「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

葛藤 (双極価値=アンビバレンス) の感覚

2015年03月28日 21時48分19秒 | 「BPD 実践ワークブック」より
 
 ボーダーの人は、 親密性を求めると同時に それを恐れています。
 
 愛情を望みながら、 相手にコントロールに与えることに 我慢がならないのです。
 
 結局、 愛する人は去っていってしまいます。
 
 ボーダーの人は、 相手がいなくなったら 自分も存在しなくなると感じるのです。
 
 自立と依存のバランスは 誰もが直面しますが、
 
 ボーダーの人は、 15メートルの綱の上で、
 
 (自尊心も希望もなしに) バランスをとっているようなものです。
 
※ アクション・ステップ10 沈没船のアクション・ステップ
 
 まず、 あなたがひどく嫌っている人を 思い出してください。

 その人の最も憎いときを 想像してください。
 
 次に、 クルーズ休暇中のあなたを想像してください。
 
 クルーズ船は 座礁して沈み始めます。
 
 救命胴衣を付けて 船から脱出しますが、 周りには何も見えず、 ひとりぼっちです。
 
 不安と渇きに襲われ、 助けを求めて叫びます。
 
 夜になり、 やがて朝がきます。
 
 すると、 ボートが近づいてくるのを目にします。
 
 しかしそのボートでは、 軽蔑するあの人間があざ笑っています。
 
 彼は、 あなたを助けるか、 そのまま置き去りにしていくか 決められるのです。
 
 仇 (かたき) が自分を助けようとする時 どう反応するか、
 
 下記のコメントに 幾つでもチェック印をつけてください。
 
 矛盾があっても構いません。
 
1. 「あいつに助けられるくらいなら 溺れ死んだほうがましだ」 と考える。
 
 □ 全く反対
 
 □ 反対
 
 □ 賛成も反対もしない
 
 □ 賛成
 
 □ 前面賛成
 
2. 歯ぎしりしながらも口をつぐみ、 船によじ登る。
 
 □ 全く反対
 
 □ 反対
 
 □ 賛成も反対もしない
 
 □ 賛成
 
 □ 前面賛成
 
3. その嫌な奴のボートに乗り込み、
 
  陸地に安全に戻ったら、 こいつに本音を言おうと 心に誓う。
 
 □ 全く反対
 
 □ 反対
 
 □ 賛成も反対もしない
 
 □ 賛成
 
 □ 前面賛成
 
4. 救出されたことをただ感謝し、 誰のボートだったかは忘れる。
 
 □ 全く反対
 
 □ 反対
 
 □ 賛成も反対もしない
 
 □ 賛成
 
 □ 前面賛成
 
 ふたつの全く正反対の反応に 引き裂かれたという感覚を感じたとしたら、
 
 ボーダーの人が慢性的に感じている、
 
 アンビバレンス (双極価値の間の葛藤) の感覚です。
 
 ボーダーの人が 首尾一貫性を欠いた行動をし、
 
 意見や希望を 頻繁に変える理由のひとつです。
 
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕
 
コメント
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