「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界について話し合いましょう (1)

2014年07月31日 22時05分25秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
 本人との話し合いは、 何カ月にもわたるでしょう。

 境界をイベントとしてではなく、 プロセスと考えてください。

 最初はひとつかふたつの境界で ゆっくり始めましょう。

○ 安全第一

 BPDの人を説き伏せようとするのは 悪い考えです。

 いつも安全第一です。

 虐待的な振る舞いを 大目に見てはいけません。

 境界を設ける方法には 幅があります。

 その部屋から出ていくという方法も、 救急車を呼ぶという方法もあるでしょう。

 誰かが暴力的になったときには、 身の安全を守ることが重要です。

 目をつぶっては、 事態をエスカレートさせるだけです。

○ DEARテクニックを活用しましょう

 BPDの人とのコミュニケーションのための、 一連のスキルが 「DEAR」 です。

 描写する (describe), 表現する (express),

 主張する (assert), 強化する (reinforce) の頭文字です。

 共感的に認め、 障害の生物学的理由, BPDの人が感じる 羞恥心と恐れなど、

 すべて心に留めておくことは 重要です。

描写 (describe):

 事実に基づき、 感情的にならず、 その状況を 目にしたように述べてください。

表現しましょう (express):

 その状況に何を感じているか、 どう考えているか、 はっきりと表してください。

主張しましょう (assert):

 境界を簡潔に主張してください。

 境界は小規模で、 達成可能であるべきです。

 この境界を 繰り返し述べてください。

強化 (reinforce)

 適切なら、 境界の利点を強化してください。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕