日々是チナヲチ。
素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。「中国は、ちょっとオシャレな北朝鮮 」(・∀・)





 聖火リレーに際し、大動員された中国人留学生どもの振り回す五星紅旗とシュプレヒコールで長野市が「なんちゃって領土割譲」状態に陥ったあの日から、今日で1周年となります。

 「領土割譲」というのは大袈裟ではありません。政府も長野県も長野県警も、事前事後を問わずあの異様な事態について無為無策と非難されても仕方のない中途半端な対応だったからこそ、あの日の長野が「被割譲地」になったのです。最終兵器として「日本での聖火リレーは中止」という選択肢もあった訳ですし。

 やっぱりあれでしょうか、毒餃子のときもそうだったように、当時のトップがトップだった故にかくなったのかなあ、と。





 ともあれ「4.26」事件については、そのあたりの責任の所在がどうも明確でありませんね。この点ばかりは明らかにする作業が必要だと思います。

 さて、故障者リスト入りしている私はイベント参加はもちろん、当ブログにてマトモなエントリー(そんなのあったか?)が書けませんので、「4.26」一周年記念の第二弾として「大毒草」動画を並べておきます。

 「4.26」をプラス思考で捉えた場合、「日本人の対中認識がより正確になった」ということが最も大きなポイントではないかと愚考する次第。という訳で今回はその線のものをチョイスしてみました。おヒマなときにでも御鑑賞いただければ。














通訳捜査官―中国人犯罪者との闘い2920日
坂東 忠信
経済界

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動画にも登場するこの本は要必読。本当にオススメです。
日本に住んでいるからといって、「中国人」とは無縁でいられないのですから。





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 やはり一周年を前にすると血が騒ぐというか、忸怩たる思いというか、余りにやるせないというか、呆れて物が言えないというか。

 私の場合、各地で開かれる関連イベントにはもちろん出かけられませんし、馬鹿は馬鹿なりに何事かを考える作業(記事漁り&中国観察)にもドクターストップがかかっていますが、まあ動画を集めて貼付けるくらいのことはできます。



























 何と申しましょうか、繁栄するニッポンを私たちに遺してくれた先人たちに、顔向けすることなど到底できない情けなさです。

 ――――





 ↑このくらいのコメントでいいなら私でも『毎日新聞』論説委員を名乗れそうですね。でも変態&カルト漬けで生き存えているいる新聞なんざこっちが願い下げです。

 それではオフレコ解除。

 私の友人で長野での動員にも関与した元麻布の中の人T氏(仮名)によると、「いざとなったらボールペンやシャープペンの筆先で日本人の背中をブスリ」という内々の指示は事実だったとのこと。








雪の下の炎
パルデン・ギャツォ
ブッキング

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扶桑社新書 中国が隠し続けるチベットの真実 (扶桑社新書 30)
ペマ・ギャルポ
扶桑社

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中国の狙いは民族絶滅―チベット・ウイグル・モンゴル・台湾、自由への戦い
林 建良,テンジン,ダシドノロブ,イリハムマハムティ
まどか出版

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 えーと、今日もまた「実況」です。事態を俯瞰するにはひとまず放置プレイ、というのが適切なのでしょうが、日々新たな燃料が投下されている状況はやはり見過ごせません(笑)。

 きのう4月9日にもまた新しい動きが。前回紹介した一件、5月に尖閣上陸を目指していた台湾・香港の活動家たちが腰砕けになって、「魚釣島周辺の漁業権を主張する魚釣りOFF」になったという時事通信のスクープ記事が、早くも電波系反日基地外紙『環球時報』の電子版「環球網」に掲載されてしまいました。

 ●「環球網」(2009/04/09/08:41)
 http://mil.huanqiu.com/Taiwan/2009-04/427606.html

 内容は「敵前逃亡」8割&「石垣市長の申請を日本政府が検討中」2割といったところですが、この記事が「網易」など大手ポータルのニュースサイトに転載されて、記事付属掲示板は振り上げた拳の始末に困るといった呈の嘆き・脱力系書き込みであふれています。

 石垣市長が尖閣諸島上陸の意向表明、というニュースは9日付の『環球時報』に掲載され紙媒体デビューを果たしたものの、ネット世論が心待ちにしていた尖閣上陸部隊の脱落によって、余り意味を持たなくなってしまいました。

 元上陸部隊も単に上陸を中止して魚釣りに変更したというだけでなく、「魚釣りは漁業権アピールのため。領有権は政府間で解決する問題」などと徹底的なヘタレっぷり。ともあれ尖閣問題の目玉と考えられていたこの上陸計画の中止でお楽しみはひとつ減ってしまったことになります。

 ――――

 一方、一昨日(4月8日)の紙面で「尖閣&歴史教科書コンボ」を大きく扱った上海の『東方早報』は9日付の紙面で、石垣市長の申請に対し日本政府は消極的であることを報じました。同紙はまた日本メディアの報道として、

「2月に尖閣で一悶着あったばかりだし」

「麻生首相が今月末に訪中するし」

「国連安保理での北朝鮮問題への影響も考えないと」

 といった「消極的になる理由」も紹介するといった周到ぶり。さらに文末に「魚釣りOFF」も織り込んでおり、よくまとまった内容となっています。この記事の配分は「環球網」とは正反対で、「石垣市」8割に「魚釣りOFF」2割といったところ。この記事も「新浪網」「網易」など大手ポータルに転載されています。




http://epaper.dfdaily.com/dfzb/html/2009-04/09/node_17.htm


 こうしたなか、尖閣問題にせよ李登輝氏来日にせよ、官製メディアはいずれも華麗にスルー。9日に行われた外交部報道官定例記者会見においても、これらについて全くふれていません。

 ただし、ここにきて中国いわく「右翼団体の歴史歪曲教科書」が文部科学省の検定をパスしたという報道が9日、日本で流れました。そして韓国政府が脊髄反射で抗議の意を表明。

 ●修正300か所、「つくる会」教科書合格…08年度検定(YOMIURIONLINE 2009/04/09/14:49)

 ●教科書検定合格に韓国「過去の誤り美化」(共同通信→iZaニュース 2009/04/09/17:21)

 中国はこの件については「教科書」が検定を通ったこと、また韓国が抗議したことについて官製通信社の新華社と中国新聞社が論評抜きで速報しています。

 ●韓国抗議日本審査通過歪曲歴史的教科書(新華網 2009/04/09/21:56)
 http://news.xinhuanet.com/world/2009-04/09/content_11159173.htm

 ●美化侵略歴史日本新教科書獲審査通過(中国新聞網→新浪網 2009/04/09/18:13)
 http://news.sina.com.cn/w/2009-04-09/181317578062.shtml

 ――――

 「石垣市長が日本政府に尖閣上陸を申請」や台湾・香港団体の「魚釣りOFF」また「李登輝氏訪日へ」といった刺激的なニュースに一顧だにしなかった新華社。それが今回は自らのウェブサイトに記事を掲載していますから、中国はこの件については何らかの反発を行うつもりなのかも知れません。

 時間的に9日の外交部報道官定例記者会見に間に合わなかったネタなので、中国当局の今後の動きが注目されるところです。これも尖閣問題同様、胡錦涛サイドもアンチ胡錦涛諸派も中共史観にそぐわないという点で「歴史を改竄した教科書だ」との見解で一致するでしょうが、どういう反発を行うかで水面下での駆け引きが行われているところでしょう。

 この教科書に反発して日本製品不買運動やネット署名が始まるようだとアンチ胡錦涛諸派が攻めていることになります。とはいえ、軍の一部をも巻き込めるであろう尖閣問題と異なり、この教科書問題のオクタン価はやや低めであるような気が。中国当局が日本に抗議して、アンチ諸派がネット世論をうまくその流れに乗せてやることができれば、少しは面白くなるかも知れませんけど。

 2005年の反日騒動のときと異なり、今回は初動期から新華社が強硬論に与しないばかりか無視を続けている=胡錦涛サイドの掌握下にある、と考えられることから、アンチ胡錦涛諸派にとっては芳しくない戦況、ということになるのではないでしょうか。

 ただし、こうしたメディアを使った陣取り合戦は、街頭署名が始まったりちょっとしたデモが起きてしまえば状況が一変する可能性が大、というのも反日騒動における戦訓のひとつです。また、4年前に比べて様々な不公正に対する抗議活動が全国各地で頻発している現在の中国社会は、デモなどのイベントを起こしやすい環境。……という2点を最後に指摘しておきます。

 「尖閣」も「歴史問題」も中共政権にとって譲歩できない「大原則」ですから、いったん現実世界でのアクションが始まってしまうと、当局はそれを止めるよう諭すことはできても、正面から弾圧する訳にはいきません。お芝居はまだまだ、始まったばかりなのです。





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 ちょっと意外です。

 ●李登輝氏が5月31日から来日予定。
 ●石垣市長が尖閣諸島上陸の意向表明。
 ●「右翼団体」が新手の「歴史歪曲教科書」出版を目指す。

 という、これなんて役者揃い過ぎな大ネタが3つ、電波系基地外反日紙『環球時報』の電子版「環球網」に4月7日、ズラリと並びました。……というのは前回お伝えした通りです。

 となれば翌4月8日は紙媒体の『環球時報』でお披露目だ……と思っていたら、あにはからんや。三大ネタのいずれも紙面を飾っていませんでした。『環球時報』を系列下におく『人民日報』(党中央機関紙)、胡錦涛の広報紙『中国青年報』(共青団機関紙)、人民解放軍の機関紙『解放軍報』も、また然り。ネットでは大手ポータルをはじめ全国各地のニュースサイトで転載されまくっているのですが、これは一体どうしたことでしょう。

 この3つの大ネタのうち、李登輝氏の件は8日において続報も論評も出ていません。残る尖閣と歴史教科書の一件はどうかといえば、尖閣問題については香港の親中紙『大公報』が掲載した「麻生首相は北朝鮮とか尖閣を掲げて国民の目を外交問題に逸らす肚だ」といった内容の論評を国営の新華社通信に次ぐ官製通信社・中国新聞社が中国国内に配信し、これを大手ポータルのニュースサイトが転載しています。

 ●「中国新聞網」(2009/04/08)
 http://www.chinanews.com.cn/hb/news/2009/04-08/1635934.shtml

 ただし、この記事の主眼は、

「麻生首相は内政での失点を挽回すべく、国民の目を外に逸らさせようとしている」

 という点に置かれていて、その具体的なアクションのひとつに尖閣問題を挙げているだけで、中国曰くの領有権争いをテーマに据えた文章ではありません。

 ――――

 で、この記事を別とすると、8日に出回った関連記事は2本。まずは牽引役を務めている「環球網」が共同通信電を引いて報じたものがあります。「石垣市長が魚釣島上陸の意向表明」の件についてなのですが、これは、

「中国の抗議を恐れず」

 という見出しの一部が目を引く程度で、内容に目新しいものはありません。

 ●「環球網」(2009/04/08/07:10)
 http://world.huanqiu.com/roll/2009-04/426141.html

 その中であえて注目するとすれば、この記事の転載先のひとつに「国際在線」(中国国際放送局ウェブサイト「CRI online」)があったという点でしょうか。外交部をはじめ党・政府系の機関やメディア(機関紙)のいずれもスルーしている中で、唯一官製色の濃いメディアといっていいでしょう。

 ●「国際在線」(2009/04/08/10:29)
 http://gb.cri.cn/27824/2009/04/08/541s2478783.htm

 もう1本は尖閣問題と歴史教科書をひとまとめにした記事で、上海紙『東方早報』によるもの。これは下のように8日付同紙(紙媒体)にも大見出しで掲載されており、また記事の分量と内容の詳細度も十分で、非常にヤル気を感じさせます(笑)。江沢民の牙城である「上海」の新聞ということと関係があるかどうかはわかりません。




http://epaper.dfdaily.com/dfzb/html/2009-04/08/node_18.htm


 記事は全体の四分の三が今回の石垣市長による尖閣上陸意向表明の経緯について詳しく書かれており、最後の四分の一で歴史教科書に言及。「尖閣」を大見出しで掲げ、文末に「歴史教科書」の写真を配するという心憎いレイアウトです。

 質・量ともに「環球網」版をはるかに凌駕するものとなっているうえ、ネットをやらない層への訴求効果を狙ったという意味で紙媒体での露出という点に留意しておきたいところです。

 ●『東方早報』(2009/04/08/01:53)
 http://www.dfdaily.com/node2/node23/node220/userobject1ai162552.shtml

 これを転載した主なニュースサイトは、

 ●「新浪網」(2009/04/08/01:53)
 http://news.sina.com.cn/c/2009-04-08/015317563994.shtml

 ●「網易」(2009/04/08/10:38)
 http://news.163.com/09/0408/12/56CJFJ9C000120GU.htm

 ●「捜狐」(2009/04/08/01:53)
 http://news.sohu.com/20090408/n263251249.shtml

 ●「TOM.COM」(2009/04/08/05:13)
 http://post.news.tom.com/6D000A98856.html?source=TOM_N03

 ……と、大手ポータルが見事なまでに足並みを揃えています。

 ――――

 尖閣問題については、日本でも続報が出ていますね。



 ●尖閣諸島に上陸の意向=文書で外相に伝える…石垣市長(時事ドットコム 2009/04/08/12:23)

 河村建夫官房長官は8日午前の記者会見で、沖縄県石垣市の大浜長照(おおはま・ながてる)市長が尖閣諸島(中国名・釣魚島)に上陸したいとの意向を政府に伝達したことを明らかにした。その上で、河村長官は「関係省庁と対応を検討している」と述べた。

 尖閣諸島は日本が実効支配しているが、中国も領有権を主張している。日中の首脳も参加して12日にタイで開かれる東アジア首脳会議などを控え、波紋を呼ぶ可能性もある。

 上陸の意向は、3日付けの書簡で中曽根弘文外相に届いた。石垣市によると、尖閣諸島への上陸は、固定資産税課税などのための現地調査が目的。大浜市長は、国が認めれば上陸し、調査を実施する意向だ。ただ、上陸が実現すれば中国の反発は必至で、政府筋は「慎重に対応したい」としている。

 ――――

 ●尖閣上陸要望、慎重に対応=外務報道官(時事ドットコム 2009/04/08/18:56)

 兒玉和夫外務報道官は8日の記者会見で、沖縄県石垣市の大浜長照市長が政府に尖閣諸島(中国名・釣魚島)への上陸を要望していることについて、慎重に対応する方針を示した。

 同報道官は、尖閣諸島のうち民有地である魚釣島など4島については、政府が「平穏かつ安定的な維持」を目的に賃借し、「原則として何人も上陸を認めない方針を取ってきている」と説明。「土地所有者の意向や賃借目的などを十分に踏まえて検討する必要がある」と述べた。



 ううむ。国連安保理での北朝鮮問題の扱いや月末に控えている麻生太郎・首相の訪中を考慮して腰砕け、といったところでしょうか。少なくとも『大公報』の論評記事が指摘していたように「麻生は尖閣で国民の目を外へ逸らす」という考えではなさそうです。

 ところが、5月に魚釣島上陸を予定していた台湾や香港の活動家たちも腰砕けになってしまいまして。



 ●尖閣諸島への上陸断念=漁業権訴え「周辺で魚釣り」…台湾団体(時事ドットコム 2009/04/08/16:51)

 【台北8日時事】尖閣諸島(中国名・釣魚島)の領有権を主張する台湾の民間団体「中華保釣協会」は8日、5月上旬に香港や中国の団体とともに計画していた尖閣上陸を断念し、同諸島周辺での魚釣りにとどめるとの方針を明らかにした。同協会の黄錫麟幹事長が時事通信のインタビューに応じた。

 黄幹事長は、尖閣に向けて出航する計画に変更はないとしたが、「漁民のために、(尖閣諸島周辺海域の)漁場を守るのが目的」と強調。尖閣へは上陸せず、「釣りという平和的手段で漁業権を主張する」とした。日本と中国、台湾が主張する領有権は「政府間の問題だ」として、今回の出航では領有権に関する主張は行わず、日本の海上保安庁の巡視船などから現場で警告を受けた場合は、台湾の領域内に速やかに移動し、「衝突は起こさない」と述べた。

 同幹事長は、同協会が尖閣に派遣する漁船は1隻とし、同協会の会員や香港、マカオの活動家、報道関係者ら計30~40人が同乗するとの見通しを示した。出航日時は5月上旬の波の穏やかそうな日を選び、基隆港沖合約56キロの小島「彭佳嶼」で香港や中国の船と落ち合い、尖閣に向かうとした。

 黄幹事長らは当初、日本が同諸島周辺の監視を強化しているとして、抗議を目的に同諸島に上陸するとの考えを示していた。



 これは時事通信のスクープですね。覚悟を決めて海上保安庁の巡視船の群れの中に突入していく上陸作戦が、何やら「2ちゃんねる」の「大規模OFF」のようになってしまいました(笑)。ポイントが「魚釣島」だから「釣り」?「釣りという平和的手段で漁業権を主張する」という脱力系も「2ちゃんねる」テイスト。

 ちなみに私がみた限りでは、中国国内メディアでこれを報じたところはまだありません。くれぐれも、この時事通信電を日本語のまま中国の大手掲示板に投下したりしちゃいけませんよ。そんなことすると必ず日本語のできる奴が現れるやサクサクと訳して糞青(自称愛国者の反日信者)どもを意気消沈させてしまいますから。連中にはもう少し、楽しい夢を見させてあげようではありませんか。

 ――――

 ……と、4月8日の動きを眺めた感想としては、まず李登輝氏来日のニュースで盛り上がっていないことが気になりました。情報が少ないため続報がないということもあるのかも知れませんが、論評記事も出ていません。台湾が対中融和路線の馬英九政権であることと、圧倒的多数派である台湾人の感情に中共政権が配慮したのかな、と感じた次第です。

 尖閣問題については日本も台湾も鉾を収めてしまったので「おやおや」と肩透かしを喰らった気分。中国を交えた三者間での申し合わせのようなものが成立したのでしょうか?ともあれこの形で収まるなら胡錦涛もニンマリ、といったところでしょう。

 ただし、台湾・香港の活動家たちによる上陸作戦が「魚釣島周辺の漁業権を主張する魚釣りOFF」になってしまったこと、また日本政府が石垣市長の魚釣島上陸に消極的であるというニュースはまだ中国国内には流れていない模様です。

 胡錦涛サイドはこの2つのニュースをさっさとメディアに載せて敵の出ばなを挫いてやりたいところでしょうが、『環球時報』や『東方早報』の背後にいる政治的保護者たちは逆に糞青どもが勇み立つような情報を流したいでしょうし、李登輝氏来日についても本決まりなのであれば、ここぞとばかりに李登輝氏個人と日本政府を叩きたい筈。関係部門においては巡視船による東シナ海のパトロール強化が既定路線になっていますから、ええいここでやってしまえ、てな暴挙に走る可能性も捨てられません。

 まあ日本側もまだ石垣市長の尖閣上陸を却下した訳ではありません。そうなる可能性は極めて低いと思われますが、もし石垣島市長の尖閣上陸が実現し、一方で中国のいう「歴史歪曲教科書」が検定を通過すればアンチ胡錦涛諸派は息を吹き返せることでしょう。

 ……いつの間にか政争話になっていますが(笑)、実際そう見えてしまうので仕方ありません。領土問題という真剣なテーマではあるものの、一面ではそれをどう扱うかということで中共上層部が内部で揉めているように思います。どちらも「あれは中国の領土」という見解では一致しているのですが、アンチ諸派は胡錦涛とは真逆に近い手法で臨むことを主張し、それによって対立局面をつくり出し、政権を揺さぶろうとしている訳です。他方面でのチャンバラも行われていることですし。

 ともあれ、まずは反日気運をここまで盛り上げてきた『環球時報』や鮮やかに紙媒体露出を果たした『東方早報』などがこの先どう動くかに注目したいところです。電波系としては『環球時報』と双璧をなす新華社系列の『国際先駆導報』は別の話題でチクチクやっているところですが、『環球時報』のつくり出した流れに加勢して、よりあからさまに動き出すのかどうかも気になります。

 とはいえ実のところ、『環球時報』は獅子奮迅の働きながら、現状は盛り上がっているというよりは不完全燃焼。ネタの割に大手ポータルのニュースサイトなどに出る関連記事の付属掲示板がどこか勢いに欠けている観があって、ひょっとして削除職人への指示出しレベルでも水面下での綱引きが行われているのかな、などとつい邪推したくなります。

 ……まあ、本来なら数日寝かせて様子をみるべき素材ではありますが、ネタがネタだけについ実況したくなり、果たせるかな振り回されてしまう自分が哀しくも滑稽であります(笑)。

 以下は余談として。

 建国60周年記念として行われる中国初の観艦式には、15カ国の海軍艦艇が招待されて参加することになっています。米国はその中に含まれているのですが、日本はお呼ばれされていません。……その非を鳴らす、というのではなく、これって軍のトップでもある胡錦涛の意向を海軍上層部が素直に反映した結果なのかなあ、と考えてみると、どうも疑問に思えてきてしまうのです。





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 この10日ばかり、ずっと独りで焦燥していたのです。焦れったいなーまだかよ続報ー、と待ちに待っていたのです。

 ついに、来ました。……と断じていいのかな。

 まあいいでしょう。以前『産経新聞』のとある記事の隅っこにさり気なく書かれていた重大ニュース、「李登輝・元台湾総統が5月31日に再来日」について、台湾メディアが昨日4月7日、これを報じました。

 ●李登輝氏来月再訪日,「奥の細道」めぐりで(中廣新聞網 2009/04/07/15:35)

 ●今生で奥の細道完全踏破を!李登輝氏5月31訪日(TVBS 2009/04/07/18:39)

 日本語版はこちらを。



 ●李登輝元総統が5度目の訪日へ、奥の細道めぐる…台湾メディア(Record China 2009/04/07/13:34)

 2009年4月7日、李登輝(り・とうき)台湾元総統が5月末に訪日すると台湾メディアが報じた。台海ネットの報道。

 訪日の目的は観光で、「奥の細道」をめぐる旅を希望しているという。また、4年前の訪日で訪問が果たせなかった母校の京都大学も訪れたいとしている。

 「日本李登輝友の会」のHPによると、今回の旅程が実現すれば李登輝氏の訪日は5回目となる。今年5月31日より、新潟・富山・石川など奥の細道の後半ルートを旅する予定だという。(翻訳・編集/愛玉)
 


 当ブログにとっては既報の旧聞ですね。

 ●李登輝さん5月31日に再来日!中国早くも反発?(2009/03/27)

 台湾の報道には続報色がなく、ソースも「李登輝友の会」のウェブサイトとなっています。……てことは、ひょっとすると台湾・中国ともに、あの『産経新聞』報道を見逃していたのでしょうか?(御家人GJ!)

 ともあれ中国の反発は必至だ!……というその反発がどういう形で行われるのかは興味深いところです。

 とりあえず、中国国内メディアはこのニュースを速報しました。「Record China」が報じているように、TVBSの報道を中国国内の「台海網」(台海ネット)と例の電波系反日基地外紙『環球時報』電子版(環球網)が全く同じ内容で報じ、それが「新浪網」など大手ポータルのニュースサイトに転載されています。

 文面から察するに、どうやら在台北の『環球時報』特約記者が報じたものを「環球網」と「台海網」が即掲載した模様。

 まだ引き写しただけの速報ですから論評はされていませんが、問題がなければ今日4月8日の『環球時報』(紙媒体)に掲載されるとともに、転載の輪が広まっていくことになるかと思われます。

 ――――

 さあ大変だぞ胡錦涛。台湾について中国は自国の主権に関わる最重要課題として扱っていますから、今月末に予定されている麻生太郎・首相の訪中時に首脳会談でスルーすることは許されないでしょう。

 まずは李登輝さんの来月来日を素直に喜びたいのですが、日中関係はもとより中共政権内部の権力闘争に及ぼす影響をあれこれ考えると知らず知らず頬が緩んでしまいます。wktk?……もちろんワクテカですとも。

 4月末に麻生首相の訪中があり、5月には民間団体が尖閣諸島・魚釣島への上陸を計画しているのです。そのタイミングを狙ったかどうかはともかく、この時期の訪日は嵐を呼ぶことになるでしょう。さすがに中国当局から「トラブルメーカー」と恐れられ、王毅・前駐日大使が在任中に「戦争メーカー」と脱力系批判を行っただけのことはあります。

 個人的には、最近になって政争の気配が高まりつつあるのを感じていただけに、尖閣問題ともども軍部の対外強硬派を含めたアンチ胡錦涛諸派が政権揺さぶりをかける上で絶好のネタになることは確実です。

 実は「高まる政争の気配」っていうかもう始まっていて、あちこちで真正面から斬り結んでいるように私には思えるのですが、これについては別の機会に。

 とりあえず、ここでは中国側にもうひとつ、極上燃料が投下されたことを報じておきます。ええ李登輝さんの話の他に、です。



 ●石垣市長、視察の意向 尖閣諸島/外相らに文書送付「国が認めれば」(沖縄タイムス 2009/04/07)

 【石垣】大浜長照石垣市長が、固定資産税の現地調査などを目的に尖閣諸島上陸の意向を中曽根弘文外相と河野太郎衆院外務委員長に文書で伝えていたことが、6日分かった。同市長が上陸の意思を日本政府に明確に示したのは初めて。

 政府が容認すれば、文化財や生態系を担当する市職員も同行させ、調査を実施する方針。魚釣島で繁殖するヤギやアホウドリなど希少生物の生息状況なども確認したいという。

 尖閣諸島は大小八つの島があり、同市登野城2390~2394番地と登録されている。国が民有地を県外に住む所有者から借り上げ、市は合計で年間約100万円の固定資産税を徴収している。

 大浜市長は「市長が行政区域に上陸できないのは異常な状態。現地を見ずに税を徴収するのは良くない」と視察の必要性を強調。中国や台湾が同諸島の領有権を主張していることについて、「世の中を騒がせるつもりはないが、国が認めれば、抗議があっても当然、上陸する」と話した。

 同市によると、3月の衆院外務委員会で民主党の委員が、地方税法で「固定資産の状況を少なくとも年1回実地調査しなければならない」と定めていることから、「石垣市長が尖閣諸島上陸を求めれば認めるか」などと質問。外務省は「地元から申し入れがあれば検討する」と答弁している。

 その後、河野委員長が文書で石垣市の意向を確認。大浜市長は3月下旬に「認められれば、上陸して現地を調査したい」と回答文書を送ったという。



 おおおこれはまた素晴らしくメラメラな可燃度レッドゾーンネタではありませんか。ストレートに、尖閣。ストレートに、上陸の意向表明。

 糞青(自称愛国者の反日信者)をはじめネット世論はこれを黙って見過ごしてくれるとは考えにくいです。まあ激しく喰いつくことになるでしょう。だって「環球網」が早速ニュースにしちゃっていますから。これも論評抜きの速報です。

 ●石垣市長「日本政府が同意すれば魚釣島に上陸する」と表明(環球網 2009/04/07/17:21)
 http://world.huanqiu.com/roll/2009-04/426001.html

 喰いつくのはネット世論ばかりではないでしょう。これも政局になる大ネタ。今後しばらくは中国国内メディアの動向から目を離すことはできなくなりました。……ええいもうひとつサービスだ!実は「環球網」は同日付で、在韓国特約記者による「扶桑社版に続く新たな歴史教科書問題が勃発か」という記事も載せています。

 ●日本が極右教科書出版を検討、歴史歪曲の再来か?(環球網 2009/04/07/20:20)
 http://world.huanqiu.com/roll/2009-04/426043.html

 いくら何でも役者が揃い過ぎじゃないの?……と思うのは私だけでしょうか?しかも環球、環球、また環球。

 そんな訳で李登輝さんの訪日がメインディッシュなのですが、今回のカテゴリーは「李登輝氏訪日」ではありません。「日中関係」か「中国観察」かで迷ったのですが、とりあえず前者に放り込んでおきます。





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 これは「反日」への序曲なのでしょうか?再燃必至とみられる尖閣問題の前座ともいうべきイベントが広東省・広州市で企画されていることが明らかになりました。

 ええ、タイトルの通りです。これぞ正しく日中関係の発展と社会主義精神文明の充実に寄与する友好的な援助。ファンタジスタを首班とする麻生政権はさすがにやることが違いますねえ。

 糞青(自称愛国者の反日信者)どもを主とするネット世論は早くも沸騰模様だとか。ともあれ関連報道をどうぞ。



 ●蒼井そらなど日本のAV女優が「革命烈士」前で艶技?地元は大激怒…広東省(RecordChina 2009/04/03/22:58)


 2009年4月3日、人気AV女優の蒼井そらと松島かえでらが、中国の墓参りの日である「清明節」の直前に「革命烈士」が眠る墓地近くのナイトクラブに出演する予定だったが、地元民の反発に遭い日程を延期していたことが分かった。地元紙・新快報が伝えた。(中略)

 中国人が墓参りをする大事な伝統行事「清明節」は、今年は4月5日に当たる。その直前にかつての敵国・日本からAV女優が来て「革命烈士」たちの目の前で何やら怪しいパフォーマンスをすると聞き、地元民は激怒した。ネット上でもこの「不謹慎」なニュースに批判が噴出。中には「邪魔しに行ってやる」など過激な発言も見られた。

 ナイトクラブは当初、「日本のAV女優出演」を大々的に宣伝していたが、思わぬ批判に急きょ日程を今月末に先送りした。具体的にどんなパフォーマンスをするかについては「歌やダンス」としている。



 「艶技」というタイトルに、まず唸らされます。そしてパフォーマンスは「歌やダンス」というのが意味深ですね。確かにAV女優というのは、ある意味「歌声つきの舞踊」で魅せる職業。

 「地元民は激怒」とありますが、具体的に地元民のどこが「激怒」(おっき?)しているのやら。「革命烈士」にしたって、線香をたいたり紙のお金を燃やされたりするよりも有り難い、特上の慰問となってきっと喜んでくれるのではないでしょうか。

 まあ、「革命烈士」などといっても、その多くは戦争を知らない共産党員が指揮官となり、下手な戦闘をやって鎧袖一触、日本軍や国民党軍に蹴散らされて敗死した「無能な連中」です。それが中共政権成立後に顕彰されているだけでして。

 そうした「革命烈士」の記念碑などは中国各地にあるのですが、その前を遮るように屋台が並んでいたり、ゴミ捨て場になっていたり、公衆トイレがすぐ横に作られて流れてきた大小便が記念碑の裾を汚したりと、なかなかの優遇ぶりです。庶民から大切にされていることがよくわかります。

 ……あ、それで記事文中にある元ネタ『新快報』の紙面は以下の通りです。



http://epaper.xkb.com.cn/index.php?id=69723


 一面を割いて特集されるのですから、前評判の高さがわかるというものです。

「『邪魔しに行ってやる』など過激な発言」

 というのも、要するに男優志願ということなのでしょうか。目の前で繰り広げられる「艶技」に、どうにも坐視するに耐えられなくなるというその気持ち、わかるような気がします(笑)。

 思えばいまの中国は、超格差社会を現出させて行き詰まった江沢民型の経済発展モデルからの転換が進まぬうちに世界同時不況に見舞われ、陳情・デモ・スト・暴動ひいては自爆テロなどが頻発しているという、正に危険水域といった社会状況。これをスローカーブで和ませてしまおう(=社会における和諧の促進)という奇策は、妙手といえばこれほどの妙手はありません。

 とはいえこの奇策、アドリブが苦手の胡錦涛や、ウソ泣き程度の演技しかできない温家宝が打った手とは考えにくいところです。

 やはり乱世の雄たる素質を秘めた、型破りながら口八丁手八丁で広東省をグイグイ引っ張っている同省トップの汪洋・省党委員会書記の発案とみるのが妥当な線でしょうか。香港の観測筋の間では、「新しい外資導入のカタチとして注目を浴びることは必至」との見方で一致しているようです。

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 ……まあこのくらいにしておきましょう。週末ですから楊枝削りをやりたいところなのですけど、今回の話題に搦めたものを出すのはさすがに憚られます(笑)。

 それにしてもこの話、全国ニュースに昇格したら内容が内容ですからいよいよ反響を呼びそうで楽しみです。

 衆目を集めたところで予定通りの極上プレイ……じゃなくてパフォーマンスを行ったら実に楽しいイベントとなることでしょう。どうせなら本当に墓石の前でやっちゃえやっちゃえ。

 となるとやっぱりあれですか、「壁面に潮シャワー」とかラストは「墓射」といった、「烈士にぶっかけ」系……いやいや慈雨ですね慈雨。労働集約型産業からのグレードアップを急ぐ広東省にふさわしく、創意に富んだ内容が予想されます。

 続報に期待。





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 マスコミによる扱いは小さいながらも、知る人は知っている李長春発言について当ブログでは以下のようにエントリーを2本書きました。

 ●李長春に説教されながら、その靴を念入りに舐めていた面々。(2009/03/31)

 ●続・李長春のゲンメイに平伏する「下請け」各社。(2009/04/02)

 今回は2本目の「続・李長春」に寄せられたコメントとそれに対する私のレスをここで済ませてしまいます。要するに「今回のエントリー=前回のコメント欄」ということで。物臭ですみません。m(__)m

 まずは頂いたコメントから(ありがとうございます)。



 ●Unknown(民す党) 2009-04-02 21:02:28

 詳しい解説、ありがとうございます。

 専門用語の「中共語」が意味する内容や、ニュアンスの説明は、中国語を知らない人にとって、驚きです。

 笑っている場合ではありませんが、1行目から大笑いです。


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 ●Unknown(Unknown) 2009-04-02 22:30:39

 こんばんは。

 このニュース、BS世界のニュース中国編で見たんですが、中国側が片手握手にたいして、両手で握手して、更に腰を低くしてへこへこしてるどっかのうすらハゲじじいがいました。

 どこの新聞だーって思ってみてたんですけど、名前までわかんなかったのが残念。

 でもテーブルの中央あたりにすわってたので、中国様のお気に入りなのかな。


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 ●時事通の…… (いとのこ(久々に)) 2009-04-02 23:38:55

 「厳命」部分を日本人に晒したのは、自説勝利宣言のつもりでも実際は少なからぬ日本人に「なんじゃそりゃ(怒)」の念を生ましめるだけなんじゃないの、とか思うんですが。

 少なくとも、ここや三橋氏のようなところに集う、一部で呼称されてるいわゆる「熱湯浴」にとっては格好の突っ込みどころでしょう。

 衰退しつつある日本のマスゴミに痛恨の一撃くれに来ただけになるような気がしてます。


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 ●Unknown(90) 2009-04-03 00:16:31

 こんばんは。

 李長春と言う人はマスコミがシナに友好的な報道をしたら、日本の世論が好意的になると本当に信じているのでしょうか。実際はマスコミの報道より、身近にシナ人の犯罪を感じたり毒餃子と言うような個人レベルで生命の危機を感じたりするから嫌われているのに。

 もしかして政治家レベルでも個々のシナ人の行動が日本人に反感を持たせていると分らないのでしょうか。不思議です。


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 ●Unknown(たぬき) 2009-04-03 07:01:00

 いつも興味深く読ませていただいております。

 今回の件は、出席した報道各社、すべてが中国様に土下座しにいった…とまではいえないのではないかと思います。

 各社とも北京に支局を持っている関係上、お誘いがあったら無視はできないのは間違いないところです。北京にすり寄りたい社もあるでしょうが、そうでない社でも、ある意味、記者を人質に取られているようなものですからね。無下にすると何されるか分からない。「よくて」取材ビザ取り上げとか更新しないとか…そういうことを平気でする連中ですからね。そうでなくても、記者ってのは人脈を作るのが最大の仕事みたいなところはありますから、ご招待がかかれば行くでしょう。

 その場で、ホストがなんか言ってた。そしたら、そりゃあ聞くことにはなりますわね。

 ただ、「厳命」された内容を押し頂くのか、とりあえず聞きとどめておくのか、聞きはしたたけど知ったこっちゃないと相手にしないのか…それは各社、各人の考え次第でしょう。だから「すべてが中国様に土下座しにいった…とまではいえない」と。

 時事電は事実を淡々と報じているようですが、あまりにばかばかしくて報じるまでもないと判断した社もあるでしょう。中には御家人さんのいう「中共語」の変換ができず、そこまで深刻に受け止めなかった社もあるかもしれない。逆に「こんなバカなことをいってまっせー」と世間に訴えようとして報じた社があったとしたら、それはそれで(個人のブログやコラムで書くならともかく)ストレートニュースとしてはどうよと思いますしね。

 だから、この件を報じたかどうかで判断できるものでもない。

 現時点でどうこうではなく、今後の各社の報道をもって、どの社が押し頂いたか、どの社がばかばかしいと相手にしなかったのか、どの社が共産党政府との関係を考えて慎重に間合いを計ったか…などを検証すべきでしょう。

 どうせあの国のことだから、今後もギョーザや尖閣のように日本国民を嫌中に追いやる活動をしないはずがないのですから。そのとき、各社がそれぞれどういう報道をするか、ですね。



 私のレスは以下の通りです。


 >>民す党さん

 こちらこそ、情報ありがとうございました。今回の「世論を作る」云々は、外交部の対日担当者とかではなく、中共政権の宣伝工作部門の元締めである李長春の口から出たところに大きな意味があると思います。御指摘の通り、笑っている場合ではありません。


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 >>Unknownさん

 中国メディアというのは序列には非常に厳密です。党の重要会議が開かれた際などにも、列席者の順番は党内序列に沿って明記されます。それを踏まえて考えると、中国新聞社電の「テレビ朝日、共同通信、朝日新聞など日本の主要メディアを……」というのは、あるいはこの3社が中国のお気に入りなのかも知れません。あくまでも邪推ですけど。


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 >>いとのこさん
 >>90さん

 中国というのは日本人の感覚ではちょっと考えられないようなやり方を平然とやってのける国です。大きなニュースにならないレベルでのゴリ押しとか集中豪雨的攻勢などの積極的な浸透策を施しておいて、機が熟したとみるや表向きに強い態度で臨んできます。

 その結果が、いま現在の状況です。在日外国人数は国籍別でみると中国がトップに躍り出ていますし、いまなお中国人が留学生などの形で陸続と日本にやって来ては居座ってしまう(留学生として来日すること自体は少子化で定員割れが深刻な日本の大学にも責任があります)。

 そして、それを背景に以前はミニコミ紙程度だった「中文導報」がそれなりの規模となり、チャイナタウンのある諸外国がそうであるように(たぶん中国の政策としてやっているのだと思います)日本を代表する華字紙に成長して、新華社もその報道をしばしばマトモなメディア扱いで引用するようになりました。

 池袋では中華街構想が中国人によってぶち上げられて従来の商店街が迷惑しています。同様の試みが行われたものの、それをはねのけたのが仙台市ですね。昨年の長野における聖火リレーで中国人が大動員されたことについても、違和感や嫌悪感だけではなく、強い危機感を持って考えるべき性質のものです。

 日本人がそれに対し反感を持つかどうか、なんてことは、浸透度が一定の段階に達してしえば中国には関係ないのです。そんなことお構いなしに従来のやり方を一段と強化しつつ、どんどん既成事実を積み重ねていくことでしょう。

 要するに、ふと気付いてみるともう、のっぴきならない状況になっている。……というカタチを現出せしめるのに中国は非常に秀でています。

 人だけはたくさん持っていますからどんどん送り込む。その結果、日本人のコミュニティに入り込むのではなく独自に固まってチャイナタウンが生まれ、それが成長してメディアを持つ一方、組織化されて一種の圧力団体へとなっていく。

 最近では米国やロシアやイタリアなどで地元民との間に軋轢が生じています。いや米国では立派な圧力団体になっていますね。チベットのことは言わずもがな。

 ですから今回の、

「良好な世論を作るよう努めること」

 という李長春発言に「なにそれ」とか「本気かよ」と呆れたり笑ったりしているだけだと非常に危険なのです。

 今回のことで日本人の対中嫌悪感が一段と高まるかも知れませんが、マスコミの扱いの小ささからみてもそれは一時的なことで、例えば北朝鮮のミサイル問題や総選挙など、他の大きなニュースが幅をきかせてくる中で、日本人の興味は他の方向へ転じ、李長春発言は忘れ去られていくでしょう。しかし、日本人が忘れてしまっていても日本に対する中国の攻勢、中国の浸透はより広く深く続いていくのです。

 日本人の反応などお構い無しに行われたのが李長春発言です。元締めの李長春が日本に乗り込んでそれを公言していい段階になった、という中国当局の現状認識なのでしょう。

 これに対し、国民が反発するのであればそれを汲み取って即座に「ふざけるな」と報じるのが本来のマスコミの役割であるように私は思うのですが、現時点においてはその気配がなく、そもそも李長春発言の重大さを国民に積極的に知らしめることもしていません。

 これではマスコミはどちらの味方なのか、わかりません。マスコミに対しアメとムチを以てそこまで手なづけておいて、そろそろよかろうと見切った上で行われたのが李長春発言ではないかと考えています。


 ――


 >>たぬきさん

 いつも駄文にお付き合い頂きありがとうございます。m(__)m

 さて、仕事の上でのことですから、招かれれば出て行くのは当たり前のことだと私も思います。ことに相手が大事な取引先であれば、それ相応のポストの人間を出向かせて誠意を見せる、というのもごく自然なことです。同業他社も招かれているのであれば、商売敵に負けたくないという気持ちも強く働くことでしょう。招宴されて相手のスピーチを大人しく聞くというのもマナーであります。

 チャイナネット(中国国際放送局電子版)が報じたように、

「日中関係の安定発展を促進することは、両国国民の共通の願いで、メディア分野の歴史的な責任でもある」

 と席上の各メディアの代表たちが応じたのも外交辞令とみていいかも知れません。ただし、

「良好な世論を作るよう努めること」

 という李長春の非常識きわまりない発言に対しては、前回の文末で紹介したように、サーチナの編集者が中国側の記事を報じた際に付記したような、常識的な反応を行うべきだと私は思います。

 別にその場で反発して空気を白けさせなくてもいいのです。招かれたのは首脳クラスで記者ではありませんから。しかしマスコミはメディアである以上、報道を以てその非常識ぶりを衝く必要があるのではないか、というのが私の考えです。それをしなければ「外交辞令」が公式回答になる訳で。

 特派員が人質にとられているという点は欧米のメディアも同様ではないでしょうか?日中記者協定なるものが実在するのであれば、それが日本メディアの対中報道への足かせとなっていることを日本国民にはっきりと明示すべきでしょう。政府に手を回して官房長官、あるいは「政府高官筋」に李長春発言についての談話を出させるという方法もあります。

 それら一切を商売上回避したいというのであれば、もはや公器として終わっていることになります。

 ともあれ、マスコミ各社の首脳が李長春と会見したことはベタ記事で報じても構わないでしょうが、最低でも時事通信のように、その場で李長春による日本人の感覚に照らせば非常識な発言が行われたことには言及すべきです。その上で、そのニュースが古びてしまわないうちに、社説でなくても論評記事や一面の隅にある名物コラムでその非を鳴らすのが、メディアとしてあるべき姿勢ではないでしょうか。

「あまりにばかばかしくて報じるまでもないと判断した社もあるでしょう」

 というメディアがもし実際にあるのであれば、それは中国に対して余りに不勉強という点で、すでにプロとしての能力を有していないとみるべきではありませんか?

 「今後の各社の報道をもって」という紳士的な、あるいは呑気なことを繰り返してきたからこそ、現在の状況があると愚考する次第です。また上に書いたように、小さな扱いで報じられたニュースなど、所詮はその直後に出てくるホットな話題に押し流されて、国民はその重大な事実を簡単に忘れてしまうことでしょう。

 だからいま、すぐに別枠の記事でこの異様な事件を報道するべきだと思うのです。それをしないのであれば「土下座」同然じゃないか、というのが私の考えです。

 中共政権とはいかなるものか、ということ。あの信じ難い価値観を奉じた異質な国が日本の隣にあり、日本に対しても日本人にとっても好ましくないアクションを倦むことなく続けてきたばかりか、いよいよ公然とやり始めたこと。……それらを国民に知らしめることは日本のマスコミの大事な仕事のひとつであり、それこそが日中両国の真の友好(中共語ではなく)に寄与するものだと思います。

 少なくともここのような、素人がやっている弱小・色物系のブログが止むに止まれず書いてしまうようでは、日本のマスコミが国民にとって健康的に機能しているとは思えません。「2ちゃんねる」の反応の激しさはともかく、その話半分程度だとしても、国民の意識とマスコミとの乖離は非常に深刻なものになってきているというべきではないでしょうか。

 この機を捉えてリアクションしないことについて、「まあ今後の報道ぶりで判断しようじゃないか」という姿勢で臨むのであれば、日本侵食の時間を相手に与えることにもなり、いよいよ中国の思惑通りとなることでしょう。


 ――――


 もしマスコミ各社が中国の余りに特殊で異質な「個性」、そしてその対外伸張政策の野心をもはや隠さなくなってきていることを認識した上で敏感に反応することなく、この問題の重要性を認識した国民もまた「今後の各社の報道をもって」という態度をとるのであれば、粘着力に欠ける性質の私は絶望するほかありません。

 ここからは余太話。仮に闘志が残っているのであれば、私は「弱小・色物系」という基本路線を放棄し、皆さんのお智慧も拝借して当ブログの閲覧数を飛躍的に伸ばすことに血道をあげます。その一方で、「2ちゃんねる」などで積極的に情報発信していくのみです。一小市民しかも素人である私にとっては、そのくらいのことしかできませんので。





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 タイトルの通りです。時事通信電に基づいてあれこれ考えた先日のエントリー、

 ●李長春に説教されながら、その靴を念入りに舐めていた面々。(2009/03/31)

 ……について、追加情報などがありますので続編をば。

 まずはその時事通信の記事の冒頭を改めて出しておきます。



 来日している中国共産党ナンバー5、李長春政治局常務委員(宣伝担当)は30日夜、日本の通信社・新聞社・テレビ局14社の社長ら首脳と、都内のホテルで夕食を共にしながら懇談し、両国国民の相互理解に向けて「良好な世論を作るよう努力してほしい」と求めた。

 ●日本メディア14社首脳と初懇談=「良好な世論を」と李長春氏―中国(時事ドットコム 2009/03/30/22:34)



「良好な世論を作る」

 という点に「2ちゃんねる」では激しく反応している模様ですが、中国報道との付き合いが長いせいで感覚がすっかり麻痺してしまった私は、

「いつもの調子だな。やれやれ」

 と、つい流してしまいました。

 ……いや、マヒだけではありません。日本だって新聞やテレビの世論調査なんてアテになるものかどうか、実に怪しいものではありませんか。状況に応じて数字を創作しているとか、同業他社との「談合」で足並みを揃えて「世論を作る」ことに努めている可能性を考えると、これは中国国内メディア並に信が置けません。

 さらにいえば、中国国内の出来事に関して中国国内メディア、反体制系メディア、そして日本のマスコミという三者の報道内容をつき合わせて比較検討する作業(余暇の娯楽)をごく日常的にやっていると、作為的かどうかは別として、日本のマスコミによる中国関連報道の遅さと浅さ(紙幅という制約は三者とも同様でしょう)に辟易することが珍しくないからでもあります。……あ、ド素人のくせに生意気言ってすみません。(・∀・)

 まあそんな訳で、「良好な世論を作る」という李長春・党中央政治局常務委員(宣伝担当=「世論作り」の仕切り屋)の言葉もつい流してしまった次第。……なのですが、「良好な世論を作るよう努力してほしい」という李長春の肉声が記事になったことには注目すべきですね。時事通信の果断によるものならまだいいのですが。……いやいや、こんな記事1本を出すのに度胸が必要だとすれば、その情けなさはどうしたらいいのでしょう。

 より恐ろしい可能性として、日本の大手マスコミ掌握完了の「勝利宣言」として、中国様から「世論を作る」と書いていいぞ、とのお許しが出たことを示すのであれば救いようがありません。……ということを、あながち与太話として笑い飛ばせないから嫌になります。

 ――――

 さて私の場合、上に掲げた時事通信電の冒頭でむしろ引っかかったのは、

「都内のホテルで夕食を共にしながら懇談」

 という点です。どっちが主でどっちがゲスト?……てなことが気になりまして。日本の大手マスコミによる歓迎レセプションなのか、李長春が各社を呼びつけたのか。

 するってーと、当該エントリーをupした後にそれが明らかになりました。新華社に次ぐ官製通信社である中国新聞社が3月31日の夜に配信した記事に、

「他還會見、宴請了朝日電視台、共同通訊社、朝日新聞社等十四家日本主要媒體負責人」

 という一節があったのです。和訳すれば、

「彼はまた、テレビ朝日、共同通信、朝日新聞など日本の主要メディア14社の首脳を招宴し会見した」

 という意味。主語である「他」(彼)は李長春のことですから、「宴請」という単語によって日本の大手マスコミ14社のお偉方が呼びつけられて説教された、ということがわかります。

 ●李長春與日本主要媒體負責人交流並提三點建議(中国新聞網 2009/03/31/20:02)
 http://www.chinanews.com.cn/gn/news/2009/03-31/1626786.shtml

 ちなみに「説教」というのは揶揄しているのではなく、本当にそうなのですから唖然としてしまいます。言明ではなく「厳命」。……というのも、「民す党」さんが前回のコメント欄で教えてくれた人民網日本語版とチャイナネット(CRI)の記事に日本語でしっかり書いてあるのです。



 李常務委員は両国のメディアに対し、次の3点で引き続き努力するよう求めた。

 (1)両国人民間の相互理解と信頼を促し、「真実・全面・客観的」の原則と責任を負う姿勢に基づき、両国関係や相手国の状況を報道すること。

 (2)両国関係の発展の方向と主流を正しく把握し、両国関係の大局に立ち、各分野における両国間の互恵協力を積極的に促し、各分野における両国間の協力の強化にプラスとなるニュースを多く報道し、両国の戦略的互恵関係の推進にプラスとなる情報を多く提供すること。

 (3)両国メディア間の交流や協力を一層強化し、引き続き「北京-東京フォーラム」をしっかりと開催し、「中日メディア対話活動」をしっかりと実施し、率直で誠意ある、踏み込んだ、理性的な対話にプラスとなる新たなルート、新たな形式を創出し、両国人民の理解増進のためのプラットフォームの構築に努め、両国の共同発展の実現に貢献すること。

 ●李長春常務委員、日本の主要メディアの首脳と面会(人民網日本語版 2009/04/01/14:34)
 http://j.people.com.cn/94474/6627092.html



 命令形ですよ命令形。これに対し日本の大手マスコミは、



 席上の各メディアの代表たちは、「日中関係の安定発展を促進することは、両国国民の共通の願いで、メディア分野の歴史的な責任でもある」と示しました。

 ●李長春委員、14社の日本メディアの責任者と会談(チャイナネット 2009/03/31/22:19)
 http://japanese.cri.cn/881/2009/03/31/1s137915.htm



 要するに「ははーっ」「御意」などと平伏したことになっています。……あ、李長春による命令3項が明らかになったので、くどくなるのを承知の上で今回も当ブログのいう「中共語」を並べておきます。

 ●「対話」→「中共の言い分の押しつけ」「中共からの命令伝達」
 ●「協議」→「中共の言い分の押しつけ」「中共からの命令伝達」
 ●「協力」→「中共への奉仕」
 ●「平和」→「中共による制圧下での非戦時状態」
 ●「友好」→「中共に従順」
 ●「交流」→「中共の価値観の押しつけ&軽度の洗脳」

 何と申しますか、主従関係の構図がしっかりと出来上がっていることに呆れて物も言えません。そりゃ大事な取引先であれば丁重に対応するのは仕事の世界であれば当然のこととはいえ、丁重な対応と主従関係は明らかに別物。つまり「日本の大手マスコミは中国共産党中央宣伝部の下請け会社」という位置づけで宜しいのでしょうか?

 ……そう考えると、時事通信の記事も中国側の「勝利宣言」に思えてきてしまいます。orz

 一応明らかにしておきますと、上の「人民網日本語版」による記事で14社の顔ぶれが明記されています。テレビ朝日、フジテレビ、日本テレビ、NHK、日本経済新聞社、毎日新聞社、TBS、読売新聞社、中日新聞社、産経新聞社、共同通信社、テレビ東京、時事通信社、朝日新聞社……とのことです。

 ――――

 まあお偉方はお偉方で、第一線の記者たちは内心忸怩たる思いがある、と考えたいところです。「特定アジア」ならぬ「特定メディア」は確信犯ですから,別として。

 もう記事化されているのかどうかは知りませんが(重大ニュースのときは別ですが、普段の私は電子版オンリーです。「下請け」にカネを払う必要を感じていませんので)、香港の親中紙『大公報』電子版によると、外国人記者団が中国当局(国務院新聞弁公室)のお膳立てでチベット自治区・ラサ市を訪れるという「取材ツアー」が3月29日から3日間にわたって行われました。

 招かれたのはインド、ロシア、南アフリカ、日本の4カ国から大手マスコミ5社の記者6名とのこと。記事の最後に「匿名を条件に……」と日本の記者が登場するのですが、せめてこの「匿名を条件に」が精一杯の抵抗であってほしいものです。……もっともこの記者氏、

「今回組織された取材活動はスケジュールの手配が大きく改善されており、北京五輪を開催した経験がはっきりと生かされている。中国がどんどんオープンになりつつあるという印象だ。ラサに3日いたが秩序は保たれていて生活も日常そのもの。みたところ緊張した空気はなかった」

 と語っていますから、まずは親中メディアにおいて「下請け」の役目を十分に果たした、といえるのですけど。

 ●六外國記者走訪拉薩嘆西藏變化(大公網 2009/03/31/20:17)
 http://www.takungpao.com/news/09/03/31/_IN-1058211.htm

 ――――

 そういえば李長春は厳命パーティーを開く前にNHKと読売新聞を見学したことを忘れずに書いておきましょう。当の『読売新聞』が実にいやらしい記事を出していますので。



 ●中国・李政治局常務委員が読売新聞を訪問(YOMIURI ONLINE 2009/04/01/00:59)


 来日中の中国共産党の李長春・政治局常務委員が31日、東京・千代田区の読売新聞東京本社を訪れ、渡辺恒雄グループ本社会長・主筆と会見した。(中略)

 李氏は党内序列5位で、思想・宣伝部門を担当する有力者。3月29日に来日し、4月4日までの予定で京都や神戸なども訪れる。



「李氏は党内序列5位で、思想・宣伝部門を担当する有力者」

 との一節に「大物がウチに来たんだぜ。どうだ凄いだろー」という自慢げなノリが凝縮されていて、そりゃ下請け会社とそのトップたるニャベツネとしては自らを誇りたいのでしょうけど、こちらは読んでいて胸が悪くなります。

 ……ええ、もちろん嘔吐感を覚えた皆さんのために当ブログはお口直しを用意してあります。「サーチナ」の記事ですが翻訳屋だの中共の手先などという勿れ。私はいつも、結構重宝しているのです。

 今回は電波系メディアの論評に編集者のコメントが加えられている記事をどうぞ。本文たる論評記事は中国人による対日認識の典型例ともいえるもので、これだけでも必読モノなのですが、ここではその文末に添えられた編集者のコメントを抜粋しておきましょう(本文の方も是非御覧あれ)。



 編者の私見ではあるが、1840年に始まったアヘン戦争から考えれば1世紀以上の時間を経て、大国・強国としての地位を確立しつつある中国に、日本人がとまどいを覚えているのは事実。しかし、日本人の中国に対する不満の主たる原因は、さまざまな分野で繰り返し、「危うさ」を実感させられるからだと考える。

 特に、上記文章での、日本のメディアを批判するような論調は、理解に苦しむ。問題が発生した場合、それを報じるのはメディアの役割りだ。誤報や虚報はもちろん論外だが、ニュースの価値と読者・ユーザーのニーズを判断して、記事の論調、出稿量を自主的に決める。もちろん、発行部数や視聴率、世論の動向を考えるあまり、情報発信に特定の傾向が生じるという問題点があることは、否定できない。

 しかし、中国は外交において「平和五原則」を一貫して主張している。その中の「相互内政不干渉」は主として、異なる体制を認める意味だったはずだ。言論や出版の自由は、日本国憲法で保障されている。つまり、日本の体制の中核的部分のひとつだ。上記論説はメディアの主張に過ぎないが、中国政府高官もときおり、「日中関係に不利」などとして同様の批判を行なう。この点は、納得がいかない。

 ●中国対日感:日本にある「中国になめられるな」の感情(サーチナ 2009/04/01/20:38)



 実に健康的な感覚ではありませんか。李長春に呼びつけられ説教されたマスコミ14社には、会見を報じなかったところ、ただ報じただけのところ、そして「世論を作る」に言及した時事通信という3通りの反応がありましたが、要するに黙秘でなければ垂れ流し。広報紙ですか?それとも機関紙?

 中共政権により密着した立場である「サーチナ」の、この編集者が示したような本来あるべき報道のカタチを踏んだメディアはひとつもなかった、ということです。取材者としても報道者としても失格ではないかと思わずにはいられません。

 おしまい。





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 中国における事実上の最高意思決定機関・党中央政治局常務委員の肩書を持つ李長春が来日しています。党内序列は第5位ですが党中央宣伝部をがっちりと掌握しており、実際の影響力は序列以上かと。

 要するにネット世論をも含む中国メディアの一切を仕切っているのがこいつです。胡錦涛のメディアの使い方もどちらかといえば古臭いのですが、李長春の方針とは一致しない部分が少なからずあり、治安系統の親玉である周永康(やはり党中央政治局常務委員)ともども江沢民が現役首脳部に打ち込んだ楔として、胡錦涛にとっては目障りな存在ということになるでしょう。

 それなら李長春も周永康もぶった斬ってしまえばいいのに、となるところですが、奥の院に江沢民が後ろ盾として控えているため、胡錦涛にはそこまで踏み込むことができません。

 とはいえ江沢民も引退後に院政を敷けない甲斐性なしですから、いわば小粒同士の綱引きで、それゆえフニャフニャした政争というか決着のつかない主導権争いが……つまり胡錦涛が「最高指導者」から「最高実力者」へとグレードアップできないまま4年半が経過して、未だにフニャフニャしたまま現在に至っています。タイミング的には江沢民がここらで何らかの「示威活動」をしてもいいころですね。

 ともあれその李長春。麻生太郎・首相と会談したほか与野党の代表とも会見していますが、むしろ今回の来日の本題は守備範囲である「宣伝部門」、要するにマスコミ対策だったのかも知れません。……マスコミとはもちろん日本側の、ということです。



 ●日本メディア14社首脳と初懇談=「良好な世論を」と李長春氏―中国(時事ドットコム 2009/03/30/22:34)

 来日している中国共産党ナンバー5、李長春政治局常務委員(宣伝担当)は30日夜、日本の通信社・新聞社・テレビ局14社の社長ら首脳と、都内のホテルで夕食を共にしながら懇談し、両国国民の相互理解に向けて「良好な世論を作るよう努力してほしい」と求めた。東京の中国大使館によると、中国指導者が日本メディア各社を一斉に招き、意見交換したのは初めて。 

 日中関係は靖国神社参拝問題などで冷え切ったほか、2005年には中国各地で反日デモが発生し、双方の国民感情悪化が深刻化した。こうした中で、中国側は、国民に情報を提供するメディアが果たす役割の重要性を痛感しており、今回の交流をメディアを統括する李氏の訪日の「大きな目玉」(中国政府筋)と位置付けた。

 李氏は懇談で、「民意は両国関係発展の基盤だが、国民感情は依然として脆弱(ぜいじゃく)だ」と指摘。「メディアは友好関係前進のため重要な責任を負っている」として、「客観・公正な報道で国民世論が誤った方向に行かないようにしてほしい」と要請した。



 御覧の通り、突っ込みどころ満載の実に味わい深い記事です。

「日中友好関係の促進のため、良好な世論を作るよう努力してほしい」

 と李長春は日本の大手マスコミの代表に対しお説教したようですね。

 ここでいう「友好」とはもちろん当ブログのいう「中共語」のことであり、日本人の考えるそれと同義ではありません。久しぶりに「中共語」の代表例でも並べておきますか。あちらの公式声明などを解読する上で重宝します。

 ●「対話」→「中共の言い分の押しつけ」「中共からの命令伝達」
 ●「協議」→「中共の言い分の押しつけ」「中共からの命令伝達」
 ●「協力」→「中共への奉仕」
 ●「平和」→「中共による制圧下での非戦時状態」
 ●「友好」→「中共に従順」
 ●「交流」→「中共の価値観の押しつけ&軽度の洗脳」

 ……というもので、「東シナ海を平和の海・協力の海とする」と中国側が言う場合は、日本にとってとんでもないことなのです。「日中友好」なんて、何とおぞましい。

「今回の交流をメディアを統括する李氏の訪日の……」

 という文言にも、「中共語」流の解釈を施せば事態が実にわかりやすくなりますね。

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 で、今回の場合、要するに「日本が中国に従属する方向への世論形成に励め」ということになります。これに対し日本の大手マスコミ各社の代表がどう反応したかは、記事から読みとることはできません。そのことに、私はちょっとムカついています。

 中共政権の首脳が日本をはじめ海外の政治家など会見したときに、国営の新華社通信をはじめとする中国メディアの報道は、中国側が日本側に対し一方的にまくし立てるという構図のスタイルがお約束となっています。

 首脳会談も含め、骨の髄から中華三昧な「謁見してやっている」という上から目線。前掲の記事は日本のメディアによるものながら、何やらそのスタイルを踏襲しているようで気に入らないのです。

「客観・公正な報道で国民世論が誤った方向に行かないようにしてほしい」

 という言葉をそのまま流しておいて日本側の言い分を加えないというのは、あたかも李長春の主張を唯々諾々と受け入れているようなものではありませんか。……ただし、

「国民に情報を提供するメディアが果たす役割の重要性を痛感しており、今回の交流をメディアを統括する李氏の訪日の『大きな目玉』(中国政府筋)と位置付けた」

 という部分に中国側の本音を垣間見せているのは一応、評価できます。私たちからみると媚中路線メインに感じられるかも知れない日本のマスコミ報道も、中国側にしてみると相当頭が痛い問題なのでしょう。

 代表例としては毒餃子問題あたりでしょうか。チベットや台湾に関する報道にも修正を要する部分が多々ある、とも感じているかも知れません。消費者にとっては歯がゆく思える内容だったかも知れませんが、これら一連の報道は,間違いなく日本国民の対中感情を悪化させることに貢献している。……と中国側が感じても不思議ではありませんから。

 ――――

 ただし、

「中国指導者が日本メディア各社を一斉に招き、意見交換したのは初めて」(日本側の意見はどこにも見当たらないのですが)

 という一種の危機感の表れには、もうひとつ理由があるのではないか、と私は考えています。影響力を徐々に高めつつある日本の「ネット世論」に対してです。

 巨大掲示板「2ちゃんねる」をはじめとする各種掲示板や、自由な情報発信を個人レベルでどんどんできるHPやブログといった新媒体が少なくとも日本人の40代くらいあたりまで相当浸透しているというのは、中国側にとってひとつの脅威であることは確かです。

 例えば昨年のフリーチベット。長野の聖火リレーに日本人有志を大挙動員せしめたのがマスコミの影響によるものではないことは明らかです。さらに5月6日の東京・代々木フリチベデモ。この種のイベントとしては異例の約4000人もが集まって当日に来日した胡錦涛の顔に泥を塗ることとなりました。

 このデモについて、マスコミによる事前告知が全く行われなかったといっていいのにかくも大規模なものとなったのは、外交部報道官が定例記者会見でその日のうちに不快感を表明したように、中国当局にとっては一種の衝撃だったのではないでしょうか。

 前掲記事の報道ぶりからわかるように、いかに報道の自由が保障されているといっても、中国はアメとムチを以て日本のマスコミ報道の内容に制約を加えることが可能です。ところが、ネットに対してはどうすることもできません。たとえ中国国内からアクセスできないようにしても、日本におけるネット発のムーブメントや世論形成を抑圧することはできませんから。

「個人レベルのネット媒体を何とかしてくれ」

 というのが、実は李長春がいちばん言いたかったことかも知れないな、というのは私の邪推にすぎません。ただし、仮に実際にそれを匂わせる発言があったとしても、日本のマスコミがそれを報じることはないでしょう。報じてしまえば、既得権益媒体であり情報発信の仕切り役というマスコミの影響力の低下を自ら認めてしまうことになります。こればかりは、面子にかけて記事にすることはないでしょう。

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「李氏は懇談で、『民意は両国関係発展の基盤だが、国民感情は依然として脆弱(ぜいじゃく)だ』と指摘」

 とのことですが、李長春はまず自分が中国人であることを忘れて、虚心坦懐に日中双方を俯瞰してみるべきですね。

 まずは反日風味満点の愛国主義教育。2005年の反日騒動も中国のマスコミが煽り役を務め、政争絡みという真因もあって、胡錦涛に不満を持つ政治勢力は「反日」の擁護者として大車輪の働きをしました。

 毒餃子へのまことに不誠実な対応、野菜には残留農薬(重金属も?)、ウナギには発ガン性物質のマラカイトグリーンなどなど、危険な食品という問題については逆ギレばかりで、真摯な反省は行われたでしょうか。

 あるいは日本人の対中感情悪化に最も寄与しているといえるかも知れない、在日中国人による凶悪犯罪が猖獗を極めていることは中国国内でどれほど報じられているのか。そして、南京のあのテーマパーク。

 中国が人権弾圧に対し「特殊な国情ゆえ」と厚顔にも言ってのけるなら、日本側も「特殊な国情ゆえ」少数民族を含め中国国民に対する人権問題への糾弾者になってもいいのではないかと。まあ少なくとも日本のマスコミに対しては、期待するだけ無駄かも知れませんが。

 最後にもうひとつ指摘しておきたいのは、

「日中関係は靖国神社参拝問題などで冷え切った」

 という一節が日本のマスコミで広く使われていることです。中国には日本の首相が靖国神社に参拝することに反対する根拠はありません。毎度毎度、「中国人民の感情を傷つけた」なんて言っていますが、これって理由になりますか?まあ日本を舐めているからこその厚顔無恥な真似でしょうけど、二国間の約束事に対する違反などの確たる根拠がない限り、日本政府が「中国は内政干渉をやめろ」と言わないことに感謝すべきです。

 御不審な点があれば「日中共同声明」以来の日中間で取り交わされた政治的文書なるものをひとつひとつ舐めるように読んでみることですね。重ねて強調しておきますが、靖国問題は日本国内の、日本国民によって決せられるべきものであり、中国はじめ他国が容喙できる性質のものではありません。「靖国」が日中関係を冷え込ませたのではなく、「靖国」への中国側の容喙と子供じみた外交上の対応、そして自国民に対する愚昧としかいいようのい扇動的な報道がいたずらに事態を悪化させたのです。宣伝担当なんだから反省しろ李長春。

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 ちなみに、「友好」が「中共語」ではなく本来の字義通りであれば、

「メディアは友好関係前進のため重要な責任を負っている」
「客観・公正な報道で国民世論が誤った方向に行かないようにしてほしい」

 という李長春の要請はまことに正論で、日本のマスコミも襟を正して拝聴すべきものなんですけど。……ええ、「客観・公正な報道」をより心がけ、日本人の対中認識をいよいよ正確なものにするよう励んでもらいませんとね。





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 尖閣諸島問題、というより尖閣諸島問題で中国が一方的に熱くなっている件、というべきですか。御存知の通り中国はいま多事多端にして物情騒然ですから他に書くことが色々あります。

 ……ありますし私も早いとこそっち方面へ行きたいのですが、如何せん極上燃料が投下されてしまいました。これです。



 ●日本、常任理事国入りに再挑戦 安保理改革19日に政府間交渉(共同通信 2009/02/17/16:15)


 【ニューヨーク17日共同】国連安全保障理事会改革をめぐり実質的な議論の場となる政府間交渉が19日、ニューヨークの国連本部で開始される。2005年に安保理拡大を盛り込んだ枠組み決議案提出までこぎ着けながら、最終的に挫折した日本は悲願の常任理事国入りに再挑戦する。

 第1回交渉では、国連総会のデスコト議長が加盟国に交渉の手順などを記した作業計画を提示する予定で、どのような内容になるのかが焦点。議長は交渉を数カ月で集中的に行う方針を示しているが、国連外交筋は「議長は任期切れの9月までにどこまで進めるつもりなのか注目される」としている。

 議長の報道官は政府間交渉について「あらゆる形態がありうる」とする一方、論点は(1)安保理の拡大規模(2)常任理、非常任理の数(3)地理的な配分(4)拒否権(5)安保理の手続き面での簡素化-の5点に集約されるとした。



 2005年春に発生した反日騒動、その真因は胡錦涛下ろしに向けて対外強硬派を含むアンチ胡錦涛諸派が仕掛けた政争、と私は考えていますが、表面的には、

「日本の国連安保理常任理事国入りと歴史教科書への猛反発」

 という動機でネット世論から現実世界へと反日気運が高まり、ついにかくなってしまいました。

 むろん自然に盛り上がったムーブメントなどではなく、その過程ではメディアを通じた様々な煽りがありました。なぜ煽るかといえば、

「反日なら客を呼べる、売れる、儲かる」

 という認識によるものです。単に新聞の販売部数が伸びるとかサイトのヒット数が急増して広告が……というだけでなく、「反日」を掲げて胡錦涛政権を揺さぶることで江沢民時代の既得権益を維持したり、予算を分捕ったり、狙っていたポストをゲットしたり。……というのも「儲かる」に含まれます。

 煽るメディアの政治的保護者としてアンチ胡錦涛勢力の存在があった、といっていいでしょう。掌握下のメディアを使って敵方のメディアと代理戦争を展開させる、というのは中国政治の権力闘争における最も典型的なスタイルです。

 それはともかく。要するに江沢民時代にはそれを繰り返し声高に叫ぶことで対日外交カードや中共政権への不満そらしとして機能していた「反日」は、江沢民が完全引退してからは一貫して胡錦涛による政権運営の足を引っ張る切り札的アイテムとなってきました。

 いまでもそれが有効と認識されていることは、前回書いたように尖閣諸島をめぐる問題について中国の顔色がやや紅潮してきたことから察することができます。尖閣問題という「反日」そのものではなく、「反日」カード発動による政争の気配がにわかに高まったことで「紅潮」してきたということです。

 その前回紹介した「台湾の活動家が5月に上陸を狙う」という電波系基地外反日誌『国際先駆導報』の記事は掲載当日午後に「新華網」にも転載され、国営通信社による全国ニュースへと昇格しています。

 ●「新華網」(2009/02/16/15:09)
 http://news.xinhuanet.com/tw/2009-02/16/content_10828136.htm

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 この記事を改めて読んでみて、さらに他の関連報道にも接して「おや?」と思ったのは、前々回に私が散々くさした「厳正なる申し入れ」が、少なくともメディアやネット世論においては熱烈歓迎されているらしい、ということです。

 かつての小泉純一郎・首相(当時)による靖国神社参拝に対する中国政府の反応について、「また抗議・遺憾の軟弱外交か」という怒りの声が中国のネット上では参拝の度に噴出していましたが、

「海上保安庁が尖閣諸島付近にPLH型巡視船を常時配置」

 という『産経新聞』による消息筋報道について、外交部が初動にてマニュアル通りの反応に終始し正面からの言及を避けた(日本側の公式発表でないため)ことについても、同様の非難が相次いでいました。

 ところが、外交部アジア局が2月10日、北京の日本大使館に対して行った「厳正なる申し入れ」については、

「よく言った!いいぞ!」

 という反応に一変したのです。

「釣魚島と周囲の島々は昔から中国固有の領土であり、中国はこれに対して争う余地のない主権を持っている。日本側が釣魚島問題に関してさらなる行動に出た場合、中国側も強い反応をせざるを得ず、日本側はこれを明確に意識すべきだ」

 というのが、そのポイントである模様。日本のメディアはこの部分について、

「日本側に冷静な対応を求めた」
「けん制した」

 と軽く流しているのですが、中国の自称愛国者どもにとっては溜飲が下がったようで。「次に同じことをやったら無事では済まないと思え!」というノリが受けたのでしょうか。

 ●「人民日報日本語版」(2009/02/12/11:41)
 http://j.people.com.cn/94474/6591314.html

 ●尖閣の巡視船配置で申し入れ=中国(時事ドットコム 2009/02/11/17:56)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009021100353

 ●尖閣諸島めぐり申し入れ 中国が日本に(共同通信→MSN産経ニュース 2009/02/11/21:32)
 http://sankei.jp.msn.com/world/china/090211/chn0902112134006-n1.htm

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「日本に対し強い反発で最後通牒:東海艦隊は衝突に備え待機態勢!」

 という威勢の良すぎる記事まであったようです。「あったようです」というのは現在は削除されているからで、出ていた場所は中国中央テレビ局(CCTV)のニュースサイト。

 http://news.cctv.com/military/20090217/101583.shtml

 あれこれ検索してみたら「新浪網」のブログに似たようなものが転載されていました。たぶんこれではないかと。

 ●中国強烈反応対日発最後通牒:中国東海艦隊作好衝突準備!(2009/02/17/09:39)
 http://blog.sina.com.cn/s/blog_4b773c640100bvit.html

 糞青(自称愛国者の反日信者)が反日掲示板に書きなぐって満堂の喝采を浴びそうなノリと内容です。プロの記者が書いたのでしょうけど、30歳前後から下は江沢民による反日風味満点の愛国主義教育を受けて成人していますから、血潮をたぎらせていたのであれば、まあこんなもんでしょう。海上保安庁の巡視船に対抗して中国海軍を出す、という発想からしてイタいような気がするのですが……。

 そのCCTVの軍事関連ニュースのページに飛んでみると、

「日本が艦艇を出動させ魚釣島の実効支配に動いたら、中国はどう対応すべきか?」

 というアンケートが。結果は言わずもがなですね(笑)。





 (1)ドカンと一撃浴びせておいてから協議……1742票
 (2)極めて強硬な姿勢で恫喝することで手を引かせる……1628票
 (3)こちらも武力で臨み盛大に一戦交える……1396票
 (4)放置して対立の激化を避ける……59票

 ●「央視網軍事社区」
 http://news.cctv.com/military/
 http://www.cctv.com/vote/see11174.shtml

 ――――

 ……と、いい感じになってきたところへ「日本が常任理事国入りに再挑戦!」という報道が流れるというタイミングの妙はどうでしょう。

 社会状況だけでもう必死なのに、尖閣問題を持ち出されて何となく盛り上がってきたところに、この極上燃料。このネタにも飛び火して炎上となれば、最近かの江沢民がアップを始めている模様なので胡錦涛にとってはかなり苦しい展開になりそうです。

 この「常任理事国」ニュースは日米外電総合という形で、英字紙『チャイナ・デイリー』電子版を通じて中国国内にも速報されています。

 ●国連改革、日本が安保理常任理事国入りを要求へ(新浪網 2009/02/17/17:58)
 http://news.sina.com.cn/w/2009-02-17/175815176651s.shtml

 そしてこちらにもアンケートが。「あなたは日本の常任理事国入りを支持しますか?」という設問への回答は……





 ……ええ、全くお約束の通りでした。というよりこれからの展開が楽しみ?(笑)

 http://survey.news.sina.com.cn/voteresult.php?pid=30799

 国内の状況が大変だというのに、こんなことやっていて大丈夫?と他人事ながらつい心配してしまいます。2005年春の反日騒動だって当局の予想を超えて盛り上がったため、「中共人」たちは身の危険を感じて喧嘩している同士で慌てて手打ちを行い,全力で鎮静化に努めたという経緯があります。

 あれから4年。現今の経済・社会状況は当時と全く比較にならぬほど悪化しているというのに、庶民を盛大に踊らせて政争を繰り広げる余裕があるのでしょうか?

 ――――

 こと尖閣問題については領有権争いですから、胡錦涛や外交部にしても日本に譲歩するつもりは少しもないでしょう。ただし、いま現在において日本にどう対応してみせるか、という「強硬度」についてはネット世論との間に相当な隔たりがあるように思います。

 日本の常任理事国入りに至っては「100%反対!」ではなく、反日騒動時の初動期に示したように「容認もやむなし」というのが胡錦涛の本音かも知れません。……とはいえ、世論や政敵が盛り上がってしまうと、未だに「番長」ではないだけに胡錦涛は涙目になってしまうかも知れません。というより、本当に盛り上がってしまえばその線が濃厚。

 「続報に期待」と前回の文末に書いたら、とんでもない展開になってしまいました。(・∀・)

 最後に尖閣関連情報。

 5月に魚釣島上陸を目指す台湾の活動家グループ「中華保釣協会」は船の準備も整い、香港の団体も参加する見通しとのこと。中国本土からの参加も求めるとのことですが、これについては本土の総本山「中国民間保釣連合会」の童増・会長が香港紙の取材に応じ、

「中国国内でも非常に盛り上がってきている。当局も協力的だし、中国と台湾の関係も良好だ。それに馬英九も活動家上がりだ」

 などとコメント。「ここ10年来で最大規模の民間によるアクションとなる可能性が高い」と強い期待を示しています。長らく御無沙汰していた童増ですが、口の軽さは相変わらずのようです。

 「当局も協力的」なんて軽々しく言っちゃうあたりが何となく憎めなくもあるのですが、ここは「中国当局内の有力者には『反日』に協力的な者がいる」と読んでおくべきでしょう。

 ●台湾の団体が尖閣上陸計画(共同通信→MSN産経ニュース 2009/02/17/17:01)
 http://sankei.jp.msn.com/world/china/090217/chn0902171702005-n1.htm

 ●『蘋果日報』(2009/02/17)
 http://www1.appledaily.atnext.com/

 あとこれも。



 ●侵入は主権示すため 中国、尖閣諸島問題で(共同通信→MSN産経ニュース 2009/02/17/13:19)


 新華社電によると、国家海洋局の孫志輝局長は17日までに、昨年12月に尖閣諸島(中国名・釣魚島)沖で中国の海洋調査船が日本の領海に侵入したことについて「実際の行動で中国の立場を示した」と述べ、中国の主権を主張することが目的だったことを明らかにした。

 16日に北京で開かれた海洋局関連会議の中での発言。孫局長は、昨年1年間で中国が主権を主張する海域で延べ200隻余りの船舶、同140機余りの航空機を出し監視、警戒などの活動を行ったと指摘した。



 なるほど。海洋調査とか言っていたのに、やっぱり本当の目的は示威活動だった訳ですね。それにしても、こういうニュースが中国国内に流れることで、いよいよ「反日」気運が高まっていくのでしょう。

 ……天意?



 【追記】上の「侵入は主権示すため 中国、尖閣諸島問題で」というニュースについて元ネタである新華社では当該記事が削除されていました。転載された先でも削除されているケースが多々。政治臭がプンプンしますね。下は現時点で残っていたものひとつ。(2009/02/18/16:19)

 ●2008年我国海洋維権航程近50萬海里(新華網→温州網 2009/02/16/21:36)
 http://news.66wz.com/system/2009/02/16/101144204.shtml






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 あまり気乗りはしないのですが、いま現在の日中関係におけるホットな話題のひとつといえる、尖閣諸島をめぐる問題について。

 ……と書いていて我ながら疑問に思うのは、

 ●本当にホットな話題なのか?
 ●旬のネタなのか?
 ●騒いでいるのか?

 ということです。中国国内メディアの記事漁りをしていると何やら熱くなって多少は盛り上がっているようにもみえるのですが、日本側は正に音無の構え。……ええ、事態を静観しているのではなく、報じるに値する素材がないので記事にならない、というだけのことではないかと。

 中国側の一連の動きをざっと見渡してみると、

 (1)『環球時報』『国際先駆導報』など電波系基地外反日メディアはここを先途と必死に立ち働いている。
 (2)一部メディアがそれに悪ノリしている気配も。
 (3)人民解放軍の内部には、この騒ぎに乗じて……という向きがいるかも。
 (4)外交部をはじめとする中国政府はあからさまに迷惑顔で、マニュアル対応に徹し事を荒立てたくない模様。

 ……との印象を、現時点では受けます。これからどうなるかは、わかりませんけど。

 ――――

 中国メディアの一部が騒いでいるとすれば、その発端は日本側の報道です。これですね。



 ●尖閣諸島周辺にヘリ搭載巡視船を常置 海保、領海侵入監視を強化(MSN産経ニュース 2009/02/04/01:45)


 東シナ海・尖閣諸島周辺の日本領海で警戒監視活動で、海上保安庁はヘリコプター搭載の大型巡視船(PLH型)を常時配置する態勢に切り替えた。尖閣諸島警備では、これまでも状況に応じてPLH型巡視船を派遣してきたが、常時配置するのは初めてという。中国海洋調査船の領海内への侵入監視が強化された。

 海保では、昨年12月から続けてきた巡視船3隻態勢を以前の2隻へと減少させる一方、PLH型巡視船の投入で「ヘリコプターによる機動力が活用でき、警戒能力はこれまで以上のレベルを維持できる」(海保幹部)としている。

 中国海洋調査船が昨年12月8日、同海域の領海に侵入し、約9時間に渡って航行したことから、海保ではそれ以前の常時2隻態勢を、常時3隻態勢に一時的に強化し、石垣航空基地からの航空機による監視も続けていた。

 しかし、昨年12月の中国調査船の領海侵犯は、魚釣島の西方沖と島周辺という巡視船の死角となる南東海域からだったことから、海保では「ヘリコプターを投入することで効率的に事態に即応できる」として、PLH型巡視船の投入を決めた。

 PHL型巡視船の投入は1日から始まった。海保は新たな巡視船の配置について、「申し上げられない」としている。



 この記事から今回の煮え切らない動きがスタートしました。厳密にはこれ、「海保幹部」から得た消息筋情報ですね。

「海保は新たな巡視船の配置について、『申し上げられない』としている」

 と、海上保安庁はこれを正式に認めてはいません。とはいえ否定してもいないのと「海保幹部」のコメントから、確度は低くないように見受けられます。

 日本メディアでこの前後にこれを報じたところはないので、

「2月1日から海保が尖閣諸島周辺にPLH型巡視船を常時配置」

 というのは『産経新聞』のスクープ、ということになります。ただし、他紙による後追い報道もなく、『産経新聞』からも続報が出ていません。実は現在に至るまで、このニュースについては「That's all.」でして、要するに根拠は消息筋情報1本のみ、ということになります。

 ――――

 ところが、これに中国メディアが敏感に反応して騒ぎ始めることになるのです。尖閣問題でひときわ敏感に反応するのはもちろん電波系基地外反日紙あたりですが、先陣を切ったのはその代表格である人民日報系の『環球時報』。産経報道の翌日である2月5日付紙面(第三面)にてバーンと脊髄反射してくれました。内容は主に産経報道の引き写しです。

 ●『環球時報』2009年2月5日付紙面一覧
 http://www.huanqiu.com/newspaper/default.html?type=hqsb&date=2009-02-05&block=4

 その電子版である「環球網」は一足早く、4日当夜に同じ記事を配信しています。大手ポータルの「新浪網」がこれを即転載。

 ●日本が釣魚島海域に巡視船常駐へ(環球時報ー新浪網 2009/02/04/19:42)
 http://news.sina.com.cn/c/2009-02-04/194217149047.shtml

 これで消息筋情報は、「日本の2月4日付『産経新聞』の報道によれば」という書き出しに始まる「国内新聞」(中国本土のニュース)として認知されました。ちなみに「釣魚島」とは尖閣諸島の魚釣島のことですね。

 ともあれ、こと反日ネタとなれば、脊髄反射には脊髄反射で臨むのが中国における自称愛国者どもの正しいスタイル。……てな訳でこの記事の付属掲示板には現時点で2203件ものレスがついています。その内容たるや推して知るべし。大漁というほかありません(笑)。

 さて、2月4日の『産経新聞』報道が当日夜に中国国内のネット媒体で全国ニュースとなり、翌5日には紙媒体の『環球時報』が報道。この日は折よく外交部報道官定例記者会見が開かれており、さっそく質問が飛んでいます。



 ●日本は釣魚島実効支配のいかなる強化策も即時停止すべき(人民日報日本語版 2009/02/06/16:42)


 外交部の姜瑜報道官は5日の定例会見で、日本は釣魚島に対する実効支配を強化するいかなる行動も直ちに停止すべきだと表明した。

 ――日本の海上保安庁が、中国の海洋調査船の「侵入」を監視するためと称し、ヘリコプター搭載可能な巡視船(PLH型)を釣魚島海域に初めて常時配備させたと報道されているが、これについてコメントは。

 釣魚島およびその付属諸島は古来中国固有の領土であり、中国はこれに対し争う余地のない主権を有している。同島に対する実効支配を強化する日本側のいかなる行動も中国の領土主権に対する侵害であり、不法かつ無効であり、直ちに停止すべきだ。(編集NA)



 記者会見録全体の原文はこちら。

 ●「外交部HP-新華網」(2009/02/05/19:29)
 http://news.xinhuanet.com/world/2009-02/05/content_10769921.htm

 そして尖閣問題についてのみピックアップした記事はこれ。

 ●「新華網」(2009/02/05/21:25)
 http://news.xinhuanet.com/world/2009-02/05/content_10770347.htm

「釣魚島およびその付属諸島は古来中国固有の領土であり、中国はこれに対し争う余地のない主権を有している。同島に対する実効支配を強化する日本側のいかなる行動も中国の領土主権に対する侵害であり、不法かつ無効であり、直ちに停止すべきだ」

 と、外交部報道官はあくまでもマニュアル通りの対応であり、「海保が尖閣諸島周辺にPLH型巡視船を常時配置」といった具体的な言及は避けています。だって元ネタが消息筋情報なんですから。

 しかし電波系基地外反日メディアはこの機を捉えて放しません。『環球時報』が東の横綱なら、こちらは西の横綱とでもいうべき新華社系国際時事誌『国際先駆導報』が4日後の2月9日には関連記事をしっかりと掲載。

 毎週月曜・木曜発売の雑誌ですから、「事件」直後の最新号(9日発売)に満を持して炎メラメラな解説記事を出しています。同誌ウェブサイトにも同じ日に掲載されました。

 ●日本が釣魚島海域を全面封鎖(国際先駆導報HP 2009/02/09/10:13)
 http://news.xinhuanet.com/herald/2009-02/09/content_10786583.htm

 こうした中国の特定メディア(笑)による扇動的な動きは差し詰め前述した中の、

「(1)『環球時報』『国際先駆導報』など電波系基地外反日メディアはここを先途と必死に立ち働いている。」

 ……に相当します。

 ――――

 しかしその裏で、政治の世界では様々な駆け引きが行われたのかも知れません。中国にとっては領土紛争。となれば「国家主権と領土の保全」を神聖な使命とする人民解放軍とて反応せざるを得ません。

 その感度は軍内部においても様々だったでしょうが、公式には未確認の消息筋情報とはいえ確度は高めですし領土が絡んでいますし、また台湾問題とリンクする部分もあるので坐視できない事態ということになるでしょう。

 ただし「感度は様々」というのは、すぐ頭に血が上ってカッとする向きもあれば、現実に則した判断を重んじる筋もある、ということです。もちろん、頭に血が上ったフリをしているけど真の狙いは別にある、という勢力もいるでしょう。

 「純粋派」は熱血青年将校、といったイメージを結べそうですが、将官クラスにもやんちゃ坊主がいる可能性は否定できません。

 香港の活動家が2006年10月、オンボロ漁船に乗り組んで魚釣島上陸を試みたとき、中国・東海艦隊が尖閣諸島からわずか300kmの地点を管制区域とし、上陸予定日に合わせて?実弾射撃練習を行ったという「前科」もあります。

 規模にもよりますが、これ、佐官クラスの判子だけでは実施できない演習ではないかと思うのですが、さてさて。

 ●尖閣近海に中国海軍展開!なのに主役は台湾沖でヨタヨタ。(2006/10/25)

 こうした純粋にメラメラして鉄砲玉になりかねない単純な対日強硬派に対し、軍のトップである最高指導者・胡錦涛(党中央軍事委員会主席)を好まない向きは事を急がず、これに乗じて発言権を強めたり、軍における権限や予算分捕り、また経済政策面での譲歩を引き出そうとするなど、胡錦涛に圧力をかける方向へと動いているかも知れません。

「(3)人民解放軍の内部には、この騒ぎに乗じて……という向きがいるかも。」

 に相当するのがこれです。多少分別のある対外強硬派や、いまなお胡錦涛にプレッシャーをかけ続けている先代指導者・江沢民に引き立てられた将官、さらには制服組ではなく地方勢力&寡占業界のような既得権益層もポイントを稼ごうとするところかと思います。

 そういう口うるさい連中を迷惑に思っているのが他ならぬ胡錦涛であり、また対日関係の実務を担当する外交部あたりでしょう。

 胡錦涛も決して負けていないようです。これは別の機会に回しますが、人民解放軍機関紙『解放軍報』に目配りしておくと、胡錦涛も黙って打たれている一方ではないことがうかがえます。

 ……ただし、その反撃を行うために、胡錦涛は自分を擁護してくれる軍内部の勢力に何らかの見返りを与えたりしているのかも知れません。

 ――――

 一方、

「(4)外交部をはじめとする中国政府はあからさまに迷惑顔で、マニュアル対応に徹して事を荒立てたくない模様。」

 というのは上述の定例記者会見でもみせた動きですが、(3)の勢力に手当てすべく一応形だけのことはやっておこう、という外交部の姿勢が如実に表れたのが2月10日(『国際先駆導報』当該号発売の翌日)の出来事。日本大使館に対する申し入れです。



 ●外交部、釣魚島の巡視船問題について交渉申し入れ(人民日報日本語版 2009/02/12/11:41)


 外交部のウェブサイトによると、外交部アジア司の担当者は10日、ヘリコプターが搭載可能な巡視船を釣魚島の海域に日本が常駐させているとされる問題について駐中日本大使館に厳正な交渉を申し入れた。

 日本メディアの報道によると、日本海上保安庁は1日から、ヘリコプター搭載のPLH型巡視船を釣魚島海域に派遣し、釣魚島に対する警備態勢を強めている。この報道が事実であれば、中国領土の主権に対する重大な侵犯であり、中国側はこれについて重大な関心を示している。

 アジア司担当者によると、釣魚島と周囲の島々は昔から中国固有の領土であり、中国はこれに対して争う余地のない主権を持っている。日本側が釣魚島問題に関してさらなる行動に出た場合、中国側も強い反応をせざるを得ず、日本側はこれを明確に意識すべきだ。(編集MA)



 原文はこちら。

 ●「外交部HP-新華網」(2009/02/11/17:52)
 http://news.xinhuanet.com/world/2009-02/11/content_10802261.htm

 「厳正な申し入れ」といいながら気乗り薄なのは、まず外交部のこのアクションが確たる根拠のないもの(あくまでも『産経新聞』の消息筋情報ですから)であるため、……つまり形式上は事実無根ということになるので、「抗議」ですらない「申し入れ」でしかなかったこと。

 また、日中双方の担当者の実名や具体的なポスト名すら出ていないほど(日本側は「大使館員」)、格の低いで外交活動であること。そりゃ未確認情報で日本大使館に殴り込みなんて、外交官としては恥ずかしくてできたものではないでしょう。……それから、

「この報道が事実であれば」(這一報道如属實)

 といった腰の引けた表現(根拠不明瞭)からも嫌々っぷりがうかがえます。形だけ仕事はしましたからね、といったノリです(笑)。しかも申し入れは10日にやっているのに、外交部HPと新華社電という形での公式発表は翌11日の夕方になってから。

 さらに原文になると、日本語の「外交部アジア司の担当者は10日(中略)駐中日本大使館に厳正な交渉を申し入れた」という部分が、

「外交部亞洲司負責人奉命(中略)向日本駐華使館館員提出嚴正交渉」

 となっていて、外交部アジア局責任者が「命を奉じて」(奉命)……という余計とも思える単語が登場しているのです。

「はいはい承った御命令の通り仕事はしてきましたよ」

 という外交部の迷惑顔が、申し入れから公式発表までのタイムラグともども垣間みられているようで実に微笑ましい一節というべきでしょう(笑)。なお公式発表が遅れたことは、日本側の報道がやはり11日夕方に行われた点からもみてとれます。

 ●尖閣の巡視船配置で申し入れ=中国(時事ドットコム 2009/02/11/17:56)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009021100353

 ●尖閣諸島めぐり申し入れ 中国が日本に(共同通信-MSN産経ニュース 2009/02/11/21:32)
 http://sankei.jp.msn.com/world/china/090211/chn0902112134006-n1.htm

 ……総じていえば、日本側の報道は中国メディアに比べて非常に淡々としています。消息筋情報に対し、国内的には踊るフリをしてみせた中国外交部のアクションでは、目を引く記事にはなりにくいからでしょうか。

 ●中国軍副総参謀長が来日へ 日中交流、防衛相と会談(共同通信 2009/02/14/17:13)
 http://www.47news.jp/CN/200902/CN2009021401000409.html

 には尖閣問題への言及がありますが、

「日本側との会談では、20年連続で2けたの伸び率を示す中国国防費の不透明性や、昨年12月の尖閣諸島沖での中国の海洋調査船による領海侵入が議題となる可能性もある」

 ……と、中国側から「厳正な申し入れ」が行われた今回の件は華麗にスルー。「空騒ぎ」扱いなのです。

 ――――

「(2)一部メディアがそれに悪ノリしている気配も。」

 という点にもふれておきましょう。

 ●尖閣問題:中国の掲示板が“炎上”―日本の巡視船配備で(サーチナ 2009/02/12/12:36)
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0212&f=national_0212_011.shtml

 炎上したそうです(笑)。

「中国新聞社が主催する掲示板『中新網社区』は12日、尖閣諸島問題で日中両国が『衝突する可能性が増大。君の見方は』と題するアンケートを掲載した」

 そんな「衝突する可能性が大」なんて決めつけて煽れば、そりゃ炎上しますとも。……もっとも、

「同アンケートは、日本の海上保安庁が尖閣諸島周辺にヘリコプター搭載の巡視船の常置配備したことをきっかけに掲載された。」

 という文言は消息筋情報に対して使うべき表現ではありませんが、これはどうしたことでしょう。それはともかく、

 ●「君はなぜ反日か?」―「反省ないから」:中国でアンケ(サーチナ 2009/02/12/11:39)
 http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2009&d=0212&f=politics_0212_003.shtml

 この記事もいきなり「君はなぜ反日?」と認定してかかるところから結果はみえています。のっけから「反日認定」しても圧倒的多数派から苦情が出ないあたり、さすがは中国のネット世論(笑)。

 他に「尖閣問題での日本側の強硬姿勢は、麻生政権の支持率低下を挽回せんとする狙いがある」といった怪論もあれば、例の『環球時報』も相変わらず毒を吐き続けており、「中国側が海洋調査船を再度派遣する可能性も」といった香港親中系通信社発の消息筋情報も掲載しています。どの辺の筋なのか、ちょっと気になりますけど。

 ●「南方新聞網」(2009/02/12/14:55)
 http://news.sina.com.cn/pl/2009-02-12/145517202116.shtml

 ●「環球網」(2009/02/13/09:32)
 http://www.takungpao.com/news/09/02/13/images_0702-1031584.htm

 ●「環球網」(2009/02/15/08:32)
 http://world.huanqiu.com/roll/2009-02/371937.html

 ――――

 延々と書き散らしてきましたが、単純な軍部の対日強硬派を別とすれば、要するに、

「尖閣なら客を呼べる」

「反日は売れる」

「儲かる」

 という認識のもと、中国側の関係各方面がそれぞれの思惑に応じて、公式には根拠のない「空騒ぎ」を演じ、やはり領土問題について日本に譲るつもりは少しもないであろう胡錦涛や外交部すら、このプチ狂躁曲ぶりに辟易している、ということではないでしょうか。

 とはいえ鉄砲玉が突如飛び出さないとも限らないのが、この話題のちょっと油断ならないところなんですけどね。……まあ失業だ旱魃だ金融危機だといった容赦のない現実を前にすれば、やはり気の乗らないテーマではありますが、跡づけておく必要は一応ありますから。

 それよりも「在中日系企業」の「在中」とか「対中投資」の「対中」が中国語では「在華」「對華」と表記されるようになったのはいつからなのか、またそれを平然とやってのけられる民族的な精神構造、といったものの方に私は興味があります。ていうか、何となくムカつくんですけど。





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 標題のような意見広告が、作曲家・すぎやまこういち氏ら有志の手で出されました。

 私の本業の感覚でいうと、すぎやまこういち氏といえば「ドラクエ」なんですけど。画像クリックで拡大します。





 これを掲載したムック本が12月18日に発売されました。


「反日マスコミ」の真実 2009 (2009) (OAK MOOK 264 撃論ムック)

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 詳細は、意見広告に名を列ね,上記『反日マスコミの真実2009』の責任編集も務めている西村幸祐氏のブログ「酔夢ing Voice」へ、是非。





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 「チベット交流会」主催のこじんまりとしたフリーチベットデモ(新宿)に参加してきました。

 http://www.tibet-koryu.net/
 http://www1.ttcn.ne.jp/~tamasan/weprotest.pdf

 さすがに、ちょっと疲れました。

「体調が良ければウォーキング(9km)をしても構わない」

 と医者どもに言われているのですが、今週は仕事の打ち合わせも含めて出歩き過ぎたようです。

 それでは、まずは写真から。

 ――――




集合場所である新宿の柏木公園。大して広くもないが人影はまばら。




出発用意。巨大旗スタンバイ。




いざ出陣。参加者は約70名。




デモ行進中。




デモ行進中。




デモ行進中。




デモ行進中。



解散式。皆さんお疲れ様でした。



解散式。皆さんお疲れ様でした。


 ――――

 少人数ながら元気もあり良くまとまったデモでした。

 ただデモ=示威行為である以上、繁華街である沿道にアピールするという意味では「人数が絶対」なのではないかと。

 主催者である「チベット交流会」から配られたチラシには、

「一般の方々から賛同の得られる内容とし、チベットのイメージを落とさないデモ行進を目指します」

 との一節がありました。

 ●一般の方々から賛同の得られる内容とする。
 ●チベットのイメージを落とさないデモ行進。

 という点に???であります。

 政治団体のような組織が参加することを避け、「純粋なフリチベデモ」にする、という意味でしょうか。事前に「2ちゃんねる」をはじめネット上でほとんど告知されなかったのもそのため?

 だとすれば、マスコミ各社に報じられた、あの「5.6代々木デモ」(参加者約4200名)は、今回の主催者にとっては「邪道」ということに?

 理解に苦しみます。

 ――――

 私の考えは、

「デモ=示威行為である以上、繁華街である沿道にアピールするという意味では『人数が絶対』なのではないかと」

 と上に書いた通りです。いくら新宿の中心部を練り歩いても、たかだか70名ほどのデモでは沿道の通行人に何のインパクトも与えられません。

 あるいは……というか、たぶん多くの人は間違いなく、

「変な人たち」
「何これ?」
「まだこんなこと、やってんの?」

 ……と思ったのでは?と愚考する次第。

 主催者にとっては何事かをアピールするための示威行為のつもりでも、外からみれば主催者の自慰行為に過ぎなかったのではないか、と。

 ――――

 こういうショボいデモを打ち続けるようでは、フリーチベット活動自体が泡沫化していきかねません。

 中国の弾圧に苦しむ少数民族たちを応援するという意味では、事実上中軸的存在のフリーチベット運動の衰退は、ある意味その勢いに乗っかってきた他民族の運動をもジリ貧に追い込むことになるのではないかと私は危惧します。

 チベットをめぐる日本の運動にセクト主義のようなものが出てきているのかどうかはわかりませんが、今後の運動展開に懸念を残すデモであったように感じられました。

 今回のデモのコールの中には、

「ロングリーブ→ダライ・ラマ!」(Long Live, Dalai Lama)

 というものがありましたけど、私の場合は「日本のためになる」という前提のもと、

「中共の嫌がることを真心を込めて念入りにやってあげる」

 というのが第一の参加動機であり、フリーチベットはその次です。その点で私は参加者としては乾いていた方だと思うのですが(あるいは夾雑物?)、「ロングリーブ→ダライ・ラマ!」にはどうしても声を合わせる気になりませんでした。それがチベット人たちの心からの気持ちなのかもしれませんけど、

 ●一般の方々から賛同の得られる内容とする。

 という点からいえば、カルトじみて見えても全く不思議ではありません。念を押すのも無粋なようですが、ここは日本ですから。

 ――――




おまけ(1)


 同日、日本李登輝友の会、台湾研究フォーラム、メールマガジン「台湾の声」の主催による「台湾正名・街頭署名活動」が新宿駅西口で展開されていました。

「法務省入国管理局は外国人登録において、在日台湾人の国籍を在日中国人と同様に『中国』としています。そこで『中国』を『台湾』に修正することを求めます」

 という趣旨のもので、当ブログと相互リンクしている「台湾は日本の生命線」の永山英樹さんをはじめ、皆さんが精力的に活動されていました。


 ――――




おまけ(2)


 帰りにはやっぱり靖国神社・遊就館の喫茶室で海軍コーヒーです。一年のうちこの時期のこの時間帯だけ、という角度で西日が射し込んで展示されている零戦を染め上げるという、私にとっては至高のシーンを目にする僥倖を得ました。大満足。





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 いま、中国情勢がちょっと面白くなってきています。前回のコメント欄でもふれた通りです。

 ざわざわしているのです。しかも、これまでとは違った、新しい形のざわざわです。タクシー運転手のストライキが各地で発生している件です。それに対し目下のところ、中国当局は有効な手を打てていません。

 現状では、対処するだけの余裕がもはや中国社会から失われているのでしょう。何らかの積極策に出ると、薮蛇になりかねない。だからなるべく慎重に、という基本姿勢のもと、半ば模様眺めに近いスタンスをとっているのだと思います。

 ただ、すでに一部地域で成功を勝ち取ったタクシー運転手のストライキは、成功を勝ち取ったがゆえに、別の業界から模倣例が飛び出して来ないとも限りません。タクシー業界内での運動拡大の可能性もあります。

 こうした状況、また中国の経済・社会を取り巻く内外の厳しい情勢が深刻で、党中央としては臨戦態勢の心構えを崩さずにいなければならない、ということが、最高指導者である胡錦涛・総書記による一連の重要講話から色濃くにじみ出ています。

 ――――

 これは、異例です。胡錦涛政権が発足して以来、最も緊張した状況に中国が置かれていることを示すものだと思います。

 ……という訳で、

「素人による中国観察。web上で集めたニュースに出鱈目な解釈を加えます。」

 という看板を掲げている当ブログとしては目が離せない状況になった、というゾクゾク感が広がりつつあります。従来の記事漁り(平時4時間・非常時6時間)にドクターストップがかかっていることが極めて恨めしい、といったところです。

 とはいえ、医者どもに内緒で拾い上げては読んでいる「重要講話」のような一見無聊そうな文章からも、大雑把ながら状況を把握することはできます。また、大きな流れをみる上では大雑把な方が目が曇らない場合も多いので、今月は繁忙期を迎えた仕事の合間を縫って、そういったことを考えていきたいと思います。

 ――――

 ただ、その前に手をつけておきたいことがあります。というよりすでに手をつけているのですが、例の「国籍法改正法案」について。私のプラカードの文句ではありませんが、日本社会ひいては日本という国家を根底から覆しかねないものです。

 かつまた、当ブログ主は微力ながらも、「日本をあるべき形に整えて、次世代にバトンを渡す」といった素志を持っているため、中国情勢を眺めつつも、自分たちが先人と次世代に責任を負わなければならず、また時間的余裕もないこの事態についてのエントリーを優先させるべきだと考えています。

 さらにいえば、国籍法改正法案が通れば、中・長期的にみて、日中関係にも劇的な変化をもたらすことになるでしょう。むろん日本にとってまことに望ましくない変化です。

「中国様が喜ぶことを,真心込めて念入りに。(・∀・)」

 という大原則に照らしても、これは、捨ててはおけません。

 そこで、ちょっとしつこいながらも、今回もまた国籍法改正法案についてのエントリーになります。なにぶん、日本と日本人にとって切迫した問題ですから。諒とされたし。

 ――――

 ところで、国籍法改正法案に反対する動きの中心軸ともいえる「2ちゃんねる」などを中心に、いま「ポスティング」という言葉と活動が広がりつつあります。

 御存知の方も多いでしょうが、国籍法改正法案がいかに多くの問題をはらんでいるかということを一般市民に周知させるため、それらを盛り込んだビラを近所のポストに配っていくという、一種の宣伝&啓蒙活動です。

 ビラ自体は「2ちゃんねる」の有志が立ち上げたサイトにいくらでも並んでいますから、自分で好みのものをダウンロードして、印刷ないしはコピーするだけです。

 この活動、私もやりたいところなのですが、如何せん夜間人口の少ない場所に住んでおります。

 さらにいえば、先日書いたように女子高生が馴れ馴れしくも「チベットおじさんだー」と寄って来ることもあるくらいですし、いまはプラカードを首から吊して近辺を1時間散歩するといった、道化に徹した活動も日課として行っております。

 要するに私が近所でポスティングを行えば、それを手にした住人は、

「あいつだ。これは絶対あいつの仕業だな」

 とすぐバレてしまうのです(笑)。らんらんるー。

 ということで、残念ながら、しかしここからの拡散を期待して、今回はブログ上での疑似ポスティングをやろうと思い立った次第。

 私が「これは良さげ」と思った5種類のビラを並べておきます。いずれも配布すること前提に制作されていますから、簡潔ながらもよくまとまった内容のものばかりです。全部に目を通せば丸わかり。画像クリックで拡大しますので、それをダウンロードすれば直ぐにビラ素材として使用可能です。

 御家族や職場の同僚、また友人知人に対する浸透活動の道具としてお役に立てて頂ければ幸いです。ビラを見せるというのもありでしょうが、むしろそこに書かれている懇切でわかりやすい説明術、これを口頭で活用すれば相当な威力を発揮することと思います。

 ――――

 

 

 

 

 


 それから、私がいま使っているプラカードの画像も、もしよろしければ。A3サイズですから、セブンイレブンのネットプリントサービスを利用して印刷することができます。


 


 ビラについては他にも色々あります。こちらを御参照下さい。

 ●Remember Too Late !
 http://remembertoolate.web.fc2.com/

 国籍法改正法案そのものについては、こちらを是非。

 ●国籍法改正案まとめWIKI
 http://www19.atwiki.jp/kokuseki/

 ――――

 それにしても、今回の運動の盛り上がりには驚くばかりです。「2ちゃんねる」などを中心に動きが生まれ、その勢いが強まりつつ「2ちゃんねる」の枠を超えて広がっていくというのは今年春のフリーチベットに似ています。

 「2ちゃんねる」発でオフライン、つまり現実世界でのデモやビラ配りが企画・実施されているところも類似点といえるでしょう。

 ただし興味深いのは、今回も「2ちゃんねる」などを中心に広がった動きがオフライン(一般市民)に拡大しつつあるとはいえ、フリーチベットと異なるのは、関係各議員へのFAX、メールの作成・送信、また請願書の提出、さらにポスティングのような、「オフラインでの単独活動」ともいうべき、個人個人による活動が非常に積極的に行われているという点です。

 フリーチベットなどで蓄積された経験値によって、「2ちゃんねる」発の運動が進化しつつある、といっていいかも知れません。

 むろん、「2ちゃんねる」らしいサポートも整っています。

 前掲の「国籍法改正案まとめWIKI」「Remember Too Late !」など「2ちゃんねる」系の有志によって立ち上げられたサイトを見ればわかりますが、訴求効果のあるビラが「職人」によってどんどん制作される一方、国籍法改正案に反対という意思表示の抗議FAXやメールを議員に送るため、議員のFAX番号やメールアドレスが優先順位で区分けして紹介され、また抗議FAX・メール用の例文まで掲載されています。

 見ればすぐ活動に入れるという便利さです。これによって各議員事務所へのFAX、メールが殺到することとなりました。いまなお殺到中です。

 そして、一般市民へと拡大し始めた「断固反対」の流れを受けて、「9割が推進派」とされてきた民主党参院議員の間からもとうとう「慎重審議」の声が続出し、本来すでに採択されて12月8日から施行される筈だった新・国籍法が、採択が未定のまま延期されて再審議へと押し戻される格好となりました。

 ――――

 事態はいよいよ正念場を迎えた、といっていいでしょう。「2ちゃんねる」などを中心とする反対派としては、ここからの頑張りが肝心です。

 こうした市民レベルの反対運動に動揺していないのは、同改正案の成立を最も積極的に推進してきた、創価学会を背景とする公明党くらいのものでしょうね。

 ともあれ、伝播力と奇抜にして有効な発想が集まり、それが素早く具体化されていくという点において、改めてインターネットのパワーを思い知らされました。

 これに対し、プロの政治団体が事実上、何も出来ずに現実から取り残されているに等しい状態にあります。痛快といえば痛快です。



 ――――


 【追記1】「5日の参院本会議で法案成立の見通し」というニュースが出ました。付帯決議を加えるとのことですが、これは法運用にあたって拘束力としての機能が期待できないものであるうえ、肝心のDNA鑑定についても「DNA鑑定導入の当否を検討」と明記するにとどまっています。ザルです。断じて許すまじ。(2008/12/03/15:03)

 ●国籍法5日に成立 自民、民主が付帯決議合意(共同通信 2008/12/03/12:29)
 http://www.47news.jp/CN/200812/CN2008120301000390.html


 ――――


 【追記2】てやんでー畜生。私はまだまだ道化で粘ります。今日は私用で江戸情緒の残る人形町へと久しぶりに足を伸ばしたので記念撮影。ついでに香港在住時代に出張で来日しては足繁く通っていた懐かしの箱崎まで散歩して記念撮影。ちなみにインナーは東突の旗を並べたTシャツです(笑)。

 話しかけてきてくれた人には両面印刷のビラ2枚(上の1&2番目、3&5番目)を進呈しました。戦果は行軍中に8名、喫茶店で1名。ちなみに記念写真はどちらも交番の前でお巡りさんに撮ってもらいました。お忙しい中の御協力、本当にありがとうございました。m(__)m(2008/12/03/18:22)

 





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「上」の続き)


 14時すぎから、東武浅草駅前に展開してのビラ配りがスタート。参加者一同の中で、たぶん私が最も主題に則した出で立ちだったと思います。こんな感じです。↓


 


 命中率が低いビラ配りをやる以上、また「一般人向け宣伝オフ」である以上、最低でもこのくらいやらないと訴求効果は薄かろう、というのが私の考えです。恥ずかしいかも知れないけれど、まずは自分を道化にするくらいの覚悟が肝要。

 実際、「そのプラカードあるといいですね」と言ってくれた参加者の人もいましたし、言葉数が少なくとも、

「これ。これ見て下さい」
「お忙しいところ済みません。この最初の行だけでもちょっと読んで頂けますか」

 という形で誘導してビラを手にしてもらったり、あるいはプラカードに目を留めて立ち止まって話をしてくれる人などもいました。何事も「つかみ」が大事です。その意味で私の格好が効果的だったのか裏目に出たのかはわかりませんが、スタッフの方から最初に頂いたビラは短時間で配り終えました。

 また、私のポジションの逆サイドに喫煙スポットがあり、常にタバコをくゆらす人が絶えなかったのですが、ビラ受け取りを拒否したその人たちでも私の方をチラチラ見てくれるので、通行人のいないときは意識してそちらを向いて立つようにしました。

 自分を道化にして主題に則した格好だったために、結構写真も撮られました。……ええ、ちょっと離れたところから若い人たちに携帯で(笑)。一座の中で私が余りに目立っていたのか,単に基地外がいると思われたのかはわかりません。ただ同じ場所で競馬新聞を無料で配っていたお兄さんまでが寄って来て、

「写真を撮ってもいいですか?」

 と言うので内心閉口しつつも快諾し、顔だけはビラで隠して御要望にお応えしました。

「俺の方は時給もらってやってるんですけど、そちらはボランティアでしょ?大変ですねえ」

 と、ねぎらってもらったので嬉しかったです。

 ただし、ビラ配りはあくまでもビラ配り。予想通り、通行人の半分以上がビラの受け取りを拒んでいきます。ビラを手にとってくれた人でも、読んでくれるかどうかはわかりません。何はともあれ、まず受け取ってもらうことが第一です。

 このビラで面白かったのは、主催者の用意したビラの一部にミルクキャンディがホチキスで留めてあったことで、これはよく考えたものだと感心しました。主催者の事後報告にも、

「今回凄まじい効果を発揮したのは『飴』です。受け取り率がぐんとあがりました。飴目当てで受け取った方もちゃんとチラシを読んで下さっていたので、正に飴様々、と言った所でしょうか。」

 とありましたが、私自身についていえば、これはカナーリ誇張気味で、飴があろうとなかろうと「命中率」に差はありませんでした。「凄まじい効果」を発揮したケースが本当にあるなら、それは非常に素晴らしいことです(笑)。

 ――――

 さもありなん、と思うのは、スタッフはじめ多くの参加者が一点に立ち止まって、

「国籍法の改正案について、重要なお知らせです。お願いしまーす。お願いしまーす」

 と通行人にビラを差し出していたことです。それなら些かのキャンディ効果はあったかも知れません。私はその点、人間が軽薄に出来ていますし腰が軽いものですから、お昼のテレビ番組の街頭レポーターの如く、あるいは歓楽街の呼び込みのようにして、プラカードを示しながら通行人について歩いたりもしました。

 もちろん闇雲にそうした訳ではありません。私には香港在住時代の一時期、「なんちゃって漢方医」を演じていたという黒歴史があります(笑)。日本人団体観光客を相手に、舌先三寸で原価1000円の漢方薬を2万円で売りつけるというあこぎな商売で月600本くらい売っていた過去があるので、その経験値とカンでスルーするか粘るかを判断していました。

 まあ、粘ってもせいぜい3割くらいの人がビラを受け取ってくれるのみですが、とにかく今回の状況下では結局のところ配った者勝ちですから、3割ならチャレンジする価値が大いにあります。ビラ配り全体の命中率にしてもまず5割には満たないのですから、3割打者は無視できないのです。

 【追記】誤解を招かぬよう書いておきますと、ビラ配りのとき、私にも定位置があって大抵はそこで配っていたのですけど、脈があるかもと思ったときのみ粘りに入っただけです。話しているうちに気分のほぐれてくる方もいますからね。要するに臨機応変。終始通行人につきまとってウロウロしていた訳ではありません。(2008/12/02/02:41)


 もんのすごーい剃り込みの入った、昔でいうヤンキーのお兄ちゃんに喰いついて、プラカードを示しつつ中国人犯罪の話から入って説明したら大人しく話を聴いてくれて,最後にちゃんとビラを受け取ってくれたときはさすがに驚きましたけど。……いや、人は見かけによらないものです。

 それから、他の参加者から受け取った、私が配っているものとは違うビラを手にしている人には必ずスーッとすり寄って、

「せっかくですから、これも持っていって下さい。この2枚でワンセットなんで。両方読むと凄く良くわかりますから」

 とソツなくフォローしてビラを渡しました。いや実際、私が自分で両面印刷したように、1枚だけだと片手落ちな内容になってしまうので。

 呼び止めるときの第一声は「お忙しいところ申し訳ありませんが」が私のセオリーでしたが、相手の様子を見つつ、お婆さんなら「おばさん」、お爺さんなら「おじさん」、30代くらいなら「お兄さん」「お姉さん」と使い分けました。……ええ、テレビの街頭レポーターの如く、歓楽街の呼び込みの如くです。

 ところが、スタッフの方々からみると私の配り方は規則違反らしく、

「すみませんけど、歩きながら説明するのはやめて下さい。イメージが悪くなりますから」

 と、釘を刺されてしまいました。そりゃ、定点で棒立ちになって「お願いしまーすお願いしまーす」とやっている人から見れば、私のフレキシブル?な配り方は下品で軽薄なのかも知れません(笑)。

 でも「イメージが悪くなる」というのは、一体誰のイメージが悪くなるんだろう?という素朴な疑問が胸中に広がりました。ビラに共感してメール&FAX戦法に加わってくれる人はいるでしょう。現に私のビラを受け取ってくれた若い人で、

「僕もFAXを送っています。頑張って下さい」

 と激励してくれた人もいました。しかし逆にビラを拒否する人には、何も期待できない訳ですから。……それでも記憶に残るかどうかはともかく、プラカードを見てくれていた分だけ、何もしないよりマシだと思うのですが。

 付言するなら私の場合、ビラ受け取りを拒む人はみんな手を横に振ったり「すみません」「いいです」「急いでいますから」と言ったりして、明確に意思表示してくれましたし、不快感や反感を露わにする人は一人もいませんでした。「イメージが悪くなりますから」と言われて、

「お前らこそスタッフのくせにプラカードひとつ下げていないっていう馬鹿さ加減を何とかしろ」

 という言葉がすぐさまスタンバイされたのですが、むろん腹中に留め起きました。

 ――――

 もうこの辺りで私のモチベーションが一気に低下してしまいました。時計を見ると16時近く。

 そのとき、例によってフレキシブルな説明を行っている私の背中に、自転車が突っ込んできました。ブレーキをかけていたので私の方は痛くもかゆくもなかったのですが、このときにスタッフの方から、

「自転車にはぶつからないようにして下さい」

 と言われたので、不肖御家人もさすがにキレました。……といっても、

「あの、私が自転車にぶつかったんじゃなくて、自転車がぶつかってきたんですけど。それに私は背中に目がついていませんし」

 と普通の語気で切り返したのみです。でもそのときにはもう、こういう馬鹿な連中と一緒に活動するという愚劣な体験は十分積んだし、これ以上は時間の無駄だし。……という気持ちに私はなっていました。



 【内容】ネットを見ない層に「知らせる」事を目的に、ビラ配り・今回の問題の説明・請願書のお願いをします。

 【持ち物】各自印刷したチラシ。+αもOK、
最悪手ぶらも可



 ……と今回のイベントの事前告知に書かれていたことが象徴するように、また、

「飴つきビラが凄まじい効果を発揮」

 と主催者の事後報告が強調しているように、「一般人向け宣伝」が主題なのに、実際には基本アイテムといえるプラカードすら全く準備もせず、ただただチラシを配ることだけしか眼中にない(追加された事後報告完全版?もチラシチラシの一点張り)。……といった、マーケティングの基礎すらカケラほども持ち合わせていない手合いとこれ以上道連れになるのはもう勘弁、と私は思いました。そして、思い立ったが吉日とばかりに主催者の方のところへ行ってビラを差し出し、

「何だか私がいると皆さんに御迷惑がかかるみたいなので、ここで失礼します」

 と告げました。驚いたのか件のスタッフの方も駆けつけてきたのですが、

 ●皆さんのやっていることは素晴らしいけれども、ただビラを配るだけで訴求効果という観点が全く欠落している。
 ●そういうセンスのないイベントに私個人はついていけないので途中離脱させてもらう。
 ●別に咎められたから気を悪くした訳ではないので、誤解しないでほしい。
 ●これからも皆さんで頑張ってほしい。応援しているから。

 といったことを話して、その場を離れました。最後に,例の競馬新聞のお兄さんにデジカメを渡して記念写真を撮ってもらいました。上にある私の現場写真がそれです。

 私は、国籍法改正案が参議院で正念場を迎えているこの時期に、アリバイや思い出作りのために今回のイベントに参加した訳ではないので、これで賢明だったと思います。主催者の事後報告によれば、配られたビラは最低500枚以上とのこと。これを大本営発表と考えずに実数としてみれば、3時間を費やして1500名前後の通行人を相手にこの成績ですから、参加者の皆さんの奮闘ぶりに拍手を送りたいと思います。

 ただ、果たして持っていってくれたビラの何割が真面目に読んでもらえるか、またビラ配り一点張りの視野狭窄な段取りによる機会喪失を考えると、私は手放しに喜んでいいものとはいえないと考えます。

 主催者の方,スタッフの皆さんは準備等をはじめ色々苦労なさったことでしょうが、突き放した物言いをするなら、主催者側が苦労するのは当たり前のことです。苦労した甲斐のあるものにできるかどうか、それこそが肝心ではないかと。いくら一生懸命準備しても、頭の使いどころが悪ければ報われませんから。

 じゃあお前がスタッフになってみろ、と言われそうですが、私はいつもここでブログの主催者をやっていますので。平時4時間・非常時6時間の記事漁りを毎日やって(私の体調の良好なとき)、出鱈目が売りである御家人レベルの中国観察を代行してくれるというのなら、私は喜んでスタッフに加わります。

 ――――

 さて、独りになった私は、プラカードを首から吊したまま、とりあえず隅田川を眺めたかったので吾妻橋を渡りました。すれ違う人たちがチラチラと私のプラカードに視線を送ってくるのですが、刹那の間合いですから頭に入ったりはしないでしょう。

 ……と考えて、それじゃ独りだけオフをやろうと思い立ちました。上に書いたように、私はアリバイや思い出をつくるために今回のイベントに参加した訳ではないので、まだ不完全燃焼のままだったのです。

 それならいっそ、こうしてプラカードを胸に掲げたまま、道化に徹して人通りの多いところへ繰り出そうと決心しました。単独徒歩行軍オフのスタートです。

 吾妻橋を渡ってから道なりにぐんぐん歩いていくと、いつの間にか両国を超えて、錦糸町に通じる四つ目通りの交差点に達していました。それじゃあ、と錦糸町の駅まで行軍して駅構内に入り、プラカードを外してその上にある家電量販店で無駄に消耗させてしまったプリンターのインクタンクを買いました。

 ここから地下鉄で自宅方向へ帰ることもできたのですが、まだ物足りないので改めてプラカードを装着して京葉道路を両国まで歩き、両国橋で隅田川を再び渡って、あとは派出所に出くわせば道を尋ねつつ地下鉄の田原町駅に出ました。そのまま浅草通りを直進して上野へ行き、アメ横を抜けてから中央通りに入ってひたすら前進。

 もちろん、ただ歩くだけでは本物の道化になってしまうので、アピールしないといけません。そこで喫煙スポットがあればそこで一服したり、交差点で赤信号に出くわせばちょっと半身に構えて他の通行人にプラカードを読んでもらう、といったことに努めました。

 最後に末広町まで歩いたので、アキバの中心街であるここから万世橋までを道路の右側、左側と一往復。これで気が済んだのでとりあえず喫茶店で一服して小休止しました。もちろん窓側の席でプラカードは外に向けて立てた状態です。そのあと地下鉄で帰途に就きました。

 思えば馬鹿なことをしたものですが、どうも宿痾持ちと関係があるのか、先日の「チベットおじさん」の一件と同様に、私は平気で道化になることが出来るようになりました。

 ずいぶんな距離を歩いたので、話しかけてくる人もいました。特にアメ横から中央通りの辺りでそういう人がいて、ビラはありませんから口頭で説明しました。御年配の方が多く、親身に話を聴いて頷き,賛意を示してくれたりしたので嬉しくなりました。

 アメ横あたりだと、誰かが私に問いかけて、私が話し始めると何人かが足を止めて私の前を半円状に取り囲んだりするので、何やら大道芸人か蝦蟇の油売りかバナナの叩き売りか、といった雰囲気になって面白かったです。単独徒歩行軍の訴求効果は、もしかすると上の「一般人向け宣伝オフ」に劣らないものだったかも知れません。

 最後に、迷った先々で親切に道を教えてくれた派出所の警官の皆さんに感謝します。

「ありがとうございました。いつもお疲れ様です」

 とお礼を言うと、派出所に詰めていた3人のお巡りさんがパッと笑顔で敬礼してくれたり、

「気をつけてね」

「3番目の信号だから、間違えないで下さいね」

 と優しく声をかけてくれたりしました。なにぶん私は単細胞ですから、それが励みになって、つい嬉しくて歩き過ぎてしまったようです(笑)。

 振り返ると、お巡りさんの笑顔と、アメ横付近で見物人が増えて辻説法のようになったことが、いまも印象的なシーンとして浮かんできます。いやー、疲れましたけど歩いてよかったです。

 甲斐が、ありました。





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