日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 一週間ばかり、中国と直接関係のないことに首を突っ込んでおりました。本業は相変わらずダラダラやっていますが、単発の副業仕事が入ってそれに没頭。

 納期守って約束通りの仕事をしたら、作業の割には過分な報酬を頂きました。折しも配偶者は香港へ帰省中。おおお、これぞ正に天与の機。……てな訳で大散財。デジカメだのストロボだのプリンターだの外付けハードディスク2台……などを購入して仕事環境の向上を実現しました。

 それからカレン族・Lさんとの「朝食会」が盛り上がっています。互いにやることがあり頻繁に開けるものでない分、毎回とも密度の濃い内容です。

 Lさんのお陰で、私はミャンマー(ビルマ)の軍事政権に弾圧されている少数民族という視点から中国を眺めるという稀有なポジションを持つことができました。LさんはLさんでカレン族としての思いが強く、また日本在住ゆえ日本人にもっと事態を知って欲しいという気持ちがあったようで、互いに渡りに船といったところでしょうか。

 Lさんによると、軍事政権は中国からの資金・武器援助によって装備の強化を進めており、最近は難攻不落と信じられていたカレン族の一拠点が、中国からもたらされた火器および化学兵器による軍事政権側の攻勢で陥落してしまったそうです。お決まりの人権弾圧も厳しくなるばかりとのこと。

 日本人としては、中国がミャンマーを事実上属国化し、インド洋に出やすい港湾を租借することに神経質にならざるを得ません。その港に潜水艦や空母戦闘群を配備することで、中国は周辺海域における存在感を高められることになります。インド洋で通商破壊戦も行うことができるようになりますし、シーレーンという観点に立てばミャンマーは台湾と同等の価値を持つといっても過言ではないでしょう。

 ……そんなことを語り合っているうちに、

「御家人さんをカレン族の正月を祝う集まりに招待します。12月にやります。一緒に行きましょう」

 とLさんが言い出し、いやでも私は外国人だし……などと言っているうちにLさんはミャンマーの家で留守を守っている奥さんに連絡し、Lさんの分も含む民族衣装2着が日本に届けられてしまった次第。うーん嬉しいのですがいいのでしょうか。

 ともあれ、それなら私はカレン族の士気を高めるためのお土産を準備しないと、と考え、イラストレーターというソフトと組み打ちをしている間に一週間が過ぎていました。

 取っ組み合ったついでにかようなロゴめいたものも作ってしまいました。「大毒草」とは御家人ブランドとでも申しましょうか、とにかくジャンルを問わず私の制作物全てに本来掲げるべき商標のようなものです。

 

 ロゴ下の一節が気になるところでしょうが……ええ、そのまんまの意味です。あとは解釈次第(笑)。最近は外で活動することが増えてきたので、そのための名刺を制作する破目となりました。

 デモとかOFF会に出たときにも便利ですし、コソーリ活動用の日本人名もつい最近、風水師のY老師に新たにつけてもらったので、衣替えのタイミングもちょうどよかったです。

 ――――

 この一週間、自宅で仕事をしている間は私が贔屓とする「いきものがかり」の新しいシングルを聴いたりしていたのですが、それよりもニコニコ動画にハマってしまっています。

 例によって「初音ミク」、ということになりますけど、この話題はずいぶん前に1回やって(あのときは盛り上がりましたね)、ちょっと前にニコニコ動画関連でもう1回、さらに最近も「初音ミク」メインで1回やっております。私自身は1回目のときに「オサーンホイホイ」を教えてもらい「HMO」さんの作品にのめり込んでしまいました。オケが安定していますし「高橋ミクヒロ」な調教上手にも魅かれたのです。

 そのうちにCD発売=メジャーデビューを果たした「doriko」さんの楽曲が表現する「透明感&まっすぐ感&切なさ満点」に傾倒してしまいました。

歌に形はないけれど

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夕日坂

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 いずれも歌い手は「初音ミク」なのですが、ニコニコ動画には「~を歌ってみた」というものもあり、これは「初音ミク」の部分を肉声で歌う、要するにカラオケ披露のようなものです。

 これは歌う人によって声質や表現力が曲のイメージと見事にマッチしていると素晴らしい作品となります。「いきものがかり」は路上ライブからメジャー昇格となったのですが、歌うのが「初音ミク」であろうと生声であろうと、これはこれで路上ではなく「ネット上ライブ」といっていいでしょう。「doriko」さんその他のような実例もあります。

 で、ここからが本題。その「~を歌ってみた」で「HMO」さんと「doriko」さんの作品を見事に歌い上げた人がいます。御存知の方も多いかと思いますが、女性ボーカルの「Φ串Φ」さんです。

 私の場合は「HMO」さんの作品「電空少女」でその存在を知って色々聴いてみたのですが、表現力がこの半年で長足の進歩を遂げていて驚かされます。いまは単に上手に歌うだけではなく、楽曲の色に合わせて声に演技させるような技巧さえ身につけてしまっています。恐れ入谷の鬼子母神。

 せっかくなので下に置いておきます。とりあえず私の好きな「電空少女」「モノクロアウト」「サンドリヨン」「夢一夜」をば。コメントがうざったい場合は画面右下に出るヒヨコ&吹き出しマークの「COMMENT」をクリックすれば消えます(推奨)。個人的には男性ボーカルとのコラボである「サンドリヨン」がたまりません。

















 いずれも原曲は「初音ミク」などボーカロイドが歌っているのですが、全てオリジナル曲であることも凄いと思います。


 こういうレベルの高いものを作る実力派のアマチュア(同人)がプロに吸収されていきます。

 ●アマチュアでも高いレベルの人がいる。
 ●ニコニコ動画のような、アマチュアでも作品を不特定多数の「観客」の前で発表する場所がある。
 ●新人発掘を狙うプロ(業界)もアマチュアの動向にいつも注目している。

 日本のACG業界が強い理由のひとつはここにあると思います。




 ……という趣旨のメッセージを私は香港に向けて折をみては発し続けているのですが、如何せん仕事仲間も読者もアキバ系止まりで次の段階に進めていません。一般には単に作品を云々するばかりで、業界を成長させる構造や社会的な要因まで考えが及びません。

 悪い言い方になりますが、香港でサブカルチャーのメディアなんて賎業に携わっている面々は往々にして一般教養を含めて偏差値低いですし発想も貧弱で他の業界では到底戦力にならない連中。……といったことと無関係ではないでしょう。

 わずかに現地メーカーのPCゲームのクリエイターやコミックの同人をやっている読者などが敏感に反応してくれる程度です。

「初音ミクのコスチュームってさ、あのDX7がモデルだって知ってた?」

 と本業副業合計20数名の香港人に尋ねたところ、例外なく「それは何ですか?」「DX7って何ですか?」という回答が返ってきたときの無力感といったら……orz。そもそもこいつらの中で何か楽器を使えるのは私だけ。

 まあ、いまはどうだか知りませんが、香港は英国植民地時代に教育を受けた連中は五線譜も読めませんし、アマチュアは発表の場すら満足に与えられていません。となれば当然ながら業界にもアマチュア層から新人発掘、という発想には行き着きませんので、さもありなん、といったところです。

 アニメ・コミック・ゲームの略称である「ACG」に限っていうなら、東アジアにおいては「とてつもない日本」といっていいと思います。

 たまたまレベルの低い香港や台湾で頼まれて文章を書いたら予想外の高い評価を得たことでつい安逸に流れ、何の分野であれその「とてつもない日本」に挑む好機をみすみす放棄した私は自業自得。賎業がお似合いです。……「初音ミク」に限らずニコニコ動画の秀作の数々を観るとどうしても、そのレベルに舌を巻く一方で、後悔に似た苦い思いをせずにはおれなかったりします。

 だからといって酒色に溺れるなんてことはありませんが、もしかすると、このブログを書くことが一種の憂さ晴らしになっているのかも知れません。





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 この間の日曜日、10月19日に渋谷で開かれた三民族連帯デモに出かけていって、驚いたことがひとつあります。

 参加者250名(主催者発表)という小規模なものですから、参加者はデモの趣旨に関して濃い面々,当ブログでいうコアユーザーばかりです。

 それなのに、普通の格好で集合場所に姿を現わす人が結構多かったのです(集合場所でカンバッジをつけたり、旗をバッグの外側に装着したりしていました)。若い人も、私のようなオサーンも。……あ、鎧武者さんとかはもちろん例外(笑)。とはいえ、あの格好で街を歩いていて「お、フリーチベットの人だ」とすぐわかる人がどれほどいるかは甚だ疑問ですけど。

 私は以前書いたように、フリチベとか東突系のTシャツに、直径10cmのカンバッジを胸につけたシャツを羽織るのが普段着であり仕事着。

 東京ゲームショウの取材のときもそうでしたけど、ひどく気楽な業界なので(少なくとも私が接している連中は)、普通に都内で打ち合わせをするときも同じような格好で出かけています。どうせ相手もアロハにサンダルとかいった風体で出てきますから。

 それはともかく、私が「普段着=仕事着」でごく日常的に外出しているのはちょっと異常なのかな、やり過ぎなのかな……と、つい考えてしまいました。余りに直球勝負な出で立ちですからね。何も知らない人が見たら、鎧武者さんよりフリーチベット度はずっと高い筈ですし。

 そう思いつつも結局は「普段着=仕事着」で都内を回っているのですが、幸いこれまでにトラブルめいたものには全く遭遇していません。

 ――――

 夜間もまた然りで、近所のコンビニを回る「絨毯爆撃」は相変わらず続いています。ただ以前書いたように活動内容が変質してしまっているのですけど。……でもそれはそれで面白いということで、対象を限定。話をしていて面白い中国人の出勤日に合わせての夜回りとなります。最寄りのコンビニだけは、何たって私のホームですからほぼ毎日足を運んでいます。

 もう私の「普段着=仕事着」を相手がよく理解しているので表情を変える奴は皆無。んで私が入店すると、休憩時間の奴まで出てきて雑談となります。

 ただ仕事中ですから、レジでの支払い時を別とすれば、連中が運び込まれた商品を棚に並べているときに、私がその近くに立ってのお喋りです。商品の詰まった箱と一緒に、陳列する店員と休憩時間の奴と私がズリズリと移動していきます(笑)。

 最寄りのコンビニの中国人店員は福建閥で固まっているのですが、最近新顔が加わりました。M君という爽やかげなイケメンです。初めてレジで接触したときはたまたま雪山獅子旗をデカデカとプリントしてある勝負戦闘服だったのですが、

「同僚の中国人に聞けばわかるけど、私はいつもこういう格好だから、これが普通だから気にしないでね」

 と言ったところ「ハァ?」という表情をしてから、

「何か問題、ありますか?」

 と逆に問われたので、今度はこちらが「ハァ?」となりました。

「ほらこれ、チベットの旗でしょ。中国でこんな格好したら間違いなく逮捕されるよ」

 と説明する破目になりました。それでもM君は釈然としない顔をしているので、

「フリーチベットって知らないの?」

「全然知りません。その旗も初めて見ました」

 話を聞くと「大学→バイト→帰宅して勉強して寝る→大学」というループを繰り返していて,テレビも観ていないそうです。おおお。久しぶりに私と同世代の大学生を彷彿とさせる中国人に遭遇しました(笑)。

 ちなみに天安門事件のときはまだ生まれていなかったとか(平成世代なのです。「高中卒業→日本の大学に留学」ということなのでしょうか?)。19日の朝に飲み物を買いに入ったときM君がレジを勤めていたので、

「これからデモに行くんだよ」

 と勇み込んだら、

「デモは、中国ではできません。日本では問題ないですね」

 と、ちょっと表情を曇らせていました。

 ――――

 デモのあと、陳列作業時間を狙って再び最寄りのコンビニに行きました。御家人モデルのプラカードをひけらかすためです。もちろん、中国共産党を悪魔の如く表現している画像にどういう反応を示すかということにも興味がありました。以前ここの連中に、

「私はね、中国は嫌いじゃないし中国語は大好きだけど、中共は嫌いなんだよ」

 と言ったところ一様に不思議そうな顔をされました。教育によって「中国=中国共産党」という刷り込みが見事に結実したものだとすれば空恐ろしいことです。

 ちなみに、私は店内では日本語しか使いません。日本語で通じないところは中国語で補います。理由は中国語圏を流転して得た経験によるもので、連中に日本語を喋らせた方が、母国語に比べ使える表現が限定されるので本音を引きずり出しやすいからです。

 ともあれ、問題のプラカードを見せつけに行った次第。







 ……と、毒々しいものなのですが、政治的な部分は華麗にスルーされてしまったので肩透かしを喰った気分になりました。わざとその話題を避けているというのではなさそうで、

「すごくきれいにできていますね」(いやそういうことじゃなくてさ)

「この色の組み合わせはいいです」(だからデザインの話は置いといて)

「フォトショップで作ったんですか?」(……イラストレーターも使ったよ)

「全部、御家人さんが作ったんですか?」(セブンイレブンにネットプリントというサービスがあってね)

 てな具合です。ネプリには強い興味を抱いたようなので詳しく仕組みを話してやりました。デモなどで如何に威力を発揮するかも教えてやると、

「面白いです。日本は便利ですねえ」

 などと無邪気に盛り上がっていました。

 ――――

 一応聞いてみると、この福建班はみなデモ未経験。2005年春の反日騒動「愛国無罪」のときは、もう日本にいたそうです。

 で、標題の如きアイデアが浮かびました。

「もし中国が日本のように自由にデモを行えるとしたら、どういうシュプレヒコールにする?……反日でも構わないから考えてみてよ」

 という宿題を、先刻出したところです。「各人4つずつ」と指定しました。なにぶん政治問題の雑談よりは具体的になる敏感な内容なのでちゃんと出てくるかどうかは疑問ですが、連中の問題意識がどのあたりにどのくらいあるのかを探るのは面白いと思いまして。

 余談ですが、私が上海留学時に発生した大学生・知識人による民主化運動のときは30回くらいはデモに参加しました。学科ごとにデモ隊を組織して、それが他の学科と合流したり分散したりしながら市の中心部を練り歩くのですが、当時耳にした中でいまも記憶に残っている秀逸なシュプレヒコールは(中国語御免)、

「小平小平 八十高齢 身体還行 脳子不行」
「教授教授 越教越痩」
「愛国第一 出国第二」

 といったところです。いずれも内容がユーモラスで風刺がきいている上に、発音も整わせています。やっぱり母国語の連中は違うなー、と痛感させられました。

 そういえば同じころ北京でブイブイいわせていた「dongze」さんも御記憶の秀作が色々ありそうですね。期待しております。m(__)m





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 「素人による中国観察」「出鱈目な解釈を加えます」などという表看板に安んじて前回

「胡錦涛政権はもう駄目みたいです」

 などと扇情的なことを書いてみたりしましたが、冗談ではありませんよ。当ブログで胡錦涛政権の発足(2004年9月)からずっと眺めている私自身は、馬鹿は馬鹿なりに、マジメにそう思っているのです。

 ただ誤解を招かぬような表現にすると、胡錦涛が船長を務めている中共丸が沈むのであって、部下の船員たちによるクーデターで胡錦涛が船長職から引きずり下ろされる訳ではありません。

 一党独裁を容認するのかとかいう議論を脇に置いていうなら、政権がスタートした当時の胡錦涛から発散される「このままでは中共政権が潰れる」という危機感と、江沢民時代の経済発展モデルに対するアンチテーゼといっていい処方箋「科学的発展観」というのは、当時の中国の状況に照らせばまことに時宜を得たもの。

 対日外交の方針修正とともに「これしかない」と頷かせるものでした。

 懸念はありました。胡錦涛イズム、言うは易いがそれを実行に移せるか、全国各地に徹底させることができるか。……というものですが、結局これがアキレス腱となってしまいました。対日外交でのミス連続などから口煩い周囲によってダメ出しが行われ、最高指導者としてのフリーハンドを大幅に制限される破目となったのです。

 それを挽回すべく主導権掌握といった生臭い問題に時間をとられ、中国経済・社会という病状が日々深刻になる患者に対し十分に手をつけられないまま現在に至ってしまいました。

 この「患者」に対する処方箋は、誰がトップになっても同じような内容のものを書くしかあるまい、とは前回言及した通りです。要するに袋小路的状況に入る兆しが出始めていました。

 当時は青天井状態の株価や不動産価格に対して、

「これはバブルだ」
「いやバブルではない。実勢の反映だ」

 といった議論がメディアを賑わせていたものですが、4年経ってみたら御覧の通りです。「実勢の反映」を行うべく株も不動産も大幅な下落傾向にありますね。皆さんお待ちかねのバブル崩壊であります。

 ――――

 こういう状況について、世間話として「どうよ中国?」と問われることが多くなったのですが、私が言うことはいつも一緒。

「中国においてバブル崩壊は経済問題ではなく、まずは社会問題」

 ということです。歯医者さんにも香港の仕事仲間にも風水師のY老師にも当家の隠居にもそう答えています。

 例え話になりますが、新聞で考えてみて下さい。「バブル崩壊」となればこれはまずトップで概略を伝えておいて、メインは経済面となる筈です。投資していて損をした個人は自業自得ですが、自業自得ゆえ一応街の声などと一緒に社会面に掲載される記事となるでしょう。

 ところが中国は社会面メインの報道になるだろう、というのが私の下衆の勘繰り。マクロ経済への打撃より「リスクは自分持ち」なんて少しも考えていない個人投資家どもが騒ぎを起こし、そちらの方が喫緊の問題となってしまうのではないかということです。

 ●「従軍記者より危険」なゲームに狂奔する人々。(2007/05/11)
 ●怖いのは暴落ではなく逆ギレ。(2007/11/10)

 すでに実例が発生しています。



 ●出資金戻らず住民騒ぐ 中国湖南省(共同通信~MSN産経ニュース 2008/09/05/10:35)

 中国湖南省吉首市で3、4両日、高利で違法に資金を集めていた不動産会社が約束通りに資金を返還しないとして、出資者の住民ら多数が集団で地元政府に仲介を求めて騒ぎ、交通機関が一時混乱する事態となった。新華社など中国メディアが伝えた。

 香港の人権団体、中国人権民主化運動情報センターによると、集まった住民らは約1万人に上り、排除しようとした警察官側との衝突で50人以上が負傷したという。中国側報道は9人が強制排除されたが死傷者は出ていないとしている。

 地元では住民らを対象にした違法な資金集めが続いてきたが、うち数社が今年6月ごろから返還に行き詰まっていた。人権団体側は、地元政府が今月3日、不動産会社の資産を凍結すると発表、出資者がパニック状態になり暴動が起きたとしている。(共同)




 この記事を補足しておくと、元々は地元当局の幹部が2004年、自分の得点を稼ぐべく地元デベロッパーに開発事業を増やすよう持ちかけ、その元手として違法な資金集めを黙認したというのが発端です。

 高利ゆえウハウハするほど資金が集まり役人どもも出資して懐を温めていたのですが、不動産市場が先行き不透明になってきたからでしょうか、今年7月末から8月に党幹部らは出資金と金利分を全て回収。その真偽は不明ながら、噂は広がって一種の取り付け騒ぎになったというものです。

 それからこういう事件も。



 ●政府庁舎前で数百人が抗議 北京、数人拘束される(共同通信~MSN産経ニュース 2008/10/20/19:39)

 北京市内の政府庁舎前で20日、数百人の市民らが砂漠緑化事業への投資話で詐欺に遭ったとして対策を求めて訴え、公安当局がうち数人を拘束した。ロイター通信が伝えた。

 ロイターによると、市民らは内モンゴル自治区の砂漠に植林すれば、8年後には巨額の利益が得られるとの広告にだまされて出資。しかし、植林した木の大半が枯れ、投資した金はほとんど戻ってこなかったという。

 この事件では、3万人以上が13億元(約195億円)をだまし取られたとされ、既に公安当局が投資を募った会社の幹部数人を起訴している。(共同)




 違法かどうかを問わず、似たような話がこれからもどんどん出てくるでしょうね。

 ――――

 ところで、湖南省吉首市における1万人による都市暴動未遂については有名なタレ込みサイト「博訊網」で現場写真を見ることができます。

 ●「博訊網」(2008/09/05)

 一触即発の緊張感。そして、中国はどこへ行っても人大杉だなあという感想が湧きます(笑)。このときは地元の偉い人が現場で説得を行うとともに、周辺地区から武装警察(内乱鎮圧用の準軍事組織)の兵力を急きょ抽出して現場に布陣させたとのこと。

 私は1989年のとき上海に留学していて大学生・知識人による民主化運動に際会し、「六四」(天安門事件)に市民が激怒し上海市が事実上無政府状態(警察不在)に陥った状況を経験しています。

 そのときは組織防衛という点を重視した学生はもちろん、市民も略奪などを行うことなく秩序が保たれたまま一種の解放区のような気分が街を包んでいたのですが、上の「博訊網」の写真における群衆の位置取りと治安部隊の展開の仕方は一触即発の空気十分で結構ヤバいです。

 仮に大規模な衝突となった場合、群衆約1万人に対して同数の武装警察が手当てされていたとしても、過去の数々の都市暴動の例が示すように、肉弾戦であれば官軍は大損害を被り撤退を余儀なくされるでしょう。

 むろん市民側にも損害は出ますが本格衝突となれば加勢する者も増えますから、治安部隊を退けたあと政府庁舎や問題のデベロッパーのビルを焼き打ちするなどして凱歌を上げることになると思います。

 で、これはブログ主冥利に尽きるのですが、実は事件発生直後に現場からそう遠くない都市の大学で教鞭を執られているという読者の方から最速レポをメールにて頂きました。特派員や通信社の記事よりも手触り・肌触り感に満ちていて、当然ながらある種の生々しさもあってイイ!です。という訳で事後承諾ということで、地名その他はなるべく伏せてここに転載させて頂きます。m(__)m



 ●情報提供者・Aさん(2008/09/05/21:06送信)


 御家人さん、お忙しいなかすみません。

 湖南省吉首市で1万人の暴動があったそうです。

 http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2008090500028
 http://sankei.jp.msn.com/world/china/080905/chn0809051034000-n1.htm

 で、うわ~あそこで暴動かとおもっていたところ、13時ごろ領事館から電話が。無事ですかとかの安全確認ではなく、どうですかっていう質問でした。

 現場からそう遠くない場所に住んでいると説明すると、なにかわかったら情報をくれと携帯電話の番号をおしえてくれました。

 一応、日本政府も中国の情勢をいろいろしらべているんだな~と頼もしく感じ、学生に、吉首市に住む同級生のお母さんに連絡を取ってもらいました。

 共同通信には、

「高利で違法に資金を集めていた不動産会社が約束通りに資金を返還しないとして、出資者の住民ら多数が集団で地元政府に仲介を求めて騒ぎ、交通機関が一時混乱する事態」

 とありますが、実際そのとおりとのこと。

 そのお母さん自身も出資していたが、小額だったので、暴動には加わっていないそうです。

 そしてどのくらいの人数かはわからないとのことでした。

 で、3時ごろに領事館の人に電話をかけてみたんです。学生から聞いた話と中国のネットにも群集の写真等がでていることを伝えました。

「そうですか~。日本の新聞よんでなんで暴動おこったのかな~って不思議だったので、聞いてみたんですよ。ちょっと中国のネットも検索してみます」

 時事通信の記事は暴動の事実のみで原因は確かにかいてないんですが、共同のほうには原因もかいてあるし、それに「ググレカス!」(笑)

 ちなみに今年のことですが、わたしの住んでいる近所の街でもガスボンベを積んで政府の出先機関に突っ込み12名が負傷という事件があって、日本の新聞でもとりあげられていました。




 Aさん、貴重なレポート本当にありがとうございました。m(__)m

 ただしどこの領事館か知りませんけど、頼もしく感じちゃいけません(笑)。上級部門への報告&在留邦人への告知のために情報だけ集めておいて、いざ暴動というときに救出するための手立てを講じてくれる訳ではありませんから(その代わり強制帰国命令は出ないので現地に留まることはできますけど)。

 ……といったことはともかく、暴動となればこれは経済面ではなく社会面に載せる記事になりますね。「経済問題よりもまず社会問題」と私が考えている所以です。このルポは2カ月近くを経たいま読んでも古錆びている印象を与えません。なぜかといえば、現在の中国経済・社会状況下においては、類似の事件がいつ起きても不思議ではないからです。報道されていないだけで暴動が起きた都市が他にあってもおかしくありません。

 吉首市の事件に際して、当局は外地からも兵力を増援させ収拾に当たりました。どのくらい出したのかはわかりませんが、地元当局の手には負えないからこその増援でしょう。じゃあ仮に近隣都市でも暴動の気配が濃くなったらどうするのか。それが複数に及んだ場合「官軍」の手は足りるのか。……このあたりは中国の歴代王朝が経験している心電図ピー状態です。

 何やら書き散らかしたまま話を締めることになりそうですが、このAさんからのレポートにおいて、皆さんはどこに注目されましたか?……たぶん同じ回答になるでしょうけど、私の場合は、

「そのお母さん自身も出資していたが、小額だったので、暴動には加わっていないそうです。」

 という一節でした。財テクがそこまで浸透しているということは、市場が困った状況になった際に社会の可燃度をぐんと高めるものです。このお母さんは何やら宝くじに外れたような鷹揚な対応をみせていますが、そう落ち着いてはいられない庶民も多いことでしょう。実に貴重な情報です。

 それにしても、この違法な資金集めを吉首市は4年間も上には隠しつつ(あるいは利権で黙認してもらいつつ)大々的に行ってきたことにも注目しておきたいところです。党中央の威令なんて糞くらえ、てなところでしょうか。

 もっとも、分際相応という言葉があります。実は党中央こそ巨悪に手を染めているのかも知れませんけど。

 これから中国各地で心電図がピーピー鳴り出すのでしょうか。





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 「素人による中国観察」という看板を掲げながら、気がつけば当ブログはずいぶん長いことヲチめいたことをしていません。仕事、体調その他で根を詰めた記事漁りができていないことによるものです。

 ヲチというのは継続するなかで情報が蓄積され、その中からほのかに匂ってくる空気を捕まえてはあれこれ考えて自分なりの解釈に行き着く作業です。マクロ的なネタもあれば、ミクロでも無視できない話題もあります。そうした様々な出来事に出鱈目に解釈を加えるというのが当ブログの趣旨であることは、看板に掲げている通りです。

 その肝心の記事漁りに手が回っていないのが現在,頭の痛いところです。最近のエントリーを御覧頂ければわかるように、現実世界で色々な出来事があって、それがまた面白い方向に発展している。……ということもありますが、医者どもによる制約が厳しくなっているのが第一。

 私は墨堤行軍と称してウォーキングめいたもの(9km)を日課にしています。むろん医者どもの許しを得てやっているのですが、これがOKなのになぜ記事漁りには縛りが入るのか(怒)。

 青空のもと汗を流して身体にキレを取り戻すのと、根を詰めて深夜ちまちまと悦楽にいそしむのは質的な違いがあるのだなどと医者どもは申しておりますが、人の邪魔をしていないで、病気そのものに早いところ目処を付けろと言いたいところです。

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 20年くらい前からなのですが、私は健康診断をするといつも検尿で引っかかります。血尿です。血尿にもマクロとミクロがあって、顕微鏡を必要としないマクロ血尿のときは濃い紅茶のような色なので私が見ても「あちゃー」と思います。医者によると腎臓ガンの末期患者が出すものと同じだそうです。

 しかし当人には自覚症状が全くなく、腎臓をはじめとする関係器官を色々な機械で検査してもシロ。そこで紹介状を書いてもらって日本有数だか国内唯一だかの検査設備を擁する専門施設に毎回行かされるのですが、結果は同じでシロ判定。でも血尿。

 ……この繰り返しを日本に戻ってから何年もやっています(外地では健康診断をやらなかったので)。他の臓器の疾患で卒倒したり入院させられたりすることはあるのですが、問題の腎臓関連だけは、血尿以外に何も異状はなく、私にも自覚症状はありません。

 ひとつ気になることがあるとすれば、母方の祖父が腎臓の疾患で50歳に満たずに鬼籍に入っております。遺伝なのかどうか、私の母方系の従兄弟では未だ死人は出ていないものの、ちゃんと病名のついた腎臓疾患で通院している者が2名。

 あと母などもそうなのですが、割と早い時期から白髪が増えていきます。私も両サイドは真っ白。ニセ漢方医による不確かな豆知識なのですが、腎臓が弱いと白髪が増えるなどと漢方ではいうようです。

 ……以上、ヲチから遠のいていることの言い訳であります。m(__)m

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 ロクに記事も読んでいないのですが、出鱈目な解釈が売りなんで遠慮せずに言うと、胡錦涛政権はもう駄目みたいです。

 江沢民時代に進行した経済的・社会的な様々な歪みを少しでも是正していくのが胡錦涛に課せられた使命であり、そのキーワードとして「科学的発展観」「和諧社会」「実も伴った高度成長」などが持ち出されてきていますが、そうした胡錦涛イズムは党中央で呼号されても地方政府レベルになると骨抜きにされて……要するに実際は未だ江沢民時代が続いています。

 地方当局だけならまだしも、30年にわたる改革開放政策、特にイデオロギーの縛りが消えた江沢民時代に、役人と癒着することでたっぷりと甘い汁を吸って儲けに儲けた連中がいます。デベロッパーなどに代表されるような、いわゆる既得権益層。その連中と結託している役人も、もちろん袖の下その他でホクホクです。こいつらが胡錦涛イズムに大人しく従う訳がありません。胡錦涛にとって最大の抵抗勢力です。

 その一方で所得格差が進み、国有企業解体というかけ声のもと、約束されていた福利をうやむやにされてしまい(解体の過程で生まれる売却益は既得権益層の懐へ)、また役人の得点稼ぎのため行われる無茶な開発事業などで都市部でも農村部でも住む場所を奪われる国民が続出。意を決して合法的な直訴(上訪)に出ても門前払い。しかもごく日常的に党幹部らの特権ビジネスやら何やらを目にしていますから、都市暴動・農村暴動の空気が醸成されていきます。沸点に達したところから蹶起の声があがっていますね。

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 それに追い打ちをかけるのが物価高。対外依存度の高い経済構造ゆえ、国際的に景気後退の気配が出始めるや「内需の拡大を」なんてスローガンが唱えられたりしていますが、むろん市民からは真面目に相手にはされません。

 ともあれ「胡温体制」と称される「胡錦涛総書記・温家宝首相」コンビは、国内で経済的・社会的に行き詰まりの空気が出始めたところで江沢民からバトンを渡された訳です。これほど美しいババの引かされ方は稀有といっていいでしょう。しかも「バトンを渡された」といっても、じゃあこれからは自分で自在に仕切り回せるかといえば、さにあらず。政敵もいますし抵抗勢力もいますし軍部の掌握も進めなければなりません。

 致命的だったのは、「胡温体制」がそのために予想以上の時間を費やしたことです。しかも現時点に至っても「ドン」になれていません。中国の経済状況・社会状況の悪化はもちろんその間にも着々と進行しています。病状は明確なので確かな処方箋も書けます。というより、ここまで行き詰まってしまうと「胡温体制」でなく別の人間がトップに立っても同じ処方箋を書くことでしょう。ところが、肝心の患者が薬を飲もうとしません。飲むふりをして捨てていたり、嫌だ嫌だと正面から抵抗したりしているのです。

 国力の費消という点からいえば、中国は今年だけで小さな戦争を3回やっているといっていいでしょう。雪害、四川大震災、そして北京五輪です。しかも外資企業&海外市場頼みで、あらゆる歪みを放置しつつ何とか経済をやり繰りして高度成長してきたのに、その発展モデルに暗雲が。……とはいうまでもないことですね。

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 10月頭の大型連休が明けたところで党中央の重要会議である「三中全会」(党第17期中央委員会第三次全体会議)が開催されました。そこで出された公報もまだ精読していないのですが、基本的に農村改革に向けた大方針のお披露目ばかりで、本来なら重要課題として扱うべき経済政策や都市部の抱える問題は通り一遍の表現で済ませ、ほぼスルー。これ、胡錦涛の指導力不足で言及できなかったのではないかと勘繰りたくなります。言及させまいとした抵抗勢力の勝利といえるかも知れません。

 ●「三中全会」公報(新華網 2008/10/12/18:52)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-10/12/content_10183504.htm

 「三中全会」公報は同時に、上述したような以前から叫ばれていた農村改革(社会主義新農村)について具体的に一歩踏み込むことを明確にしているのですが、私の読み方が天の邪鬼なのかどうか、真の狙いは党中央による末端組織(農村)への関与強化ということではないかと感じました。

 公報ではスローガンとして示されているのですが、それらの裏を返せば、

「末端当局が効率二の次で成長率(規模の拡大)最優先という江沢民時代の方針をいまなお奉じており、党幹部は現在も汚職に夢中で、人民の生活改善をないがしろにしている。同時に民心の地元当局離れもかなり深刻にっている」

 という気配をうかがうことができます。まあ、いまに始まったことではないのですが、党中央が中央としての権威と指導力と存在感を失い、末端レベルには手を出せない状況になりつつある、また党中央の介入を拒み得る地元の「ボス」の存在を感じさせる。……とも読めます。邪推ですけどね。

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 これに続いて汚職撲滅の「党内反腐敗闘争」開始を宣言する胡錦涛の重要通達が昨日20日付で出されました。「あー胡錦涛はもう駄目なのか」と感じたのは、「三中全会」公報におっかぶせるタイミングで(記事によると胡錦涛の宣言は最近出たそうです)、「党内反腐敗闘争」という真新しくもない、むしろ毎年叫んでるんじゃないのそれ、といった本気度に疑問符特大な「重要通達」が出たことによります。

 ●党幹部の廉潔徹底に関する胡錦涛の重要通達(新華網 2008/10/20/23:41)
 http://news.xinhuanet.com/newscenter/2008-10/20/content_10225745_1.htm

 胡錦涛が党幹部たるもののモラルを訥々と語る内容は、胡錦涛が最後の抵抗(でも言葉だけ)を試みているようでもありますし、自在に仕切れない悔しさを例によって耳タコなお説教調でにじませているようでもあります。

 胡錦涛人脈といえる「団派」のホープのひとりと目されていた于幼軍がとうとう斬られたことと考え合わせても興味深いかも知れません。

 于幼軍は山西省のトップだったときに全国を震撼させたレンガ工場の強制労働事件で詰め腹を切らされたものの、中央に呼び戻されて文化部の副部長に就任。しかも副部長ながら実質的なトップである文化部党委員会書記を兼務することが報じられ、実質的な閣僚待遇であることが判明しました。手駒として残しておきたい胡錦涛の温情人事ではないかと思います。

 ところが閣僚の交代が一斉に行われる今春の全人代(全国人民代表大会=なんちゃって国会)でも于幼軍が部長に昇格することはなく、あれれ……と思っていたら、このほど汚職嫌疑でバッサリです。上海閥のお世継ぎとされながら汚職で監獄送りとなった陳良宇・元上海市党委員会書記ほどではありませんが、この于幼軍に対する処罰は「三中全会」公報にも明記されています。小さな事件ではないということですね。

 同時に、これは胡錦涛の温情人事を潰した形にもなります。意趣返しをしたのがどういう顔ぶれなのか、興味津々です。

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 で、こういう「父親の居場所がない」「夫婦喧嘩」「長男ニートで次男はヒッキー」「パパに迫るリストラの影」などといったことに起因する「痴情のもつれ」物語(無理心中再現ドラマ?)に彩られつつ、株・不動産ともどもバブルがはじけ始めた感のある中国経済・社会はハードランディングへのアプローチに入りつつあります。

「片脚が出ないから胴体着陸の方がいいのでは?」
「炎上するとお陀仏だから、そろそろエンジン切ろうか?」

 なんて会話が機長と副操縦士の間で交わされているところでしょう。もちろん、滑走路脇には救急車や消防車が待機しています。……ええ、

「思うんだけどさ、坊主を呼んどいた方がいいんじゃないか?」
「ああ。それから棺桶もな」

 などと話しながら。





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 前回告知した渋谷での三民族連帯デモ(チベット・ウイグル・南モンゴル)に昨日19日、参加してきました。

 私はカレン族私設応援団のつもりでいたので、手ぶらはマズかろうと一応小細工をば。




「2ちゃんねる」で配布されていたJPG画像に手を加えるなどして急ごしらえで専用画像を作成。




背面はやはり「2ちゃんねる」で拾ったこれです。




私は図画工作が苦手科目でしたからプラカードもお手軽なもので済ませました。
まずは東京ゲームショウで活躍してくれたクリアファイルに画像を入れます。




そして夏の都市対抗野球で故郷のチームを東京ドームで
声援したときにもらった応援グッズの、うちわ。




 ……で、こうなります。


 暑くなったら扇いで涼めるし、中にフリーチベットも含めた画像をたくさん収納しているので場面場面で入れ替えがききます。

 手軽な上に便利で臨機応変な対応も可能。おれって何だか凄く頭よくね?……と思ったのですが、実戦ではA4サイズの悲しさで、対向車線の歩道からは字が読めないかも知れないという教訓を得ることになりました。次はA3で挑戦してみます。

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 さて肝心のデモですが、参加人数は主催者発表250名、一見した感じでは実数200名前後という感じでした。少ないです。orz

 私は4000人余りが集まった5月6日のフリーチベットデモにも出ているので、このギャップに驚きました。300名くらいは来るだろうと勝手に思っていましたから。かつて一世を風靡した「フリーチベット」が世間的にはもう忘れ去られたネタであることを痛感させられた次第です。

 この人数、毎回200名ちょっとで行われている在東京台湾独立派のデモとほぼ同規模といったところです。ただ台湾独立派デモと違って街宣車が先導することはありませんし、東トルキスタンの大きな青い旗を中心にチベットや南モンゴルの旗が林立しているあたりは、旗のデザインの爽やかさも手伝って、見た目には賑やか&比較的ソフトなデモ行進だったかと思います。

 スタッフの方も実に周到な下準備を行っていて非常に好感が持てました。組織というより手作り感があったので、主催者に加えmixiあたりの人たちによるものなのでしょうか。その甲斐甲斐しさには頭が下がりました。心から敬意と謝意を表したいです。

 あと、写真や動画でしか見たことのない鎧さんや忍者さんを身近に目にすることができました。おー本物だ、と独り感動。

 ただ意地悪な見方をすると、出発前の集合場所で有名な鎧さんをごく間近で見ることができるほど小規模なデモだったということです。

 単純に参加人数でいえば、「5.6」デモと比べればわずか20分の1。

 チベット・ウイグル・南モンゴルの三民族連帯デモというのは画期的な慶事なのですが、前述したように「フリーチベット」というテーマが社会ではごくマイナーな話題へと成り下がってしまっているので、関係者にとっては某かの達成感があったことでしょうが、単なる参加者の私にとっては、

 ●参加人数が少ない。
 ●自分を含めてオサーン率が高い。
 ●それゆえ参加者の平均年齢も高め。

 といった点を痛感させられました。デモの写真は是非是非こちらを。

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 ところで、「『5.6』デモと比べればわずか20分の1」と上に書きました。要するにタイトルの如く、

「濃縮度20倍!」

 なのですが、これは単純な数字の比較ではありません。集まった面々が濃ゆいのです。「濃縮度20倍!」という言葉には、参加者が相当なコア層に限定されたという意味も込めています。これがポイント。

 かくいう私も娯楽とはいえこういうブログを書いていますし、TSNJ代表の田中健之先輩をはじめ見知った人があちこちにいましたから、もちろん自らをライトユーザーと規定することはできません。

 出発前の集会のときには田中先輩から「御家人君、おれ先頭にいるんだ。君も来ないか」と携帯で誘われたのですが、晴れがましいポジションは避けたいという性分と、とりあえずいま現在は一兵卒でいたい、という気分が私にあって、これは辞退しました。

 デモ中はシュプレヒコールを叫ぶのと自製プラカードを高く掲げるのに夢中だったので、どこら辺をどう歩いたかは全くわからないうちに終了してしまいました。行進中に前方を見やると先頭集団が確認できましたし、後ろを振り返ると列の最後尾をはっきりと視認できました。

 正直、寂しかったです。だってやっぱり数は力ですから。デモ隊の人数が多いというのは、組織動員がなければ普段は政治やデモ隊の掲げる主張とは無縁な、いわゆるライトユーザーが多数参加している証拠のようなものでしょう。

 個人でも手軽に情報発信ができるこの時代に、伝統的な団体・組織がその新しさについていけていないことは常々書いていますし、そういう団体が動員したとしても数は多寡が知れています。

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 少なくとも今回のデモに関しては、事前に「2ちゃんねる」などの関連スレッドで十分な告知が行われていませんでしたし、たまに集まってフリチベ活動を行ったりするOFF会でも関心が持たれている様子ではありませんでした。YouTubeなどでの動画宣伝も左に同じ。

 要するにフリーチベットで開花した新媒体を駆使しての効果的な呼びかけ、新しい市民運動のカタチが機能していなかったということです。だから参加者が基本的にコアユーザー層に限定されて、在東京台湾独立派のデモのようになってしまいました。

 もちろんこちらは悪魔的な街宣車の先導もありませんし、色鮮やかな旗が林立する見た目に爽やかげなルックスです。「三民族連帯」を見事成立させ、未来にも目を向けているという点で、悲壮感に満ちたものではありませんでしたし、鎧さんや忍者さんのような、傍から見ると「遊び心」的なユーモラスな一面もありました。

 ただし、鎧さんたちも含めて、人数が示すように結局はコアユーザーの集団でしかなかったということです。スタッフの方々は見事な仕事をしているように見受けられましたので、やはり本来なら得意分野で強味である筈の新媒体をフル活用した事前告知に改善の余地があるように思いました。

 すでにフリーチベットから離脱しているライトユーザー層はもちろん、OFF会などを実施していた面々も熱が冷めて以前ほど活発でなくなり、行動的なスレッドも参加者がかなり限定的になっていることの表れが事前告知の甘さに出たものだとすれば、これは深刻です。

 まあ以前のような盛り上がりがなく、世間的には旬な話題でも何でもないものをテーマに据えてデモをかけたらこうなりました、というお手本のようなものです。デモの解散式のあと色々な方と話をする機会があったのですが、何やら従来型のデモに逆戻りしてしまったような感想が残ったのは残念なところです。仮に、

「250人ならまあ集まった方だと思うよ。こんな感じでいいんじゃないの?」

 という肯定的な感想を持つ参加者や野次馬が少なくないとすれば、これはチベットをはじめ中共政権の弾圧に苦しむ少数民族を支援しよう、という流れがライトユーザー取り込みを諦めて、自閉的で内向型の運動に変質しつつある可能性があります。懸念せずにはおれません。

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 とにかく中共政権を叩かなければどんな問題にも進展はあり得ない、という認識がどれほど共有されているのでしょうか。

 少数民族支援であれ有毒食品を指弾するものであれ民主化運動であれ歴史問題であれ、中共政権を追い詰めないことには何の意味もありません。各グループが自らの目標をそれぞれ示しつつも、適宜に旬の話題を捉えては大結集して中共政権をチクチクいじめる、あるいは日本政府に迫る、ということが必要だと思います。

 むろん、そのためには核となる音頭取り組織と時勢を見極める軍師が必要でしょう。これはプロの役目です。しかし従来型の政治団体ではなく、「2ちゃんねる」やmixiやYouTubeやニコニコ動画を上手にセンスよく活用できる、むしろそれを当然のことと考えているような感覚と技量を持った「新世代のプロ」ともいうべき存在の登場を待たなくてはならないようです。

 いまこの時機であれば、やはり有毒食品の方向から攻めつつ、その流れにフリーチベット以下を便乗させていくべきではないかと思います。先日電話にて色々ご教示頂いたOさんには「未練がましいですよ御家人さん」と笑われてしまいそうですが。m(__)m





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 いまごろ告知か?と怒られそうですが御存知の方も多いと思います。

 明日10月19日(日)にチベット・ウイグル・南モンゴルの3民族合同によるデモが開かれます。詳細は下記をプリーズ。

 ●チベット・南モンゴル・ウイグル3民族連帯デモ

 リンク先のトップページの地図をみると、中国における非漢族地域が実に広大であることがわかります。仮に清朝某親王の孫にあたる私の恩師が蹶起して満州族を糾合、東北3省を確保して王政復古の大号令となれば、中国の版図はかなり小さくなってしまうんですねえ。

 与太はともかく、日中関係でいえば今年は市民運動による反中感情の悪化が目立った年でした。毒餃子事件、チベット問題、4.26長野事件(聖火リレー)、5.6フリーチベット大規模デモと続いた勢いが派生し、様々な動きにつながりました。

 とはいえ派生化してしまうというのは求心力を失ってエネルギーが散ってしまうことでもあります。要するにフリーチベットが旬の話題ではなくなり、ライトユーザーの多くが離脱して、有志による散発的な活動が続いているのが現状。

 ただ世論調査によると日本人の対中嫌悪感というのは6割を超えていますから、市民レベルでの可燃度はかなり高いといえます。再び何らかの形で火がつけば、また大きな波が起こらないとは限りません。

 毒餃子事件以来、様々なテーマで現出した動きを私は「市民による反中運動」と一括りで呼んでも差し支えないと考えています。いつかはこうなることが約束されていました。日本国民が中国と中国人なるものをより正確に認識すれば、対中嫌悪感の盛り上がりは必至だからです。

 「草の根」で交流すればするほど、日本人の反中感情が強まるというのはどうしたことでしょう。坊やだからさ。……ではなく民度が違うのだよ民度が。

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 そして、標題の通りです。いま旬の話題といえば中国名産有毒食品。これをネタに花火を一発打ち上げる動きが出てきてもいいと思うのですが、とりあえず「3民族連帯デモ」が企画されました。

 「チベット・南モンゴル・ウイグル」というネタでどれほどの「集客力」があるのかは、今後を占う上で恰好のバロメーターになるように思います。

 「市民による反中運動」と上に書きましたが、今年の特徴は従来型ではないことです。伝統的な組織動員や既存の団体が主役になるのではなく、正に素人レベルでの企画が「2ちゃんねる」のような巨大掲示板やmixiなどを通じて具体化・洗練化されていくのです。

 同時にYouTubeやニコニコ動画でセンスとユーモアに富んだ各種動画による宣伝活動が行われ、それが訴求効果となって政治やデモなどには無縁の人々をも取り込んでいく。

 反中かどうかは別として、市民運動そのものについても今年は分水嶺というか、大きな変化を示した年といえるのではないかと思います。ちょっと大袈裟にいえば、政治運動のズブの素人の前に、既存型の組織つまり「プロ」の皆さんの無力さが晒されたといったところです(むろんプロにはプロの役割があるのですが)。

 ともあれ、その時々の旬の話題を時機よく捉えて反中ムードを盛り上げていけるかどうかが今後のカギになると思います。少数民族の問題も毒餃子事件も中国名産有毒食品問題も、結局は全て反中運動という流れの中のネタのひとつに過ぎない。……というところまで思い切れるか、どうか。私のこういう考えに対し、

「私は純粋にチベットの人々の幸福を願っている。ただそれだけ」

 といった向きからは文句が出そうですが、チベットをはじめとする少数民族の問題も有毒食品も、中共政権を叩いていかないとラチが開きません。だから事あるごとに適宜なネタでもって中国を叩く。チクチクといじめる。中共の嫌がることを真心を込めて念入りにやってあげるのです(笑)。

 いや笑い事ではありません。毎年大量の中国人(本土)が日本に流入しています。こいつらが肩身の狭い思いをするくらいの空気でないと、日本はいずれ中国に侵食されかねません。

 そうした反中ムードが世論に反映され、日本政府の対中外交を策定するにおいて無視できない要素にまで育てていく必要があると私は思います。フリーチベットを叫ぶ皆さん、チベットとは全く無縁な、中共政権の別の痛点を刺激してやったらチベットの状況が改善される、ということがあるのです。

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 いずれにせよ、現状を再認識するとともに今後の戦略を練る上で、非常に楽しみなイベントです。明日の13時に渋谷の宮下公園でお会いしましょう。

 私は友人Lさんの代理人。中共の「いまさらな帝国主義」で強化されたミャンマー軍事政権による様々な弾圧で、いま正に存亡の危機にあるビルマ・タイ国境付近の先住民族・カレン族の私設応援団として参加するつもりです。




★★★便乗商法に便乗★★★









DESIGN GARDEN


THREE FLAGS
THREE FLAGS

税込価格:
2,100円

今回のデモには間に合いませんが、さり気なくの王道はやはりこれ。



Pirate with poison
Pirate with poison

2,940円
私はアイロンプリントで「中国特製毒餃子」を余白に加えて直球勝負(笑)。







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 毎年恒例の東京ゲームショウが昨日、9日に開幕しました。もっとも初日と二日目は「ビジネスデイ」ということでプレスと業界関係者しか入れません。11日(土)・12日(日)が一般に開放されます。

 私は例年同様にプレスパスを事前申請して取材に入りました。……といっても実質的には引率者でして、ゲームメディア向け取材には香港から特約記者が来ていますから奴に全てお任せ。

 私は知人を見つけては世間話をしたり引きずり込まれて茶をしばいたり。この業界はジョブ・ホッピングが常態なので会うたびに名刺が変わっている人も少なくありません(笑)。あえていえば私は渉外担当という仕事をしている、てなところでしょうか。

 ゲームショウ自体はここ数年で最も活気に満ちている感があります。ただ中小ソフトメーカーの廃業や大手によるM&Aが進んでいるのでメジャーの祭典になりつつあります。10年ほど前、それこそ1コマだけの小型ブースが大手ソフトメーカーに負けじとたくさん並んでいたような活況はもはや望めません。

 これは音楽や映画と同様に、ゲームも大衆娯楽としての地位を固めつつあることの証左ともいえるのですが、なにやら寂しくもあります。

 ニンテンドーDS(NDS)が中高年やOLなど新たな顧客開拓に成功した、なんて馬鹿なことを書いている新聞雑誌もありますが、ありゃ10年前を知らない若僧が書いた記事か、あるいは業界の『人民日報』である『F痛』の社長のような幇間が必死に煽っているだけです。

 実態はプレステバブルで大挙参入したライトユーザーという購買者が一時期、別の娯楽に転じていたのが、再び戻ってきたというところでしょう。市場の圧倒的多数派ながら気まぐれなライトユーザーを捉えて逃がさない、というのはなかなか難しい作業です。

 ただ子供のオモチャでしかなかった携帯ゲーム機をオトナも楽しめるものにしたという点で、NDSやプレイステーションポータブル(PSP)が果たした役割は特筆すべきだと思います。

 そうだ週刊『F痛』いえば日本と同時発売で台湾と香港で中国語版を出しているのですが、販売実績は惨憺たるもののようです。それはなぜか、といえば香港や台湾のゲーマーの目線で眺めれば一目瞭然で、日本サイドもそれをわかっていると思うのですが立場上踏み切れない理由があります。

 惜しいですねえ。現地の編集部が頭を働かせて日本側の暗黙の了解を得れば販売部数は飛躍的にアップするのに。要するに双方が示し合わせて「悪いこと」をすればいいのですけど。

 ――――

 ところで某ゲーム機メーカーのブース前で中国本土担当の総責任者と話した際、

「ありゃー。胡錦涛と同じだ。ババを引いちゃいましたね」

 と思わず言ってしまったのですが、向こうはヤル気満々で内陸部まで開拓していくつもりのようです。

「かの帝国陸軍も成都や重慶には手が届かなかったことを忘れないで下さいね」

 と、どうせ他人事なのでそんな言葉でお茶を濁しました。相手は私がこういうブログをやっていることを知らないのですが、

「御家人君、2012年の上海万博まで経済は大丈夫かなあ」

 と言うので、

「中国は泥沼ですよ。一寸先は闇ですから、逃げ支度だけはしっかり準備しておいた方がいいでしょう」

 と、真面目になるべきところを冗談めかして話を締めました。だってハードランディングがもう始まっているではありませんか。

 死ぬ奴は死ぬ。泣きを見る奴は泣きを見る。……ということです。まあ堅固に頑張って下さいな。実はありがたいことにこの会社からは過去3回もスカウトの話を頂いたのですが、香港での状況を目の当たりにしていたので「テラワロスw」と思いつつ全て蹴りました。

 香港。……そのうち10年前の香港で目にしてきた「闇の時代」をここで暴露することになるかも知れません。日本のゲーム機メーカーも手探り状態でひどいものでしたし、モラルも乱れていました。自分のところのゲームソフトに関しては「海賊版撲滅」を連呼していたのに、日本のドラマの海賊版VCDを平気で観ていましたからね。他にも色々あって実にひどいものでしたが、日本側と香港側の関係、その基本的構造はいまも変わっていないようです。

 一方で当時の香港ゲームメディアもお粗末で、日本側からはマトモな扱いをされていませんでした。それでも日本の雑誌と同じタイミングで同じ素材を掲載するために、私はそこは山師ですから口先三寸でずいぶん多くのソフトメーカーを騙してはβ版など普通のゲーム機では走らない開発中のCD-ROMをゲットしたりしていました(笑)。

 ――――

 ところで海坊主こと御家人は中国のPCゲームメーカーをまとめて「北京コーナー」のようなものがあることを事前に知っていたので、もちろんフリーチベットの「勝負戦闘服」での出撃と相成りました。

 私はこの展示会で働いている人たちとは仕事上の接点があまりないですし、プレスパスを装着すれば別人になりますから、やりたい放題に楽しんできました。

 写真の下手さはいつものことですので御容赦の程を。m(__)m


 ●入場前にお約束の一枚

 ●記者証もらうのに大行列(怒)

 ●プレスパスつければやりたい放題w(1)
 ●プレスパスつければやりたい放題w(2)
 ●プレスパスつければやりたい放題w(3)

 ●いつも慇懃無礼なソニ×ンさんの前途は暗い模様

 ●戦闘開始。以下傍若無人モードw(1)
 ●戦闘開始。以下傍若無人モードw(2)
 ●戦闘開始。以下傍若無人モードw(3)
 ●戦闘開始。以下傍若無人モードw(4)

 ●最後にもお約束の一枚。

 ●疲れた。


 さすがに雪山獅子旗を持ち込むのはマズかろうと思って、地味ながらできるだけのことをしてきたつもりです(笑)。


 ――――

 北京ブースは拍子抜けするほど閑古鳥が鳴いていました。イベントコンパニオンのお姉さんもいませんし、近くを通る人も一瞥を与えるだけで誰も立ち寄りません。だいたい日本語のできるスタッフのいないブースもありました。最近の東京ゲームショウであそこまでヤル気のなさそうな、モチベーション低げなブースは見たことがありません。

 もしかすると主催者が「中国からも参加させよう」とか何とかで無理矢理引っ張ってきたのかも知れません。北朝鮮が「ゲームを売ってくれ」とでも言ってくればホクホクと飛びつきそうな業界ですからね。まあ商人ですから節操がないともいえますが、最低限の商道徳や矜持は保っていてもらいたいものです。

 で、フリチベ写真を散々撮影した挙げ句、日本語のできない中国人スタッフが所在なげに独りで座っていたブースに取材しました。

 ●経済面:産業としてのゲームはどんな具合か。中国各地で都市振興策として「動漫基地」(動漫=アニメとコミック)や「遊戯基地」を目指すという名乗りが挙がっているが、これは各「諸侯」の割拠意識ではないか。過当競争→クオリティの低下という中国経済でよくある状況(アルミとかセメントの重複生産)が生まれつつあるように思うが(5年どころか3年後にはものすごい淘汰が完了しているだろうと言っていました)。

 ●社会面:サブカルチャーの目下の位置づけとアマチュア層の動向に留意すべきものはあるか(現在のところ新人は関連学校の卒業生で、政治的要因もあり民間組織である同人活動はさほど活発でなく,メーカーも学卒を雇って3年くらい育成して一人前にする傾向だそうで、特に不便は感じていないとのこと。アマチュアからの新人調達という発想がまずないようです)。

 ●政治面:毛沢東の延安文藝講話を源流とする枠に縛られているであろうことは理解できるが、同じ制約下で日本は「名探偵コナン」や「クレヨンしんちゃん」を制作しているのに、中国にはそれに太刀打ちできる作品がない。この差はどこから来るものと思うか(オフレコ)。

 最後の質問に関するやりとりは相手もかなり熱っぽく語ってくれたので蔭ながら応援してやりたくなりました(またも政治ネタで盛り上がってしまいましたw)。たぶん相手にとって、初日にこのブースの留守番をしていて、いちばん仕事の話をしてくれたのは私だと思います(笑)。主催者ももう少しバックアップしてやってほしいと思いました。

 ――――

 えーと、目立たないよう極力努力したのですが、とりあえず御家人がデブでお見苦しい点、申し訳ありません(笑)。五臓六腑のあちこちに疾患を抱えているので(特に腎臓はどの医者も首をひねる症状で病名なしの奇病)毎日、まるでアメリカ人のビタミン剤信者のように、たくさんの薬を飲まされています。

 薬にも食い合わせのようものがあるのか、薬害というか副作用で体重がどんどん増えていきます。それを連日の墨堤行軍9kmと食事量を減らして死守せんと頑張っているのですが、どうもジリ貧で、かくなりました(180cm・88kg)。メタボとかそんな可愛いものではありません。

 当人はせっかくデブになったので人生、遊びの時期も必要だろうと外見を様々に改めるなどして海坊主となり楽しんでいます。今回も香港から来た奴に待ち合わせ場所でいきなり記念写真を撮られてしまいました。

 ともあれ薬を色々飲まされつつ定期検診などで医者どもの話を聞いていると、気分はすっかり晩年になるのです。……という訳で、「また御家人が年甲斐もなく馬鹿なことを」と思われる方も多いことでしょうが、

「中共の嫌がることを真心を込めて念入りにやってあげること」

 が中国観察と並ぶ娯楽なので些細なことでも見過ごしてやったりしません。「あのときやっておけばよかった」と後悔してからでは遅いですし、前にも書いたように中国人の大量移入で日本社会の民度がズルズルと引き下げられていくことだけは許せません。

 これを具体的にいえば、もう相当年配である台湾の日本語世代が日本に旅行して帰ってきたとき、

「やっぱり日本は良かったよ。いやぁ行ってみて本当によかった」

 と家族に嬉しそうに自慢できるような国家・社会であってほしい。……といったところでしょうか。





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 歳のせいでしょうか。最近変な癖がついてしまいまして、23時半くらいになると眠くて仕方がなくなってくるのです。そこで床に入ります。即爆睡。……ところが4時くらいにパッと目が覚めてしまいます。続けて寝ようとしても頭が冴えてきて眠れません。それで起き出すことと相成ります。

 で、このくらいの時間は中国人がレジに入っているコンビニが多いので夜間爆撃に最適。そこで、









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Tibetan people will win
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税込価格:
2,100円


 これを着て出撃します。このチベT、私自身はあまり好きではありません。「純粋で一途なチベタンサポ」の反感を買うことを承知でいえば、

「尊貴的達喇嘛法王萬歳!」

 なんて文言は文化大革命の、

「毛主席萬歳!」

 とか、天安門広場に毛沢東の巨大画像を掲げているのと等質なようで、私の感覚だと恐ろしく気味が悪いですから。

 ただ対中国人空戦には最適と思われる嫌味ったらしさ抜群のデザインですから、目をつぶって着用・出撃します。

 私の勝負戦闘服同様、当初は御利益があったんですけど……。

 ――――

 どんなえげつないコスチュームで身を固めても、肝心の私が戦闘的なキャラではないからかも知れません。

 ちょっと前まで中国人どもは露骨に嫌な表情を示していたのに、最近は行く先々で入店すると笑顔を開いて「御家人さんこんにちは!」と手を振り、店内の空気が一気に和むようになってしまいました。ミッドウェー海戦の有名な電文に例えれば、

「攻撃は概ね成功なるも効果不十分 第二次攻撃の要ありと認む」

 てなところでしょうか。……いや、作戦が順調に進んでいないという訳ではありません。むしろ真逆の方向へ進むという思わぬ展開になっているのです。

 客足の絶える時間帯ということもあり、連中はわざとゆっくりレジを打ちながら、楽しいのか好きなのかわかりませんけど、私との雑談に時間をかけるようになってしまいました。休憩時間中の奴まで出てきて話に加わるのです。こんな筈じゃなかったのに……。orz

 で、大学生のころからそうだったのでこれも私の特性なのかも知れませんが、話しているうちに気がつくと際どい話題になっています。

「いま大潮のころかな。外に出てごらん。海のにおいがするから」

「オーシオ?」

「漢字で言うと『da4chao2』だな。すぐ裏に川があるでしょ?海水が入ってきて川の水位がいちばん高くなる時間のこと」

「あ、『大潮』なら中国語にもありますよ」

 などととりとめもない話をしているうちに、

 ●四川大震災の被災者になった友人から手紙が来て官の横暴を憤っている。
 ●都市部はもちろん、大学の中でも貧富の格差が開く一方。
 ●大学は学生相手に金儲けしか眼中にないし、新卒者は即失業者になる者が多い。
 ●自分は農村出身だから、暴動を起こす農民の気持ちはよくわかる。
 ●特権幹部の横暴は自分もごく日常的にみてきた。
 ●地方が中央の言うことを聞く訳がない。

 ……といった話題へと、なぜか発展しているのです(笑)。上述したように休憩時間中の奴まで出てきて一緒に憤慨しています。コンビニのバイトは店ごとに同郷者という「内輪」で固まっていることが多いので、複数でもそういう話を平気でしてきます。

 ――――

 中国本土の天下国家を語る掲示板でも、

「内憂外患という言葉があるけど、いまの中国の最優先課題は内憂か外患か?」

 というスレには「内憂!」というレスが相次ぎます。そのうち激語する者が出てきて削除職人の出番となったりします。

 聖火リレーの際に中国大使館によって長野に動員され街を五星紅旗で埋め尽くしてみせた連中も、本物の単細胞は別として、現在の中国社会を基本的に肯定しつつも、現実に対する何らかの問題意識は持っているようです。

 私はチベットをはじめとする中国当局の弾圧にあえぐ少数民族の問題や日中間の懸案を少しでも改善するなら,日本人の対中嫌悪感を高めていくのが一番の早道と考えているので、中国人に甘い対応をしたり警戒感を緩めたりする気など少しもありません。ただ「絨毯爆撃」の目的は以前も書いたように、

 (1)「中共の嫌がることを真心を込めて念入りにやってあげること」という趣味の実践。
 (2)20代の中国人と接して話をする機会を持ちたい。
 (3)フリーチベット。

 という優先順位になっています。その実践の中で「攻め方によっては連中から色々な話を聴くことができる」ということがわかったのは収穫です。そりゃ最初から喧嘩腰なら向こうの対応も当然お決まりのものになりますよね。ですから「攻撃は概ね成功」といっていいのです。

 ただ「概ね成功」ながらも、日本人とはいえ見ず知らずの私の前で上のような話題を平気で口にするのは、やはり政治運動を経験しておらず、高度成長の中で成人した一人っ子世代の甘さではないかと思ったりします。

「君たちさ、そういう話を私の前でして大丈夫なの?」

「……え?どうしてですか?」

「私が中国大使館の手先かも知れないって考えたことない?わざとこういう格好で君たちと話をして、私が『思想傾向不好』な中国人留学生をビックアップしている可能性だってあるでしょ?」

「まさか!……ないない(笑)。そんなことありませんよ(笑)」

 と連中は異口同音に笑い飛ばすのですが、このあたりが江沢民チルドレンの甘さ、さすがは「亡国の世代」だなあと考えたりします。長野での留学生動員で活躍した元×布にいる友人(内応者?)にそのことを話したら、

「あいつらはね、そういう教育受けて育っちゃったからね。自分で考える(獨立思考)ことができないんだな。政府に不満があっても思い詰めたり行動に出たりすることはまずないよ。利害が絡んでいるとか生活がかかっているなら別だけどね。でもあまり煽るなよ。おれの仕事が増えるんだから(笑)」

「煽らねーよ。煽ったところで何か仕出かすような連中でもないしな」

 などと言いながら、そこは二人とも歳ですから引き続いては昔話。私と一緒に時間を過ごした民主化運動から天安門事件という惨劇に発展した1989年のころに話題が落ちるのです。




★★★便乗商法に便乗★★★

チベットの自然チベットの自然1,890円

どこか秋めいているというか、これからの季節に最適ではないかと。
「フリーチベット」という主張がさり気ないのもマル。






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 世の中には「便乗組」というものがあります。

 流行や時勢の流れの尻馬に巧いこと乗っかって、そのおこぼれにあずかろうとするもの。

 ……といえば何やら悪いイメージのようですが、私はむしろポジティブにこうした動きを捉えています。便乗者が出現することは、便乗しようとする流行やら時流やらが社会で広範に支持されていることの証だからです。

「便乗組が出るくらいでないと勢い不足(弾幕薄いよ何やってんの)」

 とも思います。ひとつの流れが社会で広い支持を獲得していなければ、そこに便乗しようという連中は現れないからです。……当ブログの常套句でいえば、

「その流れがコアユーザーだけでなく、ライトユーザーまで取り込む大きなものとなり、そこに商機を見出す向きさえ出現している」

 という訳で、悪徳便乗組には注意しなければいけませんが、基本的にこれは慶事というべきでしょう。

 中国関連の「流れ」でいえば、まずは年初から春いっぱい続いた毒餃子問題、そしてフリーチベットということになります。最近はまたぞろ中国の有毒食品がわらわらと湧いていて、このタイミングを捉えて大花火を打ち上げんとする向きは出て来ないものかと、じりじりしているところです(笑)。

 ――――

 えげつない言い方になるかも知れませんが、フリーチベットにも便乗組がいました。東トルキスタンとか南モンゴルとか中共政権打倒を呼号する中国民主化運動などがそれです。5月6日の大規模デモには南ベトナム独立派まで参加していました。

 台湾独立派が流れに乗り損ねた感があるのは残念なことですが、これは運動母体がフリーチベットのような「いま風」の活動方式に対応できるような柔軟性を持っていなかったことによるものかも知れません。

 私は「朝食会」で勉強させてもらっているLさんをはじめとする東京在住のカレン族(ビルマ・タイ国境付近の先住民族)も「便乗」すべきだったと考えています。

 ミャンマー軍事政権を支援することで、同国の天然ガス確保やインド洋に通じる軍港租借というのが中国の「いまさらな帝国主義」の実例のひとつ。これに打撃を与えるという意味において、私は軍事政権打倒派の中で独特の存在感を漂わせ、60年に及ぶ内戦を継続しているカレン族の参加も有意義なことだと思うのです。惜しむらくはLさんと相識るのが遅すぎました。

 ともあれ上述したように、私は「便乗組」大歓迎派ですから、フリーチベットの旗のもとに諸派が結集したことは素晴らしいと考えています。何とまあ、ウイグル解放を求める東トルキスタン・デモが単独開催され、それなりの参加者を擁して成功を収めたのは画期的といっていいでしょう。関係者の方からメールでデモ当日の記録映像を頂きました。YouTubeです。

★★★東トルキスタン ウイグルデモ行進 IN大阪★★★



「今回、メールいたしましたのは、今春以降のフリーチベット派生の中国包囲網・対中国民族支援運動の停滞を、動画再生数の停滞から危惧してのものです。」

 という言葉が添えられていましたが、動画再生数の停滞は私にいわせれば至極当然のことで、フリーチベットがもはや旬の話題・流行でなくなった(ライトユーザーの多くが離脱した)現在においては、少数民族支援という正攻法での「中国包囲網」の形成は困難です。だからいまなら旬の話題じみてきた中国有毒食品の方向からアプローチすべきではと個人的には考えています。その気運を盛り上げておいて、そこにチベット以下諸派が便乗するのです。

 厳しい物言いになりますが、上の動画、記録映像ですから長ったらしいとはいえ、ライトユーザーに観てもらうためには、まずこの長過ぎるという点で失格。それから「つかみ」が弱いです。デモの最中にビラ配りなどが行われたかどうかは知りませんが、いきなり「東トルキスタン」とか「ウイグル」とか言われて青い旗を掲げられても一般市民には馴染みが薄いでしょう。もう少しアバウト&ライトユーザー風味で、

「シルクロードの伝統文化を継承し守ってきた少数民族が、中国当局の迫害で……」

 といった方角(=つかみ)からまず入っていくべきだと私は思うのですが、どうなんでしょう?

 ――――

 さて本題。フリーチベットが勢いを持っていた時期には、少数民族解放運動だけでなく、関連Tシャツやカンバッジ販売といったネットショップが商機とみて一斉に様々な「フリチベ商品」を開発・販売しました。便乗商法というものです。

 もちろん、この動きに対しても私は大歓迎。クリエイターの独特な視点とセンスから生み出される作品は動く側にとっては恰好の七つ道具となりますし、ライトユーザーにとってはファッションで意思表示をする上での選択肢が広がって、フリーチベットに対する敷居が低くなることにつながります。

「何だかよくわからいけど、何か流行っているみたいだから、着てみるかフリチベTシャツ」

 といった、運動には「われ関せず」ながらチベTを着ることで自然にフリーチベットのアピールになっていた、という効果を生むこともあるでしょう。当ブログにて常々強調しているように、世の大勢を決めるのはこうした傍観者やライトユーザーであり、何事であれ、この社会の圧倒的多数派の取り込みに成功した勢力が時代の勝者となります。

 そこで私もいまさらながら「便乗商法に便乗」しようということになります(笑)。関連商品はたくさんあるのですが、











DESIGN GARDEN



DESIGN GARDEN



 ……と、上のロゴをクリックするとあるネットショップのトップページに飛びます。そこの商品検索で「フリーチベット」「チベット」「トルキスタン」「モンゴル」などと入力してサーチすれば関連商品が色々出てきます(関連商品でなくても魅かれるものが結構あります)。

 ――――

 ダラダラと縦長になってしまいますが、以下に私が気に入って愛用しているものをいくつか。










DESIGN GARDEN


THREE FLAGS
THREE FLAGS

税込価格:
2,100円










DESIGN GARDEN


Free Tibet Tiananmen
Free Tibet Tiananmen

税込価格:
2,915円










DESIGN GARDEN


ONE WORLD ONE DREAM FREE TIBET(M/TF)
ONE WORLD ONE DREAM FREE TIBET(M/TF)

税込価格:
3,150円










DESIGN GARDEN


ONE WORLD ONE DREAM FREE TIBET(D/W)
ONE WORLD ONE DREAM FREE TIBET(D/W)

税込価格:
2,362円










DESIGN GARDEN


東トルキスタン国旗8つ
東トルキスタン国旗8つ

税込価格:
2,100円










DESIGN GARDEN


南モンゴル(内モンゴル)中
南モンゴル(内モンゴル)中

税込価格:
2,625円



 ……あ、申し遅れましたが今回は楊枝削りでありました。m(__)m


  ――――


 【追記・てんてけさんへ】四川大震災の募金軍団の横に立つという「いたずら」をなさる勇気をお持ちであれば、私の勝負戦闘服で十分アピールできます。リンク先の拡大画像を御覧下さい。正に王道のフリチベTシャツ&カンバッジです。日本人へのアピール重視なら、「チベットの人々を中国政府の人権弾圧から救おう」といった体のプラカードを手にして募金軍団の付近をウロウロすればOK。五星紅旗で埋まった聖火リレー時の長野の写真もあれば完璧でしょう。(2008/10/06/05:40)

フリーチベットTシャツ2
フリーチベットTシャツ2
2,100円

フリーチベットTシャツ2
フリーチベットTシャツ2
368円

フリーチベットTシャツ3
フリーチベットTシャツ3
368円





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 中国が国慶節(建国記念日)の大型連休に入りました。連休となれば記事分量も平時より大幅に少なくなります。これをリハビリの好機として情報収集を再開できればと考えているところです。

 今回はまたまた閑話で申し訳ありません。中国人(中国本土)の大量移入により生活レベルでの接触において不愉快な思いをさせられることが増えています。今回はその一例として、「午前/午後」とかいう某コンビニチェーンでの不快な体験を同社本部のお客様目安箱にメールにて送りつけました。似たような経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。



 ●ご来店日:2008年9月30日
 ●ご来店時間:17:00~18:00
 ●店舗名:日×橋×殻町×丁目店
 ●御意見のタイトル:勤務態度及び接客態度について。

 ●御意見の内容:

 上記時刻に当該店へ買い物をしに入ったところ、入口の真正面に位置するレジにて、40~50代とおぼしき女性店員が、レジのカウンター越しに同年配の女性と中国語で話をしていました。店員は「り」という名札をつけていました。私は中国語を多少解するのでそのやり取りを聴いていると、勘定や商品への問い合わせ、また道を尋ねるといった風ではなく、井戸端会議のようにダベっている内容のようでした。

 正面から私が入店しても店員からは「いらっしゃいませ」の一言もなく、引き続き中国語で雑談していたので、「あなたたちはここがどういう場所かわかっていますか?」と中国語で尋ねたところ、店員さんと話していた女性が「どんな場所かって……」と中国語で言いながら店の奥の方へ行ってしまいました。買物客なのか、これからシフトに入る店員なのかは確認しませんでした。

 レジの目の前の入口から客が入店しても挨拶もなく、私が前を通っても、私が問いかけるまで中国語で雑談を続けているという店員の勤務態度及び接客態度は如何なものかとお尋ねする次第です。コンビニに入ってみたら、すぐ前のレジで店員を含む外国人二人が外国語で雑談しているという光景は、一般の日本人入店者に対し非常に異質な、あるいは一種の恐怖感に似た異様さを感じさせるものではないかと愚考致します。

 ちなみに、いまでは中国・上海の外資系コンビニ(ファミマやローソン)でさえ客が入ればすぐに「歓迎光臨」(いらっしゃいませ)と反応するのが普通です。

 今回の件については翌日(10月1日)に改めて当該店を訪れ、店長の「××」さんにも一言申し上げておりますが、不快な思いをさせられた客として御意見させて頂く次第です。

 当方ブログを運営しておりますので、日本のサービスとマナーの低下について書く際、その一例として伏せ字を用いて今回の出来事についても紹介する可能性があることを御了承下さい。私のブログは複数の経済誌・政論誌にて紹介されたことはありますが、基本的に弱小・色物系ですから御心配なく。




 「初犯」であれば私もこのような手間はかけません。

 この店は以前仕事で通りかかった際に入店したとき、店内が閑散としていたのにもかかわらず、レジに詰めていた中国人女性店員(20代)が「いらっしゃいませ」とも言わずボーッと突っ立っていたので中国語でたしなめたことがあります。

 たまたま店員が中国人だった、というだけで店員が他の外国人であっても私は同じような抗議文を書きます。ただあちこちのコンビニを利用していると、やはり中国人店員のダラーっとした勤務態度が突出しています。

 「まあ楽して働こうぜ」といった、中国の伝統的国有企業のノリが日本のコンビニに持ち込まれているようで極めて不愉快な気分になります。制服の着方もどこかダレていて、だらしなく着崩していますし、ネームプレートをつけていない場合もあります。もちろん、私は容赦しません。

「あなた名札がついていませんね」

「あ、これは……」

「あなたお名前は?」

「あの……」

「お名前は?」

「あの……」

「お名前は?」

「……陳です」

 と畳み込んでから、名札をつけていない理由を問いただし、店長など責任者を呼び出して注意するよう求めています。私にとってホームである最寄りのコンビニでも同様です。

 ――――

 じゃあ前回のカレン族Lさんとの件はどうよ?と言われそうですが、私は他の買物客が行列していないときのレジ作業の合間にしか会話していませんし、Lさんの仕事に邪魔になるので店内での接触は遠慮して「朝食会」を始めたのです。

 「朝食会」を開くにあたってはLさんがバイトしているコンビニの店長さんに私の名刺を渡してLさんの身元確認をしてもらっていますし、上の理由から仕事時間外に接触することも知らせてあります。先日その店に立ち寄ったら、

「どうも、朝ご飯を御馳走になったそうで。Lさんが言っていましたよ」

 と店長さんに言われたのでLさんもちゃんと報告したのでしょう。

 ……ともあれ、人数でいえば圧倒的な中国人アルバイトのヌルい勤務態度(真面目にやっている者が多数派だとは思いますけど)を看過しておくのは、何だか日本の「民度」がズルズルと引きずり下ろされるようで、よくありません。

 些細なことではありますが、目に余る出来事に接して苦情を出すことは、やや大袈裟にいうなら、

「生活レベルで『日本』を守る行為」

 と考えていますので、この点は一切手を抜かないよう自らを躾けています。……もちろん、日本人店員についても同様。

 日本の品位を落とすことだけは許したくありません。外国人観光客が「やっぱり日本は違うな」と感嘆するようなレベルを維持してほしいのです。その品位を保って次世代の日本人にバトンを渡すことが、いまを生きる日本人の務めではないかと思います。

 同調者、求ム。


 ――――


 【関連記事】●せめて挨拶。(2007/07/23)





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