アメリカ放浪、ボブ・ディラン・スクラップブックを買った(2007.9.17)

2007-09-17 17:11:13 | Weblog

*ボブ・ディラン・スクラップ・ブック

久しぶりにアメリカ放浪の話に戻ります。
旅に出ると、すぐに本屋に入りますと書きました。本やレコードは見つけたときに買っておかなければ後悔するという、信念があるのです。外国ならなおさらです。1ヶ月ほど安宿をさすらう旅では、本の量(かさ)そして重さがこたえます。無収入者の貧乏旅行者ですし、我慢、我慢、買わないぞ、が必要なのです。
ある時、日本に帰ってからネット(Amazon.com)で買えばいいことに気がついたのです。本の名前などメモしておけば、いいのだと気づいたのです。
それでもこの旅で、10冊ほどの本、10枚ほどのCD、2枚のDVDを買ったのです。

日本に帰って、すぐにAmazonに注文したのが、Bob Dylan Scrapbook, 1956-1966です。サンフランシスコのCD屋で見つけたものです。
こんな本、私の現役時代なら、銀座イエナにいけば、確実に並んでいました。今、イエナがありません。イエナに代わる洋書屋を知りません。こんな本を丸善は扱いません。
ボブ・ディランは、私が、その昔に、いささか夢中になっていたフォークシンガーです。

この間の、アメリカ南部放浪の旅の目的のひとつは、60年代の黒人解放運動(公民権運動Civil rights movement )の史跡を訪ねることでした。
バーミングハム、モントゴメリー、 燃え上がった運動の現場に立ち、モニュメント、記念館に立ち寄ってゆっくり見て考えてこようと、思っていたのです。
60年代に、激しく衝突した現場は、若い(私と同年代の)フォークシンガーが歌っていたところでもあります。

1963年8月28日、マルチン・ルーサー・キングを先頭にして20万の人々がワシントントン集会を目指しました。ワシントン大行進(Mach on washington)です。

ニューヨークタイムズ(63年8月29日付)の1面の縮刷版があります。

埋め尽くす民衆を前に、マルチン・ルーサー・キングは、有名な“I have a dream私には夢があります”の演説をします。レコードで聞いてさえ、感動を呼ぶ魂の叫びです。その演説の前に、ジョーン・バエズ、ボブ・ディランも20万人に歌いかけます。
わずか23歳と22歳です。今、この年齢、この若さだったのだと、ことさら思ってしまいます。

*ジョーン・バエズとボブ・ディラン(ネットからの写真)
ジョーン・バエズが歌ったのは、We shall over come です。
ここで黒人は勝利し、アメリカ社会は、大きく変わっていったのです。

*Folkways records FH 5502

記録したレコードが出ています。タイトルは、We shall over come (Documentary of the Match on Washington) (Folkways records FH 5502) 。
CDになっているかも知れません。探しているのですがわかりません。

一昨日(9月15日)、7月初めにAmazon。comに頼んでいた“ボブ・ディラン・スクラップブック”が、届いたのです。2ヶ月半かかったのです。
Amazonは,いつもは一週間もすれば届きます。あまりに遅いので8月中旬に問い合わせをしていました。途中で事故でもあったのでしょう。

ただの本や写真集では、ありません。1956-1966の10年間のディランのノートの切れ端や、コンサート・チケット、宣伝チラシが復刻挟み込まれているのです。
本物のコレクションのかなわない私には、まさに宝箱なのです。

ひとつだけ紹介します。ワシントン大行進のステージパスが入っていました。
今でいえば、首からつっているスタッフ証です。おお、これが本物かと感動したのです。むろん、レプリカですが。

 *左は、ワシントン大行進のステージ・パス 右は、風に吹かれて の歌詞を書いたノート。
*ジョーン・バエズ、♪We shall over comeを歌う。(ネットからの写真) 

家人が留守の今日、さっきギターを出して、胸のポケットにステージパスを入れて、♪We shall over come を、声をはりあげて歌いました。
その昔、大阪で歌っていたようにです。もう40年も前のことです。

   【えらそうなおまけ】

*けっこうたくさん本の名をメモしてきましたが、例えばカリフォルニア大学バークレイ校の生協の本屋で、メモした60年代の同校での社会運動関連の本の4,5冊など、2ヶ月たった今、一冊も注文していません。結局、不要な本ということなのでしょう。

*やっぱり本というものは、出合った、見つけた瞬間に衝動的に買うというのがいいのです。本との正しい出会いなのです。