「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界設定の3つの鍵 (2)

2014年07月22日 20時21分46秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
《義務感と罪悪感》

 私たちは家族に対しては、 めったに境界を設定しません。

 人生の全てを 家族に喜んで捧げているようなものです。

 私たちは2つの理由から、 家族に充分な境界を設定しません。

 自己誘発的な罪悪感, 人がどう思うだろうかという 恐れです。

 私たちは、 家族に対して 境界を設ける権利があるとさえ 考えていないようです。

 けれども本当は、

 BPDの家族が 他の誰とも同じ基準に従うべきと 認める責任もあるのです。

 自分自身を労ることは 利己的ではありません。

 要求に対して 無条件に反応する人は、

 あまりにも疲れ、 思いやりを持つことができないのです。

 罪悪感と義務感というのは、 境界を設定する際の 一般的な感情です。

 あまりにも不快なので、 すぐに境界を維持することを 諦めてしまいます。

 あるノン・ボーダーの人はこう言います。

 「境界を設けようとすると、

 本人は何時間かかっても、 私が諦めるまで文句を言います。

 最初の30秒で屈してしまうほうが ずっと簡単なのです」

 FOGを切り抜けるために 最も強力なテクニックは、

 「私は我慢できる」 と 繰り返して言うことです。

 自身と、 人生を統御できるという 感覚が高まります。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕