ボーダーの人たちを、
低機能で 自分に向かって 行動化 (アクティング・イン) するタイプから、
高機能で 他者に向かって 行動化 (アクティング・アウト) するタイプへの
連続体でくくります。
ふたつのタイプは、 大幅に異なるので、
まるで 2つの違った障害であるかのようですが、 純粋な対極関係なのです。
ボーダーの人は普通、 ひとつのタイプが優勢ながら、 ふたつのタイプの混合体です。
○ 高機能BP
このタイプの人は、 働くことができ、 自傷行為や自殺企図をしたりせず、
よそでは正常という 仮面を被っています。
しかし、 家族といると 暴れたり、 激怒, 非難したりし、
自分の低い自己価値感を 相手に投影します。
自分以外に問題があると 信じており、 専門家の助けは求めようとしません。
子供の高機能BPは、 成績優秀で 色々な才能を持つ 優等生です。
しかし、 1ヶ月以上 同じ人と親友であることはなく、
服で隠れる部分に 沢山の傷があります。
ノン・ボーダーの人に 自尊心を失わせ、 BPに依存しているように感じさせ、
恐れや心配を感じさせます。
○ 低機能BP
このタイプの人は、 障害者補助を受けていたり、 失業していたり、
自分の能力に見合わない 低いレベルの仕事についているかもしれません。
自傷行為や自殺企図, 自己批判, 薬物乱用などで、
苦痛に満ちた恥の感情に 対処します。
自分に問題があると自覚し、 プロの助けを求めます。
このタイプの例は、 マリリン・モンローです。
○ 両タイプの特徴を示す人
ふたつのタイプの真ん中、 あるいは
一方に少しだけ偏ったところに 位置する人です。
いい例は 故・ダイアナ妃で、 摂食障害, 自傷行為, うつ状態と闘う一方で、
公の場に登場し、 慈善事業を行ない、 二人の息子を育て上げたのです。
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」
(星和書店) 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕