境界設定の心の準備をする 3つのポイントがあります。
・ FOG (霧)を避ける。
恐れ(fear), 義務感(obligation), 罪悪感(guilt)の
頭文字です。
・ 自分自身の知覚, 感情, 意見を大事にする。
・ BPDの人が境界を超えるのを 許したり、 彼らを救い出したりしない。
○ FOGを避けること
FOGは 皆さんの視線を曇らせてしまいます。
《関係を失うことへの恐れ》
ここで取り上げるのは、 人間関係を失うことへの恐れです。
BPDの人は 障害はあっても、
聡明で、 愉快で、 愛情が深く、 美しく、 素晴らしい人です。
BPDの行動が その人の中心的部分だということを、
受け入れるのは大変なことです。
BPDの人の虐待的な行動から 我が身を守るために、 私たちは妥協してしまいます。
それはBPDの人にとって 報酬となります。
私たちは次第に 自分の境界を後退させ、 相手の侵入を大目に見たり、
虐待的な行動も容認できると 自分を納得させるようになるのです。
non-BPDの女性が、 自分自身の時間や 友人関係も必要だと言うと、
BPDの彼氏は、 彼女のもとを去って、 嘘や噂を言いふらし、
彼女の生活をだめにしてやる と言います。
しかし彼女は 彼を失うことを恐れ、
彼がどれほど素晴らしい人間か、 他の人たちにも理解してほしいと 思うのです。
虐待のサインには、 生活の指図をする, 家族や友人から孤立させる,
金銭を管理する, 相手が虐待していると批難する, 嫉妬深く独占する,
暴力を振るう、 などがあります。
皆さんは沈黙を守ることで 本人を 「助けている」 と考えるかもしれません。
しかし、 専門家の支援を ただちに受ける必要があります。
ストックホルム症候群を思い出してください。
(5月27日の記事の後段: http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/64069507.html )
助けを求めないと、 結果は悲劇的になりかねません。
〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕