日銀総裁、村上ファンドへ1千万円 就任後も拠出
(2006年 6月13日 (火) 21:37 朝日新聞)
日本銀行の福井俊彦総裁は13日、証券取引法違反(インサイダー取引)容疑で逮捕された村上世彰容疑者が代表を務めていた「村上ファンド」に1000万円を投資していたことを明らかにした。富士通総研理事長だった99年秋に、村上前代表の「志を激励」するとの目的で、同総研有志数人と1000万円ずつ拠出したという。福井総裁は、数カ月前に解約を申し出て受理されたと説明。政府・与党は責任を問わない構えだが、野党には辞任要求や小泉首相の任用責任を追及する動きもある。
日銀には(1)日銀内部で知り得たインサイダー情報について利殖活動を禁じる、(2)株式投資などについて事後に報告する、との内規がある。過去の職歴や現在の立場などに照らし、「世間からいささかなりとも疑念を抱かれることが予想される場合には、個人的利殖は慎まなければならない」とも定めている。 日銀は13日午後「服務ルールに違反していない。また、ファンドへの拠出から得た所得などはルールに基づき適正に報告されているものと認識している」とコメントした。
今朝は日本中がサッカー解説者でしたが、明日は日本中が証券等監視委員会になるのではないでしょうか。
私自身は、就任前の日銀や公的立場に関係ないとき村上ファンドであろうが何であろうが自由ですが、日銀総裁になるときに資産運用は凍結すべきだった(最悪でも信託に入れてまかせっきりにするとか)と思います。
投資金額や利益の多寡や投資先の問題ではないと思います。
「李下に冠を正さず」といいますが、日銀総裁がたかだか1,000万でとやかく言われるリスクをとったというのも相当脇が甘い・・・
上の日銀のルールも相当甘いですよね。
外資系証券会社などでは3親等内から株の売買はしないという念書をとるところもあるとか(未確認)
結局旧世代の価値観人だったということなんでしょう。
ひょっとすると阪神ファンの福井総裁は、村上氏から将来のタイガースのオーナーの座を約束されていたとか(時期が違うかw)
PS
自民党の閣僚も、これがアウトだとすると自分にも火の粉が降ってきそうなので責任追及はできないんでしょうね。
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<追記>
昨日今日と巨人の小関選手と都電荒川線の「今週の二大わき見」に関心が集中していたのですが47thさんに引用いただいていたので、改めて読み直してみると、このエントリこそ脇が甘い、と冷や汗をかいております(^^;
村上ファンドへの出資は(契約内容・出資形態次第ですが)、おそらく「ファンド」という以上投資一任をしているのでしょうから、福井総裁の裁量は及ばないわけですね。
そうであれば、持ちつづけること自体はルール上は問題はないかもしれません。
また、信託もコストを考えれば確かに現実的ではないです。
だとすると、問題は
①2月になぜ解約したのか(契約上することができたのか)、ということと、
②投資一任であったとしても、以前アドバイザーであったことなどを考慮すると、日銀総裁に就任した時点で解約し(2月にできるならそのときも多分できたはず)「李下に冠を正さず」でいくべきだったのではないか、
という、個人の倫理観の問題のように思います。
本文にも書いたように「村上ファンドに出資した」ことや「結果的に儲けたこと」は関係がないと思います。それはやっかみの世界です(だからこそ「李下に冠」なのですが)
逆に、親から相続した不動産や株や現金をたんまり持っていて、退任後の生活に全く心配はなく、資産運用など全く必要ない人が日銀総裁になったとしても「このひとなら安心」などと持ち上げられるはずはなく、今度は「庶民の気持ちが理解できない」とかって非難されるのがオチでしょうから。