ボーダーの人は、 親密性を求めると同時に それを恐れています。
愛情を望みながら、 相手にコントロールに与えることに 我慢がならないのです。
結局、 愛する人は去っていってしまいます。
ボーダーの人は、 相手がいなくなったら 自分も存在しなくなると感じるのです。
自立と依存のバランスは 誰もが直面しますが、
ボーダーの人は、 15メートルの綱の上で、
(自尊心も希望もなしに) バランスをとっているようなものです。
※ アクション・ステップ10 沈没船のアクション・ステップ
まず、 あなたがひどく嫌っている人を 思い出してください。
その人の最も憎いときを 想像してください。
次に、 クルーズ休暇中のあなたを想像してください。
クルーズ船は 座礁して沈み始めます。
救命胴衣を付けて 船から脱出しますが、 周りには何も見えず、 ひとりぼっちです。
不安と渇きに襲われ、 助けを求めて叫びます。
夜になり、 やがて朝がきます。
すると、 ボートが近づいてくるのを目にします。
しかしそのボートでは、 軽蔑するあの人間があざ笑っています。
彼は、 あなたを助けるか、 そのまま置き去りにしていくか 決められるのです。
仇 (かたき) が自分を助けようとする時 どう反応するか、
下記のコメントに 幾つでもチェック印をつけてください。
矛盾があっても構いません。
1. 「あいつに助けられるくらいなら 溺れ死んだほうがましだ」 と考える。
□ 全く反対
□ 反対
□ 賛成も反対もしない
□ 賛成
□ 前面賛成
2. 歯ぎしりしながらも口をつぐみ、 船によじ登る。
□ 全く反対
□ 反対
□ 賛成も反対もしない
□ 賛成
□ 前面賛成
3. その嫌な奴のボートに乗り込み、
陸地に安全に戻ったら、 こいつに本音を言おうと 心に誓う。
□ 全く反対
□ 反対
□ 賛成も反対もしない
□ 賛成
□ 前面賛成
4. 救出されたことをただ感謝し、 誰のボートだったかは忘れる。
□ 全く反対
□ 反対
□ 賛成も反対もしない
□ 賛成
□ 前面賛成
ふたつの全く正反対の反応に 引き裂かれたという感覚を感じたとしたら、
ボーダーの人が慢性的に感じている、
アンビバレンス (双極価値の間の葛藤) の感覚です。
ボーダーの人が 首尾一貫性を欠いた行動をし、
意見や希望を 頻繁に変える理由のひとつです。
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕