕉庵跡地に立ち寄って当地を後にしました。


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 芭蕉庵跡地に行く前に李登輝さんが立ち寄ったのは松尾芭蕉像のある場所です。一段高く隅田川を見下ろす場所にあります。ここでさっそく自作の俳句を披露。

 深川に 芭蕉を慕ひ来 夏の夢

 台湾からの取材陣に向かってその意味を解説しているようでした(北京語ではなくミン南話なので聴き取れなかったのです)。


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 さっそく芭蕉像を前にコメント、ということになったのですが、ここでちょっとしたトラブル発生。先着していた日本報道陣及び海外通信社の間で代表取材的な段取りで効率的に仕事を進めるべく話がまとまっていたのですが、李登輝さんが来るなりその足元に台湾のテレビクルーが殺到するように割り込んできて各々がマイクをかざして好き勝手にインタビュー。しかもミン南話ですからこちらはチンプンカンプン。ここ日本だぜ?李登輝さんが逆に気を遣って私たちに日本語で要旨を説明する有様でした。

 台湾報道陣については前日もトラブルがあったようで、この日も取材準備中に「連中は好き勝手にやってしまうから日本側取材陣との意思や行動の統一がとれなくて困る」といった日本側関係者の立ち話を耳にしました。やったもん勝ちの香港でもこういう経験をしたことがありません。私は初めて台湾・台湾人に対して反感を抱きました。まあ単に台湾プレスに一瞬サツイを覚えた、てな程度ですけどね(笑)。


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 李登輝さんはノッてくると身振り手振りをどんどん交えていくようです。「自然と融け合った日本文化は世界でも独特で素晴らしい」みたいな話だったのですが、これはいつも話していることなので正直、退屈でした。新聞報道にあるように、靖国神社の話がチラリと出たくらいです。ただし「参拝する」という言葉は聞かれませんでした。


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 ちなみに台湾報道陣が割り込んだために陣形が崩れてこんな情況でした。李登輝さんの左隣に立っているのはSPか秘書。馬英九ではありません(笑)。


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 最後に李登輝さんは江東区長さんから杖を贈られてセレモニーを終えました。杖は旅に出る人にその前途の幸なることを祈って贈られる習わしがあるそうです。李登輝さんも御満悦の様子。最後に微妙なカメラ目線を頂きました(笑)。


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 私も撤収、針路反転帰途に就け、であります。李登輝さんはしばしばこの方角に目をやって色々眺めていましたが、私はこの清洲橋を渡って拙宅へと引き揚げました。

 ちなみにこの芭蕉像はあなどれません。昼間は隅田川に対し斜に構えているのですが、夜になるとライトアップされるばかりか、芭蕉像がクルリと動いて隅田川に正対します。水上バスや屋形船などの往来が頻繁なので観光客へのサービスだそうです。


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 最後になりましたが、李登輝さんの旅程やセレモニーなどの手配で御多忙をきわめるなか、突然の取材申請にも快諾して下さった「日本李登輝友の会」理事・片木裕一様(事務局次長)に心より御礼申し上げます。

 正に得難い素晴らしい機会を頂き本当にありがとうございました。とりあえずブログで速報する形になりましたが、後日、李登輝さんが日程を全て消化した時点で香港などの新聞にも書く予定です。




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 晴れたのです。

 変な言い方ですけど、昨夜の雨天に続いて今日も雨模様、午後からは雷雨という予報が、本当に、嘘のように晴れたのです。

 前回のコメント欄で「dongze」さんが、

 ●きっとその時だけ晴れますよ (dongze) 2007-05-31 05:52:55
 御家人さん、
 大丈夫。

 と優しい言葉をかけて下さったのですが、本当に晴れました。青空にぷかりと浮かぶ白い雲。やや湿度はあるものの気温が低めで、5月らしい陽気となりました。潮の香りを含んだ隅田川からの風が気持ちよかったです。

 李登輝・前台湾総統が「奥の細道」の振り出しである松尾芭蕉旧宅跡や芭蕉記念館を訪ねるということで、私も野次馬根性丸出しで行ってきました。もう買ってから6年になる取材用の古くて重い一眼レフデジカメで李登輝氏ばかり100枚前後撮ってきました。正直、他に撮るものもありませんでしたし(笑)。

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 ACG関連(アニメ・コミック・ゲーム)と違って、こういうシチュエーションでの写真撮影はみんな殺気立っています。ACGでも期待されていた新型ゲーム機の発売日取材だとややそれに近いピリピリ感。

 今回ももちろんピリピリです。某新聞のカメラマンに、

「すみません脚立一歩分下げてもらえます?」

 と頼んだり(もし言うこと聞かなかったら私は……だって天下のA紙でしたからw)、私が確保した場所の前に陣取りをしようとしたAP通信?の外人女に、

「おい人の前に場所取るなよ」

 と怒鳴って、

「でも……」

 と日本語で言うから、

「デモも機動隊もないんだよ。どけ」

 と切り返したり、私の背中を押そうとしたSPの手を、

「さわるな」

 と力一杯振り払ったり、私の前で座って撮影していた記者が腰を浮かして私のファインダーの中に入ってくると、

「座れオッサン。邪魔だ」

 と、自分もオッサンであることを忘れて毒づいたり。

 ――――

 ……あ、申し遅れましたが日の丸と台湾の小旗を振るだけではつまらないので、野次馬を徹底させるべくプレスパスをつけて一応取材活動をして参りました。

 プレスパスをつけると私は10倍くらい図々しく荒っぽくなります(当社比)。香港や台湾の仕事仲間や元部下にも「いつもの御家人さんと違う」みたいな言われ方をされています。でも、

「やったもん勝ちなんだよバーカ」

 ……なんて思うのは、やっぱり香港の弊風に染まったせいかも知れません(笑)。

 私は一応香港の出版社の東京駐在員。雑誌や書籍からDVDまで制作している零細企業ですから、私が東京で委託を受けて取材活動をしても不思議ではないのです。でも李登輝さんってACGと全然関係ないんだけど……だから何?

 私はコソーリ活動と称して色々な筆名で香港や台湾でも中国問題の文章をときどき新聞に書いていますし、ブロガーが堂々とプレスパスをもらえる時代でもあります。

 で、撮ってきた写真のうち何枚かをここで掲載すべきなのですが、仕事中の配偶者がPCカードをどこに置いたのかわからない状態なので帰宅を待つしかありません。まあ期待されるような写真はありませんから出さなくてもいいんですけど。

 ともあれ私にとっては久しぶりに政治関連の取材となりました。自己肥大気味のゲームクリエイターにインタビューするのと違って、久しぶりに取材者として仕事をした気分です。

 ――――

 それにしても、念願の李登輝さんをすごく間近でみることができました。感激です。オーラを放っているという感じはしないのですが、あの笑顔に接すると、こちらの心までホクホクしてくるような感じがしました。恐るべき人間力です。それともあの感応力ともいうべきものがオーラってことになるのでしょうか。

 記者会見が流れたのが残念でした。私は二つだけ聞きたいことがあったのです。それがかなわなかったのが無念。

 まあ、とりあえず速報ということで。消耗しましたけど行ってよかったです。いまでもホクホクしています。たぶん私だけではないでしょう。

 そういう周囲をホクホクさせてしまう不思議な魅力の持ち主、でも現役時代の数々の業績が示しているように、ただの好々爺ではない凄みを内に秘めている底知れぬ深さ。……というのが李登輝さんに対する私の印象でした。

 やっぱり、偉人としかいいようがありません。




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 先日、恩師と映画鑑賞デートをして参りました。私にとっては2回目の「俺は,君のために死ににいく」です。私が公開前から「あの映画は良さげです」と煽っていたので恩師も観る気になった次第。

 一緒に映画を観て、見終わって映画館の照明がついて、隣の席に置いておいた荷物をとろうと私が横向きになったその瞬間、恩師が70代半ばのお婆さんとは思えぬ力で、平手で私の背中をどやしつけてきました。

 えっ、と思って振り向いたら、恩師が小さな声ですが力強く
「ありがとう」と私に言いました。恩師一流の照れ隠しのようなものです(笑)。ああよかった、先生も楽しんでくれたんだなあ、と思って私はうれしくなりました。あとで、

「こんなに心に沁みる映画は何十年ぶりかでした。連れてきてくれて本当にありがとう」

 と改めて感謝されてこちらは恐縮するばかりでした。

 恩師は近年日本国籍をとるまでは中国のパスポートでしたが、漢族ではありません。少数民族のひとつで、その貴種ともいうべき血筋です。ですから小学校,中学校は日本人と一緒に日本語で授業を受け、慰問袋や千人針も経験して、15歳のときに戦争が終わりました。自称軍国少女(笑)。もちろん日本人と寸分違わぬ、しかも上品な日本語を使います。

 ただ、新中国が成立してからは反右派闘争、大躍進、文化大革命と政治運動の繰り返し。恩師は血統からみても日本人の中で育ったかのような生い立ちに照らしても、吊るし上げの対象です。

 文革のころは大袈裟でなく「いつも生命の危険を感じて生活していました」とのことです。終戦時に15歳だからよかったのですが、あと5つも年上だったら「国際間諜」で銃殺刑にされていたそうです。

 実際、終戦直後に恩師の親戚の女性がスパイ容疑で銃殺されています。その人は収監中毎日、刑場に引き出されていく人がいると、その背中が見えなくなるまで「海ゆかば」を歌って見送ったそうです。

 ――――

 映画を観たあとの恩師はどこか胸の中が何かでいっぱいという風情で、お茶をしても何となく落ち着かなかい様子でした。そのあと外に出てから「あなたは仕事があるからお家に帰りなさい」とちぎって捨てるように言われました。私は特に予定もありませんでしたし、もっと恩師と話していたかったのですが、そうかそうかーと思って別れました。

 果たせるかな後刻電話がかかってきて、

「あのときは御家人君ともっと色々話したい気持ちもあったのだけど、映画で観たことや感じたことをひとりで考えたい気持ちもあったから」

 と話してくれました。

 映画の感想として、特攻隊員たちがあんなに人間味のある普通の若者で、出撃前にそれぞれが悩み苦しんでいることを初めて知ったので、まずそのことに感動したそうです。恩師は中国で激動の政治運動の時代を生き抜き、そのあとほどなく日本に留学生として出てきて定住したので、特攻隊に対しての認識はなかったようです。

 面白かったのは私の母同様、映画冒頭で特攻隊の魁とされる敷島隊出撃の記録フィルムが流れたときにBGMが「海ゆかば」だったことで、万感胸に迫るというか感慨深いものがあったと話してくれました。

「母もそう申していましたが、そういうものですか」

「そりゃそうですよ。学校では毎日宮城遥拝のあと『海ゆかば』を歌っていたんですから」

 なるほどそういうものか、と私は思いました。私はあのシーンの「海ゆかば」には反応しなかったのですけど、世代によってはあれが絶好の「つかみ」として作用したようです。「つかみ」を狙ったものであれば見事としかいいようがありません。

 私はラストでトメさんと主人公が目にするシーン、あの満開の桜並木の下で戦友たちが笑顔でこちらに手を振っている幻影、あそこで「海ゆかば」を流すのはそりゃ反則技じゃないかとタオルを握りしめつつ改めて思いました。個人的にはあと1回は観たいところです。恩師は恩師で近く一時帰国する中国在住の日本人の故旧たちにこの映画だけは必ずみせてあげたいと何度も言っていました。

 ――――

 ……前フリが長過ぎましたが、その恩師が、上品な日本婦人といった感じの日本語を話す恩師が、

「あの人の日本語がいちばん正しい」

 と常々激賞しているのが李登輝・前台湾総統です。

 きょう(5月30日)のお昼過ぎに成田着の飛行機で、東京に入るそうです。何だか信じられない、というか実感が湧きません。……いや、李登輝氏がきょう来日する、ということがです。

 だって前回(2004年末)は中国がそりゃもう大騒ぎでしたから。当ブログ左サイドの「CATEGORY」の中の「李登輝氏訪日」で古いエントリーにあたって頂ければ、中共政権の恫喝めいた狂乱ぶりと、実際には手の出しようがないので口だけで終わってしまい余りにカコワルな尻すぼみで終わったことがわかります。

 ところが今回は『朝日新聞』がいかにもな御注進記事(たぶん中国側にとっては有難迷惑)を掲載したくらいで、中国国内メディアを含め、騒動めいたものは一切ありませんでした。

 昨日(5月29日)の中国外交部による定例記者会見で報道官が、

「厳重に抗議する。日本側が『日中共同声明』などを遵守することを望む」

 などと言っていました。それだけです。ちなみにこの「日中共同声明」で中国側は「台湾は中国の領土の一部」と主張し、日本側はその主張を「理解し尊重する」とはしているものの、「台湾は中国の一部」ということを正式に承認していません。

 面白いですね。中国側は「日中共同声明」を持ち出して抗議している。日本側は同じ「日中共同声明」に拠って「別に問題なし」としている。そういえば台湾人だけノービザですしね(笑)。これもたぶん「日中共同声明」という大原則に照らしたものでしょう。

 ――――

 ともあれ、中国側の反応は形式だけのもので気合いが入っていません気合いが。例えば昨年の小泉純一郎・首相(当時)による「八・一五靖国参拝」のときと様子が似ています。騒ぐまい。これで騒いじゃだめだぞ騒いじゃ、といった気配です。

 ●騒ぐだけムダでカッコ悪いことを前回の李登輝氏訪日で学習した。
 ●一応の日中友好ムードに水を差したくない。
 ●日米安保「2プラス2」の共同戦略目標で「台湾問題」が明記されなくなった空気を維持しておきたい。
 ●ただでさえ暴動が頻発している中国社会が反日で熱くなるとどう転じるのかわからないのでマズい。
 ●5年に1度の党大会を今秋に控えているので、この問題で党上層部に不協和音が生じては困る。
 ●胡錦涛政権の指導力が2004年末に比べて段違いに強まっている。

 ……てなところでしょうか。とりあえずメディアには騒がせない方向で、という意思統一がなされているようにみえます。そういう軽度の規制を敷ける程度の力はいまの胡錦涛政権にはあるということでしょう。まあ前回は胡錦涛政権発足後の試用期間3カ月を終えてアンチ胡錦涛諸派や軍部からダメ出しが行われた時期だった、そのため必要以上に騒いだ、ということもあるかも知れません。
 
 今回は東京ということで、歴史に名を残すことになるであろう哲人政治家の風貌に、遠くからでもひと目でもいいから接しておきたい、という野次馬根性が私にはあります。

 そこはそれ、上海留学中に民主化運動が生起したのを振り出しに現場運だけは恵まれていますから。去年の「八・一五靖国参拝」は混むのを避けるために早出したのに、逆にそのためにナマ小泉さんに遭遇してしまいましたし。

 今回はわざわざ近所に立ち寄ってくれるようなので、楽しみにしているのです。

 上天気であれかし。




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 ……ね?だから前に言ったじゃないですか。当ブログは勿体なくも台湾の李登輝・前総統と赤い糸で結ばれているんです(笑)。こちらが「ここで李登輝氏が……」と書くと、必ずといっていいほど氏は何らかの形でニュースとなって、当ブログの期待に応えてくれるのです。

 今回もまた然り。前回の文末で、

「あとは『李登輝氏5月10日来日』というカードをいつ切ることになるか、ということです」

 と書いたら早速のリアクション、ニュースが飛び出してきました。もっとも今回は日本発でも台湾発でもなく、中国国内メディアによるものですけど。

 ●日本メディア「李登輝が5月10日ごろ訪日、講演なども行う意向」(新華網 2006/03/06/10:42)
 http://news.xinhuanet.com/herald/2006-03/06/content_4263729.htm

 元ネタは新華社系国際時事週刊誌『国際先駆導報』です。その記事を「新華網」(国営通信社の電子版)が掲載し、さらに『人民日報』電子版の「人民網」や大手ポータル「新浪網」(SINA)などが転載しています。

 ただ『国際先駆導報』は毎週金曜発売ですから、紙媒体(3月3日発売号)で報じられてから数日間のタイムラグがあることになります。これはたぶん紙媒体の売れ行きに影響しないための情報公開規制でしょう。日本でもそうですが、週刊誌や隔週誌、また月刊誌の電子版などでは珍しくないことです。

 あるいはニュースの内容、その重要性からして、3月10日付発売号の記事を先行発表したものでしょうか?このあたり現物が手元にない私にはちょっとわかりません。

 何はともあれ、李登輝氏の訪日計画が中国国内でも公に報じられたことになります。

 どうやら封印が解かれた模様です。

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 李登輝氏が2004年末に続く再訪日、というニュースは日本メディアによって何度かスクープされ、それを台湾・香港メディアが後追いする形で報道されてきました。

 ●[1]李・前台湾総統が来春訪日の意向「奥の細道訪ねたい」(読売新聞 2005/11/02)
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051102i501.htm

 ●[2]李登輝氏「奥の細道」散策、5月10日来日で調整へ(読売新聞 2006/01/11)
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060111i301.htm

 ●[3]李登輝氏の入国、問題ない=麻生外相-中国の反発必至(時事通信 2006/01/19)
 http://www.jiji.com/cgi-bin/content.cgi?content=060119202008X653&genre=pol

 ●[4]台湾・李登輝氏の5月訪日を容認…政府方針(読売新聞 2006/02/23)
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20060223i401.htm

 『国際先駆導報』の記事からみて、今回参考にされた、というか引き写されたのは主に[4]の記事で、これに他の日本紙や台湾・香港メディアの後追い報道を加味した内容となっています。

「石原慎太郎・東京都知事と会見するかも知れない」
「靖国神社参拝の可能性もある」

 といった記者による予測、この期待感は私と全く一致しております(笑)。

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 「封印が解けた」というのは、『読売新聞』の記事が2月23日付であることからわかるかと思います。この記事についても台湾・香港メディアがすかさず後追い報道したのですが、中国国内メディアは一切沈黙。そして一週間以上に及ぶその沈黙を破ったのが『国際先駆導報』という訳です。

 その沈黙を私はわざわざ「封印」と呼んでみました。というのは当ブログでも以前紹介しましたが、前回の「李登輝氏再訪日予定」記事、つまり[2]に関しては、中国国内メディアが間髪を入れずに即報道しているからです。

 ●「続・電波発言。」(2006/01/12)

 ところが[4]について、中共当局はそれをさせずに報道規制を敷いた。なぜかといえば、[2]から[4]に至る1カ月余りの間に、中共政権と台湾・日本の関係が大きく変化していたからでしょう。

 まず台湾についていえば、前回ふれたように旧正月の元旦にあたる1月29日、[2]から2週間以上経った後ですが、台湾の陳水扁・総統が「最終的には統一を目指す」という台湾政府のすでに形骸化した建前、「国家統一委員会」と同委が採択した「国家統一綱領」の廃止構想をぶち上げています。

 それを現実のものとしたのが2月27日、つまり[4]の4日後です。この間、台湾の後見人たる米国から非公式ルートで通告があったのかどうかは不明ですが、対台湾政策において硬軟交えたカードを持っていた中共政権は、この日を境に「独立は断固許さず」という厳しい姿勢が基調となります。その中でも特に軍主流派(『解放軍報』)が突出した強硬的態度で猛反発していたのは前回紹介した通りです。

 「台湾独立派の策謀」を非難する、という意味では、陳水扁のアクション(建前放棄)に加えて李登輝氏訪日計画を公にした方が台湾問題に対する危機感を強調するのに効果がある、という判断が働いたのかも知れません。いずれにせよ「封印を解く=沈黙(報道規制)を破る」というのは党上層部のゴーサインがなければできないことです。

 ――――

 対日関係についてはより明白です。[2]が報じられた当時は「電波」ともいえる従来の運動律を大きく逸脱した迷言や怪行動(『産経新聞』批判論文)を外交部がとる一方で、軍事費増強・中国軍事的脅威論などについて軍部が開き直ったりしていた時期です。

 要するに反日度が高かった。軍主流派による外交への口出しが増える一方、胡錦涛ら指導部も対日政策の重点をポスト小泉に移そうと思案し始めたころでしょう。そこへ恰好の燃料として火に油を注ぐ形で投下されたものが[2]でした。

 ではなぜ[4]には規制がかかったかといえば、これは『読売新聞』が[4]を報じた2月23日前後の中国国内メディアの対日報道をみれば一目瞭然です。自民党の中川政調会長、二階経済産業相が相次いで訪中し、中国側も日本の親中派もとい媚中派政治家などを続々と招いて友好ムードの醸成、正確には「小泉・麻生抜きならほらこの通り日中友好」というイメージを作り出すことに躍起となっていました。

 つまり[2]の当時と比べると反日度はかなり下がっており、4月に胡錦涛訪米を控えた中共側も対日関係緩和に努力しているというポーズを米国に見せる必要がある時期でした。そこで「李登輝氏5月訪日予定」というニュースを流してしまうと変な水が入らぬとも限らない。だから封印した、という訳ですが、指導力が磐石でない胡錦涛政権ですから、封印を徹底させるに際しては念の入った政治的努力が払われたことでしょう。

 その封印をここで解いた、というのは陳水扁によるアクションも関係しているでしょうが、そのときに大騒ぎした(いまも大騒ぎしている)軍主流派の意向も働いているかと思います。

 連中からみると、米国は陳水扁の措置を承認したばかりか中共を仮想敵とした軍事演習を日本とやっている。やはり日米合同による島嶼奪回作戦演習などは尖閣諸島を想定したものにみえるし、台湾有事に対する介入姿勢を明確にしている。何よりも中国の軍拡に神経質で、日米ともに中国軍事的脅威論を捨てていない。……ということになるでしょう。堪忍袋の緒が切れた、ということなら今後『解放軍報』あたりに反李登輝報道が出てくるかも知れません。

 また陳水扁によるアクションについて、米国は後見人としてその実現を承認し、一方の日本は日本で、前回紹介したような中共からみれば不敵きわまりない政府発表を行っており、台湾を中共の内政問題とせず、今回陳水扁がとった措置を非難せずに受け入れている。さらにいえば、中共は友好ムード盛り上げに努めてみたけれどその成果がはかばかしくない、ということもあるでしょう。

 ――――

 それやこれやで「封印」を解くよう上層部からゴーサインが出されたのでしょうが、問題は、その「上層部」がそもそも一枚岩ではないということです。

 『国際先駆導報』の親会社である新華社は昨春の「反日」を掲げた政争でもアンチ胡錦涛諸派連合側についた前科がありますし、先の「江八点」(江沢民による対台湾8項目提案)11周年についても「地味に扱う」としていた胡錦涛・総書記側の思惑を裏切って『人民日報』ともども各地で行われた記念活動を大々的に取り上げています。

 ●突然ですがここで江沢民です。・上(2006/01/27)
 ●突然ですがここで江沢民です。・下(2006/01/27)

 報道規制解除というゴーサインは果たして指導部の総意なのかどうか。いま開かれている全人代(全国人民代表大会=立法機関)においてちょうど今日(3月7日)、李肇星・外相が記者会見を行って対日関係・対台関係についてコメントを出していますが、ここでは李登輝氏訪日予定については一切言及していません。

 という訳で、報道解禁となった「李登輝氏5月訪日」に対する中共政権の姿勢については、

「総意なのかどうか」
「総意だとすればどの程度の反発になるか」
「具体的にどういう手段で反発を示してくるか」

 ……などについて、まだ不透明な部分が少なくありません。今後しばらくは新華社、『人民日報』、『中国青年報』、『解放軍報』など各メディアの動向や、胡錦涛ら首脳部のコメント、また外交部報道官による定例記者会見などでその出方を察していくしかないようです。

 全人代が終わった後の3月下旬から4月にかけて、今年もひと荒れするのでしょうか。ワクテカです。私などは3月も4月もなくて年中無休、毎日期待しているのですけど(笑)。



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 冬来たりなば春遠からじ。

 ……ちょっと早すぎましたか。でもそう言ってみたい気分にもなるというものです。

 もう御存知でしょうがこのニュース。心を浮き立たせる話題じゃないですか。
 
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 ●李・前台湾総統が来春訪日の意向「奥の細道訪ねたい」(読売新聞 2005/11/02/03:10)
 http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20051102i501.htm

 【台北=石井利尚】台湾の李登輝・前総統(82)は1日、台北市内で読売新聞などと会見し、来年4月に東北地方など松尾芭蕉の「奥の細道」ゆかりの地を家族で訪問する意向であることを明らかにした。

 李氏は「4月ごろは桜が咲いているし、暖かくなる。必ず行きたい」と述べた。

 中国政府の強い反対は必至だが、李氏は「(台湾人の日本観光は)ノービザの時代になった。リタイアした総統は普通のピープルじゃないか」と日本語で語り、日本政府に入国を認めるよう期待を表明した。李氏は、10月にワシントン訪問が実現したことを挙げ、東京訪問への期待感も改めて示した。

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 ●李登輝氏、4月訪日に意欲 桜の季節「奥の細道」に/東京へも(産経新聞 2005/11/02/02:42)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20051102-00000011-san-int

 【台北=河崎真澄】台湾の前総統である李登輝氏(82)は一日、台北市内で産経新聞などとの会見に応じ、(中略)自身の再訪日については、「来年四月に『奥の細道』を必ず歩きたい」と話した。

 五年前の総統退任後、初の家族旅行として昨年暮れから今年初めまで訪日している李氏は、「家内に来年の四月には(念願の)『奥の細道』を必ず歩こうと話した」と明かし、サクラの開花時期に合わせて東北地方を訪れる希望を表明した。

 訪日目的として、「夕焼け小焼けの童謡にあるような人間と自然が溶け合う日本人の持つ情緒的ないい面は他国にないことであり、(李氏が『奥の細道』で芭蕉について語ることなどで)日本人に改めて良さを知ってもらいたい」と話した。

 また、先月の訪米で首都ワシントンで連邦上下両院議員や記者を前に演説した実績を踏まえ、「(首都ワシントンに行けたのに)東京に行けないことはない」とし、一九八八年の総統就任後、初めてとなる東京訪問に改めて意欲を示した。

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 それにしてもこの時機を捉えてのこの発言は、さすがに百戦錬磨の政治家ですね。

 ただでさえ求心力に欠ける胡錦涛政権。指導力に疑問が呈されていることは、先月開催された党の重要会議「五中全会」(党第16期中央委員会第5次全体会議)で人事に全く手をつけられなかったことからも明らかです。その公報から匂い立っていた危機感・緊張感の欠落した「ふわふわ感」は、胡錦涛が「強権政治+準戦時態勢」のもと強い指導力を発揮して積もり積もった諸問題に荒療治を行う。……という構想がもはや実現不可能になったことを示しています。

 その直後に小泉首相が靖国神社参拝です。続いて行われた内閣改造では小泉首相に安倍官房長官・麻生外相という超攻撃型3トップの「靖国シフト」を敷かれてしまい、日本への対応策を練り直す必要に迫られています。「靖国参拝+靖国シフト」という「靖国コンボ」に著しく刺激されて蠢動する政治勢力もあるでしょう。

 政情不安から政争へと展開しそうな気配。社会状況が迂闊に「反日」を煽れないほど悪化していることは、「反日」と全く無関係に暴動やデモが各地で頻発していることでもわかります。だから中共は「参拝」パンチを喰らっても、今回は「反小泉+反右翼勢力」と攻撃対象を局限して「反日」には発展させず、経済関係など他方面への影響回避を図るしかありませんでした。

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 その時機を逃さずに千両役者・李登輝氏の訪日希望表明です。訪日の意向は米国滞在中にも匂わせてはいましたが、今回はより明確な形で「来春訪日」との意思表示。中共にとって李登輝氏の訪日が「靖国参拝」以上のインパクトを持つものであることは、すでに昨年の来日時に実証済みです。そのときは近年にないレベルの強硬な抗議姿勢を示し、野蛮にも恫喝まで試みました。

「(もし李登輝氏が来日すれば)トラブルメーカーが戦争メーカーになるかも知れない」

 という名言を残したのは王毅・駐日大使でしたか。当人は恫喝のつもりだったんでしょうけど、「戦争メーカー」って何だそれ(笑)。脱力感満点の造語のお蔭で、脅したつもりが微笑ましいエピソードになってしまいました。

 ともあれ抗議だ恫喝だと手を尽した中共ですが、日本側に無視されたらもはや何のカードも残っていないことを露呈した形に。今までは日本が構ってやり過ぎていたんですね。構わずスルーに徹してみたら、中共は結局相応の報復措置らしいものを何も出せないまま、尻すぼみで退散。李登輝氏が身を以て教えてくれたといってもいいでしょう。

 ――――

 さあ楽しみです。李登輝氏の訪日となると台湾問題そのものですから、軍部が黙っていられなくなるでしょう。

 実際に、昨年末の李登輝氏訪日に続いて今年2月には日本政府が尖閣諸島の灯台国有化を宣言、さらに「2プラス2」において日米が台湾問題への介入姿勢を示したことで、軍内部の対外強硬派とも過激派ともいえるグループが我慢の限界に達しました。そこに江沢民の上海閥を始め様々な政治勢力が結集して「アンチ胡錦涛諸派連合」のようなものを形成、それが今春の反日騒動(反日に名を借りた政争=倒閣運動)につながっていったのです。

 ともあれ、胡錦涛政権にとってはまたまた大ピンチですよねえ。昨年を思い出します。日中首脳会談におけるパフォーマンスの悪さにブーイングを受け、慌てて急遽セットした小泉・温家宝会談もフォローできずに収穫なし。そこに続いて李登輝氏の訪日決定となり、ダメ出しされて対日路線の修正を余儀なくされています。

 今度は靖国参拝をされてしまい、さらに「靖国シフト」まで敷かれたところで李登輝氏が来日したいと言い出したのです。大ピンチ+αといったところてしょうか。桜を見たい、東京へも寄りたい(「奥の細道」の起点ですから当然でしょう)、東京へ寄るなら桜は九段。比島で戦死した兄が御祭神に名を列ねている以上、李登輝氏にとって靖国参拝はデフォでしょう。胡錦涛政権にとっては弱り目に崇り目です。

 ――――

 いやいや、確か「川に落ちた犬は棒で叩け」みたいな諺が中国にありましたね。「打落水狗」。転じて「失敗者にさらに追い打ちをかける」とか「相手が再起不能になるまで徹底的に叩く」との意味になるそうで、何とも小気味よい格言です(笑)。胡錦涛政権には実にお似合いなのですが、ここまで落ち目になるとそろそろ温家宝が胡錦涛を見捨てることになるかも知れませんね。

 ……何だか心浮き立つままに書いてしまいましたが、李登輝氏にとっては「奥の細道」は別として、超攻撃型3トップに象徴される日本代表の新たなフォーメーション(小泉内閣)の本気度を測る旅になるでしょう。それを踏まえた上で、どうも最近みていて焦れったくなるような独立派(緑)に有効なカンフル剤を打ってほしいものです。日本政府も是非これまで以上の入れ込み方で、「台湾」をバックアップしてあげてほしいと思います。
 
 ――――

 前回来日した際の往路の機内では日本の記者団に日本語で応えていた李登輝氏、

「将来どういう名目で行けるか分からないが、もっとおもしろい状態になるでしょう。おもしろいビザをもらってもう少し、深く日本を見る」
(※1)

 と話していました。さすがに意味深長で凄みのある語り口です。私などにはその胸中など忖度できようもないのですが、確かに昨年よりずっと「おもしろい状態」であり、台湾人はノービザとなりました(李登輝氏の場合は日本政府との事前協議が必要になるそうですけど)。

 今回は日本を見るだけでなく、より多くの日本人が台湾と台湾人に関心を持つよう、講演や政治活動にも従事してほしいです。もし国会での演説が実現したらすごいでしょうね。靖国神社を参拝するときに偶然小泉首相に遭遇してしまい、折角だから一緒に参拝した。……というのは夢物語ですけど、超攻撃型3トップには是非楽しい仕掛けを準備しておいてほしいものです。

 ともあれ、「奥の細道」の跡をたどるなら、まずは芭蕉記念館からスタートでしょう。拙宅からだと川向こうで歩いていける距離なのです。絶対お迎えにあがって、一目だけでも構いませんから、歴史に名を留めることになるであろう哲人政治家の風貌に接してみたいです。


 ――――


 【※1】
http://www.sankei.co.jp/news/041227/sha090.htm(リンク切れ)

     「李登輝氏来日(8)桜の季節に。」(2004/12/29)


 ――――


 【余談】訪日が実現すれば今回もきっと新華社から記者が来るんでしょうね。畜生相手には刀を抜くまでもありません。芭蕉像の下あたりから隅田川に投げ込んでやりましょう。墨堤ダイブです。運が良ければ何とか清洲橋あたりまで泳ぎ着けるでしょう。……あ、「打落水狗」でしたね。それなら先回りして、紙のお金を燃やしながら待つことにするとしますか(笑)。



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「只動嘴不動手,是中国五千年来的優良傳統。」(口ばっかなのは中国五千年の良き伝統だなw)

 と、取りあえず私が反日サイトの掲示板でよく使う言い回しを中共にプレゼントしておきます。

「えっ?もうおしまい?」

 てな感じです。「李登輝氏訪日」シリーズは中共のリアクションを見届けた上で結ぼうと思っていたのですが、

「『中日共同声明』など中日間で取り交わした3つの政治的文書の基本原則に背いた」
「戦争メーカー」
「中日関係にダメージ」(日本にダメージ、ではなく日中関係なんですね)
「必ずや自業自得という結果を招くだろう」

 などなど、来日前はずいぶん過激な言辞を弄していたからよほど凄いものがと思っていたら、もうお終いですか。何て言うか、中共って早すぎ(笑)。

 李登輝氏帰国後に中国外交部が出したコメントがまた淡白で。

 ――――

中国:李登輝氏訪日への対日報復見合わせ 外務省局長示唆(毎日新聞)
2005年1月6日 19時43分

 【北京・上村幸治】中国外務省の孔泉報道局長は6日、日本訪問を終えた台湾の李登輝前総統について「台湾独立を急ぐ人物は、あらゆる正義感を持つ人に唾棄(だき)されるだろう」と批判した。しかし、李氏の日本での行動には言及しなかった。
 また査証(ビザ)を出した日本政府への報復措置にも触れず、報復を見送ることを示唆した。李氏が日本で注意深く政治活動を避けたため、追及するとっかかりを得られなかった模様だ。
 李氏の訪日問題は中国外務省が激しく反発し騒ぎを大きくした。しかし報道局長はこの日の会見で「一部のメディアが関心を持っているらしい」と人ごとのように述べ、記者団の失笑を買った。中国外務省としては、これ以上問題を引きずりたくない模様だ。(後略)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20050107k0000m030056000c.html

 ――――

 ちなみに孔泉報道局長、原文では「一部のメディア」ではなく、いけしゃあしゃあと「一部の日本のメディア」なんて言っています(※1)。これでは記者も、

「人ごとのように述べ」
「記者団の失笑を買った」
「これ以上問題を引きずりたくない模様だ」

 と書きたくもなるでしょう(笑)。孔泉はあたかも中国版コミカル・アリ(フセイン政権崩壊時の情報相)のようなものですね。

 ――――

 で、これでおしまいのようです。

「『中日共同声明』など中日間で取り交わした3つの政治的文書の基本原則に背いた」
「戦争メーカー」
「中日関係にダメージ」
「必ずや自業自得という結果を招くだろう」

 という激しい言葉にふさわしい報復を楽しみに待っていたのですが、これでおしまい。「只動嘴不動手,是中国五千年来的優良傳統」なのです。

 まあ騒げば騒ぐほど、中共がいかに法治(日本によるビザ発給)や思想の自由(台湾独立論者)を理解していないかを全世界に宣伝するようなものですからね。騒ごうにもこれ以上の理屈が出てこないし。

 そもそも日本政府も支持する「一つの中国」なんですから、その政権党である中共が、「一つの中国」の国民である李登輝氏を出国させなければ何の騒ぎにもならないのでは?(笑)。

 ――――

 さて、報復措置の件はどうなるのでしょう?

 予定されていた自民、公明両党議員団の訪中を中国側が延期にしたのは、たとえ中国側にそのつもりがあったとしても、口が裂けたって報復だなんて言えないでしょう。あの激語とまるでつり合わぬショボい「報復」では、カッコ悪すぎだからです。

 あとは愛知万博に胡錦涛や温家宝は寄越さず、副首相クラスだけが来るということのようですが、だから何?

 ●国家指導者が会談拒否=愛知万博には副首相派遣検討-李前総統訪日が影響・中国(時事通信)
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050107-00000703-jij-int

 相変わらずの自己肥大症ですね。胡錦涛や温家宝がいようがいまいが、地球は回るのです。

 ●駐日中国大使館:公明・神崎代表に早期の訪中打診(毎日新聞)
 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20050106k0000m010135000c.html

 一方でこんなことをしているようですね。一本釣りによる切り崩しは中共の常套手段です。まあ子供騙しみたいなものですから、その手は桑名の焼蛤……じゃなくてその手に乗ってはい神崎。

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 中共にとって李登輝氏の訪日を通じて学習したことは、いまの日本にはあの程度の恫喝では全く効果がない、ということでしょうか。脅しが効かないともう次の手はありませんから、訪日中の李登輝氏の様子を悪意を込めてピエロのように描写した一連の記事(※2)を国民に見せて、対外的には孔泉が澄ましたポーズで幕引き、と。

 そのつもりなら、少しぐらい意地悪してもいいでしょう。やっぱり日本人記者には今後3カ月くらい「ところで李登輝氏の訪日に対する報復措置は……」と、記者会見のたびに質問し続けてほしいところですね。

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 ところで以下のことは抑制されていると言うべきか動揺の反映と捉えるべきか。例えば新華社系の週刊誌『国際先駆導報』は、

「中日関係は氷点にまで落ち込んだ」
「大局を破壊することで最終的に不利になるのは日本だ」

 という内容の論評記事(※3)を出す一方で、「中日両国の世論は互いに改善していく必要がある」とか何とか言って、専門家に色々語らせています(※4)。日本だけでなく中国の世論にも改善すべきところがあるというのです。例えば、

 (1)日本人=日本鬼子のような固定観念を捨てるべし。
 (2)日本による対中経済援助が中国によい変化をもたらしていることを認め、適度に宣伝する必要がある。
 (3)盲目的な「中華自大症」を煽らないようにする。偉大な民族は開放的で包容力のあるものだ。
 (4)教育や宣伝活動における「抗日」「反日」の比重を適度に調整する。

 これ、反日サイトの掲示板に書いたら絶対に売国奴扱いされる内容です(笑)。それにしても、やっぱり「反日教育」「反日キャンペーン」は実在したんですねえ。

 このほか「新華網」では、

「日本の『人に優しい社会づくり』には大いに見習うべきものがある」

 という標題(大雑把な翻訳)の文章がトップの中に並んでいたりします。

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 国内を騒がせないよう報道内容に配慮しつつ、恫喝が通じなくなった日本への対応をどう修正すべきか党中央は策を練っている最中、というところでしょうか。まだダライラマ訪日が控えていますし、あるいは李登輝氏の再来日(桜の季節に奥の細道探訪)も実現するかも知れませんからね。

 でも親切で言っておくと、前にもふれたように、「右翼左翼」で日本の現状を捉えようとしている間は、進歩はないですよ。外交戦で日本に先手を取られる一方か、顰蹙を買う挙に出て日本の対中世論を硬化させるばかりという結果になるでしょう。

 ちったあ空気読めよ胡錦涛、ということです。……王毅、お前もだ。

 あと温家宝、炭坑事故の遺族に会ったときに取材陣がいるからって無理矢理ウソ泣きするのはやめるように(笑)。


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 【※1】http://news.xinhuanet.com/zhengfu/2005-01/07/content_2427134.htm
 【※2】http://news.xinhuanet.com/world/2005-01/04/content_2416051.htm
     http://world.people.com.cn/GB/1029/42354/3097237.html
     http://news.xinhuanet.com/taiwan/2005-01/05/content_2418298.htm
 【※3】http://news.xinhuanet.com/world/2005-01/04/content_2413999.htm
 【※4】http://news.xinhuanet.com/herald/2005-01/04/content_2413317.htm



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 新年明けましておめでとうございます。
 今年も宜しくお願いします。

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 ……ってこんな時間に何をやっているんだ、と言われそうですが、夜型生活を強いられる私にとってはそろそろ夕方といった時間。日課として午前1時からやっている記事集め(この時間からだと前日のニュースをまとめて漁れるため)が完了するのはもう少し後なのですが、今日は仕事がない分かなり早く終わりました。

 何だか年明け早々に面白いニュースが飛び込んできましたね。

 ●中国“日本越境”12鉱区…東シナ海ガス田開発
 http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050101it01.htm

 それはともかく、先ほど集め終えた記事の中に先日お伝えした「愛国者同盟網」による「何ちゃってデモ」(※1)の追加情報があったので、それを簡単に補足してから寝ます。

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 今回のデモの注目点として、糞青が日本国旗を燃やそうとしたら現場警備の公安(警官)に即座に没収されていたことを私は挙げました。いままでは何枚燃やそうが問題なかった「日の丸焼き」がNGになったのは、重大な変化だと思ったのです。

 ところが、NGは日の丸だけじゃなくて、小泉首相の写真も対象だったようです。

 まずは当日の現場写真集をどうぞ。 
 http://bbs.54man.org/dispbbs.asp?boardID=2180&ID=160545&page=1

 この写真の中に、小泉首相の画像(和服姿とか顔だけとか犬のアイコラとか)を用いたプラカード、というより紙か布地が出てくるのですが、あれはどうしたのだろうと私は思っていました。李登輝氏のコスプレ写真に火をつけるぐらいだから、一緒に焼かれた(ただし寒くて火が燃え広がらず、参加者は踏んづけたり破ったりした)のだと考えていたのですが、どうも違うようです。

 ●事件を伝えた台湾・中時電子網の記事
 http://tw.news.yahoo.com/041231/19/1bz77.html

 これを読むと、最後の段落が、

「抗議者たちはもともと日本の国旗と小泉純一郎首相の写真も燃やそうとしたようだが、現場で秩序維持にあたっていた公安に制止されたため、先の台湾の選挙で台聯の宣伝に使われた武士姿の李登輝氏の写真を燃やし、抗議活動の締めとした」

 となっています。

 ――――

 ただ、香港紙『明報』(2004/12/31)の報道だと、

「李登輝氏や小泉純一郎氏の写真を焼き、ビリビリに破いた」(※2)

 とされています。日の丸焼きはNGと考えて間違いなさそうですが、小泉首相の方はどうなったのか……とりあえず連中の現場写真集には焼かれたり破られたりする小泉首相の写真は出てきません。

 『明報』の記事は動詞と目的語がそれぞれ2つあるので、李登輝氏の写真に何をしたのか、小泉首相の写真に何をしたのか、という区別がつかない書かれ方です。小泉首相の写真は何枚もあったようなので、その中に破かれたものはあるかも知れません。ただ証拠写真がないので断定はできません。

 ――――

 だからどうした、というお叱りを受けそうですが、チナヲチのオタにとってはこういう細かいところを探し出してきて、色々考えるのが楽しいのです。

 実際、反日デモで日の丸とともに小泉首相の画像まで「焼却NG」となっていたとすれば、それが政府の意思である以上、やはり対日路線での何事かを示すものでしょう(以前は日の丸も小泉画像も焼却OK)。

 それにしても、こう規制ばっかりでは折角寒い中を集まった糞青たちにしても、不完全燃焼だったのでしょうね。

 ――――

 以上です。寝ます。起きたら近場で初詣でです。もし今年も首相が来ていたら面白いのですが。

 前回書いたように、李登輝氏が12月31日に銀閣寺で台湾独立を目指していることを明言したことは、言うまでもなく政治的な爆弾発言です。でも日本のマスコミはスルーの方向でいくようですが、中国も聞かなかったことにするつもりでしょうか。あれを見逃すとは考えにくいのですが……。

 まあ中国が隠そうとしても、中国語の記事を中国国内の大手掲示板にどんどん貼って回る人たちが必ずいると思いますけど(笑)。

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 【※1】当ブログ「糞青どもの反日デモに重大な変化が!?」(2004/12/31)

 【※2】http://hk.news.yahoo.com/041230/12/182ac.html



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 今年も終わりますね。2004年、日中関係、とりわけ日本にとっては歴史的な変化をもたらした年として記憶されることになるでしょう。

 つまるところ、日中関係は両国の内政事情を反映しつつ紆余曲折を繰り返してきました。中国はともかく、民主主義の国である日本は、「内政事情」を「世論」と言い換えてもいいかも知れません。日本の対中姿勢が画期的に革まった2004年は、とりもなおさず、日本人の対中認識がある段階に達したことを示している、といっていいのではないでしょうか。

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 さて、今回の主題は「李登輝氏訪日」の上にあります。共同通信の報道によると、李登輝氏は今日(31日)、京都に入りし、氏にとって念願のひとつだった学生時代の教官、当時助教授だった柏祐賢・京大名誉教授(97)と61年ぶりに再会を果たしました。
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041231-00000078-kyodo-int

 この報道の末尾にさりげなく書かれている内容に注目です。

「名古屋から京都に到着後、かつて通った京大農学部のキャンパスを見学。『みんな変わった』と感想を述べた。当初、京大本部にも訪れたいとしていたが、警備上の問題で断念した。」

 共同はわざとサラリと流すように書いたように思います。日本側の報道が揃っておらず、また私自身京大の地理について全く通じていないので事実関係はまだよくわからないのですが、台湾の各メディアではすでに大きく報じられていることです。

 メルマガ「台湾の声」から引用しましょう。

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【速報】京都大学が李登輝氏を門前払い

 台湾のテレビ局TVBSの報道によると、李登輝氏は本31日、予定通り母校である京都大学を訪問しようとしたところ、同大学は中国の圧力に屈し、門前払いを行なった。そのため李登輝氏は、校門から10メートル離れた場所から母校を眺めただけで、引き返さざるを得なかった。今日になっての突然の門前払いについて大学側は、自治法によって警察官は構内に入れず、李氏の安全確保に問題があるため、などと説明した。
(『台湾の声』)

http://www.emaga.com/info/3407.html

 ――――

 他の台湾メディアの報道もそうですが、京都大学は李登輝氏によるキャンパスへの立ち入りを「大学自治法」を盾に拒んだと伝えています。警備の警官を学内に入れることはできない、というものです。李登輝氏はともかく、その周囲の人たちは警備なしの丸腰で李登輝氏を学内に入れることは受け入れられないことでしょう。

 共同の報道には、

「京大農学部のキャンパスを見学」
「京大本部にも訪れたいとしていたが、警備上の問題で断念した」

 とありますが、台湾側の報道を総合すれば、李登輝氏は京大本部はおろか、農学部キャンパスにも立ち入ることが出来ず、青春時代を過ごした懐かしい場所を外から眺めることしか許されなかった、ということになります。

 言うまでもないことですが、台湾の各メディアはこれを「中国側からの圧力」と捉えています。中共が直接京大に圧力をかけたのか、外務省あたりを通したのかは知りませんが、過去に慶應大や一橋大において、似たような経緯で李登輝氏の講演が妨害されていますね。

 京都大学留学生会長(台湾人の留学生会でしょうか)の張博文氏は、

「中国から学校側への圧力は最初からあった。でも大学は基本的に自主独立した存在だから、学校側はこれに応じなかった。たぶんそのあと学校側は、より高いところ(訳者:日本政府という意味かと思われる)からの圧力に屈したんだと思う」

 と語っています。キャンパス入りを禁じる、との連絡は、訪問12時間前になってようやくもたらされたものです。

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 とりあえず、現時点で出ている台湾メディアの関連記事URLを以下に示しておきます。

 ●中広新聞網
 http://tw.news.yahoo.com/041231/4/1c0ks.html
 http://tw.news.yahoo.com/041231/4/1c0qe.html

 ●民視
 http://tw.news.yahoo.com/041231/44/1c1q3.html
 http://tw.news.yahoo.com/041231/44/1c346.html

 ●TVBS
 http://tw.news.yahoo.com/041231/39/1c0y5.html

 ――――

 李登輝氏は農学部の近くまで車を寄せて、家族を残し独りだけ車外に出て、入ることを許されないキャンパスを眺めていたそうです。

「改變了好多,一切都不一樣了」(ずいぶん変わった。何もかもがみな(以前とは)すっかり変わってしまった」

 そう呟いていたと、報道にはあります。

 この一件が李登輝氏にとって快いものでないことは言うまでもありません。そして李登輝氏は、もちろん一介の好々爺に過ぎない存在ではありません。「政治活動はしない」という条件での来日許可について台湾では、

「沈黙の旅」

 という報道がなされました。これに対し李登輝氏は反駁して、

「いま話をしないのは、沈黙を貫くということではない。物事の多くはしっかり理解し見極めてから発言しなければならないものだ」

 と語っています。

 ――――

 そして、これはまだ日本では報じられていないのかも知れませんが、、李登輝氏は京大のあと訪れた銀閣寺でついに沈黙を破るのです。TVBSなどの報道によると、

「新しい一年に、台湾は台湾アイデンティティをより強化しなくてはならない。台湾はいままさに転換点の時期を迎えており、思想、文化の面でも新たなスタートが必要だ」(TVBS)
 http://tw.news.yahoo.com/041231/39/1c2vo.html

「今回の旅行は日本をより深く理解する上で大きな助けになった。日本は非常にいい国で、また秩序の整った国家でもある。台湾が新国家を建立する上いいお手本となることだろう」(中央社)
 http://tw.news.yahoo.com/041231/43/1c323.html

「李前総統は、新年を迎えるにあたっての新たな希望は、台湾が新しい国家を建立できるようになることに他ならないと語った」(中広新聞網)
 http://tw.news.yahoo.com/041231/4/1c36j.html

 ええ、政治家・李登輝の活動がついに始まったということです。

 ――――

 私は京大の李登輝氏受け入れ阻止にかなり腹を立てているのですが、事実関係も十分に確認されていないことですし、おめでたい新年も目前に迫っている訳ですから、このぐらいにしておきます。

 自分にとっての「備忘録」のつもりで始めた、この拙いブログを皆さんに読んで頂いていることに驚くとともに、心から感謝しています。

 皆さんをはじめ、心ある日本人の方々、そして日本と日本に親近感を寄せてくれている国や人々にとって、新しい一年が幸あふれるものになることを祈っています。

 ――――

 一方で、チナヲチをしているときの私にとっては、中共と支那人(漢族)は実験室のマウスにすぎません。それを踏まえた上で言いますが、中共と支那人、そして中共を応援する連中にとって、新しい一年が「惨」「禍」「死」「滅」で彩られる悪夢の日々となることを、誠心誠意、念入りに希求しておきます。

 私も微力ながら、そのお手伝いを今年以上にたっぷりとしてあげます。期待していて下さい(笑)。

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 それでは皆さん、よいお年を。私もこれから年越し蕎麦です。



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 えー速報ばかりなんですが、今度は北京でデモです。デモ速報……ていうほど速くもないですか。

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 厳密には「なんちゃってデモ」ですね。例によって糞青集団、「愛国者同盟網」(愛盟)の残党が、今月20日に続いて昨日(30日)、李登輝氏(及びダライラマ)の訪日に対する抗議デモを実施しました。場所はもちろん日本大使館前です。「糞青」とは当ブログによく出て来る単語ですが、改めて説明しますと自称愛国者の反日信者です。

 再高気温零下4度という寒空の下、みんな頑張ったようです。写真はこちら。

 http://bbs.54man.org/dispbbs.asp?boardID=2180&ID=160545&page=1

 プラカードが知的水準を反映している?そんなこと言っちゃあいけません。それよりも韓流なるものを反映してか、主要メンバーらしき連中の中に短髪にして太らせたヨン様がいることに注目です。ええ抗議文のようなものをポストに投函している彼です。

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 大使館員に直接手渡せなかったのは、たぶん大使館が仕事納めを終えて正月休みに入っているからでしょう(12/29-01/03)。もう二日早ければ手渡しができてマスコミの絵にもなったのに(※1)。敵を知り己を知れば百戦危うからず。糞青どもはまず孫子を読むべきです。

 それからイメージ戦略も。不細工なオッサンばかりじゃないですか(人の事言えるか>自分)。「喜び組」のような……て無理ですか。でも華が欠けると、往々にして写真なしの記事にされてしまうんですよねぇ。

 ああそれから日本語の勉強も忘れずに。「ならず国家」って何?(笑)

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 さてこの「愛盟」、反日サイトの総本山としてブイブイ言わせていたのですが、在来線高速化計画への日本企業参加反対のネット署名をやったため、HPを8月29日に強制閉鎖させられました(※2)。で、一時大人しくしていたのですが、秋口に今度は「青年先鋒網」という名前で別ドメインによるサイトを開設、現在に至っています。

 江沢民は連中を暴れさせることで反日キャンペーンの尖兵というか、反日紅衛兵として使っていた観がありました。昨年夏の毒ガスなんたらでネット世論を盛り上げる柱になったり、新幹線導入反対のネット署名をしたり、集団売春事件で騒いだのもこの連中です。それから8月のサッカーアジアカップにおける「反日」の音頭取りも「愛盟」主導によるもの。反日の総本山たるだけの実績があります。

 一方で「愛盟」は以前から尖閣諸島奪回を呼号する組織「民間保釣聯合会」(これも江沢民の反日紅衛兵でしょう)と緊密な連携を保っており、この組織が尖閣上陸を企図するたびに情報発信役を務めたりしています。今年魚釣島に上陸して逮捕されたメンバーにも、「民間保釣聯合会」とともに「愛盟」あるいは「愛盟」に近い者がいた筈です。

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 ところが、江沢民が9月の四中全会で引退したことで風向きが変わりました。腹心を要職に送り込むことすら出来ない甲斐性なしの江沢民に、トウ小平のような院政を敷ける訳などありません。

 糞青たちにとって不幸だったのは、再三ここで指摘していますが、後を継いだ胡錦涛政権が「強権政治・準戦時態勢」を志向し、民間の先走りを嫌う方針を打ち出したことです(※3)。

 対日外交もそれまでの「反日」「歴史問題」一辺倒から、「歴史を鑑に、前向きに」の現実路線へと大きく舵が切られました。要するに「反日度」がレベルダウンしたのです。

 これでは「愛盟」も逼塞するしかありません。逮捕されたりはしないものの、ネット上での署名活動はもちろん、「反日」言論にも統制が加えられ、街に出ての反日活動などはもってのほか、という強いお達しがあったのだろうと思います。

 傍証として、尖閣再上陸を狙った「民間保釣聯合会」のメンバーが、浙江省・南通市で船を出そうとしていたところを地元の武装警察に急襲され、故なく拘束されたという事実があります。

 ――――

 しかし、2度にわたる日中首脳会談を経て、胡錦涛政権の「反日度」がやや強まり、外交部報道官がそれまでタブーだった「靖国神社」を晴れて口にすることができるようになりました。糞青にとっても「やってはいけないこと」が少し減ったのでしょう。

 日中関係が好転する兆しを見せないまま、靖国だ靖国だと言いつのる胡錦涛や温家宝も、糞青を利用しようという考えになったのかも知れません。もちろん先走りは断固許さないけれども、「何ちゃってデモ」ぐらいならよかろうと。それで12月20日、そして今回(12月30日)のデモが許可されたのだと思います。

 私が連中のデモを「何ちゃって」呼ばわりするのは、政府の思惑に基づいたものではあるものの、政府の「本気度」はかなり低く、一方で糞青の動員力など数十人規模ですので、示威活動といっても多寡が知れているからです。

 所詮はオママゴトなのです。もし胡錦涛が本気で官製デモを打つなら、北京の大学生を動員しバス数十台に乗せて現場へと運び、大使館を取り囲ませ、大騒ぎさせたことでしょう。米軍によるユーゴの中国大使館誤爆事件のときのように、です。

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 それをせずに糞青でお茶を濁したのは、胡錦涛政権の手に有効な対日カードがないため(あってもいまは使わないとか)、「反日度」をいまなお抑制せざるを得ないからでしょう。外交部報道官が多分「A日」か「K同」所属の日本人と思われる記者の誘い水をスルーした(※4)のも同じ理由からでしょう。

 ●靖国解決なしに決定せず 新幹線で中国全人代副委長
 http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2004122801003526

「日本の新幹線を買いたくて買いたくて仕方ないのに、靖国問題があるから買えないじゃないか。お願い、何とかして」

 と政府要人が言わなければいけないくらい、手詰まりのようです(この件、中国国内では報じられていません)。で、こういう状況ですから、糞青の「何ちゃってデモ」にも制約がかかるのです。……長過ぎる前フリですみません。

 ――――

●日本大使館前で抗議行動(産経新聞)
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 台湾の李登輝前総統の訪日とチベット仏教の精神的指導者、ダライ・ラマ十四世の訪日計画をめぐり、北京の日本大使館前で三十日、約五十人の中国人グループが日本語で「日本はならず国家」と非難する横断幕を掲げて、日本政府と小泉純一郎首相に対する抗議文を読み上げたほか、李前総統を皮肉ったポスターを焼くなどの抗議活動を行った。(北京 野口東秀)

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041231-00000008-san-int

 ――――

 単に「日本を非難する横断幕を掲げて」とせず、
「日本はならず国家」をそのまま記事にした記者、なかなかツボを心得ています(笑)。で、この報道を見ただけで「おやっ?」と思った人に私は賛辞を惜しみません。

 ロイター電(中国語)も、「横断幕を掲げた」「李登輝氏の写真を焼いた」と報じています。

 http://hk.news.yahoo.com/041230/3/1826h.html

 ちなみにデモ写真スレに行ってみた方はおわかりのように、糞青が焼いた李登輝氏の写真は例のコスプレバージョンです。……って、連中が焼いたのはそれだけ?

 ということで、台湾TVBSの報道を全訳します。テレビのニュースですから「ですます」調でやってみますか。

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大陸の反日団体 李前総統の写真を焼く
2004/12/30(TVBSニュース)
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 日本政府による李登輝前総統へのビザ発給に抗議するため、大陸(中共)の反日団体が今日(30日)の午後、再び北京の日本大使館前へと足を運びました。参加者は日本大使館に抗議文を手渡し(訳者注:してないしてない)、さらにその場で李前総統の写真を焼いたりしましたが、当時現場を固めていた大陸の公安(警官)たちは、これに冷めた視線を送るばかりで、反応を示しませんでした。
 今回の活動に参加したのは、10日前、日本政府による李前総統へのビザ発給に対して抗議活動を行った大陸の反日団体です。前回の参加者約50人(訳者注:多すぎ。これだとプレスと野次馬の人数も入っている)が、今日の午後再び日本大使館前に集まり、立法委員選挙で使われた武士のコスプレをした李前総統のポスターにその場で火をつけました。
 ところが、零下5度の寒さのせいか、参加者が李前総統の写真に火をつけても、なかなか燃え上がらずにすぐ消えてしまいます。このため参加者たちはやむを得ず、写真を踏みつけることで怒りを表現していました。
「これは分裂分子李登輝の和服姿の写真だ。誰であろうと、祖国分裂を企てる奴らは絶対にまともな終わり方をしない」(参加者の一人)
 今回の抗議活動を主催したのは、大陸で有名な反日団体「愛国者同盟網」です。その北京支部のメンバーである林漢京さんによれば、
「李登輝とその取り巻きが27日に訪日したけど、李登輝は日本で自分が日本人だと触れ回っている。それから台湾独立に関するコメントや売国奴的な談話も発表している」
 この抗議活動の参加者たちは李前総統のポスターのほか日本の国旗も持参しており、これも燃やそうとしましたが、現場にいた公安にそれを見つけられ、日本国旗は没収されていました。
 李前総統に対する日本政府のビザ発給については、大陸の外交部が抗議を行ったほか、こうした政府公認の抗議活動も、大陸の民衆の間で「反・李登輝」の声を高める上で一役買っています。

http://tw.news.yahoo.com/041230/39/1bx5s.html

 ――――

 という訳で、寒さに嫌気したかのようなロイターの紋切り型報道は失格。産経は短文ながら、某巨大掲示板でいかにも好まれそうな「ならず国家」をそのまま記事にしたことで評点が高いです(「抗議しる!」の線を狙った?)。しかし、MVPはやはり公安による「日の丸没収」の瞬間を見逃さなかったTVBSでしょう。

 たぶん現場で警備にあたる警官たちには「ここまでは手を出さなくていい。こういうのはNG」というデモ参加者に対する規制ガイドラインのようなものが伝達されていて、日本の国旗を燃やすことはNGだったのでしょう。この行為、以前は平然と行われていたものですから、今回それを政府が許さなかったことは非常に重要です。これも先に述べた「手詰まり」あるいは「反日」抑制を反映したものか、とにかく大事な目安だと思います。

 ……ここまでダラダラと書いてきて言いたいことはそれだけ?と言われそうですが、それだけなんです。日の丸を焼かせなかったのは、そのくらい注目すべき重大事だと、私は思うんですけどねえ。


 ――――


 【※1】中国ではデモは申請して認可されなければいけません。日本大使館が正月休みに入ったタイミングにわざわざ合わせて中国当局が許可を出した、というのは……やっぱり考えすぎでしょうね。糞青も「打倒小日本!」「支持!」「頂!」「頂!」「狂頂!」なんてことばかりやっていないで、地道に情報集めたり日本語勉強すればいいのにと思います。

 【※2】当ブログ「反日サイトの総本山を中国当局が閉鎖!」(2004/09/01)。「愛国者同盟網」HPの強制閉鎖、私はいまでも江沢民の敗北を示す出来事のひとつと考えていますが……牽強付会ですか、そうですか。でも「民間保釣聯合会」とかいくつかの行動的な反日サイトも、そのときに足並みを揃えて一定期間の論壇封鎖を喰らってるんですよ。知識人への言論統制に先立って大物の劉暁波氏を一時拘束したように、当局から糞青に対する「絶縁宣言」(これからは容赦しない)だと私は思うんですが……まあいいです。

 【※3】当ブログ「新華網の『新防衛大綱特集』が示すもの」(2004/12/13)。そうですこれを書いてからまだ20日も経っていないんです。李登輝氏の来日で王毅の「戦争メーカー」発言、それに新華社が署名論評を出したりして盛り上がった観はありますけど、基調は「抗議&事態の推移を見守る」ですから、胡錦涛政権の「反日度」は多少ブレながらもまだ一線は超えていように思います。江沢民時代に比べればヌルいヌルい。という訳で李登輝氏の再来日、ダライラマ来日、そして李登輝・ダライラマ会談をやった上で李登輝氏の靖国参拝。……と「桜の季節」にイベントを重ねて胡錦涛をマジギレさせて、そのあと武士の情けということで、小泉首相の靖国参拝、これでトドメを刺して欲しいところです。

 【※4】当ブログ「御注進の実例――邪推ですよね?」(2004/12/29)。



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 李登輝氏のニュース、日本では自粛されてるのかどうか知りませんが、台湾のヤフーに飛べばいくらでも拾えます。一応紹介しておきます。

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 ●到着当日は名古屋駅の上にあるホテルに投宿したようですが、早くも葛西敬之・JR東海会長がお忍びで訪ねてきて密談。台湾の新幹線に関する件のようです。
 http://tw.news.yahoo.com/041228/39/1bhmc.html

 ●2日目の午前はホテルがリクエストに応えて特に用意した和風の朝食。
 http://tw.news.yahoo.com/041228/43/1bgkg.html

 ●そのあと、李登輝氏は午前中いっぱいを訪客との応接に追われたようです。訪問者として評論家の桜井よし子氏の名前が上がっていましたが、政府関係者はいなかったとのこと。
 http://tw.news.yahoo.com/041228/43/1bgkg.html

 ●その間、李登輝氏夫人と孫娘は近くの高島屋でショッピング。真っ先に11階の新星堂へ行き、CDやDVDを購入。念願だったようで、買いたいもの一覧をメモで準備してきていて、店員さんに揃えてもらったそうです。そのあとはインテリアコーナーを興味深く見物。
 http://tw.news.yahoo.com/041228/43/1bgkg.html

 ――――

 ●午後は一同揃って名古屋城や徳川家康美術館を見学。李登輝氏は京都大学在学中に学徒出陣で出征して配属されたのがこの名古屋(高射砲部隊/陸軍第10軍司令部の見習士官)ということで、天守閣に登って「この辺も変わったなあ。兵舎はどのあたりだったか」と感慨深げの様子。「この城のそばに(高射砲が)あったんだが」と探してみたりしたものの、結局はわからなかったようです。
 http://tw.news.yahoo.com/041229/15/1bkvz.html

 ●天守閣では遠くを指差して「関ヶ原はあっちだよ」と孫娘に教えて、その由来を色々説明してあげたとのこと。
 http://tw.news.yahoo.com/041229/15/1bkvz.html

 ●そのあとは徳川美術館を見学。
 http://tw.news.yahoo.com/041229/15/1bkvz.html

 なんだか自分がパパラッチになった気分になってきましたのでこの位にしておきます。でも台湾のメディアはこんな感じです。氏の日本到着前から宿泊先を突き止めて電話取材をしたり、多くのメディアが取材班を出すなどして精力的に取材しています。

 でも扱いは好意的に、何と言うか好々爺の「センチメンタル・ジャーニー」(回憶之旅)といったテイストの報道で、エピソードも微笑ましいものが多いです。

 いまヤフー台湾のニュースサイト(新聞)をのぞいたらいきなりトップページに名古屋城の写真が出ていましたし(笑)。
 http://tw.news.yahoo.com/

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 ところで、来日する際の機内では日本の記者団に日本語で応えていた李登輝氏、

「将来どういう名目で行けるか分からないが、もっとおもしろい状態になるでしょう。おもしろいビザをもらってもう少し、深く日本を見る」
 http://www.sankei.co.jp/news/041227/sha090.htm

 と、到着前から次回訪問に思いを馳せていたようですが、さすがに言うことが意味深長で凄みもありますね。

 次回といえば、香港や台湾では、李登輝氏が来年に再来日するという報道がここ数日流れています。香港は『明報』、台湾は「中広新聞網」によるものですが、どちらも元ネタは『東京新聞』です。李登輝氏に近い筋の話として、来年の春、桜の季節に東北の奥の細道などを訪ねてみたいと李登輝氏が語っていたそうです。

 ●『明報』
 http://hk.news.yahoo.com/041227/12/17yzu.html

 ●「中広新聞網」
 http://tw.news.yahoo.com/041228/4/1bf7c.html

 中国語に翻訳されていますので詳細は不明ですが、もし元ネタである『東京新聞』の記事を読まれた方は御一報頂ければ幸いです(※1)。

 それにしても「来年の桜の季節」というのは、常識的に判断してやはり2005年春、ということですよね。ダライラマとのニアミス、あるいは接触があれば面白いですね。再来日だけでも胡錦涛の顔は引きつるでしょうが、ニアミスとなればマジ切れするかも知れませんね(笑)。

 しかも桜の季節、東北巡りとなれば成田から入ってまず東京で一泊。靖国参拝があっても不思議ではないですね。そのあと奥の細道ですからまずは芭蕉庵跡とか芭蕉博物館に来るのでしょうか。おお謝天謝地、そこは拙宅からだと川を渡ってすぐなんで、これは楽しみです。名古屋には行けませんでしたが、芭蕉庵なり靖国神社での歓迎OFF会、やることになれば絶対参加したいところです。

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 さて一方の中共ですが、とうとう焼きが回ってきたようですね。反応がだんだん率直になってきました(笑)。

 ●靖国解決なしに決定せず 新幹線で中国全人代副委長
 http://flash24.kyodo.co.jp/?MID=RANDOM&PG=STORY&NGID=poli&NWID=2004122801003526

 素直が一番。そうあるべきです。よせばいいのに他国の内政に首なんか突っ込むからジバク状態になるんです。ジバクは自爆でも自縛でもお好みでどうぞ。

 例のチナブタ(劉建超外交部報道官)もぐだぐだ言ってましたけど、恫喝めいた言辞を弄する割にODAには未練たっぷりのようです(笑)。
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2004-12/28/content_2388685.htm

 チナブタの記者会見はこちら。提灯持ちのような質問をしている阿呆な記者、日本人だと思うのですが誰だか知りたいものです。早くもチナブタと阿吽の呼吸じゃないですか。
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2004-12/28/content_2389032.htm

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 日本のことは構ってくれなくて結構。そんなことよりまず自国民をケアしなさいよ。でないと見限られちゃいますよ。

 ●中国の水質汚濁、深刻 3億人の飲料水が不適
 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041228-00000014-kyodo-soci

 ざっと3人に1人の農民が人間の飲料水としての基準に達していない「水めいたもの」を毎日飲んでいるということですね。さらに人口百万人以上の全国32都市のうち、実に30都市が慢性的な水不足で頭を痛めているというのですから、これは深刻ですよ。まさに水飢饉(※2)。

 胡錦涛、温家宝、お前ら民のために働くって偉そうなこと言ってたよな。なら御得意の科学的発展観で早いところ何とかしろ。厳命。

 ま、本当は何もしない方がいいんでしょうけどね。お楽しみはこれからです(紋切り型)。


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 【※1】メルマガ「台湾の声」あたりに出ていたのでしょうか。私はあれをうっかり見逃して削除してしまうことが多いので。

 【※2】http://news.xinhuanet.com/newscenter/2004-12/27/content_2386319.htm


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 李登輝・前台湾総統が来日されたようですね。

 気もそぞろと言いますか、仕事も手につかない状態で某巨大掲示板の関連スレを眺めていました。NHKでも報道されました。ダンディーな装いでしたね。思いのほか歓声が高かったのでしょう、ちょっと足を止め、わざわざ帽子を脱いで手を振っていました。

 李登輝さん、ようこそいらっしゃいました。

 華人社会において初めて民主主義を実現したという意味において、李登輝氏は歴史に残る哲人政治家でしょう。

 親日かどうかに関係なく、私の尊敬する人物です。その李登輝氏が、念願久しかった再来日を果たされたことは、私にとっても無上の喜びです。

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 私は21世紀の初日である2001年の元旦を台北で迎えたのですが、マンションの下から流れてくる大音量の音楽に叩き起こされました。

 急いで窓に駆け寄ると、なんと五星紅旗を左右に立てた街宣車が遠ざかっていくのが見えました。

 けたたましい音楽は、中国の国歌だったのです。

 そのときに、ああ台湾というのは自由の国なんだ、と改めて思いました。

 以前、香港の友人たちはしばしば香港がいかに自由かを私の前で力説しました。報道の自由、言論の自由、思想の自由、宗教の自由……しかし香港には肝心な、自分たちの代表を選ぶ権限がありません。

「だからお前らは所詮は如来の掌の上で飛び回る孫悟空なんだよ」

 と私はその都度、意地悪い言葉を返していたのですが、昨年7月に50万人規模のデモ行われ、香港人の中で急速に政治意識が高まりました。よほど身に沁みたのか、昨年からは一転して「香港には民主がない。普通選挙もない」と私にこぼすようになっています。

 香港に自由なんかありません。街宣車でなくても青天白日旗なり緑色の台湾の旗なりを掲げれば、それだけで逮捕されます。

 台湾に比べて、なんと器の小さな、上っ面だけの自由であることか。

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 私人とはいえ、一身を以て中共を極度の神経過敏にさせる人物というのは、李登輝氏しかいないのではないかと思います。

 どうかのんびりと日本を楽しんで下さい。

 旅の途上では、例えば私が綺麗な御辞儀をやろうとしてもできないように、日本人の変化を残念に思われることがあるかも知れません。でも空港でのあの高い歓声が示すように、ゆっくりとではありますが、日本人は本来の姿へと戻りつつあるように思います。

 台湾のマスコミはパパラッチ(ただし好意的な)同然に李登輝氏一行を追いかけるのでしょうが、その一方で日本人の声を是非たくさん拾って、多くの日本人が李登輝氏の来日を心から歓迎していること、多くの日本人が台湾の行く末を気にかけていることを、しっかりと台湾社会へ伝えてほしいと思います。


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 速報です。新華社の署名論評が出ました。

 内容は標題そのまんま。要するに中共の李登輝氏訪日に対する抗議のトーンが上がった、ということなんですが、注目すべきは、以前は知らず、近年であれば他に例のない激しい表現が使われているということです。

 前回の「A級戦犯の息子」にもひっくり返りましたが、こちらの方が激烈です。
 とりあえず全文訳しました。御一読下さい。

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短評:「台独」を容認する狙いはどこに(新華社・呉谷豊記者)

2004/12/24/10:55:29(新華網)
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 【新華網東京12月24日電】日本政府は中国政府による近日来の厳重な抗議を顧みず、李登輝の来日に「観光」ビザを発給した。日本政府のこの誤った決定は、「台独」勢力に誤ったサインを送ることになり、中日関係に深刻な障害をもたらす。これは、日本政府が「台独」を容認し、中国の平和的統一という大業を目にしたくないことを示すもの、としか言いようがない。これに対し、中国人民は警戒を強めない訳にはいかない。

 日本政府は、李登輝が「普通の市民」であり、ビザ発給を拒否する「理由がない」という。周知の通り、李登輝は台湾島内では急進的な「台独」勢力の総代表であり、中台関係とこの地域の安定を破壊する人物である。国際的にも徹頭徹尾のトラブルメーカーだ。日本政府がこの悪名高き政治的人物を普通の市民とする論法は、もとより成り立たないものだ。

 日本政府はこれまでずっと、口では一つの中国政策を堅持する、「台湾独立」を支持しないと言いながら、陰では「台独」を容認しており、あろうことか現在、李登輝が来日して中国分裂を目指す活動に従事することを容認した。言うまでもなく、日本政府が李登輝の日本での活動を認めたことは、
「中日共同声明」など中日間で取り交わした3つの政治的文書の基本原則に背いたものであり、中国の平和的統一という大業に対する挑戦だ。また同時に、中日関係に深刻な損失ををもたらした。

 日本の小泉純一郎首相は就任以来、国内世論とアジア各国の強い反対を顧みることなく、4年連続で靖国神社に参拝し、中日関係を「政冷経熱」という不正常な状況に変化させた。中日両国は一衣帯水の隣国同士であり、中国政府はこれまでずっと中日友好の外交方針を貫いてきた。日本の指導者も日中関係の発展は大変重要なことだ、中国の発展は日本に対する脅威ではなくチャンスなのだ、と発言してきた。しかしその一方で中国人民の感情を傷つける行為を絶えず行い、両国の関係発展における障害を生み出し続けた。日本政府がトラブルメーカーである李登輝の訪日を許可することは、必ずや中日関係に新たな面倒をもたらすことだろう。

 中日関係を発展させれば「双方いずれにも有益」な共同発展を実現できる。中国経済の急速な発展が日本企業に巨大市場をもたらし、日本経済の回復にも利するものであることは事実が証明しているところだ。中日両国が展開している経済的協力は相互補完というメリットが大きく、それは両国の根本的利益にも合致する。だが日本側による一連の誤った振る舞いは中日関係の政治的基盤を動揺させ、両国の経済協力の面においてもマイナスの影響を及ぼしている。

 中日関係の改善には双方の共同しての努力が必要である。日本が絶えず中日関係に面倒をもたらしていることは、必ずや自業自得という結果を招くことだろう。

 http://news.xinhuanet.com/world/2004-12/24/content_2375635.htm

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 恫喝的な物言いに腹を立ててはいけません。ポイントはそこではなく、

「『中日共同声明』など中日間で取り交わした3つの政治的文書の基本原則に背いたもの」

 という部分です。以前も含めて、私はチナヲチしている間にこの表現を目にしたことはありません。

 例えば昨年のちょうど今頃、森喜朗前首相が台湾を訪問し、李登輝氏らと会ったりしています。このことに対する中国政府の抗議声明(※1)では、

「『中日共同声明』など中日間で取り交わした3つの政治的文書の基本原則を遵守するよう要求する」

 であり、「違反した」「背いた」とは言っていません。今年の元旦に小泉首相が靖国神社を参拝したときに中国外交部が出した抗議声明(※2)では、「『中日共同声明』など中日間で取り交わした3つの政治的文書」という文言すら登場しません(※3)。

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 これはランク付けがあるんだと思いますが、とりあえず私が目にした範囲で位置付けすると(本当はもっと強い表現がある筈です)、

 (一)「中日共同声明」など中日間で取り交わした3つの政治的文書の基本原則に背いた
 (二)「中日共同声明」など中日間で取り交わした3つの政治的文書の精神に背いた
 (三)「中日共同声明」など中日間で取り交わした3つの政治的文書の基本原則を遵守するよう要求する
 (四)上の文言自体が出てこない。

 つまり元旦の小泉首相による靖国参拝よりも、森前首相の訪台を大事だと中共が判断したことになります。

 そして、今回はそれを遥かに上回る重大事件とみていることになります。胡錦涛政権の対日政策の変化が俄然現実味を帯びてきたようです。あるいは内部で何か起きている可能性もあるかも知れません。

 現時点でこんなにトーンを上げてしまうということは、次回はもっとびっくりさせてくれるネタを用意している、と期待してもいいのでしょうか(笑)。まあ今回は新華社の論評であって政府見解にはあたりません。あるいは、外交部の声明として今回のような内容のものが出るのかも知れませんが、それじゃあつまらないですね。

 それにしても、中共がそんなに嫌がるのなら、やはり李登輝氏にはガンガン政治活動をしてもらいたいところです。

 だって(一)より激しい措辞を見てみたいじゃないですか(笑)。


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 【※1】http://big5.xinhuanet.com/gate/big5/news.xinhuanet.com/newscenter/2003-12/25/content_1248416.htm

 【※2】http://news.xinhuanet.com/newscenter/2004-01/01/content_1256873.htm

 【※3】「中日共同声明」など中日間で取り交わした3つの政治的文書云々が靖国参拝に対する抗議声明に出てこないのは、首相の靖国参拝がそれらに全く違反していないからです。要は法的根拠(条約や共同声明など)のない抗議ということになります。



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