「境界に生きた心子」

境界性パーソナリティ障害の彼女と過ごした千変万化の日々を綴った、ノンフィクションのラブストーリー[星和書店・刊]

境界設定の3つの鍵 (3)

2014年07月23日 21時37分29秒 | 「BPDファミリーガイド」より
 
○自分の知覚, 感情, 意見を信頼しましょう

 私たちが信じていることを 誰かが絶えず覆そうとすると、

 私たちの信頼は揺らぎ始めます。

 BPDの人は 私たちを孤立させ、 一貫したメッセージにさらし、

 「洗脳」 が生じるのです。

 皆さんの価値観, パーソナリティについて、 否定的な判断をさせます。

 ほとんどの家族が、 境界を設定する際、

 BPDの人から 「利己的だ」 と言われます。

 利己的というのは、 ほとんどのノン・ボーダーの人にとって、

 嫌で堪らない言葉です。

 しかし 皆さんは自分自身の信念を 持つ権利があります。

 その信念が BPDの人と異なっていてもです。

○ 境界からBPDの人を救助するのを やめましょう

 「カープマン・トライアングル」 を思い出してください。
http://blogs.yahoo.co.jp/geg07531/63841545.html

 論争の最中に、 家族のメンバーが、

 被害者, 迫害者, 救済者 (被害者を救う人物) の役割を 交替で演じます。

 ノン・ボーダーの人が 境界を設定すると、

 BPDの人は 自分を被害者役に、 ノン・ボーダーの人を迫害者役に 当てはめます。

 ノン・ボーダーの人は プレッシャーを感じて、 その境界を撤廃してしまいます。

 ノン・ボーダーの人は 迫害者から救済者へと移動し、

 知らないうちに 自分の境界を破滅してしまいます。

 そして ノン・ボーダーの人が被害者, BPDの人が迫害者となっているのです。

 親たちにとって、 罪悪感は 二極間を行ったり来たりします。

 まず 我が子の行動に失望し、 怒りにかられます。

 その後、 子供が自暴自棄になり、 自殺企図や自傷行為が見られるようになると、

 親は震え上がります。

 親は介護モードになり、 我が子を入院させます。

 子供は謝罪し、 親は 治療から我が子を救済します。

 親の罪悪感は軽減します。

 やがて、 子供は再び行動化し、 そのサイクルが繰り返されるのです。

〔「境界性パーソナリティ障害ファミリーガイド」(星和書店)
 〈ランディ・クリーガー著/監訳:遊佐安一郎〉より〕