○ 捨て子
・ 典型的な思考
「私は価値のない犠牲者です。
愛されたいし保護されたいと 強く望みますが、 その価値はないのです。」
「コップは半分 空であるうえに、
掃除したばかりの床一杯に 今にもこぼれそう。」
・ 典型的な感情
救いのない感じ, 希望の欠如, 絶望。
激しい怒りは 悲しみと抑うつでカバーされていますが、
拒絶や見捨てられることで噴出します。
自分を、 過ちと失望とねじ曲げ, 恥辱の状態へつなげてしまいます。
傷つきやすく、 自分には欠陥があると感じ、
不安で気分が変わりやすく、 理屈に合わないほど臆病なのです。
・ 典型的なふるまいと中心的ジレンマ
人が 「救ってくれる」 ことを期待しますが、
救われないという気持ちに 安心感を得るので、 結局は援助を拒否します。
誰も信用せず近づけなければ、 コントロールを維持でき、
誰も 「捨て子」 たちを見捨てることも 失望させることもできないのです。
自分自身を傷つけるかもしれませんが、
自分が拒否されたとか 見捨てられたと感じたら、 激怒する力もあります。
必要とするものを求めないので、 他人には心を読むことができず、
望むものを与えられないため、 殉教者のように見えます。
泣いてばかりいる期間が 存在しかねず、 他人を育んでやることができません。
〔「境界性人格障害=BPD 実践ワークブック」 (星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉 より〕