なまはげが女風呂に乱入、3年間出入り禁止に 秋田
(2008年1月12日(土)10:31 朝日新聞)
男鹿温泉郷では毎年、大みそかの夜に周辺2町内会の青年らが宿泊施設などを回っている。事態を受け、温泉郷周辺の町内会長らが協議。問題を起こした町内会のなまはげの温泉郷への出入りを3年間禁止することなどを決めた。
関係者の話によると、大みそかの夜、周辺町内会青年ら数人がなまはげ行事で家々を回った後、午後8時半すぎに旅館のロビーで宿泊客らになまはげの振る舞いを見せていた。その時、20代の男性が扮するなまはげがその場を抜け出し、女性大浴場に乱入。洗い場にいた女性客数人の体を触ったという。
すぐに被害者家族から旅館側に連絡があり、問題が発覚した。男性は酒に酔った状態だったという。
よくないことではあるのですが、祭りとか縁起物というのはもともと日常生活から逸脱した場を楽しむものですし、しかも旅館街はそれを売りものにして客を呼んでいるのでしょうから、all or nothingで「出入り禁止」で済ませてしまうというのはどんなもんなんでしょうか。
日本各地にはけが人や場合によっては死者が出るような祭りもありますが、そういう祭りは参加者を危険を承知している地元の人に限っていて、観光客は見物だけしかさせません。
今回も客商売として受け入れられる限界をコントロールするのは旅館側の仕事でもあると思います。
極端な話、なまはげを見てお客さんがひっくり返ったり心臓発作を起こしたりしたときも、すべてなまはげのせいにするのでしょうか。
町内会がなまはげ役にいちいち「女湯には入るな」などと禁止事項を伝えるにも限界があると思います。
妙に禁止事項を増やすと、それにもれたことが起こると規則の不備だと文句を言われそうです。
逆に子供がいるのにウチにはなまはげが来なかった、これはいじめ・村八分だなどというクレームを心配しだすと、あらかじめ「○月○日までに住民登録をしているX歳以下の子供のいる家に行きます」などと広報をしたり、訪問したのに居なかった場合はクレームを恐れて宅配便のように不在票を置いてきたりなどしないといけません。
また、先の心臓発作のリスクを考えると、あらかじめ家族全員の医師の診断書がある家にしか行かない、ということも考えられます。
町内会はふたつあっても、大晦日のイベントはなまはげしかないわけで、「出入り禁止」ではイメージダウンを回避したことにはなっていないように思います。
企業不祥事で従業員や外注先のせいにして事足れり、とはいかない事が多いのと同じですね。